◆何とかカプリ島へ

ポンペイを見てからナポリにバスで戻る。

この日はナポリからポンペイへ日帰りで行ったのだが鉄道がイタリア名物ショーペロ(ストライキ)のためバスで往復せざるを得なかった時だ(詳しくは「トラブル」にて)。

この帰りのバスがまた大変、何台か満員で止まらない。ようやく止まったバスにも中学校か高校の生徒で一杯で一瞬乗れないかとも思う。乗れなければカプリには行けないし、ナポリにはもう泊まりたくないし、ローマに戻ってもホテルを探さなきゃならないし・・・。しかし何とか乗り込むことができた。

満員だった車内はそれからいくつめかの停留所で大半がおり、すいてしまう。行きは1時間35分かかったところが帰りは50分ですんだ。

ナポリ・チェントラーレ駅でおりそれから歩いてベヴェレッロ港へ行く。15時10分に着きとりあえず乗車券を買う。8,500リラとやけに安い。

埠頭にはまだジェット・フォイル船は入っていない。ただカプリ行きのみ窓口に出発時刻は表示されていないのが気になり、訊くと「今日のジェット・フォイル船は終わり。15時15分発のフェリーが今出る」と言われ、慌てて走り出航間近かのフェリーに乗り込み、何とかセーフ(運賃が安かったのはフェリーだったため)。


昨日の時点ではソレントからカプリに向かう予定だったがもっと時刻表を確認しておくべきだったと反省する。

絶景のナポリ湾、ヴェスヴィーオを見ながら1時間半の船旅を楽しむ。

16時50分マリーナ・グランデ到着、下船するとめちゃくちゃ寒い。フニコラーレを待っている間も吹き込む風が冷たい。寒いはずの北イタリアから入って2週間余り、最後の南イタリアは相当暖かいだろうと思ったがカプリの何という寒さ!今までで一番寒い。

フニコラーレを降り立っても小さな広場があるだけ(これがウンベルト1世広場)。
ホテルをなかなか見つけることができず何回か行ったり来たりして、お店の人に訊いてようやくわかった。ホテルは外から見るとシーズンオフのリゾートホテルという感じだ。


部屋はシングル、床はグリーンのカーペット、バルコニーつきで海も望め、贅沢だ。ベッドカバー、ベッドの頭のところ、鏡の枠、いずれも同じ色調の花柄。


◆勘定に間違い
 18時少し前に町の様子を見るため出かけ、ウンベルト1世広場のバールでコーヒーを飲む。

一旦ホテルに戻り一休みしてから19時30分にさっき目星をつけていた広場のちょっと先にあるリストランテ“La Salafina”へ行く。先客は2組。前日のナポリで飲みすぎていたのでワインはハウスワインの1/2にし、また魚介類のスープ(Zuppa di pesce)にしようとしたが最低400グラム(多分2人前)というので前日の飲みすぎのため胃腸の回復が万全でないこともあってパスし、プリモで終えドルチェとカプチーノで締めくくる。

お勘定の際、ワインが1リットルになっていたので覚えたてのイタリア語で『勘定に間違いがありますが・・・』と言ってみたところ見事に通じ、勘定書きをサービス料に至るまで訂正してくれた。


リストランテを出たら時計塔の鐘がちょうど21時を打つ。着いた時に17時の鐘、散歩時に18時の鐘、そして今回と4時間に3回も聴いた。


◆まぼろしの青の洞窟
 カプリでの目的は当然のごとく「青の洞窟」。
食事を終えてホテルに戻っても格別することはない。


夕べナポリで白ワイン1本を空け、それまでの長旅(16日間)の疲れも出たのか、夜中に吐くほどひどい酔い方をしてしまい、二日酔いで頭が痛い中、ポンペイ往復がショーペロのため路線バスで苦労して、それからカプリにたどり着いたという長い一日だったので早めに寝ることにする。

 寝ながら風の音が気になる。海からの強い風がバルコニーの扉をたたく。

青の洞窟に入れるだろうか、と思いながらまんじりともせず3時ごろ目がさめ、うとうとして4時頃また眠りにつく。

7時に起きると外はもう明るくいい天気だが波が心配だ。8時過ぎフロントで訊くと「青の洞窟」観光は今日は中止とのこと。残念!


やむなく近くを散策することにした。休業改装中のホテルやリストランテが目立つ。展望台までゆっくりと歩く。シーズンオフで朝ということもあって誰とも行き会わない。
展望台への道は途中で通行止め。今度は方向を変えホテル下の海岸の方へ下ってみたがこれも途中で通行止め。ウンベルト1世広場へ行ってみたが香水を売る店もレモンチェロを売る店もみんな休業中だ。

カプリにこれ以上いてもしようがないと判断してホテルへ戻りチェックアウト。10時のフニコラーレに乗り港に着いたら10時35分のジェット・フォイル船がある。これに乗り(16,000リラ)、ナポリ着11時15分。スピードが速いだけあって、かなり揺れた。

 せっかくカプリへ行きながら青の洞窟に入れなかったのは残念だ。機会があればもう一度トライしてみたい。


この翌年家族で行ったフィレンツェとヴェネツィア旅行、新婚の長男夫婦はヴェネツィアからナポリ、カプリへ行ったが青の洞窟に入ることができ、本当にきれいだったとのことだ。

◆食べる
お店の名前 Ristorante La Salafina(Buca di Bacco)
食べたもの Bucca風前菜(セルフサービスで色々な前菜を楽しめた)、プリモはPennetta alla Bucca(これまたBucca風ということで要するにこの店のオリジナルか名物料理ということだろう、チーズで絡められているためちょっとしょっぱい)、ドルチェ、カプチーノ、ハウスワイン、水で42,000リラ(サービス料込み)

◆泊まる
La Residenza Hotel Capri ★★★★ Single 10,000円

ミキで予約、旅行代理店でクーポン購入。
チェックインの時こちらが名乗るより前に向こうから言われる。
16泊目にして初のバルコニー(テーブル&いす)つき。
リゾートぽいホテルだった。

Capri(カプリ) 1998/3/10~11」への3件のフィードバック

  1. 佐藤春喜

    初めて拝見しました。自分もイタリアが好きでこれまで何回か訪れていますが、カブレーノさんのようには深く入り込んでおらず、興味をもちました。現在仕事を徐々に減らして少しでもイタリア(特にトスカーナやナポリ周辺)に滞在する時間を作ろうと思っております。出来れば、トスカーナの小さな村(例えばPienza)にひと月とか滞在することが夢です。

    因みに、秋にミラノから入りレンタカーで、チンクエテッレ⇒ポルトフィーノ⇒カラーラ⇒ルッカと周りフィレンチェへ行きローマからでる予定です。ルッカには訪れたことがないのでとても楽しみですが、ルッカを一泊にするか二泊にするか、(それによってフィレンチェを2→3泊に、あるいはローマに一泊)迷っています。
    ルッカは小さな町のようですが、二泊してプチ滞在を楽しむか、カブレーノさんだったらどうされるかお伺いしたいです。宜しくお願いします。

    1. cabreno 投稿作成者

      佐藤様
      訪問いただきありがとうございます。また、コメント掲載、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。

      お仕事の時間的制約が少なくなれば、短期間でもどこかに滞在するのがいいですね。
      秋に、レンタカーで周遊されるとのこと、羨ましいです。
      ご質問のルッカ滞在日数ですが、何を目的にされるかでしょうね。
      私なら1泊にしてフィレンツェの日数を増やすか、ローマに泊まります。
      (ローマからの帰国便の時間にもよりますが)

      1. Sato

        ご回答を頂きながら、気づかずにおり大変失礼しました。ルッカは食べ物や町の雰囲気が素敵なようですが、お答え頂いたように今回は一泊のみで様子を探ろうと決めました。様々な地域の情報、これからも楽しみに覗かせて頂きます。
        この度は、ありがとうございました。

コメントは停止中です。