◆行く
いよいよシチリア旅行の始まりだ。朝6時ミラノ中央駅近くのホテルから専属タクシーでリナーテ空港へ向かう。約10分で空港着。ほぼ定刻にカターニャへ向け離陸、1時間半でカターニャ空港到着。
普通ならばミラノに泊まらず同日乗り継ぎで日本から出たその日のうちには着けるのだが、前の年のミラノ乗り継ぎフィレンツェ行きのアリタリアが搭乗直前に訳もなくドタキャンされひどい目にあっていたのでとりあえず1泊した訳だ。
カターニャに着く少し前、周りの乗客が席を立ち右側の窓を覗きこんでいる。何事か?と思って立ち上がり見てみると眼下の山から噴煙が上がっている。エトナ山だ(この後段々爆発がひどくなり、旅行中新聞、TVでも報道されていた。ついには火山灰でカターニャ空港が閉鎖される事態となった。我々は、カターニャから入り、パレルモから出るルートだったので支障はなかったが、逆コースなら予定通りには帰国できなかったはず)。
空港ターミナル着が8:50、なかなかスーツケースが出てこない。ようやくピックアップし、今度はタオルミーナ行きのバスを探すが次のバスが10:30ということがわかる。
少し待つつもりでいたがあまりにも陽射しが強いし時間も勿体ないのでタクシーに乗ることにした。乗る前に料金を訊いたところ、ガイドブックやターミナルに掲示されていた金額(15万リラ、約9000円)と同じだったので乗ったわけだがこれがとんだ食わせ者、雲助タクシーでメーターはどんどん上がり26万リラを超えていた。
交渉もへったくれもないもんだが、最終的には16万リラ払った(甘いかも知れないが、1万リラはチップのつもり)。
ホテルは5つ星、サン・ドメニコ・パレスホテル、ホテルの玄関までタクシーで乗りつけるのが、雲助の場合はホテルの門の外でおろされる。
このホテルは、映画《グラン・ブルー》の舞台にもなった元修道院のホテル。チェックインのため玄関の右に入るが、そこは映画でもフロントとして使われていた場所だ。
10時半に着いてしまったので、部屋を準備するまで少し待っていて欲しいといわれ結局1時間ほど待って部屋に入る。
◆見る
ホテルを出て左方向のローマ通りに進む。遠回りした格好になったが、タオルミーナの海を眼下に見ながらウンベルト1世通りへ出る。それからウンベルト1世通りを登るようにカターニャ門に向かう。
これで町をほぼ1周したことがあとでわかる。
昼の腹ごしらえのため、旅行前にインターネットでチェックしておいた路地のピザ屋を探し入った。一般的にはピッツァは昼はやっていないが、オープンしていたので入ったところ『昼だからピッツァはない』とのこと、他に客があまりいないので「この店、大丈夫かなぁ」と思いできればやめたかったが(やめて出ていった客もいた)、ワインと魚のソテーと何か頼んで空腹を満たす。
タオルミーナはリゾート地であり、見所はギリシャ劇場とウンベルト1世通りくらい。
この通りを下って戻りメッシーナ門の手前で右に曲がりギリシャ劇場へと向かう。ジリジリと陽射しが強く昼時のため真上から太陽が照りつけてくる。狭いウンベルト1世通りで、まるで雨やどりするようにわずかな日陰を見つけ軒先を借りながら歩いた。
ギリシャ劇場へ行く通りには土産物屋がならび、名産の大きな陶器の皿が飾られていた。旅の始めなので荷物になるので横目で見るだけ。
ギリシャ劇場は、海とエトナ山をバックにした素晴らしいパノラマの劇場で、ここを選んだ古代ギリシャ人の構想力には感服する。夏の野外イベントがあるらしくステージ、客席の準備がされていた。コンサートのようだったが、星空のもとのここでのコンサートはいいだろうなぁと思った。
せっかくの5つ星ホテル滞在なのでホテルをも楽しむことにする。泊まった部屋は380。
残念ながら新館のようでフロントから階段を下りエレベーターも使って部屋を行き来する。地形を利用して建てられているようだ。部屋の天井が高く、また照明がいい。バスローブがいかにも5つ星といういいものを用意している。
玄関に入りすぐ奥が映画にも出てきたガラスの回廊。陽射しが強くとも中はエアコンがきっちりと効いている。どこにもエアコンが見あたらなかったが、アンティーク家具のような黒い箱に納まっていて、昔の僧院を思わせる。司教の椅子、彫刻、絵が展示されている中にさりげなく商品も展示されている。
中庭は、手入れされていて南国の花が咲き乱れている。ここからみるエトナ山は絶景。自分で撮った写真をしばらくパソコンの壁紙にしていた。
プールはこの中庭を下ったところにあるが、ひっそりとしていた。
このホテルで結婚式の披露宴があるらしく、中庭には乾杯用のグラスの準備がされていた。
さて、夕食。コンシェルジェのお姉さんに幾つかリストランテを教えてもらう。そのうち『高いですよ』といわれたところを見に行く。ウンベルト1世通りを少し下って右の路地を入ったところにあったが、店の前にメニューが出ていて確かに高い。結局、教えてもらったお勧めのリストランテでもあった「FIGARO」に出ていた《アル・ドゥオモ》(実は旅行前からの候補)に決め予約をお願いした。
昼間うろうろしている時アル・ドゥオモの場所はわかっていた。ドゥオモ広場に面している。建物1階の屋上に折りたたまれた大きなパラソルがあった。それほどのリストランテとも思えなかったのだが。
狭い路地を入りその建物の階段を上がる。中はきちんとしたリストランテ。ところが奥へ案内された席は屋上のパラソルの下。しかし、暗くなっていくとこれが実にいい雰囲気。東京と違って夜になると屋外でも涼しい。おまけにすぐ側には大聖堂。9時ごろだったろうか、2組もの新婚カップルがドゥオモの前で記念撮影するところまでワインを飲みながら楽しめた。
◆食べる
■Al Duomo (vico Ebrei 11 98039 Taormina)
◎アンティパストはタコのサラダ、カポナータ
◎プリモは海の幸のパスタ、空豆のスープ
◎セコンドは魚介のフライ(ホタルイカ、鰯、小さな赤い魚。オレンジと一緒に食べる)、
小えびの何とか(パン粉でふっくらと固めたもの)
◎デザートはシチリア名物のカッサータ、カンノーロ(めちゃくちゃ甘い)
◎水、食後酒
◎ワイン(CURTO Fontanelle Nero D’a vola 100% Vendemmia 1998 (5万リラ))
2人で計20.7万リラ(ワイン込み)
◆遊ぶ
■エトナ山
■ギリシャ劇場
■ウンベルト1世通り
◆泊まる
■San Domenico Palace Hotel Taormina ★★★★★ Twin 51万リラ(朝食つき)
メールで直接予約。宿泊日は7月第3週土曜日だったがインターネットホームページでこの日がいわばシーズンオフ最終日であることを確認して予約。日程上無理だったができれば2泊はしたかった・・・・・。絶対に勧めたいホテル。
後輩に話したら彼は即実行、冬場だったためチェックイン時に海の見える部屋を頼んだらそうしてもらえたとのこと。
庭に面した朝食も内容、雰囲気といい抜群。スプマンテも供されていた。朝にスプマンテが出ているのは高級なホテルの証と聞いたことがある(私の経験ではここ以外ではフィレンツェのベルニーニパレスホテル、他にもあるでしょうが)。
ホテル内リストランテも良さそうだ。
ホテルから当日の天候(晴れときどき曇り)、気温(22度~29度)が記された名刺大のカードを渡され記念にとっている。
従業員はリゾートらしく白のポロシャツ着用。
◆買う
アーモンドのワイン(9,000リラ) どちらかといえば梅酒のような味わい。