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Bologna(ボローニャ) 1998/2/28

Bologna(ボローニャ) 1998/2/28 

◆リストランテが見つからない
前泊地はヴェネツイアだった。朝起きてホテルの窓から海を見ると、『ありゃありゃ、霧で何にも見えない』。それまでの3日間素晴らしい天気に恵まれたのがうそのような外の白さだった。
サン・ザッカリアからヴァポレット1番のいわば快速に9時28分乗る。サンタ・ルチア駅に近いフェッローヴィアに着いたらダッシュする人が多い。このときの同行者である長男から『親父もダッシュして切符を買った方がいい』といわれ荷物を託しダッシュしたが、切符売場に並んでいる人はそれほどでもなく10時前には切符を買うことができた。

列車は定刻(10時20分)に出て一路ボローニャに向かう。12時15分ボローニャに着いた。

予約していたホテルは駅のすぐ前だと知っていたが、ホテルへ行く前に翌日長男が乗るミラノ行きユーロ・スター指定券を買う。初めに切符売場に並び順番がきたら『ここではない、予約の方へ行け』といわれる。まず銀行の順番待ちのような券をとる。順番がきたら簡単に買えた。最近は自販機で買えるので今となっては懐かしい思い出だ。

13時少し前にチェックイン。お腹がすいていた(ヴェネツイアのホテルの朝食はお腹にたまるものがなかった)ので定食メニューにしようと決め、旧市街の方へ歩いたが、食の町ボローニャでどうしたことかリストランテがみつからない。ついにあきらめピッツェリアに入る。

食事を終えて店を15時ちょっと前に出た。そこが旧市街の中心地。ポルタ・ラヴェニャーナ広場があり、斜塔がある。この斜塔(2つの塔のうち低い方が本当の斜塔、高い方がアジネッリの塔)に上ることにして行ってみる。入場料一人3,000リラとあるので、前日上ったヴェネツイアの鐘楼に比べると安いからエレベーターはないだろうなと入った。

8年前にパリ、モンマルトルのサクレ・クール寺院を苦労して登ったことを思い出す。少し上がったところの右手に入場料をとるところがあり、6,000リラ払って登り出す。土曜の午後とあって結構来ているらしく狭い階段ですれ違う。かなり登ったところで上に天井があったのでもうすぐかと思ったが壁に26Mと書いてあったのでまだまだだった。

昼のワインもきいている中、息があがりそうになりながらもてっぺんまで行った。結構しんどい。15時15分最上階に着いた。360度の展望は素晴らしい。家並みというか屋根がヴェネツイアと同じく黄色がかった茶色できれいだ。写真を撮ったりして一休みし、降りる。最初の下りがきついので気をつける。最後の入場係のところで大渋滞したもののわずか10分たらずで降りた。

◆マッジョーレ広場
次に本当の中心地、マッジョーレ広場へ。ここには昔の宮殿(ポデスタ宮)、サン・ペトロニオ聖堂、市庁舎、ネプチューンの噴水が広場を取り巻くように建っている。サン・ペトロニオ聖堂は上部が木造っぽい色合いで下がピンクがかった建物。内部は非常にシンプルで広い。

ボローニャはまた古くから大学のあった町としても知られているが、折角だから昔の大学にも行ってみようとどんどん行ったら目指している先が今の大学であることに気づき途中で引き返し、地図を片手に旧ボローニャ大学を探すが結局わからずじまい。

疲れてサン・ペトロニオ聖堂の裏手の小さな広場で一休み。そこにある誰かの銅像が持つ左手のシルクハットの中に鳩がとまっていたのと木蓮みたいなピンク色の花が咲いている木が周りにあったのが印象的だった。

そのあたりはどうもブランドショップ街のようなので、めったにしないウィンドウショッピングをしてみる。同行の長男が4月から新社会人になるのでそのお祝いに黒い革靴を買ってあげることにし、ヴィトンの入っている建物の靴屋で品定め、一応の候補を決める。他もみたいと本人がいうので何軒かあたるが結局元の店に戻り、買いたい旨を伝えて試したところサイズが大きくてあきらめた。

◆ちょっといいリストランテに
夕食の前に一旦ホテルに戻ることにしたが、通りや広場には驚くほどの物凄い人出。雲霞のごとく、という表現がぴったり。話には聞いていたがイタリア人のそぞろ歩きは本当に凄い。ホテルには19時ごろ戻る。随分歩いたことになる。

さて、夕食。長男とは旅行中最後の夜となるので、また折角二人ともジャケットを持ってきていたのでそれなりの夕食にしようということで高田さんという方の書かれた旅行記に登場していた「ノタイ」なるちょっといいリストランテに行くことにした。「ノタイ」のスペルを部屋の電話帳で調べそのメモを持ってフロントへ降り、ノタイとタクシーを予約してもらう。
タクシーで連れていってもらうと、何のことはない、さっきまでいた大聖堂のすぐ脇だった。予約した時間より少し早かったので、イタリア人よろしく近くのバールで食前酒がわりにカンパリーソーダを飲み、5分前に「ノタイ」に入る。
少しお高くとまっているのかそれまでのお店のようなフレンドリーさを感じない。

前菜には郷土料理のものを訊いたらクロスティーニをすすめられた。5種類あったがレバーペーストに少し独特の臭みがある。プリモはスパゲッティ・ポモドーロとタリアッテレ・ディ・ボロネーゼの2種にしたがポモドーロがうまい。セコンドのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは本来フィレンツェで食すべきものだが翌日のフィレンツェからは一人旅。一人前ではオーダーできないかもしれないし、何といっても若い人も居るということで注文する。100g6,000リラ、お勘定から逆算すると800gあった。量も凄いが美味しかった。食後に長男はパンナコッタ、私はグラッパを試してみる。

◆食べる
●リストランテ
お店の名前 Ristorante NUOVI NOTAI,Via Da’ Pignattari, 1 Bologna
食べたもの
クロスティーニ(10,000リラ)
スパゲッティ・ポモドーロとタリアッテレ・ディ・ボロネーゼ(あわせて30,000リラ)
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(48,000リラ)
パンナコッタ(8,000リラ)
グラッパ(8,000リラ)
赤ワインEnrico Valliani(20,000リラ)
コペルト、水、付合わせを含め2人で155,000リラ(チップ込み)

お店の名前 Antico Brunetti (お昼を食べたところ、斜塔の近く)
食べたもの
ラザーニャ
スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ
ピッツァ(いずれも10,000リラ)
コぺルト、コーヒー、水、ハウスワイン、を含め2人で52,000リラ
なかなか味は良かった。

◆泊まる
Hotel Sofitel ★★★★ Twin 18,000円

ミキで予約、旅行代理店でクーポン購入。
駅前で列車利用にはロケーションがいいが市街地まで距離がある。
タクシーで12,000リラ。
Sofitelだけあって部屋も含めいいホテルだった。
ホテル内でコンベンションがあったらしく翌朝ロビーは揃いの黄色いジャンパーを着た人たちでごった返していた。

◆買う
買ったもの ゴルゴンゾーラ・チーズ 10,500リラ

◆読む
本の名前 高田信也著 「イタリア讃歌―手作り熟年の旅」(1995年5月 文藝春秋社)

初めてのイタリア旅行を3週間、個人旅行するにあたって購入、熟読した。
随分参考にさせていただいた。今は文庫版も出ている。

 

Bergamo(ベルガモ) 1998/2/23


◆初めてのイタリア
 初めてのイタリア、初めてのイタリアの街、ミラノでの2日間の滞在のあと、いよいよイタリア20日間の旅の始まりだ(もう2泊終えていたが)。

 ベルガモはミラノから電車でわずか50分弱の近さだ。

今回の旅は正確にはイタリア20泊で、北はミラノ、南はカプリまでの縦断の旅なのでイタリア・フレキシーレイルカード8日間(1等、293ドル)を買ってきたが、ベルガモへ行くのに1日分として使うには勿体ないのでホテルでの朝食後ミラノ中央駅へ乗車券を買いに行く(1人、6,000リラ)。こういう時、駅に近いホテルは便利だ。ついでに駅構内で両替をする。手数料を9.8%も取られびっくりした。

 11:55発のベルガモ行きの電車に乗る。あいにく外は昨日からの雨が続いている。12:41ベルガモ着。

このころには雨はやんでいた。駅に降り立つとまっすぐ前方の小高いところに旧市街の建物が良く見える。いわゆるアルタと呼ばれるところだ。

 まずはホテルへチェックインだが、旅行代理店に何回も催促してもらったきわめて簡単な地図しかないのでキヨスクのおばさんにその地図を見せ、スターホテル・クリスタロ・パレスへの道を教えてもらう。

駅をはさんで旧市街、新市街とも反対側で結構遠かった。コピーの地図が不鮮明なためやや左に進むところを直進してしまったので遠回りしてしまう。この時の旅行は長男と一緒で荷物は大きなスーツケース1個、このスーツケースを押していた長男は結構大変だったと思う。

ようやくホテルの裏に出、前に廻ってチェックイン(駅から25分)。ロビーに入ったときは「おぉー!」と感激したのに4階の部屋に行ったらその狭さにがっかりだ。

◆市内観光へ
 一休みして観光に出かける。また駅まで戻り旧市街までバスに乗ろうとしたが乗り場が分らず新市街バッサの広い通り(ヨハネス3世通り、ローマ通り)を歩く。結構いい街並。

かなり歩いてケーブルカーの駅へ。このケーブルカーで旧市街へ上るのだ。切符の自動販売機があったが釣銭なしとのことでコインを探し出して買う(1人1,500リラ)。

ほとんど誰も待っていないので不安。50という数字が出ていたので50分待ちかと思ったが定員が50人ということがわかり安心した。それほど待たないでケーブルカーが来る。

下車してからは人の流れに乗って歩くと広場に出た。ヴェッキア広場だ。丁度3時の鐘が鳴る。広場の真中に彫刻の動物たちに守られた小さな泉がある。そこから見たコムーネの時計塔が絵になる。


 お昼を食べていなかったのでお腹がすき、ピッツェリアかスパゲッティの店を探したが見あたらない。リストランテならあったのだが、しっかり食べると夕食に差し支える。

(如何に当時イタリア初心者だったか自分でも良く分る。昼間にやっているピッツェリアはない、スパゲッティ専門の店もありえない、ということも当時は知らなかったのだ)


 ガイドブックに載っている観光ポイントを見るため旧市街を歩く。石畳の中世の町、まるで小さなトレドという感じだ。サンタ・マリア・マッジョーレ教会に入る。壁面にはバロック様式の彫刻がほどこされている。ぐるりと廻ったらコッレオーニ礼拝堂。ファサードが見所らしいがあいにく修復工事中で残念。実はこの礼拝堂も教会の一部。

 4時の鐘を聞く。30分ごとに鳴っているようだ。広場に面したバールに入り、座りたいと伝えたら奥へ行っていいという。ここでパニーニとカプチーノを頼む。一休みできた。


◆リストランテというよりエノテカ
 もと来た道を戻りケーブルカーで降りてバスに乗り換える。乗車券は通しのようだ。途中、人だかりのしている屋台の多いところで下車。夜のリストランテを探しながら東西南北に歩くが目にしない。旧市街にあるのはわかっていたがもう戻る気はしない。

ガイドブックにも載っていないので酒屋に入ってワインを買い、ついでにお店を教えてもらうことにした。作戦成功、近くの2軒を教えてくれた。その店をみつけたものの時間が早いせいか開いていない。小さなショッピングセンターみたいな所のバールで自分はビール、長男はオレンジジュースを飲み休みながら時間をつぶす。それからまたそぞろ歩きをしながら他の店も探し回るが、きわめて大衆的なところ、ファミレスみたいなところ、ピッツェリアしかない。


 時間も19時をすぎたので元へもどると、”La Cantina“という灯りがついていたので入って行く。リストランテというよりはエノテカ、酒屋のようだ。そう、”cantina“とは、ワイン貯蔵庫とかワイン小売店(つまり酒屋)とか地下の酒場という意味でその名がズバリの店だったのだ。”ボナ・セーラ!“と入っていったところ、最初は『まだやっていない』とかの返事だったが、『いいよ』と言われホッとする。

奥のテーブル席(そう広くはない)は予約で一杯なので入ってすぐのカウンターでということになった。コの字型の壁3面には何段もの棚にズラッーとワインが陳列というよりは保管されていて酒屋そのもの。

 若い男の子(まさに酒屋の店員風)が注文を取りにきて英語でいろいろ説明してくれる。

 前菜は生ハム盛り合わせと海の幸サラダ、いずれもいける。プリモはスパゲティ(詳しくは覚えていない)とラヴィオリ、セコンドは2人で1品、魚のグリル、少し塩辛かった。食後にチーズを頼む。これは美味しかったが食べきれなかった。ワインは白(ハウスワイン)を1本空け、2本目は赤にしたが流石に飲み切れない。
駅まで歩きタクシーでホテルに帰る。

 ベルガモは丘の上の旧市街アルタでは落ち着いた中世の情緒を味わえ、麓の新市街バッサと対比できる街で、イタリアでは丘の上に多い地方都市の雰囲気も体験でき、ミラノから日帰りもできるのでおすすめの街だ。


◆食べる
■La Cantina(via Ghisianzoni,3 24122 Bergamo)
 ◎前菜2品(24,000リラ)
 ◎プリモ2品(22,000リラ)
 ◎セコンド(15,000リラ)
 ◎チーズ(12,000リラ)
 ◎ワイン2本(32,000リラ)
 ◎水(2,000リラ)
 2人で107,000リラ(ワイン込み)

◆泊まる
■Starhotel Cristallo Palace ★★★★ Twin 14,400円
JHCで予約、旅行代理店でクーポンを購入。
ロケーションが悪すぎる。当時の20泊の中では一番よくなかった。
部屋が狭かったこと、ロケーションの悪さからすすめられない。

◆買う
赤ワイン Rosso di Montalcino 35,000リラ
絵葉書 2,500リラ