2001/7 Sicilia旅行」カテゴリーアーカイブ

Palermo(パレルモ) 2001/7/24~27


◆行く

シチリア島内での6泊7日の旅、最終目的地パレルモアグリジェントから向かう。ここまでの3日間はタオルミナシラクーサ、アグリジェントと1泊ずつだったが帰国してからの疲れが出ないようパレルモには3泊しゆっくりしよう、と計画したわけだ。

シチリアの旅は逆ルートも考えられたが、最後は連泊したかったこと、パレルモはタオルミナあるいはカターニャよりも見所が多そうだったことからパレルモを最終地とした(結果的には大正解、逆ルートにしてミラノへの帰りをカターニャからにしていたら予定通り帰国できなかっただろう。エトナ山の噴火による火山灰でカターニャ空港は一時閉鎖されていたのだから)。

アグリジェントのバスターミナル(というほど大きくはないが)にて、何回か確認して14時30分のバスに乗る(一人13,000リラ)。2時間のバスの旅だ。

昼までのアグリジェント旧市街観光中も暑かったが外は依然暑そうだ。1時間くらい走ったところで停車したが、丁度向かいの建物にある温度計が36度を示していた。真夏、しかもサマータイムの15時半ごろなのでこの気温は当然かもしれない。

Palermoまであと1時間

 


そこを過ぎてからは車窓からの景色が幾分険しくなったようだ。

左右にごつごつとしたはげた山。その合間を縫うように上って行き、パレルモが近づいてからは一気に下がって行く。16時35分、パレルモ中央駅到着。すぐ側の市内バスのターミナルへ移動し、路線図を見てホテル近くを通るバスを確認し待つが、その間の陽射しの強いこと強いこと、じりじりと熱くてたまらない。


パレルモ市内を貫くメインストリート、ローマ通りを通るバスに乗る。ガイドブックによると予約していたホテルは進行方向に向かって左なので注意して左側を見ていたらホテルが見えたので次に止まったところで降り、チェックイン。アグリジェントからのバスを降りてからわずか20分で着いたことになる。

ViaRoma

 

 

◆初日の夕食は失敗続き
18時頃から、水の買出しがてらホテル近くを1時間少々歩き回り周りの土地勘を養う。ホテルへ戻った際、近くのリストランテを教えてもらい、酒屋がやっている店“Gigi Mangia“を20時で予約した。


この店では2つの大きな失敗をしてしまった。この日は20時になっても暑かった。お店の中に入ると(実に狭い、穴倉のようだ)、外のテーブルを勧められたものの場所が店のすぐ前ではなく少し離れたところで何となく雰囲気がいもくさかったのと、外も暑かったので断り室内にしたのがまず失敗。テーブルのすぐ近くにオープンキッチンがあり、料理を始めるとガスの火の熱さをもろに感じる。汗だくだった。

失敗その2は、シチリアの料理は前菜の量が多いのを思い知らされたこと。というのは、料理はお任せにしたが前菜をしっかり食べパスタで相当お腹がきつくなってきたのでセコンドのために途中で止め「(パスタは)もう終わり」というつもりでカメリエーレが皿を片付けるときに“フィニート”といったところ、全部終了と受け取られそれでおしまいになってしまった。まぁ相当お腹一杯だったので健康のためと暑さから逃れるには丁度よかったのだが。このときのカメリエーレには、翌日近くのCO-OPでばったり会い、お互いに気がついて軽く挨拶をした。

【2日目】
◆見る

実質的にパレルモ観光の初日だ。9時少し前にホテル出発。ホテルを出るとローマ通り、これを右方向、中央駅方向へ歩き出し最初の角を右折し、なにやら人気のない通りを進み、マクエダ通りにぶつかったところを左折する。マクエダ通りはローマ通りと並行している形になるがこれを南を進む。ほどなくマッシモ劇場の前に出る。ここは《ゴッド・ファーザー》の舞台となったところだ。

 

まだ時間が早く入ることができないので外観のみ見てさらに進むとパレルモ観光ポイントの一つ、クアットロ・カンティの交差点に出るが折りしも運悪く修復中で四つ角のどの面もバロック調の壁面が描かれたシートで覆われている。信号を渡り、クアットロ・カンティのすぐそばにあるピアッツァ・プレトーリアに行ってみるがここの噴水もこれまた修復中で囲われていて見ることができない。このピアッツァ・プレトーリアは広場というよりは交差点の一部をなす小さな広場といった感じだ。

この広場の奥がピアッツァ・ベッリーニ、その南の一角にサン・カタルド教会とマルトラーナ教会が並んでいる。サン・カタルド教会はこれぞシチリア、といった趣の赤い丸屋根の建物。イスラムの影響が強く感じられる。

隣のマルトラーナ教会は、その内部のモザイクがすごい。ファサードはバロック様式、内部はシチリアで一番古いビザンチン様式ということだ。

マクエダ通りを南へ少し歩き、右側の旧市街へ入るとほどなくジェズ教会の前に出た。このあたりは教会の宝庫?だ。ファサードは典型的なシチリア・バロック様式。装飾とか彫刻とかは少ないが明るい壁の色とファサード上の濃い茶色の柱のように見える部分や梁ののように見える部分のコントラストが奇妙な力強さを感じさせる。中に入ると、圧倒される装飾の凄さ!

ジェズ教会2

 

ジェズ教会内部

◆どてっぱらが入口のカテドラーレ

ジェズ教会からヴィットリオ・エマヌエーレ大通りを西に向かうと間もなく右手にカテドラーレがどーんと現れる。といっても通りに面しているのはピアッツァ・カテドラーレ。その広場の向こうにカテドラーレがある。カテドラーレは当然東西に位置しているが入口はどてっぱらの南からだ。シチリア・ノルマン様式として建築されたのが歴史の流れの中で増改築により折衷様式となったとのことだ。内部は外観の割に質素に見えたのはジェズ教会を見たあとのせいだろうか?

カテドラル1


 カテドラーレを出てさきほどのヴィットリオ・エマヌエーレ大通りをさらに西に進む。ほどなくノルマン王宮だ。左に曲がり建物に沿って南へ進み奥の玄関へ行ってみたもののスーツ姿の人たちが・・・・・・。どうも州議会の入口だったようでまた戻る。

◆パラティーナ礼拝堂

またヴィットリオ・エマヌエーレ大通りへ出て少し行くとポルタ・ヌオーヴァが立っていてそれをくぐり、左に曲がるとピアッツァ・インディペンツァへと入る。そこから今度はパラティーナ礼拝堂のある王宮入口の方へ進むことができた。


大階段で2階に上がると王宮の回廊に出るがパラティーナ礼拝堂はその回廊から入る。回廊にもモザイクの装飾がきらびやかにあるが、礼拝堂の中のモザイクは凄い。いわゆるビザンチン文化の影響なのだろうか。《玉座のキリスト》そしてクーポラに描かれた《全知全能の神キリスト》のモザイク画は圧巻だ。デジカメで撮ってはみたものの光が乏しくあの素晴らしさを写し撮ることはできない。

教会、礼拝堂のモザイク画といえば、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院、ラヴェンナのサン・ヴィターレ教会が挙げられるが美しさはいずれも甲乙つけがたいが、パラティーナ礼拝堂は比較的小さな空間だけあってその壁・天井一面のまばゆさは一番かも知れない。

目がくらくらしてパラティーナ礼拝堂をあとにしたが、ピアッツァ・インディペンツァのバールで一休み(11時半になっていた)。バールといっても、外のテーブルだったのでカフェと言った方が良い。ビールで喉の渇きをいやす。旅の楽しみは昼でも一杯やることだ。シチリア名物、アランチーノも1個食べる。

バールをあとにしてピアッツァ・インディペンツァから南の方へ行って旧市街へと入る。目指すはサン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会だ。教会といっても今は教会としては機能を果たしていない。入場料8,000リラ(1名)。アラブ・ノルマン様式の石造りの建物と中庭を見る。単廊式の素朴な建物で、内部の壁は石が剥き出しだ。観光客で意外と混んでいた。

SanGiovannidegliEremiti1

 

 



午前の観光はこれでおしまい。ホテルへ戻るために、ホテルの面しているローマ通りへ行く。途中ちょっと寄り道をして、サン・ドメニコ教会の脇から路地に入ってヴッチリアのメルカートを覗いてみた。いろいろな食材の店がある。オリーブの実やらアンチョビの瓶詰めやら欲しいものが沢山。

イタリアのメルカートで色とりどりの店が目に入ってくるとそれは八百屋。トマトの赤が目立つ。旅の途中ではお腹が一杯のことが多くなかなか食べることができないが、意を決して?桃と美味しそうなトマトを買う。重さで買ったのだが、桃3個、トマト4個で3,000リラ。

ローマ通りに戻りホテルと反対側の市街地で食べる所を探す。トラットリア兼ピッツエリアがあったのでそこの外のテーブルにした。年配の女性というよりおばちゃんが注文を取りにきた。当然のごとくピッツアを頼む。今回のタオルミナから始まったシチリアの旅でシチリア5日目にしてようやく待望?のピッツアにありつける。

ルッコラとカプリチョーザを注文する。前菜はカプレーゼ、ワインはハウスワインの赤にした。落ち着いてみると隣の店もピッツアを出している。外のテーブルは区別もないほど近いから見えるのだ。1時間近くいたがその間太陽が動き、陽射しが強いのでパラソルの影に入るように少しずつ椅子をずらす。

食後ホテルで一休み、暑い時間帯を避け少しまどろむ。さっきの桃、トマトを食べる。桃は美味しかったがトマトは生食用ではないのか、色が鮮やかな割には甘くない。

16時半ころ買物がてら再び出かける。まず初めにイタリアのデパート、ラ・リナシェンテへ行く。兄はここで頼まれたMOCA(八角形のエスプレッソ・コーヒー沸かし器)を買ったようだ。

ここを出てからカステル・ヌオーヴォ広場を抜けリベルタ大通りをズンズン北の方へ行ってみた。広々とした通りだ。通りに近い方の中の歩道を歩いていたので両側の店がどういう店なのかよく分からないほどだ。ある程度行ったところで来た通りを引き返す。またローマ通りに戻り、バスの中から目についたワインの店に入ってみたら、実は小さなスーパーのような食料品店だった。


この店にはたいしたワインがなかったので、またホテル方向に戻り夕べのリストランテの親元である酒屋“Mangia”へ行く。相手をしてくれたのは、何と注文を取りにきたお兄さんだ。『日本へ送れますか?』と尋ねると、『1日前にオーダーしてくれないと運賃計算ができない、ものが決まらないと計算できない』。しかも1箱6本からとのこと。とりあえず話だけ聞いて店を出る。

やや歩き疲れたのですぐ近くのアンティコ・カフェで休むことにして、オープン・エアのテーブルで珍しくジェラートを食べる。3つの丸いフルーツ味のジェラートにレモンシャーベット、長い棒のようなクッキーが3つの真中に立っている。アルコールも好きだが甘いものも嫌いではない。このジェラートは本当に美味しかった(8,000リラ×2)。
ジェラート満足してホテルに戻ったのが18時45分。

さて、ホテルに戻った時フロントの女性に夕食のリストランテの予約を頼んだところ、電話してくれたが目当ての店は一杯で無理だったのでどこか他のおすすめの店をお願いしたところ、ホテルから比較的近いポリティアマ劇場そばのリストランテ“Lo Scudiero” を20時半で予約してくれた。

ポリテアマ劇場


このリストランテは歩いて行ける。店に入り名前を告げると、入って左側入口から3つ目のテーブルに案内される。注文を取りにくる間待っているとエアコンがきつくて肌寒いので『ちょっと寒いので席を代えて欲しい』とお願いしたところ奥の右に曲がった方にすぐ代えてくれた。そこは問題なし。

この店は魚料理の店で、ワゴンに載せられた魚を見た上で注文させてくれた。

アンティパストは海の幸サラダ、プリモはやはり海の幸のリングイネ、そしてセコンドはワゴンから選んだ2種類の魚(残念ながら名前は分からない)のグリル・ポテト添え、ワイン、水、食後のドルチェ、グラッパ、コペルト込みで15万リラ。量を控えめにしたのでドルチェ、食後酒までいけたし、料理、サービス、雰囲気も良く満足のいく店だった。

【3日目】

ホテルから歩いて30分ほどで昨日のピアッツァ・インディペンツァへ行く。ここにはバスターミナルがある。今日の午前の予定はモンレアーレ観光。個人自由旅行を楽しむ我々としては徒歩と公共交通機関が基本だ。観光のためにタクシーはめったに使わない。9時21分の389番のバスに乗り込む。途中検札があり若い男が降ろされた。バスの中での検札はガイドブックには載っていたが実際に出会ったのは初めてだ。9時46分、ドゥオモ前の広場に着く。

まず、ドゥオモの右横のキオストロ(回廊つき中庭)に入る。回廊を支える円柱は2本づつペアになっていて、何の装飾もない2本とねじれた飴細工のような模様の2本が交互に延々と続く。その柱の上の壁の部分にはモザイクの装飾がほどこされている。かなり広い中庭だ。

Monrealre回廊3それからドゥオモ内部に入る。壁という壁がモザイク画で埋め尽くされているが、全体に暗いため迫力を落としている。内陣の壁には聖書の物語が描かれているが、場面が多すぎて良く分からない。とはいっても、祭壇正面のキリストのモザイク画は素晴らしい。

MonrealeDuomo5

ドゥオモのあとは中庭奥の見晴らし台に行く。少し階段を下りる感じだが途中小さな土産物屋が数軒あった。見晴らし台はベルヴェデーレというだけあってパレルモ市街の方を一望できた。

Monreale見晴台3

◆遺体安置のカタコンベ

11時すぎの市内へ戻るバスに乗り、途中カップチーニのカタコンベに行くため下車。バス停からカタコンベに行く途中カプチン派の修道士を見かけた。もちろん中にもいたのだが、彼らの身をまとっている修道服の色があのカプチーノの語源であることがはっきりと分かった。

入場料1人3,500リラ払って中に入る。このカタコンベには本当に遺体が安置されているというのを本で読んで知っていたのだが、「どうして?なぜ?」と思うほど生きていた時そのままの姿で安置されている。安置といっても横になっているだけではない。コートを着て立っているのもある。とにかくこれでもか、これでもかというほど数多くの遺体(骸骨)がある。遺族は何を思ってこのような形で天国に送り出したのだろうか?

市内に行くバスにまた乗り終点のピアッツァ・インディペンツァで降りる。昨日のバールで一休み。ビールとグラニータで身体を冷やす。
ホテルへ戻る前にこれまた昨日のピッツェリアの隣の店へ行く。テーブルは外で隣り合わせているのでほとんど同じ店という感じだ。ここでお昼を食べた後、ホテルへ戻り少しまどろむとともに身体を休める。こうでもしないと暑さにやられてしまうからだ。

◆考古学博物館、ロザリオ祈祷堂、サンタ・チータ祈祷堂

15時30分、再び行動開始。マッシモ劇場に行ってみたが、ガイド・ツアーは15時が最終とのこと、翌朝10時から、と聞いて引き揚げ、マッシモ劇場から東に少し行ったところのローマ通りに面した州立考古学博物館に行くことにした。中は広い。セリヌンテの神殿遺跡の彫刻が展示されている。神殿にはA,B,C・・・・とアルファベットで名前がつけられているらしいが、神殿C,E,Fの彫刻がそれぞれ何点か展示されている。神殿の一部だけあって彫刻は相当に大きなものだ。

ここを出てローマ通りを中央駅方向、南に進むと左手にサン・ドメニコ教会があるが残念ながら閉まっていたのでこの裏の通りにあるロザリオ祈祷堂サンタ・チータ祈祷堂に行く。ロザリオ祈祷堂はそう大きくはないが、中の壁の彫刻がすごい。彫刻家ジャコモ・セルポッタの手によるスタッコ装飾とのことだが立体感が素晴らしい。彫刻というより飾り付けという感じだ。

ロザリオ祈祷堂

この祈祷堂の先にサンタ・チータ祈祷堂があるがここもジャコモ・セルポッタの彫刻で装飾されている。入口内部の壁にある「レパント海戦」の彫刻が見事だ。

サンタチータ祈祷堂

今度は踵を返すように中央駅の方に行き、途中のヴィットリオ・エマヌエーレ大通りを海の方に進みピアッツァ・マリーナへ行く。この広場の前にキアラモンテ宮殿がある。中に入ることはできなかったが四角くて装飾も窓もなく城塞のような建物だ。宮殿の前ではこの建物にアンマッチな結婚式の人々がいた。このあと訪れたサン・フランチェスコ・ダッシジ教会の前にも結婚式の人たちがいる。

観光を終え、件の酒屋“Gigi Mangia“へワインを買いに行く。ペンディングにしてあった持ち帰り方法については、日本には送らない、持って帰るということにし、3本づつ例のお兄さんに選んでもらって、いざ代金を払う段になってクレジット・カードの端末のラインが作動せず現金しか受け付けないということになった。リラの持合せがなかったのでその旨伝えると「すぐそこでクレジット・カードで引き出してくればいいのではないか」といわれたがやめにして翌日両替をして買うことにして店を出る。
(イタリアでは端末ラインの不具合でカードが使えないことがある)

今回のシチリアの旅の最後を飾る夕食は昨日予約できなかったリストランテ“La Scuderia”に再挑戦ということで、ホテルに戻った際フロントに頼んで電話してもらうと今回はOK。20時半に予約してタクシーで向かう(市街地からはかなり離れている、ファヴォリータ公園の一角)。

庭の広い大きな敷地にあるゆったりとしたリストランテだ。入口や庭には大きな松明の火がゆったりと燃えている。このリストランテは98年版ガンベロ・ロッソで100点中77点、「旅の疲れも吹き飛ぶ、贅沢なコース料理」とFIGAROで紹介されていた。

昨日は一杯で予約できなかったわけだがどのくらい混んでいるのか、と思って中に入るが時間が早いせいかあまり客はいないようだ。白いジャケットを着たカメリエーレに案内され一旦入った建物を通りぬけ奥まった庭の一角のテーブルへ案内される。ちょっと気取った店のようだが外のテーブルなので落ち着くといえば落ち着く。
魚料理をメインに優雅に楽しんだ。帰る頃でも近くのテーブルには2組だけ。前日予約が取れなかったので随分すいている感じがしたのが意外だった。

帰りのタクシーを呼んでもらいホテルに帰ったがこのタクシーにぼられそうになる(詳しくは「トラブル」にて)。せっかくの優雅な夕食の後味がちょっと悪かった。

【4日目】
最後の日。朝市に行く。場所は2日目に行ったヴェチリアのメルカート。ゆでたタコを食べさせる屋台があったが朝食を取ったばかりでおなか一杯のためとりあえずパス。モンレアーレの土産物屋で買いそびれたカレンダーを探しにパラティーナ礼拝堂近くまで行ってみるが見つからない。

◆マッシモ劇場

10時からマッシモ劇場のガイドツアーに参加するため、ぶらぶらと劇場へと歩く。10時すぎにようやく門扉が開きチケットを購入し中に入る。言葉別に分けられ、英語ツアーに入れられる(イタリア語、フランス語、英語、どっちでも分からないのは同じなのだが)。とはいえ、真剣に聞いていると何だか分かったような気になった。

建築年、舞台の大きさ、プラテア、ガレリアについてなどの説明を受け、またロイヤルボックスを見学させてくれた。天井が高く声がよく反響する場所でガイドから何か大きな声でいうように促され片言のイタリア語で言ってみたが説明通りよく声が通る。
このガイドツアーは約30分で終わる。

少し小腹もすいてきたのでまたメルカートへ。タコの屋台にはまだ人だかりがしている。後ろから声をかけ1つ注文する。小さいタコなのでてっきり1パイだと思ったら何とその半分くらい。塩味が利いてうまいのだが、ちょっとがっかり。しかも5000リラだという。「少し高いね!」というと、このタコ屋の親父、ギョロッと見て足1本を付け足す。外人観光客だと思って適当にやっているように思えた。不満ながらタコも食べたので、旅の最終段階、お土産を買うのに時間を割く。件のワイン屋へ行き、4本買い、またすぐ近くのアンティコ・カフェで、シチリア名物のアーモンドでできた作り物の果物に見立てたお菓子とコーヒーを買う。

シチリアではジェラートをハンバーガーのようにパンにはさんで食べるのがポピュラーらしいがこれも最後に試してみたが、どうもいただけない。結局、中のジェラートだけ食べパンの部分は一口だけ食べ残りはごみ箱に捨てる。

一昨日のピッツェリアで昼食をとって、ホテルへ戻り荷物をピックアップし、空港行きのバス停へ行く。バス停はポリティアマ劇場の近くなので歩いて行ける。バスは14時45分発、乗る前に切符を買おうと思って尋ねるが、バスの中で買うシステムのようだ。バスはおそらく中央駅付近から出ているのだろうか、ほぼ定刻に着いたバスはかなり人が乗っている。ここから乗る人が何人かいたので荷物収納やら切符販売やらで少し時間がかかり5分ほど遅れて発車。一路空港へ向かう。ほどなく海岸沿いに走る。途中うとうとしたが35分足らずで空港到着。小さな空港ターミナルだ。
ここパレルモからアリタリアに乗りミラノでJALに乗り継ぎ、帰国する予定だったが、まず搭乗が20分以上遅れる。滑走路に出たのが16時05分だったが、元々の出発時刻は16時45分なので楽観していたところ機内アナウンスが2回あり一旦駐機場へ戻る。アナウンスはよく分からなかったが何か電気系統のトラブルのようだ。そのうちエアコンが効かなくなる・・・・・。

シチリアへ入る際はミラノで1泊し、一応乗り継ぎトラブルがあっても影響を受けないようにしていたが、帰りまでは考えていなかったので頭の中で「もし飛ばなかったらどうしよう?もし乗り継ぎに遅れたらどうしよう?」と不安がよぎる。
結局約1時間遅れ17時50分頃離陸。ホッとした。ミラノ・マルペンサ空港に19時05分到着。タオルミナ、シラクーサ、アグリジェント、パレルモというシチリア縦断の旅は小トラブルには見舞われたものの無事終えることができた。

◆食べる
■Gigi Mangia, ルッジェーロ・セッティモ広場近く(酒屋が経営する店)
◎前菜盛合わせ(24,000リラ)※2名分
◎プリモ(28,000リラ)※2名分
◎フルーツ(10,000リラ)※2名分
◎水(1,000リラ)
◎ワイン(SYRAH YENDEMMIA 1999,Miceli)(40,000リラ)
2人で115,000リラ(ワイン込み)
■Lo Scudiero, ポリティアマ劇場そば
◎海の幸サラダ(26,000リラ)
◎海の幸のリングイネ(18,000リラ)
◎鯛の一種の魚と赤い小さな魚のグリル・ポテト添え(50,000リラ)
◎ドルチェ(6,000リラ×2)
◎ワイン、水、グラッパ(飲物3種で34,000リラ)
※ワイン:LA SEGRETA 2000,  Planeta
◎コペルト(10,000リラ)
2人で150,000リラ(ワイン込み)

■La Scuderia(viale del Fante 9,90146 Palermo)
◎生ハムとメロン
◎カジキマグロのカルパッチョ(前菜2皿44,000リラ)
◎海の幸のパスタ(20,000リラ)
◎セコンドは魚料理2皿(64,000リラ)
◎ドルチェ(10,000リラ)
◎ワイン(18,000リラ)
◎水(2,000リラ)
◎コーヒー(8,000リラ)
◎コペルト(10,000リラ)
2人で178,000リラ(ワイン込み)、チップ15,000リラ

■店名不明(via P.pe di Granatelli, 90146 Palermo)
・1回目
◎カプレーゼ
◎ルッコラのピッツァ
◎ピッツァ・カプリチョーザ
◎ハウスワイン(UVB D’ORO NERO D’ AVOLA 1999 (9,000リラ))
◎水1.5リットル
◎コペルト(4,000リラ)
2人で39,000リラ(ワイン込み)、チップ1,000リラ

・2回目
◎カポナータ(3,000リラ)
◎シチリア風パスタ(中にグリーンピースがはさまっていてトマト・ソース味、6,000リラ)
◎ピッツァ・マルゲリータ(6,000リラ)
◎ハウスワイン(白、8,000リラ)
◎水1.5リットル
◎コペルト(4,000リラ)
2人で31,000リラ(ワイン込み)
■il Mirto e la Rosa(via P.pe di Granatelli,90146 Palermo)
◎パスタ
◎フンギのリゾット・カレー味(プリモ2皿で25,000リラ)
◎ルッコラのミックスサラダ(6,000リラ)
◎ハウスワイン(7,000リラ)
◎水(3,000リラ)
◎コペルト(2,000リラ)
2人で43,000リラ(ワイン込み)、チップ(4,000リラ)

◆泊まる
■Grand Hotel et Des Palmes ★★★★ Twin 270,000リラ(1泊)
入口はさほど目立たない大きさだが中は広い。1階の天井が高くクラッシックな印象。352号室だったが1度では覚えきれない廊下を何回か曲がる。部屋は普通。セフティボックスが壊れていた。壁紙は一部破れている。これでデラックス・ルーム?
インターネットで見てメール直接予約。予約時点では24万リラだったが、チェックインするときフロントのパソコンの画面では30万リラの表示だったのですぐクレームし、24万リラを確認したにもかかわらず、チェックアウトの際30万リラ(×3泊)を請求される。英語でチェックインした際のいきさつも含め抗議するが、頭にくるものの言葉がままならぬ。担当者が変わっているため一切受け付けてくれない。ついに日本語『冗談じゃないっ!』と言ってしまったがそれでも駄目。空港へ行くバスの時間も迫っていたためあきらめたが、「地球の歩き方」に3泊以上読者割引があったのを思い出しそれを見せ何とか27万リラにさせたが最後に腹が立ったホテルだった。
帰国後メールで抗議文を2回送ったが完全に無視された。

◆買う
■靴 209,000リラ(マッシモ劇場向かいの靴屋で)
■アーモンドでできた作り物の果物のお菓子 23,000リラ
■エスプレッソ・コーヒー 6,500リラ
Antico Café, Via P.Pe di Belmonte N.115, Palermo
■ワイン(マルサラ1本、赤3本)計144,800リラ (Gigi Mangiaで)
赤のうち1本は リストランテで飲んだのと同じ
SYRAH YENDEMMIA 1999,  Miceli (25,900リラ)
■食料品(アンチョビ瓶詰め、パルミジャーノ、他) (CO-OPで)
■カレンダー(18,000リラ)

Agrigent(アグリジェント) 2001/7/23

 

◆行く

いよいよアグリジェントへの旅。前泊地のシラクーサからバスの旅だ。計画段階にてネットでいろいろ調べたが、バスで移動するなら、一旦カターニャに戻り、乗り換えるということだけは分ったが、時刻表までは入手できなかった。

シラクーサのホテルでバスターミナルを尋ねると、バス停と時刻を教えてくれた。バス停は思っていたより近かったが次のバスは8時32分とのこと。これに乗れればアグリジェントへ一つ前のバスで行けるが部屋に戻った時は8時20分。あきらめて9時2分のバスにしてバス停へ向かう。

バス停前のスタンドで切符を買う(一人8,000リラ)と次のバスは”INTERBUS”ではなく”AST”8時45分とのこと。ついている。実際にバスが来たのは8時51分。2日前に降り立った空港を通りカターニャ駅前に着いたのは10時10分。スーツケースを引いて隣のバスターミナルへ。

エトナ山からの火山灰がどんどん降ってくる。切符売り場(一人19,000リラ)でアグリジェント行きは10時25分発といわれ、あせって一番北の乗り場へ行き一旦荷物を入れるが何となく不安になり降ろして再度切符売り場で確認すると11時発とのこと。

バスはカターニャの駅を出て逆戻り、何と空港前のバス停に停まる。これを知っていたらわざわざカターニャ駅まで行かなくても良かったのが。

2階席の一番前に座ったので見通しが良い。前方に煙が見え、近づくにつれ渋滞。車が燃えている。その脇を警官の指示で上下線の車が交互に通過する。日本であれば絶対交通止めで何時間か立ち往生するなぁと思う。

事故だ1

 

バスのエアコンは壊れているらしく冷房の効かない車内でひたすら耐える。途中新しいマンションが立ち並ぶ町CALTANISETTA、小高いゆるやかな丘の町CANTITTIを通り抜け13時50分アグリジェント駅到着。5時間の旅だった。グルッと迂回しているのでレンタカーで直行すればもっと近いはずだ。

ホテルに入り一休みして16時すぎ、神殿の谷へ向かう。少し遠いがいつものように歩く。背中への陽射しがじりじりと熱い。16時すぎなのにこの暑さ、と思うが夏時間で1時間早いことを考えれば納得。

進んで行くと木々の間から神殿が見えてくる。右手にはエルコレ(ヘラクレス)神殿。UFOから宇宙人が降り立ったような、またはきのこが生えているような形だ。左方向にはコンコルディア神殿。しっかりとした形でそびえている。

エルコレ神殿5 コンコルディア神殿2
まず端正な形のコンコルディア神殿へ向かう。神殿の谷(考古学地区)の中はきちんと整備されていてここに向かう道も広くきちんとしている。地区内にはアーモンドの木々が。春先に訪れると花がきれいだと思う。この神殿は丘の上にあり、バックには海。古代ギリシャ人は何を考えてこんな壮大な建物を建てたのだろうか。

コンコルディア神殿5
少し離れた先にジュノーネ・ラチニア神殿がある。この神殿はコンコルディア神殿とは対照的に太い柱が残っているだけ。カルタゴの侵攻にあい炎上し、またその後の地震で崩壊したものだという。

 

 

ジュノーネ神殿2

 

ジュノーネ神殿6

来た道を戻り、エルコレ神殿を見る。太い柱が8本残っている。上部には柱より一回り大きい丸い石が乗っかっていてまるでひょっろとしたきのこのように見える。

これですっかり見終わったと思い神殿の谷をあとにしたが翌朝になって駐車場奥にジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿、ディオースクリ(カストール・ポルックス)神殿を見逃していたことに気づき再度訪れた。これが個人旅行の短所でもあり、再訪できるところは長所でもある。

ジョーヴェ・オリンピコ神殿はかつて神殿の柱だった巨人像テラモーネが横たわっているほかは大きな石がごろんごろんところがっている(巨人像はレプリカ、本物は考古学博物館で展示されていた)。

奥へ進むとディオースクリ神殿がある。やはりカルタゴ侵攻、地震によって崩壊し、建物の角の部分が柱とともに残っているだけだが、一番絵になる。

ディオースクリ神殿4

ディオースクリ神殿から旧市街1

神殿の谷を出て考古学博物館に行く。先ほど見た巨人像テラモーネの本物が壁に縦に展示されている。室内で見ると外で見たよりも相当でかい。柱の一部だったことが分るように往時のジョーヴェ・オリンピコ神殿の模型も展示されている。

考古学博物館3

 

一旦ホテルに戻り(博物館のすぐ側)チェックアウト後市内バスで駅へ行きスーツケースを預け旧市街を散策する。ドゥオモ(カテドラーレ)へ向かってゆるい上り坂。一本、道を間違えたようでかなり登ってしまった。ようやく見つけ中に入る。広い内部は静まりかえっていた。

AgrigentoのDuomo

 

それからすぐ近くのサンタ・マリア・ディ・グレーチ教会を探す。小径を降りて行く。八百屋をすぎると地名が変わったので戻る。見つかったものの小さな入口、鍵がかかっていたが小父さんがやって来て開けてくれ、一緒に中に入る。

『イタリア語がわかるか?』と訊かれ『少し』と答えるといろいろと説明してくれる。キリスト以前の最古の教会で当時の柱は36本(?)あったが今は8本のみ。アラブ人、ノルマン人の侵攻があって次々に変わった。今の入口はノルマン様式で最終的に1700年代に今の建物になったらしい。外へ出て地下部分の基礎を見せてくれた。帰りに気持ち程度の喜捨をしてアグリジェントでの観光を終えた。

◆アグリジェントでの夕食
ホテルは旧市街と神殿の谷の中間にあり周辺にはリストランテらしきものがあまりなさそうだったことと、ホテルホームページでの庭(このホテルには広大な庭がある)でのディナーの写真が良さそうだったので神殿の谷観光に出かける前にフロントで予約したところ庭でのディナーはやっていない、食事はホテル内のリストランテでとれるといわれ予約した。

予約した時間に行ってみると客は誰もいない。それからもいくつかのテーブルがうまっただけだったがテーブルセッティングはきちんとされていたしカメリエーレも良い対応だった。残念ながら昼間の疲れのせいかワインを飲み干すこともできず、セコンドでお腹一杯になりそこでやめた。客が少ないとはいうものの優雅な雰囲気の中、セコンドでやめたとはいえ雰囲気、味の割にべらぼうに安かった。

◆食べる
■ホテル内リストランテ【夕食】
◎アンティパストはサーモンのカルパッチョ(赤キャベツ添え)、生ハムの燻製と洋梨
◎プリモはフンギのリゾット(少々塩っぱい)、オマール海老のタリアテッレ(クリームソース)
◎セコンドはフィレステーキ(トマト味、小さなエンドウ豆添え)、海老のマヨネーズソースかけ
◎水、食前酒
◎ワイン(LIGORIO 1999  Aziende Vinicade Micelli Palermo (1.4万リラ))
2人で11万リラ(ワイン込み)

■Trattoria Black Horse(via Celauro,8,Agrigento)【昼食】
旧市街中心部にはあまり店がなく、もう1ヵ所見つけた店の名はマンハッタン。
これだけでどんな店か想像できたがパレルモへ行くバスの時間のこともあり妥協したのが失敗のもと。
◎アンティパスト1品(多分生ハムとメロン)
◎プリモ2品
◎ハウスワイン
◎水
2人で4.2万リラ(サービス料込み)

◆遊ぶ
■コンコルディア神殿
■ジュノーネ神殿
■ディオースクリ神殿
■ドゥオモ
■サンタ・マリア・ディ・グレーチ教会

◆泊まる
■Colleverde Park Hotel ★★★★ Twin 24万リラ

ColleverdeParkHotel1
メールで直接予約。
ホテル到着したのが14時45分。まだ部屋の準備が出来ていなくて、近くのバールで遅い昼食をパニーノ、アランチーノでとり時間をつぶした。ホテルからの神殿の谷からの眺めが良く、庭も散策できるほど広い。
旧市街からはバスで10分、バス停もすぐ前なのでロケーション的にもそう問題はない。

 

Siracusa(シラクーサ) 2001/7/22


◆行く
 タオルミーナでの優雅なホテルライフを終え、次の目的地、シラクーサへ。

 ホテル専属の車で駅までおりる(25,000リラ)。45分後の列車のために50人以上窓口に並んでいて少々あせったが、11:09の列車が1時間半遅れていて、11:40の列車が先に出るとのこと。駅員の英語はたどたどしく、つたないイタリア語で何とか確認する。

 並んでいた若い二人連れのギリシャ人女性はイタリア語がわからないためか、いろいろ英語で尋ねられ、そのうちお互いの旅行についてもあれこれ話をした。11:40の列車も10分遅れで到着、乗車。

 夫婦二人のコンパートメントに入る。彼らは途中窓に顔をくっつけるようにエトナ山の噴煙を見ている。また一段と噴火がひどくなったようだ。約50分でカターニャ駅到着、どうも車両内が静か。切り離されるみたいで、あわてて降りて駅員に尋ねるとシラクーサ行きは「前だ!」とのこと。そのうちさっきのギリシャ人二人に「ついて行っていいか?」とまた声をかけられる。1等車に乗り込んだところで何となく別れた。

 14時頃シラクーサに着き、駅のホールで二人が振り返り、お互いに手を振って別れた。

 ホテルは駅から10分くらいと思っていたら出口の方角を完全に勘違いしたため30分もかかってしまった。

◆見る
 日曜のため新市街のホテル周辺には食べ物屋がなくこの日は昼抜き。
 
 目指すは考古学地区。暑いのでTシャツと短パンで出かける。

 タオルミーナ同様、ギリシャ劇場を見る。タオルミーナとは違いわりと平坦な地域にあり背後の海も遠くにしかし広く見える。劇場そのものも相当大きいようだ。観客席の上からの眺望が青い海を背景に素晴らしい。

Siracusaギリシャ劇場

 

Siracusaギリシャ劇場4
 ギリシャ劇場を後にして天国の石切り場に行く。石切り場として掘られたものの中でディオニソスの耳といわれる洞窟がある。入口部分は細長い合掌造のような穴になっていて、中に入ると天井が高く音がもの凄く反響するような気がする。

ディオニソスの耳の中

 


 少し戻りさらに南の方へ進むとローマ格闘技場がある。一つの場所に、ギリシャ劇場とローマ格闘技場というのは珍しいのではないだろうか。

Siracusaローマ闘技場


 考古学地区を出て大きな通りを東へ向かう。右手にはかなり大きな円錐形というか三角形の近代建築の聖所記念堂がそびえている。そのほぼ向かい側のパピルス博物館に入る。ここシラクーサはパピルスの町。中ではパピルスの作り方の実演をしておりどこかの外国人ツアーの人たちが取り囲んでいたので適当に切り上げる。パピルスに描かれた絵がお土産として展示されている(似たようなものがたまに日本橋の丸善で展示即売されている。値段からすると絶対現地で買う方が安かったように思う)。


◆カタコンべ

さらに北に向かい、サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会へ。ここは当初予定していなかったが地図を見たら近くだったので寄ったもの。
 これがどうしておもてからは想像できないカタコンベが地下にある。カタコンベの入口で、5分待てばガイドツアーがあるので待てといわれるがなかなかスタートしないので我々だけで中に入って行こうとしたら止められる。大人数のグループの到着が遅れたため約25分待ってからスタート。ガイドは『5分待って』と言った若い男性。

 地下は広くて多分自分達だけで行ったら訳がわからず迷子になったかも知れない。縦、横に通路が交差し、細かな区画に別れている。遺骸はすべて移されていて棺が置かれていた場所(多分、かなりの立場にあった人の墓)について解説された。解説は丁寧で長い。その英語の解説を大人数グループのツアーガイドが通訳(多分ギリシャ語)する、といった具合で倍の時間がかかった。途中で帰ることもできず50分付き合い、出口が近くなったところで切り上げて出た。

SanGiovanniのカタコンベ

 

◆旧市街
 シラクーサの町は見所が3つに別れていて徒歩で観光するには広い。カタコンベを出て南方向にあるオルティジア島の旧市街へと向かう。結構広くてほこりっぽい通りを歩き、橋を渡る。橋のたもとには観光用モーターボートの看板があり、海に突き出た島であることを実感させられる。

 島に入って間もなくかなり朽ちてはいるがアポロ神殿がある。旧市街に進むとドゥオモと広場、どこかで見たなぁと思ったら、旅行の1ヵ月前に見た映画《マレーナ》の舞台になった広場だということを帰国後思い出した。このドゥオモは外から見るだけで中に入る時間はない。

SiracusaDuomo

 

それからフォンテ・アレトゥーザに行く。パピルスが生え、また伝説の泉ということだが想像していたよりも小さい。日曜であるにもかかわらずそれほど人出は多くない。



 一旦新市街のホテルまで戻り(徒歩で25分)夕食のため再び訪れる。

 旧市街をぶらついたのは夕食のリストランテ探しも目的の1つだったたが今一ピンと来なかったので、例によってホテルのフロントに尋ね予約をしてもらう。これがなんと先ほどのドゥオモのすぐ近くのトラットリア。

 さっき戻った道のりをまた歩く。間口は狭くて店は小さいが店の前の小道をはさんでオープンエアの客席が大きないくつものパラソルの下に沢山あり、その一角に座らされた。

 いつもメニューを見て注文するのは自分の役目なのだが、渡されたメニューは手書きみたいな書体で読むのも面倒くさくなり、まったくの定食を頼む。A、B2種類あったのでそれぞれを注文。一人前35,000リラ、という破格の値段。これで量が物足りなかったら、と危惧しブルスケッタ(5,000リラ)と海の幸のスープ(Zuppa di Mare、16,000リラ)もオーダー。これが大変な間違いだった。

 とにかくボリュームが多く、お腹一杯のところへもってきて、デザートがスイカだった。向こうのスイカはラグビーボールのように横長だが一切れが半端な大きさではない。兄は最初からギブアップ!その後のカフェは、通常エスプレッソなので大した量ではないのがわかっていたが断ってお勘定してもらった。

 B級グルメといった感じのトラットリアだったが超満腹で思い出に残る店だ。

◆食べる
■Trattoria KALLIOPE (via del Consiglio Regionale, 26 96100 Siracusa)
<<Aコース>>
 ◎アンティパストはアンチョビの・・・
 ◎プリモはシチリア風スパゲッティ(魚の粉を振りかける)
 ◎セコンドはムール貝(Cozze)のスープ(物凄いボリューム)
 ◎カフェ
<<Bコース>>
 ◎アンティパストはタコの・・・
 ◎プリモは小海老とトマトのスパゲッティ
 ◎セコンドはカジキマグロのグリル(タオルミーナでの昼食より美味)
 ◎デザートはスイカ
 ◎カフェ
<<追加注文>>
 ◎他にブルスケッタ
 ◎海の幸のスープ(あさり、エビ、カラス貝等がふんだんに入っていて量も多い)
 ◎水
 ◎ワイン(LEONE(3万リラ)、魚料理ということで珍しく白にする。少し甘口。)

2人で12.5万リラ(ワイン込み)

◆遊ぶ
■ギリシャ劇場
■ローマ格闘技場
■ディオニソスの耳
■サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
■オルティジア島
■ドゥオモ
■フォンテ・アレトゥーザ


◆泊まる 
Jolly Hotel Syracuse ★★★★ Twin 12,300円

JHCで予約。Jollyにしてはちょっとランクが下。部屋は狭かった。

◆買う
特に買わず

Taormina(タオルミーナ) 2001/7/21


◆行く
 いよいよシチリア旅行の始まりだ。朝6時ミラノ中央駅近くのホテルから専属タクシーでリナーテ空港へ向かう。約10分で空港着。ほぼ定刻にカターニャへ向け離陸、1時間半でカターニャ空港到着。

 普通ならばミラノに泊まらず同日乗り継ぎで日本から出たその日のうちには着けるのだが、前の年のミラノ乗り継ぎフィレンツェ行きのアリタリアが搭乗直前に訳もなくドタキャンされひどい目にあっていたのでとりあえず1泊した訳だ。 

カターニャに着く少し前、周りの乗客が席を立ち右側の窓を覗きこんでいる。何事か?と思って立ち上がり見てみると眼下の山から噴煙が上がっている。エトナ山だ(この後段々爆発がひどくなり、旅行中新聞、TVでも報道されていた。ついには火山灰でカターニャ空港が閉鎖される事態となった。我々は、カターニャから入り、パレルモから出るルートだったので支障はなかったが、逆コースなら予定通りには帰国できなかったはず)。

カターニャ行きの機上より



 空港ターミナル着が8:50、なかなかスーツケースが出てこない。ようやくピックアップし、今度はタオルミーナ行きのバスを探すが次のバスが10:30ということがわかる。

 少し待つつもりでいたがあまりにも陽射しが強いし時間も勿体ないのでタクシーに乗ることにした。乗る前に料金を訊いたところ、ガイドブックやターミナルに掲示されていた金額(15万リラ、約9000円)と同じだったので乗ったわけだがこれがとんだ食わせ者、雲助タクシーでメーターはどんどん上がり26万リラを超えていた。

 交渉もへったくれもないもんだが、最終的には16万リラ払った(甘いかも知れないが、1万リラはチップのつもり)。

ホテルは5つ星、サン・ドメニコ・パレスホテル、ホテルの玄関までタクシーで乗りつけるのが、雲助の場合はホテルの門の外でおろされる。


このホテルは、映画《グラン・ブルー》の舞台にもなった元修道院のホテル。チェックインのため玄関の右に入るが、そこは映画でもフロントとして使われていた場所だ。


 10時半に着いてしまったので、部屋を準備するまで少し待っていて欲しいといわれ結局1時間ほど待って部屋に入る。

◆見る
 ホテルを出て左方向のローマ通りに進む。遠回りした格好になったが、タオルミーナの海を眼下に見ながらウンベルト1世通りへ出る。それからウンベルト1世通りを登るようにカターニャ門に向かう。

Taorminaの海


 これで町をほぼ1周したことがあとでわかる。

 昼の腹ごしらえのため、旅行前にインターネットでチェックしておいた路地のピザ屋を探し入った。一般的にはピッツァは昼はやっていないが、オープンしていたので入ったところ『昼だからピッツァはない』とのこと、他に客があまりいないので「この店、大丈夫かなぁ」と思いできればやめたかったが(やめて出ていった客もいた)、ワインと魚のソテーと何か頼んで空腹を満たす。

 タオルミーナはリゾート地であり、見所はギリシャ劇場とウンベルト1世通りくらい。

 この通りを下って戻りメッシーナ門の手前で右に曲がりギリシャ劇場へと向かう。ジリジリと陽射しが強く昼時のため真上から太陽が照りつけてくる。狭いウンベルト1世通りで、まるで雨やどりするようにわずかな日陰を見つけ軒先を借りながら歩いた。

 

 ギリシャ劇場へ行く通りには土産物屋がならび、名産の大きな陶器の皿が飾られていた。旅の始めなので荷物になるので横目で見るだけ。

ギリシャ劇場は、海とエトナ山をバックにした素晴らしいパノラマの劇場で、ここを選んだ古代ギリシャ人の構想力には感服する。夏の野外イベントがあるらしくステージ、客席の準備がされていた。コンサートのようだったが、星空のもとのここでのコンサートはいいだろうなぁと思った。

Taorminaギリシャ劇場2

Taorminaギリシャ劇場3

せっかくの5つ星ホテル滞在なのでホテルをも楽しむことにする。泊まった部屋は380。

残念ながら新館のようでフロントから階段を下りエレベーターも使って部屋を行き来する。地形を利用して建てられているようだ。部屋の天井が高く、また照明がいい。バスローブがいかにも5つ星といういいものを用意している。

玄関に入りすぐ奥が映画にも出てきたガラスの回廊。陽射しが強くとも中はエアコンがきっちりと効いている。どこにもエアコンが見あたらなかったが、アンティーク家具のような黒い箱に納まっていて、昔の僧院を思わせる。司教の椅子、彫刻、絵が展示されている中にさりげなく商品も展示されている。

中庭は、手入れされていて南国の花が咲き乱れている。ここからみるエトナ山は絶景。自分で撮った写真をしばらくパソコンの壁紙にしていた。

SnDomenicoPalaceHotelの庭

エトナ山

プールはこの中庭を下ったところにあるが、ひっそりとしていた。

このホテルで結婚式の披露宴があるらしく、中庭には乾杯用のグラスの準備がされていた。

さて、夕食。コンシェルジェのお姉さんに幾つかリストランテを教えてもらう。そのうち『高いですよ』といわれたところを見に行く。ウンベルト1世通りを少し下って右の路地を入ったところにあったが、店の前にメニューが出ていて確かに高い。結局、教えてもらったお勧めのリストランテでもあった「FIGARO」に出ていた《アル・ドゥオモ》(実は旅行前からの候補)に決め予約をお願いした。

昼間うろうろしている時アル・ドゥオモの場所はわかっていた。ドゥオモ広場に面している。建物1階の屋上に折りたたまれた大きなパラソルがあった。それほどのリストランテとも思えなかったのだが。

狭い路地を入りその建物の階段を上がる。中はきちんとしたリストランテ。ところが奥へ案内された席は屋上のパラソルの下。しかし、暗くなっていくとこれが実にいい雰囲気。東京と違って夜になると屋外でも涼しい。おまけにすぐ側には大聖堂。9時ごろだったろうか、2組もの新婚カップルがドゥオモの前で記念撮影するところまでワインを飲みながら楽しめた。

◆食べる
■Al Duomo (vico Ebrei 11 98039 Taormina)
◎アンティパストはタコのサラダ、カポナータ
◎プリモは海の幸のパスタ、空豆のスープ
◎セコンドは魚介のフライ(ホタルイカ、鰯、小さな赤い魚。オレンジと一緒に食べる)、
小えびの何とか(パン粉でふっくらと固めたもの)
◎デザートはシチリア名物のカッサータ、カンノーロ(めちゃくちゃ甘い)
◎水、食後酒
◎ワイン(CURTO Fontanelle Nero D’a vola 100% Vendemmia 1998 (5万リラ))
2人で計20.7万リラ(ワイン込み)

◆遊ぶ
■エトナ山
■ギリシャ劇場
■ウンベルト1世通り

◆泊まる
San Domenico Palace Hotel Taormina ★★★★★ Twin 51万リラ(朝食つき)

メールで直接予約。宿泊日は7月第3週土曜日だったがインターネットホームページでこの日がいわばシーズンオフ最終日であることを確認して予約。日程上無理だったができれば2泊はしたかった・・・・・。絶対に勧めたいホテル。

後輩に話したら彼は即実行、冬場だったためチェックイン時に海の見える部屋を頼んだらそうしてもらえたとのこと。

庭に面した朝食も内容、雰囲気といい抜群。スプマンテも供されていた。朝にスプマンテが出ているのは高級なホテルの証と聞いたことがある(私の経験ではここ以外ではフィレンツェのベルニーニパレスホテル、他にもあるでしょうが)。

ホテル内リストランテも良さそうだ。

ホテルから当日の天候(晴れときどき曇り)、気温(22度~29度)が記された名刺大のカードを渡され記念にとっている。
従業員はリゾートらしく白のポロシャツ着用。

◆買う
アーモンドのワイン(9,000リラ) どちらかといえば梅酒のような味わい。