2009/9 チンクェテッレとエミリア・ロマーニャ州の旅」カテゴリーアーカイブ

Milano (ミラノ)2009/9/21

◆最終日またまたミラノへ

9泊11日の最終日はブレーシアで明けた。月曜とあってクローズしているところも多く、それならばピアチェンツァに行ってみようとブレーシア駅へ行くとダイヤが大幅に乱れていたので寄り道をあきらめ、ミラノに早めに入ることにした(何と駅で2時間も待つ)。

 

12時39分発の列車は20分遅れ、さらに20分遅れでミラノ中央駅到着。荷物を預ける場所がわからず手間取り駅の外に出たのは15時15分。

特に見たいものがあるわけではないのでとりあえずレプッブリカ広場を目指す。28度と結構暑い。

 

ランチにしようと歩きながら適当な店を探す。

『歩き方』に出ていたスピーガ通りの食料品店はわかったが説明されているような立食コーナーなどない。そのまま歩き続け、いったん脇道に入るが戻りスカラ座へ。ここからグルッと回ったものの適当な店がなく、いつの間にかドゥオモ前に出てしまう。

 

さすが世界の観光地だけあってドゥオモ周辺、ガッレリアいずれも観光客でいっぱいだ。少し外れたところのバールで発泡性の白ワインとパニーノで遅いランチにする。

 

◆イッテQの撮影現場に遭遇

ドゥオモそばのリナシェンテを覗いてみる。地下の家庭用品はかなりもの、種類が豊富だ。

再びのガッレリアでは何やら日本とおぼしきTV撮影クルーに遭遇。主役はベッキーだ。帰国後《イッテQ》の撮影だと知った。

Milano イッテQ撮影現場

この日の夜の帰国便では宮川大輔と一緒になるが撮影現場では気づかずTVを見て知った。

 

メトロで中央駅に戻り、シャトルバスでマルペンサに向かい9泊11日の一人旅を終える。

Milano(ミラノ)2009/9/12~13

Milano(ミラノ)2009/9/12~13

 

◆行く

ミラノに初めて行ったのは初めてのイタリア旅行のときの最初の2泊だった。そしてその翌年の家族旅行の時、ヴェネツィアで家族と別れてから2泊したことがある。

それ以来ミラノに降り立つことは何回もあったがいつも翌日の移動のために泊るだけだった。

今回の旅は9月5連休を利用するので9泊11日と長いし、翌日はすぐ近くのパヴィア、しかも2泊もするのであわてて移動することもなかろうと久しぶりにミラノを歩きまわることにした。

 

ホテルはいつも中央駅の近く。昨年泊ったGonzagaが部屋の割にはリーズナブルだったのでそこにしたかったが満室でとれず、ネットでいろいろ探して駅北東にあるホテルにした。

 

◆ユベントスvs.ラッツオ戦をTVで見ながら夕食

ホテルはわかりやすく飛行機がマルペンサに着陸してから2時間弱でチェックイン。

とりあえず荷物を部屋におき、フロント氏に教えてもらったピッツェリアへ。

外にも席はあったが中の席に案内される。奥行が結構ありかなりの客がいた。ちょうどユベントスvs.ラッツオ戦の中継中でユベントスのいい場面になると盛り上がる。

 

今回の旅で初めての食事なので定番の《生ハムとメロン》、《ミラノ風リゾット》そしてメインを《カジキマグロのグリル》、ワイン、カフェにする。

さすがにまわりはピッツァを食べている人が圧倒的に多い。魚介類は《海の幸盛合せ》、《エビのグリル》が美味しそうだ。明日の昼にでも、思ったが昼はやっていないとのこと、残念。

 

約1時間半の夕食だったが、この間後半27分にユベントスが1点入れ周りは一層盛り上がった。

 

◆まずドゥオモへ

夕方までのミラノ観光とあって朝食後すぐにスーツケースを預けチェックアウト。10年ぶりの観光だ。まずはメトロでドゥオモへ。屋上に上がるのが目的だ。

Milano ドゥオモ①

 

屋上へは9時から、となっていてほんの少し待てば、と思ったがそこはイタリア。20分遅れるとのこと。列から離れドゥオモ一周。

 

9時15分すぎ登り始める。

それほどきつくはない。約350歩ほどでとりあえず上に出る。それからまた少し登る。

朝、空気が澄んでいて天気もいいのでいい景色だ。

Milano ドゥオモ屋上からの眺め①

Milano ドゥオモ屋上①

てっぺんは割と広々している。周りはゴシック様式の尖塔。まるで尖塔の林に囲まれたようだ。見上げると金色に輝く聖母マリアの尖塔がすぐ上だ。

Milano ドゥオモ屋上の尖塔②

 

◆サン・サティロ教会を探し回る

ドゥオモを下りてからは王宮を抜け、ラルガ通りへ出てしまう。サンタ・マリア・プレッソ・サン・サティロ教会に行くためだが地図を見間違えたためかなり遠回りをしてしまった。トリノ通りに出てもわからず行ったり来たりする。

『歩き方』の写真が後陣であることを気づかず誤解したのだ。実はトリノ通りに出ていた花売り屋台の奥だった。かなり小さな教会だ。中は八角形、中央祭壇の絵は遠近法で奥行きがあるように見える。

Milano サン・サティロ教会ファサード

 

◆アンブロジアーナ絵画館

次はアンブロジアーナ絵画館。11時からのサンタンブロージョ聖堂での演奏会に行きたかったので10時オープンと同時に入りたかったが教会探しで時間がかかったので間に合わず、だ。

 

Milano アンブロジアーナ絵画館入場料は何と15ユーロ、イタリアでは高い(音声ガイドは1ユーロ)。入場料は高いが入ってみると絵とともにフェデリコ卿の住居を見学するという意味があることに気付いた。最近建てられた展示室もある。日本語音声ガイドでは展示室の説明があり詳しい説明は次にしてくれるが、説明している絵がどれなのかわかりにくく室内を動き回ることになってしまった。

 

カラヴァッジョの《果物籠》をじっくりと見る。静物画としてはものすごく精緻だ。枯れかかった葉、腐りかけてきた林檎、ぶどうなどまるで写真のようだ。

第5室は通りすぎてしまいそうに薄暗い。ここにはラファエロの《アテネの学堂》のデッサン(3m×8m)がある。何回も座りなおして観てしまった。

ダヴィンチの展示室は最後の部屋。ここには《楽師の肖像》がある。想像していたより小さな絵だ。

他には弟子が模写した《岩窟の聖母》、《最後の晩餐》もある。

 

最後に出口で詳細なアンケートを求められた。これはイタリアでは初めてのことだった。

 

サンタンブロージョ聖堂へ急ぐが

途中大学のあたりで大回りしたため着いたのは12時半。レンガのファサードと鐘楼が青空に映えて美しい。すでに演奏会は終わっていて日曜のためミサの真っ最中だ。

Milano サンタンブロージョ聖堂①

 

ミラノの守護聖人を祀る最古の聖堂ということで有名だが訪れたのは今回が初めてだ。ビザンチン様式で3廊式。身廊と側廊を分けるアーチはクリーム色とレンガ色で2層になっていてその他は白ですごく明るい感じがする。

ミサだったのでいったんは壁際に座ったが、説教が終わってから一回り。主祭壇には4本の柱に支えられた漆喰浮彫りの祭壇天蓋があり、その下には金細工の施された黄金祭壇がある。主祭壇下には遺骸が安置されているように見えたが本物なのだろうか?

Milano サンタンブロージョ聖堂 ミサ

 

◆サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会

ガイドブックの地図を見ながらポルタ・ティチネーゼ通りをサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会へと向かう。

教会の前の広場にはローマ遺跡のような円柱の列。ミラノ最古の教会は八角形の独特な形をしている。中は石造りのままで質素だ。ただ、祭壇天蓋のみ豪華に見えるが金などは施されていないようだ。

 

Milano サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会②Milano サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会内陣

◆ポルタ・ティチネーゼまで行ったり来たり

サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会からポルタ・ティチネーゼ通りを下る。日曜とあってこのあたりの店はほとんど休みだ。以前、ミラノのリストランテで隣のテーブルに座ったカップルに教えてもらったおすすめの店を探してみるがわからずじまい。

ポルタ・ティチネーゼのちょっと手前の教会(あとでサンテウストルジョ教会と知る)前の広場に面したリストランテ&ピッツェリアで少し遅めのランチをとる。

Milano サンテ・ウストルジョ教会②

 

◆またまたドゥオモへ

近くにメトロがないのでお腹をこなしながらドゥオモ目指して歩く。

ドゥオモ広場をはさんで向こうに見えたドゥオモは真っ白でまるで雪のようできれいだ。

Milano 午後のドゥオモファサード

ガッレリアにも10年ぶりに行くがリストランテ、カフェやプラダ、ヴィトンなどのブランド・ショップが目につく。

Milano ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世のガッレリア②

本屋に寄ってGamberoRossoのリストランテ評価本を買ってメトロでホテルへ戻る

 

◆パヴィアへ

16時10分中央駅に着き予定通り16時25分のFSに乗って次の目的地パヴィアへ。

 

◆泊る

ホテル Hotel Soperga, via Soperga 24(★★★), via Soperga 24

1泊 Single 84ユーロ、venere.comで予約

◆食べる

  • お店の名前 Bel Paese, viale Brianza n20

食べたもの 前菜 生ハム&メロン、6ユーロ。メロン4切れ(多分半分)、甘くて、また生ハムもしっとりしてめちゃくちゃうまい。量が多いので完食するのが大変。

Milano Bel Paese 生ハムとメロン

プリモ ミラノ風リゾット、4.5ユーロ。ミラノ風というだけあってサフランで香り付け。お米は真っ黄色。バターの味がする。

セコンド カジキマグロのグリル、9.5ユーロ。胴体を厚さ1cm弱に輪切りしたグリル。レモン、オリーブオイル、胡椒で味付け。

Milano Bel Paese カジキマグロのグリル

コペルト(1.5ユーロ)のフォカッチャ(丸半分、4切れ)、水、ハウスワイン500ml、カフェで計27ユーロ。

  • お店の名前 Ristorante Sant’ Eustorgio, Piazza Sant’ Eustorgio

食べたもの 前菜 ムール貝とアサリのワイン蒸し、9.5ユーロ。

Milano Sant'Eustorgio ムール貝とアサリのワイン蒸し

生ハムとブフォーラ・モッツアレラのピッツァ、8ユーロ。

Milano Sant'Eustorgio 生ハムとブフォーラのピッツア

コペルト(2.5ユーロ)、グラスワイン(5ユーロ)で計25ユーロ。

きちんとしたネクタイ姿のカメリエーレがいるだけあってメニューはやや高め。

 

◆買う

買ったもの “ristoranti d’Italia del Gambero Rosso ‘09” 22ユーロ (ガッレリアの本屋で)

Nespressoカプセル(3種類) 10.5ユーロ (リナシェンテのB1売り場で)

2010年カレンダー 6ユーロ (ドゥオモ広場の土産物屋で)

Brescia(ブレーシャ) 2009/9/19/~21

Brescia(ブレーシャ) 2009/9/19/~21

◆行く

2009年イタリア一人旅、最後の宿泊地はブレーシャ

この町はいつも通りすぎるばかりだった。最初はイタリア旅行初めてのとき、ベルガモからヴェローナに行くときに乗り換えた。あとはミラノ~ヴェネツィアなどヴェネト地方移動の際は何回も通りすぎている。

前泊地クレモナから乗った16時23分発の列車は単線なのか途中の駅でかなり停車していたが約1時間でブレーシャに到着。

意外に大きな町のようだ。駅からは、チェントロに入ってから歩道が土曜夕方のため混んでいてホテルまで20分かかってしまった。

◆夕暮れの町歩き

ホテルの部屋で一休み。時計塔に続くすぐ下の通りに面しているがすごく賑わっている。

19時すぎ例によって町歩きに出かける。出がけにレセプションでおすすめのリストランテを訊いてみたが、『今日は土曜だから今からだと予約はとれない。このあたりには沢山あるので自分の目で見て入って。』といわれる。

まず、さっきスーツケースを引っ張って通ったドゥオモ前の広場(パウルス6世広場)へ。

昨日のクレモナ、おとといのレッジョ・エミリアのようにいきなり目に飛び込んでくる方が良かったのだが。

ドゥオモの前は珍しく芝生だ。

目の前のカフェで一杯と思ったものの混んでいて座れそうもないので西の方へ通りを渡って行ってみた。今日も音楽が聞こえてくる。

行ってみるとちょっと面白い形をしたロッジアの前にステージがある。アコーディオン、打楽器、マンドリンの演奏だ。1曲聴いて戻りながら歩くとそこがホテル前の通りだった。
Brescia ロッジア
カフェに席があったのでプロセッコでアペリティーヴォ、小さなサンドイッチがついてくる。

ドゥオモの正面、右に旧ドゥオモのロトンダ、左にはブロレットという構成。見ているだけで美しく絵になる。夕暮れの風が気持ちいい。

 

◆自力で探したリストランテ

リストランテは自分で探すことになったが、旅行前にネットでチェック、HPで見ていた店がホテルの2,3軒先だというのがわかったのでそこに決めた。

20時半近くに行ってみるともうほとんど一杯だったが、外に面した向かって左の席に案内される。

前菜で注文したロンバルディアのサラミ・ミストは真ん中のペペローネが生肉に見えたが全部で4種類、我が家なら皆で食べる量だ。しかもいずれも目茶苦茶うまい!プリモのカプレーゼはブファーラ(モッツァレラ)がものすごい大きさだ。セコンドの牛肉のタリアーテは完食できなかった。
Brescia Locanda dei Guasconi ロンバルディアのサラミ盛合せ
21時すぎから21時45分頃まではどんどんお客が入ってきて中にはあきらめて帰る人もいた。この界隈にはリストランテが沢山あるのにこんな状況なのは相当な人気店なのだろう。

 

◆日曜朝は新旧ドゥオモ

9時半頃、まずドゥオモへ。このドゥオモは17世紀のものだ。

3廊式で、太い四角い柱が力強い印象を与える。柱の上部は内部を取り巻くように彫刻がほどこされている。

外から想像できるようにクーポラが高い。側廊、翼廊の礼拝堂も立派だ。掲げられている絵画も大きい。
Brescia ドゥオモ クーポラ
祭壇奥の後陣の絵は《聖母被昇天》だ。

10時近く、ミサが始まる頃なのか段々と人が増えてきたので外に出る。

 

広場に出てみるとゼッケンをつけた大勢のランナーがこの楕円形の広場を走っている。ブロレットの北から入り広場をぐるっと回ってドゥオモの北に出ていく。きっと市民大会なのだろう
Brescia ドゥオモ前広場のランニング大会②
それを見ながら南側にある円形のロトンダへ行く。このロマネスク様式のロトンダはドゥオモ・ヴェッキオとも呼ばれている。
Brescia ロトンダ
中に入ると当然のことだが丸い。アーチのある壁でまた丸く仕切られていて真ん中を取り巻くように回廊になっている。天井やアーチ状の壁の装飾がきれいだ。内陣にはここブレーシャの画家モレットの《聖母被昇天》がある。地下はcrept(地下納骨所)になっている。ここの白い太い柱は力強い。

ロトンダを出てからロッジア広場を散策。この町は珍しく市がないようだ。日曜だからなのか、それとも他の広場でやっているのか?

 

◆ローマ遺跡とサン・ゼノ・アル・フォノ教会

今度は反対側、東にあるローマ遺跡、カピトリーノ神殿へ向かう。11時ごろだが日差しが強い。

この神殿は1世紀にヴァスパシアヌス帝が建立したものだ。柱は6本残っていて、白と茶色だけど実際には白い石の表面に茶色い石を張り付けていたのがはげ落ちたようだ。
Brescia カピトリーノ神殿
奥には建物があり一部復元されているようだ。また出土品というか建物に付属していたと思われるものが展示されている。

神殿の東側にはローマ劇場がある。まさに、ローマ遺跡だ。
Brescia ローマ劇場
神殿の通りの向かい側にある教会から大勢のアフリカ系の一群が出てきた。おそらくミサを終えたところなのだろう。

中に入ると、小さいながらも外観からは想像もできないほど豪華な絵画が沢山あり驚くと同時に『さすがイタリアだなぁ!』と思う。
Brescia サン・ゼノ・アル・フォロ教会 内部

 

◆市立サンタ・ジュリア博物館

このあと、すぐ近くの市立サンタ・ジュリア博物館へ移動。

入口でもらったパヌフレットによると、博物館といいながら同じ建物の中にはサンタ・マリア・イン・ソラリオ礼拝堂サン・サルヴァトーレ教会がその中にあり相当な広さで見どころも多い。3千年の歴史をカバーしているとのことだ。

サンタ・マリア・イン・ソラリオ礼拝堂では小さな空間の壁一面にフレスコ画が描かれている。
Brescia サンタ・ジュリア博物館 SantaMaria in Solario礼拝堂②
部屋の中央には”Croce di Desiderio”という名の十字架がガラスケースに収められ展示されていた。
Brescia サンタ・ジュリア博物館 Croce di Desiderio
ローマ時代の展示では1世紀のブロンズ像《翼を持った勝利の女神》が素晴らしい。2千年前のものとは思えない写実性と迫力が印象的だ。そのほか8世紀の《孔雀》のレリーフ、9世紀の風見鶏もいい。
Brescia サンタ・ジュリア博物館 翼を持った勝利の女神②
ローマ時代の邸宅の遺跡部分もあって床などのモザイクがきれいだ。
Brescia サンタ・ジュリア博物館 邸宅の遺跡モザイク②

見学順路の最後はサン・サルヴァトーレ教会だ。ここはさっきの礼拝堂よりは大きくまさに教会なのだが、ここも美しく素晴らしい《キリストの生涯》のフレスコ画で埋めつくされている。

『こんな町(失礼!)にもこんな素晴らしいものが』と驚いた。そのうち、パドヴァの《スクロヴェーニ礼拝堂》のように予約制になるかもしれないなぁ?

出るとき係の人に”Grazie! Arrivederci”と言ったら”Bella?”と訊かれた。”Si! Molto!”と答える。

システィーナ礼拝堂に匹敵すると言ったら言いすぎだがとにかく素晴らしい。

3千年を約1時間で垣間見たことになる。

 

◆夕方はカステッロへ

遅いランチのあといったんホテルへ戻り一休み。9月中旬とはいえ夏時間とあって15時はまだまだ暑い。暑い時間帯は歩き回らず身体を休ませた方がいい。

16時すぎに夕方の観光・町歩きに出かける。まず向かったのはピナコテーカ(市立絵画館)
Brescia モレット像
ピノコテーカを向いた絵描き姿のモレットの銅像があるところだというのはわかったが、レンガ色の建物入口は閉まっている。どうやら修復工事で閉館のようだ。

 

次に向かったのは駅の近くのバス・ターミナル。「明日もしガルーダ湖のシルミオーネに行くならば」ということでバスの時刻を調べに行く。

帰りはレップブリカ広場からリベルタ通りを通ってチェントロを通りすぎ、今度はカピトリーノ神殿の北にあるカステッロへ向かった。

カステッロへは階段を使い車の道を横切る形で上がって行く。

カステッロ前の広場にはバールがある。それを横目にそのままカステッロへ。
Brescia カステッロへ
ところがどういうわけか上には行けずじまい。したかって眺望も今一つ。足が疲れた。バールで一休みしたいところだったがホテルに戻る。

 

レッジョ・エミリアからの一昨日、クレモナからの昨日そして今日と、イタリアの夏らしい朝夕涼しく昼は暑いといういい天気が続いて気持ちがいい。

 

◆9泊11日の旅の最後の夕食

19時半すぎ食事に出かける。「どこかで一杯」と思い早めに出たが、結局「食事のときに食前酒を飲めばいいや」と思い直し、さっきバス・ターミナルからの帰りに見つけたサン・フランチェスコ教会裏手のOsteria San Francescoへ行ってみる。

最終日前日とあって現金の持ち合わせが少なくなっていたのでお店入口で『クレジット・カードを使えますか?』と尋ねると『ふだんは使えるけど今日は機械の故障で使えない』との返事。

ちょっと明日の行動を考え残念ながらこのオステリアをあとにする。

 

結局ホテルすぐ近くのドゥオモ広場に面した店にした。これが大当たりだった。久々(といっても3日前のラ・スペツィア以来)の魚料理を堪能できた。

ドゥオモとブロレット前という絶好のロケーション、ドゥオモの前で食事をするのは8年前のタオルミナ以来だ。あのときは2階席からドゥオモをやや見下ろしていたのに対し、今日は外の席から見上げている。しかもドゥオモが大きい。一人の食事だが見ていると飽きることがない。
Brescia 夜のドゥオモ

一人旅の食事の欠点といえば「どう時間をすごすか」に加えて、ワインがどうしてもボトルで頼めない以上ハウスワインのカラフェになってしまうことが多いが、この店はグラスワインの種類がいくつかありしかもボトルを見せてテイスティングまでさせてくれたのも良かった。

9泊11日の旅の最後の夜にふさわしい優雅な食事となった。

 

◆明け方の雷

夜中、1時半頃雷で目がさめる。今回の旅は雷によく出くわす。

その後断続的に鳴り4時くらいまで続いただろうか。近くに落ちたような音もする。6時に目覚めたが寝不足だったためかそのまま眠り7時半起床。

朝食後荷物をまとめ『12時までに戻るから』と行って9時すぎに出かける。雷雨のあとのせいか肌寒い。

こんな天気なのでシルミオーネに行くのはやめた。

ヴェネツィア門近くの食料品店に行ってみる。ホテルにあったパンフレットでは9時開店のはずが9月から定休日が月曜に変わっていたらしくあきらめる。昨日たどりつかなかったカステッロの上まで登ろうかとも考えて北の方に向かったが、早めにミラノに戻る(時間があればピアチェンツァへ行く)ことにし、ホテルに戻りチェックアウト。

 

◆さんざんだったミラノ行き

ミラノに早く行こうと駅に着いてみると切符売り場には大勢並んでいておまけに自販機は目につくところ1台のみ。

ようやく自分の番がきて操作すると次のミラノ行きは12時39分発の ES(エウロ・スター)だ。2時間近く待つことになるがやむなし。ところが操作ミスをしたのかクレジット・カードを入れても発券されない。

しかたがないので切符売り場に並びなおし購入。遅れていたESに乗れたかもしれない。

 

12時39分発のESはミラノ着13時25分の予定なのでミラノからピアチェンツァ往復は無理だ。

2時間待ったあげくこの列車も15分遅れで到着。

しかも待っていた場所が真ん中の車両くらいと思っていたら何と1号車だ。乗るべき車両は10号車、ホームを後ろに走るが何せスーツケースは重いし、他人にぶつかっては大変。なんとか7号車に乗り込み通路移動するが、スーツケースを引っ張れないのでしんどい。途中2カ所で持ち上げるなどしてようやく指定席に座りミラノへ向かう。

 

◆泊る

ホテル Albergo Orologio(★★★), Via Beccaria,17, Brescia
Brescia Albergo Orologio
http://www.albergoorologio.it/

Single 78.5ユーロ、Hotel-Freak.comで予約。

ドゥオモ広場のすぐそば、ロッジア広場にも近い。

21号室だったが大きな窓で明るい、すぐ下は時計塔への通り。

 

◆食べる

  • リストランテ

お店の名前 Locanda dei Guasconi, Via Beccaria, 11/G, Brescia

http://www.locandadeiguasconi.it/

食べたもの 前菜はロンバルディアのサラミ・ミスト(9.5ユーロ)。

プリモはカプレーゼ (冷たい大麦のミネストローネを頼みたかったがなかったので。8.5ユーロ)、ブファーラがものすごい大きさ。
Brescia Locanda dei Guasconi カプレーゼ
セコンドは牛肉のタリアーテのスモークチーズ添え(14ユーロ)。

ワイン   Teve di Franciacorta 2005 Cudula、Colline della Stella, Andre Arici (ハーフ、8ユーロ)

コペルト、水、グラッパ(3.5ユーロ)で合計40ユーロ

 

お店の名前 Pizzeria DonRodriguez, Via F.Cavalloti, 6, Brescia

食べたもの(ランチ) 前菜は生ハム・サラミの盛合せ(7.5ユーロ)、ピッツァはロマーナ(5.5ユーロ)、トマト、アンチョビ、オレガノ、ケッパーなど。大きくて食べるのに一苦労。
Brescia Don Rodriguez ピッツア・ロマーナ
コペルト、水、ワインで合計20.5ユーロ

 

お店の名前 Ristorante I Macc de le Ure, Piazza paolo vi, 6, Brescia

http://www.imaccdeleure.it/

食べたもの 魚料理のコース(ワイン込み48ユーロ)があったのでそれを注文しようとしたら『海の幸リゾットを含むので2人前から』ということで断念。アラカルトで魚料理を選ぶ。

プリモにマグロのカルパッチョ(14ユーロ)があったのでそれを頼み前菜を飛ばす。マグロを1cm角にしたものにオレガノなどハーブを混ぜたものを丸い型に入れお皿に盛りつけたもの。オリーブオイルがたっぷりかかっている。つけ合わせにトマト。
Brescia Volto マグロのカルパッチョ
セコンドは川カマスのグリーン・ソース(16ユーロ)。川カマスを煮たものにオリーブ、プティトマトなどがかかっていて黒いリゾットが添えられている。

ドルチェはティラミス(6ユーロ)

ワイン   Prosecco Volto 10、

Cannonau di Sardgna Riserva 2005 Sella Mosca (いずれもグラス、各4ユーロ)

グラスにもかかわらずテイスティングできるし銘柄まで教えてくれた。

コペルト、水、カフェで合計50ユーロ

 

Cremona (クレモナ) 2009/9/18~19

Cremona (クレモナ)  2009/9/18~19

◆行く

2009年イタリア一人旅、最初の計画ではクレモナに泊る予定はなかった。

最後の宿泊地はブレーシアに決めていて、前泊のレッジョ・エミリアから移動してピアチェンツァに泊る予定だった。

ところが、適当なホテルがみつからずピアチェンツァ宿泊をあきらめヴァイオリンの町クレモナに泊ることにした。時間があればクレモナから日帰りでピアチェンツァ観光をしてもいいと思った。

これが大げさにいえば《運命の出会い》につながることになった。

◆フィデンツァでの乗換え

レッジョ・エミリアを10分遅れで発車した列車は、遅れを取り戻せずに乗換えのフィデンツァに到着。クレモナに向かう列車は入れ替わるように出て行ってしまう。

次の列車は17時38分発、小一時間待つ。バールにでも行きたいところだがスーツケースが重いので動きたくない。結局ホームで時間をつぶす。

17時10分頃入線してきた列車が折り返すようだ。外で待っていても暑いので車内へ。

『早く動き出して!』。定刻通り発車、18時13分到着。

 

ローマ広場(とは知らなかったが)までは合っていたがその先でわからなくなり、少し戻ってホテルへの小径(vicolo)発見、結局20分かかってホテルに着いた。

 

◆夕暮れのカテドラーレ

19時すぎホテルすぐ近くのカテドラーレに行く。

コムーネ広場につながる小径に入ると正面に見えるトラッツォ(鐘楼)が素晴らしい。

 

Cremona 夕暮れのトラッツァ①

 

そう思ってさらに前に進むと、その右にあるカテドラーレが視界に入ってきてその美しさに思わず息を飲む。

Cremona カテドラーレとトラッツォ

イタリアは何てすごいんだろう。

 

正面のカフェでビールを飲みながらカテドラーレの姿を見つめる。

夕方に着いて薄暮から暗くなりライトアップされているところがいい。

 

ファサードはいわば7階建ての感じだ。全体的にピンク、クリーム色っぽい大理石。1階はポルティコのようにも見える。3、4階部分は左右各9本の列柱で正面扉の上(壁龕)には3本の列柱、真ん中には聖母子像、左右は聖人像か。その上には大きなバラ窓、さらにその上の7階部分にも5本の列柱の間に聖人像が4体。

Cremona カテドラーレのファサード

 

すごい! ロマネスク・ロンバルディア様式の傑作だそうだ。

左にはトラッツォ(鐘楼)、右には洗礼堂だ。

 

ビール小は4ユーロ、つまみはついてこなかったが席料だと思えば安いものだ。

コムーネ広場に面したこのカフェの建物もものすごく古くてフレスコ画もある。この建物が歴史あるコムーネ宮だということを翌日知った。

Cremona コムーネ広場のカフェのフレスコ画

 

 

◆《運命の出会い》のトラットリア

さて、夕食。ホテルのご主人に教えてもらった店はちょっと遠かったが行ってみた。

地元の人が通う店のようで混んでいて断られる。

『しようがない、あとは勘で探すしかないなぁ。』と来た道を戻り、途中ローマ広場近くの角に《トラットリア》の看板が出ていたので左折し暗い道を歩いてその店に行った。

Cremona Trattoria Il Bissone 看板

 

 

落ち着いた感じの店だ。入ってすぐ左にはカウンターがありうしろにはずらっと飲み物の瓶がならんでいる。部屋の中央にはドルチェなどの置かれたテーブルがあり、その周りを取り囲むように客席がありほとんど空いていたが、奥の部屋に案内された。

 

こちらもゆったりとしたテーブルの配置だ。一番奥には暖炉がある。Trattoriaと名乗っているがRistoranteの雰囲気だ。

 

メニューを見てすぐわかったが、この店はグラスで頼めるワインの種類が多い。ハウスワインもその中で1.5ユーロのものと同じだということがわかる。一人で飲みながら食事をするには、あるいはいろいろなワインの味を楽しむには絶好の店だ。

Cremona Trattoria Il Bissone メニュー

 

この部屋もすいている。3組の客しかいない。

たまたま、通路をはさんだ向かい側のテーブルにいて目があったのが日本人の若い女性二人組。

最初にちょっと挨拶。『久しぶりに日本の方にお会いしました』。一人旅だったのでミラノに着いてから7日目にして初めて日本語をしゃべった。

『OLの先輩、後輩の旅かなぁ?』と想像していたが、二人はペルージャで勉強中の留学生だった。真向かいの女性はヴァイオリニスト、もう一人はペルージャ外国人大学で語学留学中とのこと。

ペルージャには9年前に2泊したことがあり外国人大学の場所も知っていたので話がはずむ。

イタリア語も話題になり、『私のような年代の人も留学していますか?』と訊いたところ『日本の方はわからないけど欧米の方は見かけますよ』といわれた。

明日はヴァイオリン職人さんに会いにPiadinaに寄ってからMantovaへ行くという。

彼女たちの帰り際、日本での再会を約束し別れた。

 

食後のカフェを飲み終え、遅れてトラットリアをあとにする。

ホテルに近づくと大きな音楽が聞こえてきた。行ってみるとコムーネ広場、カテドラーレ前のステージだ。2曲ほど聴いてホテルに戻った。

Cremona コムーネ広場での演奏

 

 

◆翌朝ホテルで

朝食後コムーネ広場へ。夕暮れ時の静寂な広場は、花卉類が中心の市(メルカート)の準備中だった。

ホテルに戻りレセプション前の椅子に座って新聞の天気予報を見ていたら、昨夜の二人とばったり。

『ホテルも同じだったんですね』とお互いびっくりした。半日ほど早くクレモナ入りしている二人はもう出かけるところ。少し話をして送り出した。

 

《運命の出会い》というのは、ここで二人と知り合ったことで2010年夏にペルージャへ留学することになったからだ。

帰国後再会し、ペルージャ語学留学を勧められ、準備段階でもいろいろ教えてもらう。また、ペルージャ滞在の2ヵ月間も現地で何かとお世話になった。

 

◆カテドラーレと洗礼堂

9時半、クレモナ観光スタート。まず、カテドラーレへ。

どっしりとした太い濃いグレーの柱が印象的だ。縦に金色の線がある。

身廊柱の上はキリストやマリアの一連のフレスコ画、後陣も同様だ。主祭壇は上から、《受胎告知》、《天上のキリスト》、《聖母被昇天》。入口の上は《十字架のキリスト》、右下は《降架》。側廊にもいろいろな絵や彫刻がある。

ファサードも美しいが中も素晴らしい。

 

カテドラーレ右の聖ヨハネ洗礼堂、まわりも裏も市の店だらけだ。こちらは食べ物中心で、中には魚などのフリットの店もある。フリットは100g1.9ユーロ、買って昼食にでも食べたいくらいだ。

 

さて、中に入ると外の喧騒さがうそのように静かだ。天井がものすごく高い。真ん中にはヴァルポリチェッラ産だという赤い大理石の洗礼盤、正面祭壇にはは《キリスト磔刑》の木彫、左には《嘆きのマリア》、右には毛梳き道具を手にした《サン・ビアッジョ》がまつられている。

Cremona 洗礼堂 毛梳き道具を手にしたサン・ビアッジョ

 

《サン・ビアッジョ》は梳毛職人達にとっての守護聖人でこの祭壇は16世紀に梳毛職人の信者会によって寄進されたものだそうだ。

 

◆トラッツォに上る

カテドラーレの左側に優美な姿を見せるトラッツォは、高さ111mの鐘楼で町のシンボルだそうだ。

今まで訪れた町で高いところがあれば必ず上っているがこのトラッツォにも挑戦(入場料5ユーロ)。

 

最初は直線の階段、そのうち左回りのらせん階段を上る。

Cremona トラッツォ 階段

 

そこを上り切ったところで終わりかと思い屋上に出て一周しながら写真を撮る。そのあとで中に戻ると、まっすぐ上がるだけの宙に浮いた感じの階段があることに気がついた。結構こわい。高所恐怖症の人は絶対にダメだろう。

Cremona トラッツォ らせん階段

Cremona トラッツォの鐘

一番上に出るとさっきとは眼下の景色が違う。上から見るとクレモナには教会の多いことがよくわかった。あとで、地図を見ると市内には少なくとも22の教会がある。

Cremona トラッツォの上から見たカテドラーレ  Cremona トラッツォの上から②

 

◆昨夜のトラットリアへ再び

ちょっと迷ったがランチは昨夜のトラットリアでとることにした。短い日程の旅行では『いい』と思った店には経験上再訪するのもありだ。

行ってみると閉まっている。少し時間が早いかもしれないので近くをブラブラしてまた行ってみる。3度目にちょうどカメリエーレのお兄さんが自転車で出勤したところに出くわすと、『どうぞ、どうぞ』と入れてくれた。

本日の前菜、ポルチーニのニョッキ、桃のタルト(まるまる1個)、ワイン、カフェで計25.8ユーロ。

 

Cremona Torattoria Il Bissone 桃のタルト

2日連続のためか、その日のせいか理由はよくわからないが、マダムがおみやげとしてトローネをテーブルまで持ってきてくれた。

 

◆市立博物館とストラディヴァリアーノ博物館

ランチのあとおよそ15時半までの観光。市立博物館ストラディヴァリアーノ博物館に向かう。入口に「土曜は14時まで」の表示があった。ちょうど14時なので訊ねると博物館の入口はもっと中だとのこと。

切符売り場でどんな種類の入場券があるか確かめてみるとコムーネ宮を含む共通券を説明してくれたが、残り時間では厳しそうなのでとりあえずここだけにした(入場料7ユーロ)。

 

入ってすぐのところにヴァイオリンが6本展示されている。10年ほど前に教育TVのイタリア語講座のストーリーで出てきたところによく似ている。

Cremona 市立博物館 展示①

『このヴァイオリンはきっと素晴らしくまた高価なものなのだろうなぁ』と思う。

 

その奥には1400年代の絵画やキリスト教関係のもの、ずっと後の方には1800年代、1900年代のもの、九谷、伊万里など日本の陶磁器が展示されている。

市立博物館とあって町の歴史が写真代わりの当時の絵も含め展示されている。

 

一番奥がストラディヴァリアーノ博物館だ。右側にヴァイオリンを作る工程の展示があり、入ってすぐのところでは実際の作業をビデオの映像で見ることができる。

Cremona ストラディヴァリアーノ博物館 制作工程左の部屋にはヴァイオリンはじめ弦楽器が展示されている。

 

出口まではもと来た順路を戻って外に出た。中庭にはストラディヴァリの胸像があった。

Cremona ストラディヴァリ胸像

 

 

◆ブレーシャへ

これを最後にコムーネ広場に戻り市の終わった昼間のカテドラーレを見に行ってから、ホテルでスーツケースを受け取り駅に向かう。

 

16時23分発の列車は20分ほど前に入線、蒸し風呂のような車内に乗り込む。1時間後の列車でも良かったが早めにブレーシャに着き一休みするためにこの列車にした。

定刻に発車、最終目的地のブレーシャに向かう。

 

 

◆泊る

ホテル Astoria Hotel(★★★), Via Bordigallo,19 angolo Via Solferino, Cremona

www.astoriahotel-cremona.it

Single 60ユーロ、Booking.comで予約。

昨日までの4つ星とは比べるべくもない。エレベーターは手動でドア開閉、ちょっと怖い。348号室だったが窓枠がはずれそう、ただバスルームだけはバス付で広い。

コムーネ広場に近く、ロケーションで選んだ価値はあった。

 

 

◆食べる

  • リストランテ

お店の名前 Trattoria il Bissone, Via Pecorari, 3, Cremona

www.bissone.it

食べたもの 前菜はパルマ産のクラッチャ(culaccia di Parma 11ユーロ)、

Cremona Trattoria Il Bissone パルマ産クラッチャ

プリモは生のフンギ・ポルチーニの生タリアテッレ(Tagliatelle Fresco ai funghi porcini 9ユーロ)、

Cremona Trattoria Il Bassone フンギ・ポルチーニのタリアテッレ

 

セコンドは子牛の薄切り肉ツナソースかけ(vitello tonnato 9.5ユーロ)。

Cremona Trattoria Il Bissone 子牛の薄切り肉ツナーソース

ワイン

Prosecco Valdobbiadente Jeio Colmai Extra Dry(3.5ユーロ)

Barbera d.o.c. Lorenzo Zanetta, Piemonte (250ml, 2.5ユーロ)

Nobbiolo Colline Novaresi d.o.c.Pratogrande,Pratogrande 05, Lorenzo Zanetta, Piemonte (2.5ユーロ)

コペルト、水、カフェで合計42ユーロ

 

食べたもの(ランチ) 前菜は本日の前菜、ズッキーニ、バジリコ、チーズのタルトでふわふわした食感(4ユーロ)。プリモはポルチーニのニョッキ(10ユーロ、ニョッキはかぼちゃで作られ長さ5cm x幅1.5cm)。ドルチェは桃の上にチョコレートやクッキーの乗ったタルト(5ユーロ、桃まるまる1個)、桃の自然の甘さで無茶苦茶甘く大きさも半端でないが完食する。

ワイン   Ortugo colti piacentini d.o.c., Vitivincola Luenti, Emiglia(250ml, 2.5ユーロ)、エミリア・ロマーニャ州の発泡性(Frizzante)白ワイン。

 

 

◆買う

お店の名前 Negozio Sperlari, Via Solferino,25 Cremona

買ったもの ボローニャのチョコレート Majani、家族や職場のお土産用として結構沢山買う。

Reggio Emilia (レッジョ・エミリア) 2009/9/17~18

Reggio Emilia (レッジョ・エミリア) 2009/9/17~18

◆行く

2009年イタリア一人旅、目的の一つだったチンクエテッレ訪問の次はロンバルディア州で今まで行ったことのない町をいくつか行くことにして、イタリア国旗発祥の町で、またパルミジャーノ・レッジャーノの町であるレッジョ・エミリアが次の目的地だ。

チンクエテッレ観光の拠点にしたラ・スペツィアを午前中に発つ計画だったが、雨にたたられチンクエテッレを結局2回行くことになったので予定より半日遅れて16時20分発のパルマ行きの列車に乗る。

5分遅れで発車したが1時間ちょっと走ったところで急停車。その分だけまた遅れる。パルマでの乗換えをあきらめた。18時20分頃パルマ着。レッジョ行きのホームがわからない。とりあえず地下道へ下り、そこで時刻表で確認すると4番ホーム18時29分発、ぎりぎりセーフだ。

さっきまでは山の中を走っていたが今度は田園だ。18時45分到着、50分に駅を出てトリコロール広場を目指して歩くものの大きなロータリーがそれとは知らず全く方角がわからなくなってしまった。

◆ホテルまで苦労したが・・・

ちょうど自転車に乗った高校生に訊ねる。渡り切ったロータリーのやや斜め後方に見えるクーポラを指し『あれはドゥオモですか?』、『いや、あれはサン・ピエトロ』。

ドゥオモのすぐ近くのホテルを予約していたので『ドゥオモの方へ行きたいんですが』、『この広場を渡って左の方向ですよ』と教えてくれた。

広場の信号を渡る必要はなかったのだ。スーツケースが重い。

大きなエミリア・サン・ピエトロ通りをどんどん歩く。結構遠い。

ReggioEmilia エミリア街道

 

ぶつかったところで左折するとそこがドゥオモ前の広場(プランポリーニ広場)。ホテルはそこからすぐだった。19時15分チェックイン。

このホテルは昔の公証人役場を改装したものでレッジョ・エミリアに本社を置くあのMax&Maraが経営しているだけあってなかなかスタイリッシュでいい。101号室の室内もいい感じだ。バス、トイレも機能的だ。

ReggioEmilia AlbergoNotarie

 

◆トワイライトのプランポリーニ広場

シャワーを浴び着替えて散策に出かける。

ドゥオモ前のプランポリーニ広場はひっそりと静まりかえっている。トワイライトの広場は幻想的。チンクエテッレの天候に左右され予定よりも半日遅れで行動した結果、こういう雰囲気を味わえることになった。いつもは昼ごろ次の町に着いているが、夕方着くのもいいものだと思った。

 

ReggioEmilia 夜のプランポリーニ広場 ボケ

近くの通り(ファルニ通り)のカフェでプロセッコを飲みたかったが、オーナーが出てきてもう閉めるとのこと。随分夜の早い町だなと思う。

◆トラブルで記憶に残るホテル・リストランテでの夕食

ホテル内のリストランテはミシュラン3本フォークなので最初からここで夕食をとることに決め、散策前に予約しておいた。

20時半に行くと、予約のときに話をしたアンナが席に案内してくれる。ほとんど客がいなかったがそのうち大グループ(年代バラバラで14名)が隣に縦長の席につき、さらに入口近くに熟年カップルが座る。

さて、注文だが部屋においてあったメニューの中に地元料理(コースで35ユーロ)があったのでそれを頼んだつもりで渡されたメニューの中から前菜、プリモ、セコンドを選んだ。飲み物はカフェで飲み損ねたプロセッコをグラスで、そしてワインは赤のハーフボトル数種類の中から地元の微発泡のものを選ぶ。

レッジョ・エミリアはモデナと並ぶバルサミコ酢の町。

ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ 苺にバルサミコ

 

料理にもかなり使われているがアンナがお皿を運んでくれるが、そのうちバルサミコ酢の話になった。ここの料理に使われているのは15年ものだといって箱に入って現物を見せてくれた。さらに、25年もの、40年物もテーブルに置かれる。

ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ バルサミコ勢ぞろい

 

値段は順に50ユーロ、75ユーロ、100ユーロだという。ヤバい!!売りつけられるのか?

マネージャー(カメリエーレ?)が席にやってきた説明にくる。

『お客さん!これはメーカーとの契約で市内ではウチでしか売っていない。町の店には置いていないんだから。』

これを大きな身振りで、両手を振りあげて説明しているうちに彼の手が気づいた時には目の前の残り1杯のワイングラスを飛ばし、こっちの白いポロシャツとベージュのコットンパンツがワインレッドに染まった。

『申し訳ない。いつまでホテルにいるんですか?クリーニングしてお返しします』ということで部屋に戻り次第汚れものを渡し、明日の昼までにクリ-ニングしてくれることになった。

さて、バルサミコ酢。

もともと、本場のこの町ではパルミジャーノ・レッジャーノとバルサミコ酢を買うつもりだったので『それじゃあ、15年もの4本』と注文するといったん彼は引き下がり、戻って来て『在庫をみたら15年ものは1本しかない。40年物を90ユーロにするがどうか?』と。

しばらく考え、15年物1本、25年物2本、40年物1本を注文、代金はチェックアウト時に部屋代とまとめて精算することになった。バルサミコ酢の歴史、作り方、使い方(料理)など書かれた小冊子がつき立派な箱に入っている。ボトルが割れなくていいがものすごく荷物になりそうだ。

食事の締めはドルチェとカフェ。自分としては定食だと思っていて苺とカフェを頼む。2等分された旬の苺はお皿一面に並べられ、その上に15年物のバルサミコ酢がたっぷりかかっている。あとでこの2つはお詫びの印かサービスだと知った。

23時、部屋に戻り内線140に電話し汚れものを彼に取りにきてもらう。

ハプニングといえばハプニングだが大変な思い出に残るトラブルの夕食だった。そのときはさらにトラブルが待ち構えているとは夢にも思わない。

◆朝のプランポリーニ広場は真逆

一夜明け、朝食前にホテルから外に出るとプランポリーニ広場に市が立っている。昨夜の黄昏時に感じた静寂でガラーンとしていた広場は店、店、店でいっぱい。まるで正反対な感じ。先に夕べの広場を見ておいてよかった。

ReggioEmilia プランポリーニ広場から見るモンテ宮

ReggioEmilia プランポリーニ広場の市①

◆三色旗博物館

広場を取り巻く建物群、南側には市庁舎がある。その建物の中に三色旗博物館があるというので、ここから観光スタートだ。

 

ReggioEmilia 市庁舎(三色旗博物館)

ReggioEmilia 市庁舎(三色旗博物館)

市庁舎に入り、まず「三色の間」(Sala del Tricolore)の中に入る。18世紀末にレッジョ・エミリアなど4都市の代表者がこの部屋でチスパダーナ共和国建国を宣言したという。今でもそのまま使えるような会議場だ。そのときに制定された国旗が三色旗でこれが今のイタリア国旗の原型になっているそうだ。会議場の奥には三色のバナーが2本掲げられている。

ReggioEmilia 三色の間②

ReggioEmilia 最初の三色旗①

このあと目についたドアを押すとそこは市役所。女性数人から『博物館はあっち』と声をかけられ、その方向へ行ってみると老婦人が係りの人で『入場料はいらないが名前を書いて欲しい。人数カウントのためチケットを受け取って下さい。』と。

展示内容はイタリア建国の歴史を知らないとなかなかわかりにくいがナポレオンとの戦いに敗れたがその時に三色旗が使われたことやガリバルディ、エマニュエルⅡ世のリソルジメントの展示もある。

ボローニャのカフェ・ペドロッキといい、イタリアは国の歴史を大事にしているなぁと感じた。

◆ショッピングしながら国際交流

今回のレッジョ・エミリアの旅には随分古いがFigaro1998年7月5日号のコピーを持参、ここに出ているサルメリアで本場のパルミジャーノ・レッジャーノを買うつもりで番地を頼りにプランポリーニ広場の南側、市庁舎の並びを中心にあたりを探し回る。

なかなか見つからずあきらめたときに見つけた。えてしてこういうものだ。

ReggioEmilia 洋品店 Mazzilli

 

買うと重いので場所を覚えておき、昨夜みつけておいたリネンの店に留守を預かる女性陣向けのおみやげを買いに行く。ウィンドウに出ていたエプロンや鍋つかみがメイド・イン・イタリーであることを確かめて買う。

ご主人ほか家族、店員の皆さんと選びながら談笑、イタリア語をほめられる。お世辞でもうれしいものだ。

ポケットに入れていた雑誌コピーを見せるとご主人から『ぜひコピーさせて欲しい』といわれる。地元の人にとって(日本語の文章はわからなくても)自分の町が外国の雑誌で紹介されているのはものすごくうれしいみたいだ。

◆ドゥオモ

プランポリーニ広場に戻りドゥオモを見学。エプロンなどは大した荷物ではないのでチーズを買う前に行ってみた。

ReggioEmilia ドゥオモ 聖母子像

ReggioEmilia ドゥオモ鐘楼に翻る三色旗

ちょうどミサの最中だった。それとは別に各礼拝堂で祈っている人もいる。

主祭壇奥の後陣には《聖母被昇天》が描かれている。

ReggioEmilia ドゥオモ内部

 

◆例のバルサミコ発見、しかも安い!

次はさっき見つけた店でパルミジャーノ・レッジャーノだ。

我が家用とおみやげ用にあわせて2つの塊りを買う。1kg11.9ユーロと日本で買うことを考えると破格の値段だ。

ReggioEmilia チーズとサラミの店

 

サルメリアだけあってほかにも美味しそうで買いたい生ハムやらサラミやらいろいろあるがここは我慢我慢。

同じ通りの食料品店をのぞき店を出るときに、昨夜ホテルのリストランテで買ったバルサミコ酢と同じものが置いてあるのに気づく。確か『市内の店では買えない』と言っていたはず、しかも値段をみるとこっちの方が安い!

すぐホテルにとって返しリストランテへ直行。件のマネージャーがいたのでそのことを告げるが最初は取り合ってくれない。英語でやりあい、ハード・ネゴだったが結局4本分の差額(30ユーロ)をその場で現金で返してもらった。昨夜の食事代は部屋払いでサインしていてそれを変更できないかららしい。

びっくりしたのはこれで終わらず、こっちが渡した食料品店の名前と各々の値段を書いた紙に示談書の文言《差額を現金で受け取り、以後異議を申し立てません》みたいなことを英語で書き込み、サインをしろと言われた。一応内容を確認し、サインをし、握手をして別れる。コピーをもらっておけば良かったか?

◆最後の観光は空振り

お昼を食べるところを探しながらぶらぶらし、結局昨晩一杯飲もうとして『閉めるから』と断られたカフェでランチにする。

ガリバルディ通りに面したギアラ教会エミリア街道サン・ピエトロ通りを歩いてサン・ピエトロ教会に行ってみるがいずれも昼の時間帯とあって開いていない。通りも閑散としていてまさに平日の昼下がりといった感じだ。

ReggioEmilia ギアラ教会

ReggioEmilia サン・ピエトロ教会

途中、市立劇場裏手の公園に寄ってみると、ベンチには結構座っている人がいる。

ReggioEmilia 市立劇場

ReggioEmilia 市立劇場

15時をまわったのでギアラ教会にもう一度行ってみるがやはり閉まっているのであきらめ、ホテルへ戻ってクリーニングされた衣類とスーツケースを受け取り駅に向かう。

箱入りのバルサミコが4本増えたので荷物が重い。

途中のサン・ピエトロ教会が開いているのはわかったが荷物があったのでパスした。

◆クレモナへ向かう

16時10分発のFidenza行きの列車は10分遅れ、しかも混んでいて車両を動く。次の目的地クレモナへ向かった。

◆泊る

ホテル Albergo delle Notarie(★★★★), via Palazzolo,8  Reggio Emilia

Twin single use 1泊 82ユーロ。Venere.comで予約。

ReggioEmilia AlbergoNotarie レセプション

 

◆食べる
リストランテ お店の名前 Ristorante delle Notarie, (上記ホテル内)

ミシュランのこの町で一番の評価(3本フォーク。

食べたもの アンティパストはクラテッロ、プロシュートとパルミジャーノ(10ユーロ)。プリモは野菜のトルテッリ(9ユーロ)、セコンドにルッコラの上に牛肉のタリアテッレ、バルサミコ酢たっぷり(18ユーロ)、200~300gくらいあるが完食。

ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ クラテッロ、生ハム、パルミジャーノ

ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ 牛肉にバルサミコプロセッコ2杯。赤ワインのハーフボトル(8ユーロ)。水、サービス料で計52.25ユーロ。

ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ スプマンテ ReggioEmilia AlbergoNotarieリストランテ ワイン

ドルチェ、カフェはワインをこぼされたお詫びとしてリストランテからのサービス。

お店の名前 Caffe Farini, via Ferini,1/E Reggio Emilia

食べたもの プロシュートとメロン、スパゲッティ(トマト、バジリコ、モッツアレラ)、赤ワイン500cc、カフェ、コペルトで計18.5ユーロ

Cinque Terre & La Spezia (チンクエテッレとラ・スペツィア) 2009/9/15~17

Cinque Terre & La Spezia  (チンクエテッレとラ・スペツィア)
2009/9/15~17

◆行く

わずか9kmの範囲の海岸線にへばりつくように5つの町がありその景観で《ポルトヴェーネレ、チンクエテッレと小島群》として世界文化遺産に登録されている。今までなかなか機会がなかったが’09年の旅ではここを訪れることを目的の大きな一つとした。

いつもイタリアの旅情報を交換している会社の後輩にメールでいろいろ教えてもらい『モンテロッソあたりで1泊した方がいいですよ』とすすめられたものの適当な宿が見つからなかったことと『あまりにも小さな町なので景観以外の見どころが少ないかなぁ』と思いラ・スペツィアに2泊し、そこをベースにチンクエテッレを楽しむことにした。

◆ラ・スペツィアへ向かう

パヴィア修道院観光後、パヴィアに戻り12時35分発の直通列車に乗る。ジェノヴァからリグーリア海を南下することになるがジェノヴァまでは’02年、’04年と2回通ったことがあるので懐かしい。

13時40分ジェノヴァ・プリンチペ駅通過。曇っているが天気はこっちの方がよさそうだ。

14時08分頃、海が見える。サンタ・マルゲリータをすぎたあたりから薄日がさしてきた。定刻より5分遅れ15時23分ラ・スペツィア到着。

駅と港の中間あたりの予約していたホテルを目指し歩き始めたが、なかなか思った通りに出ないままホテルの裏に出たようだ。標識を見つけ表玄関までスーツケースを持ち上げホテル建物南側の階段を上がる。レセプションは6階だ。

◆さっそくラ・スペツィア街歩き

部屋は3階210号室、窓のカーテンをあけるとさっきの階段が目の前だ。荷物を片づけたりして16時半頃街歩きに出かける。

中世の雰囲気ただようパヴィアから来たため全く違う印象だ。どちらかといえばやはり港町のバーリ、アンコーナ、トリエステに近いか。

例によってネットで検索したリストランテ、本に出ていたトラットリアをプリントアウトした地図をもとに出かける。すぐに大きな教会の前に出た。サンタ・マリア・アッスンタ教会だ。白っぽい横じまのファサード。中に入るのはあとで、ということでさらに海岸の方に行く。リストランテ探しばかりではしょうがないのでフェリー乗り場を確認しに行った。大きなフェリーが停まっているところだ。

すぐ近くでは屋台の本屋が新本バーゲンの店を出していた。

戻ってすぐのところにある公園の中にインフォメーションがあったので地図をもらう。ホテルでもらった地図よりもずっとわかりやすい。

LaSpezia ガリバルディ公園

 

なかなかわからなかったリストランテだったが帰りに2軒見つけたものの目当ての”All’ Inferno”は見つからない。魚市場近くと書いてあったのでまわり一帯を歩きまわるがわからず。でもこれで結構街に詳しくなった。

さっきスーツケースをうるさく引っ張ってきたプリオーネ通りを身軽に歩く。イタリア特有の夕方のパッセジャータですごい人出だ。

帰りにカフェに寄る。他の町のような広場のカフェがわからないので通りに出ているところだ。生ビール中1杯を注文。お釣りとともにポテトチップとオリーブが運ばれる。これで3.5ユーロとは安い。カメリエーレのおじさんに”All’ Inferno”の場所を訊くと持っていた地図の上に印をつけてくれた。さっそくそのあたりに行ってみるがやっぱり見つからない。

◆ついに見つけた” Osteria All’ Inferno”

ホテルに戻り一休みして20時ちょっと前に出かけてまた探し、なかったのでネットでチェックし見つけていたトラットリアに行ってみた。外から覗くとまだ誰も客がいないのでいったんホテルに引き揚げた。30分ほどしてから再度出かけさっきの店に行く途中おじさんがつけてくれた地図の印の場所とはちょっと違っているところに”Osteria・・・・”の看板発見。行ってみると探し求めていた”All’ Inferno”だったので地下への階段をためらいなく下りる。

階段を下りると左に受付兼レジがあり、大勢の客がいる奥の大きな部屋に入ってすぐ右のテーブルに案内される。店内がよく見渡せる。本に出ていたように地元の人たちで活気があふれているのが良くわかった。

最初に訊かれたのは飲み物、あとで水を頼む。メニューはなさそうで、プリモを口頭で告げられる。海の幸のスパゲッティ、スカンピのペンネ、ペンネアラビアータなど。最初のものにした。

トマトソースでスカンピ、ムール貝、エビはいずれも小さいながらたっぷり。出汁が出ていて美味い。前菜をとばしていきなりプリモにしたのでこれで終わってもいいかと思うくらいだ。

LaSpezia All' Inferno 海の幸スパゲッティ

 

まわりを見るとムール貝が多くのテーブルに運ばれていて美味しそうなので欲しかったがいかんせんお腹の調子が今一なので我慢。そのうち最初のお兄さんが現れ、セコンドの説明をしてくれる。いろいろあったが(多分ムール貝Zuppa di musselも)魚のカルパッチョにした。

ちょっと塩がきいているが段々感じなくなる。去年トリエステで食べたのと同様軽くスモークしてある。

ここで次のワインについて訊かれたのでグラスで頼む。白を頼んだつもりだったが赤が出てきた。もともと赤の方が好きなので『まぁいいか』。食後はカフェで締める。

地元の人たちが集まる居酒屋みたいな店で大いに満足。22時近くホテルに帰る。

◆2日目は雨

今回の旅の5日目の朝、例年ならば折り返しの日だが今年は10泊11日のためまだまだたっぷりある。

6階の食堂に行く途中雨なのを知る。『うーん。また、今日も雨かぁ・・・』。

ちょうどこの日、日本では鳩山内閣が誕生したようでTVをつけるとCNN、BBCとも好意的に伝えている。

8時40分にチンクエテッレ巡りのフェリー乗り場に向かう。波が高いため今日は欠航だとのこと。

LaSpezia フェリー乗り場

 

LaSpezia 欠航したフェリー

せっかく海からの眺望を楽しみに来たのにショックだ。『しようがない、列車で行くしかないか』、意外に蒸し暑いので着替えのためいったんホテルに戻る。

行きがけにホテルそばのサン・ジョルジョ城の入口まで行ってみる。そこからの港方面の景色がいい。

LaSpezia サン・ジョルジョ城 バナー

 

 

LaSpezia サン・ジョルジョ城からの眺望

駅までの途中、魚市場にも寄ってみた。

 

 

LaSpezia メルカートの魚屋②

LaSpezia メルカート

市場は魚だけではなく野菜、果物、チーズ、ハムなどの店がいっぱい。屋根付きでかなりの規模だ。

駅の中のインフォメーションみたいところでチンクエテッレ1日券を買う(レヴァント/ラ・スペツィア間の乗降自由、8.5ユーロ)。

LaSpezia 駅のチンクエテッレ・インフォメーション

 

 

市場でぶらぶらしすぎたせいか次の列車は11時10分といわれびっくり、前の列車はちょっと前に出たばかりだ。駅のホームで時間をつぶす。

◆チンクエテッレ列車の旅

わずか8分でリオ・マッジョーレ下車。

CinqueTerre Riomaggiore 駅

 

多くの人がここで降りチンクエテッレ観光スタート。まずはかの有名な《愛の小道》だ。

駅を出ると目の前のレンガ積みの壁に巨大な絵がある。労働の場面のようで割と新しいもののようだ。

CinqueTerre Riomaggiore 駅前の大きな絵

すぐ近くにいわば物産館のようなものがあったのでちょっと入ってみる。チンクエテッレ特産のシャケトラ(甘口の赤ワイン)、グラッパやレモンチェッロがあったが荷物になるのでここでは見るだけ。

◆《愛の小道》

階段の昇り口みたいところがマナローナに向かう《愛の小道》の入口だ。1日券を見せて入る。

CinqueTerre 愛の小道スタート

 

《愛の小道》は海に向かい切り立つようないわば断崖にへばりつくような道だ。

CinqueTerre 愛の小道①

 

一面曇り空のため海も濃いグレーだ。断崖を支えている岩は柱状節理で海に突き出したところにはそれが斜めになってラザーニャみたく見えるのもある。

CinqueTerre 愛の小道 ラザーニャのような柱状節理

 

ドイツ、アメリカ人とおぼしき観光客の一団がいて、狭い道なので途中何度か渋滞する。

トンネルの中にアコーディオン弾きがいてその音が反響してうるさい。足早にトンネルを出るともうそこはマナローナ側の終点。

南京錠が沢山掛けられたモニュメントをうっかり通りすぎたことに気づき一度戻った。トンネル出口近くにあった。

CinqueTerre 愛の小道 意外に小さいモニュメント

 

 

CinqueTerre 愛の小道 南京錠

ガイドブックではゆっくり歩いて30~40分とあったが、わずか15分で終わってしまった。雨がぱらついたりする天気もあってちょっとがっかり。

◆モンテロッソ

眼下にみたマナローラの駅に着き、12時12分発の列車でモンテロッソへ向かう。

CinqueTerre Manarola駅

 

CinqueTerre Monterosso駅①少し遅れて12時30分到着。駅を出ると目の前がすぐビーチ。天気が悪いせいかパラソルは店じまいだ。海の方に目をやると漁船だと思うが何隻か固まっている。そのずっーと沖には少し大きな船影が見える。

CinqueTerre Monterosso ビーチ②

Cinqueterre Monterosso 海に漁船

本に出ていたシーフードの店を探しに駅を出て左の方に行きトンネルを抜ける。右はフェリー乗り場。さらに先に行くと旧市街だ。店はすぐわかったが休業なのか定休日なのか閉まっている。

そのあたりをぶらぶらして路地に入る。リゾート地だけあってどこもいい値段のようだ。定食18ユーロと出ていたリストランテに入る。入口が2カ所あり意外に大きくてまたなかなかきれいな店だ。定食のほかにワイン、食後にドルチェを頼む。

CinqueTerre Monterosso Al Carugio 店内

CinqueTerre Monterosso Al Carugio スパゲッティ・ペスト

食事中に外から入ってきた人が小さなチラシを各テーブルに置いていった。それは近くの土産物屋のもので読むといろいろありそうなので食後に行ってみることにした。

間口は狭く小さな店。外にはグラッパなど中心に置かれ《呼び込みディスプレイ》のような役目を果たしている。

中に入るとお店の人はベトナム人か、アジアの人でちょっと驚いた。グラッパ、レモンチーノ、甘いリキュールなど味見しそれぞれ買う。

モンテロッソの旧市街はそう広くないが中心部のT字路みたいなところにサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(ドゥオモ)がある。白と黒(濃い緑か)の縞模様のファサード、ジェノヴァ様式だ。ジェノヴァのサン・マッテオ教会とそっくりだ。

CinqueTerre Monterosso サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会②

 

中に入ると意外に明るい。側廊は狭いものの3廊式で柱やアーケードも白黒の縞模様だ。隣の建物は小さな教会か礼拝堂のようでこちらはファサードは白くてシンプル、中も白いが彫刻の装飾が豪華に感じられる。

CinqueTerre Monterosso サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会 身廊

 

ラ・スペツィア方向へ戻る列車にはまだ早いので駅を通りすぎビーチ沿いの道を歩いていると、昨日の列車で同じ席になり先にレヴァントで降りたアメリカ人夫婦にすれ違ったようだ。彼らの姿、格好が列車の中と違いリゾートぽくなっていたのでこっちは気づかず、だ。先に向こうが『アレッ!』という感じの表情を見せたのを、スレ違いざまに気づいて思い出す。

◆ヴェルナッツァ

15時24分の列車でヴェルナッツァへ。着くとホームはトンネルの中、先頭車両のみ外だ。

CinqueTerre Vernazza 駅

 

駅からすぐ近くに入り江があり、そこはよく写真で見る景色だ。入り江に向かってカラフルな建物が立ち並んでいる。岩場では釣りをしている人もいる。

CinqueTerre Vernazza カラフルな建物

 

カラフルな建物群に隣接する優雅な時計塔のある建物は教会だった。サンタ・マルゲリータ・アンティオキア教会だ。狭い場所に立つロケーションの関係か、入口は内陣横にある。外観もゴツゴツした石積みだが中も同じような感じだ。

CinqueTerre Vernazza サンタ・マルゲリータ・アンティオキア教会

 

甘口ワインのシャケトラが沢山置いてあるすぐそばのエノテカに行ってみたが荷物になるので(モンテロッソで買い込んで十分、荷物がある)リオマッジョーレで買うことに次の16時12分の列車に乗る。

チンクエテッレの5つの町には唯一山の上にあるコルニーリアは駅から遠そうなのでパス。そのままリオマッジョーレへ向かう。

 

◆再びリオマッジョーレ

駅を出て線路横のトンネルを抜け坂道のメインストリートへ。雨がひどい。これならモンテロッソかヴェルナッツァにいれば良かった。

CinqueTerre Riomaggiore 街並み

 

ワインと土産物を扱っているエノテカ発見。シャケトラが何種類もあるので迷ってお店のご主人にその違いなどいろいろ教えてもらう。シャケトラのほかレモンのオリーブオイル、アンチョビ、ペストを買う。レジを打っているときに『まけて!』と言ったら手をとめ、ペスト分を引いてくれた。“Grazie!!”。その後イタリア語で少し話をする。

次のラ・スペツィアへの電車には間に合いそうもない。雨も依然降っているので雨宿りをかね、屋根のあるカフェでビールを飲んで時間調整。

17時半、駅へ向かう。駅で待っている間、雷鳴がとどろく。17時50分発の列車は5分遅れのまま18時05分、ラ・スペツィア到着。雨の中まっすぐホテルに帰る。

◆雷で停電

念願のチンクエテッレへ行ってきたものの満足感はない。チンクエテッレは《海からの景色》を見ないと。しかも天気が悪いので陸地だけでも物足りない。結局は土産物を買う観光地なのか?

ホテルの部屋でTVを見ていると雷のせいか一時停電。復旧するもCNN,BBCなどは見えなくなる。

お腹も珍しくすいてきたので20時すぎ食事に出かけた。目指すは昨夜いったんは行こうと思ったDa Duccio。行ってみると誰も客がいないのでちゅうちょしたが入店。

イタリア人っぽくない女性が迎えてくれた。

LaSpezia Osteria Duccio 店内

 

メニューを見ながら相談してアンティパスト、プリモ、セコンドを注文。アンティパストが出てきたのと同時くらいに8人の男性グループが来てにぎやか。年恰好が同じくらいで久しぶりの人たちもいるようなので学生時代の仲間が何年かぶりに集まっている感じだ。にぎやかになったとはいえ帰るまでこのグループだけだった。

 

お腹いっぱいなのでドルチェをパスし、食後酒としてアベルノを飲む。甘い薬用酒みたいだ。ほかにシェフからといってズィビッボ(Zibibbo、シチリアのデザートワインだと教えてくれた)とレモンチーノがサービスされる。

LaSpezia Osteria Duccio 食後酒

 

 

◆ラ・スペツィア3日目の朝

6時ころ雷と雨の音がひどくて目がさめる。7時半すぎ朝食に出るときロビーから外を見ると雨はあがり晴れ間も出てきた。

フロントで船のことを訊ねたが『ここでは運航状況はわからない』という。急いで荷物をまとめ、とりあえずフェリー乗り場に行ってみる。途中、大きな虹が出ていることに気づく。

LaSpezia 朝の港

LaSpezia 雷が終わって虹

乗り場に行っても運航するか不明のようだ。ホテルに戻り、急いでチェックアウト。「運航」に賭けることにして再びフェリー乗り場へ。

 

9時すぎ乗り場に着くと大勢の人が待っている。どうやらO.K.のようだ。

 

◆フェリー出航

ポルトヴェーネレでは下船して見るつもりなのでその旨切符売り場で言うと『他では下りないこと』を確認された上で13ユーロ払う(これは料金表にはのっていない)。船に乗りこみ2階席(デッキ)に座る。座ったまま陸が見えるように進行方向左側だ。

定刻より5分遅れで9時20分出航。まずラ・スペツィアの湾内をゆっくりと進む。フェリーといってもいわば遊覧船、いろいろと英語で説明がある。ヨットハーバーもある。ジョルジョ・アルマーニの大きなヨットも停泊している。ムール貝の養殖場(多分)も見える。

LaSpezia ヨット・ハーバー

 

だんだん天気が良くなり海の旅日和、風が気持ちいい。再チャレンジして良かった。昨日運航していたとしても天気はいまいちだったのでなおさらそう思った。

 

◆ポルトヴェーネレ

約30分でポルトヴェーネレ到着。船から見える岬の突端にあるサン・ピエトロ教会の姿は印象的だ。

Portovenere フェリーから見えるサン・ピエトロ教会②

Portovenere フェリーから見上げたサン・ピエトロ教会

ほとんどの人がここで下船、次の11時の船まで約1時間の観光だ。

大半の人がサン・ピエトロ教会の方に向かっていったが混雑するのも嫌なのでカステッロ横の石段を登る。結構しんどい。左側がカステッロだと思うがその壁はまさに城塞、高くそびえている。

Portovenere 城塞への階段

Portovenere 城壁

 

 

先端に出てみるとサン・ピエトロ教会が眼下に見える。チンクエテッレの海が青くきれいだ。周りには誰もいず絶景を独り占めだ。

Portovenere 城から見るサン・ピエトロ教会

Portovenere サン・ピエトロ教会のある岬 

登ってきた石段をころばぬように下り、今度はサン・ピエトロ教会へ行く。船で一緒だった人々はもう戻ってくるところ。

Portovenere サン・ピエトロ教会への道

Portovenere サン・ピエトロ教会 鐘楼

教会はここも縞模様のジェノヴァ様式、小さな教会だ。後陣の窓から日が差し込み、思っていた以上に中は明るい。

Portovenere サン・ピエトロ教会 内陣

 

Portovenere サン・ピエトロ教会回廊からの海

一通り見るべきものを見てあとは次の船に乗るだけだが港に面した土産物屋兼バールでジェラートを買い一休み。

 

◆海からのチンクエテッレ

11時の船がなかなか来ない。10分弱遅れて到着、乗り込むが出航したのは11時半頃。舳先近くに座ったので結構揺れ、波しぶきを受ける。それでも海も空も真っ青で気持ちがいい。

CinqueTerre 海から見るRiomaggiore

CinqueTerre 海から見るRiomaggiore②

リオマッジョーレには30分弱で到着、下りるつもりはないので乗客の乗り降りを座って待つのみ。12時すぎ出航。

昨日歩いた《愛の小道》がよく見える。この船はマナローナには寄らない。山の上の町、コルニリアも船上からはっきり見ることができた。教会の塔も見える。

CinqueTerre 海から見る愛の小道

CinqueTerre 海から見る愛の小道

CinqueTerre Corniglia④ ベスト

入り江に面した建物がカラフルなヴェルナッツァの町が見え、だんだんと近づく。こういう景色は「海から」ならではだ。

CinqueTerre 海から見るVernazza

 

 

12時20分到着、ここでほとんどの人が下りる。12時27分出航。

モンテロッソにも船着き場のある旧市街の方に船が向かって行く。12時35分到着だ。

CinqueTerre 海から見るMonterosso

CinqueTerre Monterossoへ近づく

◆モンテロッソで2日続けてランチ

モンテロッソの町は昨日見ていたし、ラ・スペツィアへ戻りレッジョ・エミリアへ移動する予定なので駅へ急ぐ。切符売り場に並んでいる人がいて12時43分発の列車に乗るのをあきらめる。

 

次の列車まで、と駅前のビーチ沿いをぶらぶらするが、折角の景色なのでこのビーチに面したリストランテ・カフェでランチにする。メニューを見ると場所柄少し高いようだ。

海の幸サラダと魚介類のフリット、これと水代わりに白ワイン。フリットがカラッと揚がっていて美味い。

CinqueTerre Il Gabbiano 海の幸サラダ①

CinqueTerre Il Gabbiano 魚介類のフリット①

海を見ながらゆったりと食事をとる。海の色は空を映して青いし波がキラキラ。目の前のビーチにも平日(水曜)なのに人出がある。

CinqueTerre Il Gabbianoからのビーチ

 

船旅もできたし本当に再度来て良かった。昨日だけではチンクエテッレの印象が悪くなるところだった。

 

◆ラ・スペツィアへ戻る

14時04分の列車は10分遅れ。これでラ・スペツィアへ戻る。到着寸前、車窓から真夏のような積乱雲が見えたので雷雨を心配したが大丈夫だった。

 

ホテルに戻らず、何回か通りすぎながらまだ見ていないサンタ・マリア・アッスンタ教会へ直行する。

LaSpezia サンタ・マリア・アッスンタ教会(全景)

 

中は3廊式で装飾もあまりなく白っぽい。ロッビアの《聖母被昇天》の作品が左にある。一つ一つは割と小さいが《キリストの磔刑》の14場面の絵が左右の壁を飾っている。主祭壇奥には《聖母被昇天》の絵だ。

LaSpezia サンタ・マリア・アッスンタ教会 内陣

LaSpezia サンタ・マリア・アッスンタ教会 ロッビア作「聖母戴冠」

ホテルに戻るついでに朝行ったサン・ジョルジョ城へ再び行き、眼下の港を見ると景色が天気で全然違う。

LaSpezia サン・ジョルジョ城からの良い眺め

 

帰りにホテル前の教会に立ち寄る。イエスの聖心教区教会とでもいうらしい。

LaSpezia イエスの聖心教区教会

 

 

◆レッジョ・エミリアへ

スーツケースをピックアップし駅へ向かう。16時、駅に着く。

パルマ乗換えでレッジョ・エミリアに行く列車は16時20分発だ。15分をすぎても1番線なのにそこにはピサ行きが停まっている。ディスプレイを見るとホームは”1T”となっている。駅の人に訊くと『1番の前、右の』だという。”1Tronco”は日本でいう0番線ということを初めて知った。

5分ほど遅れて発車、内陸エミリア・ロマーニャ州のレッジョ・エミリアへ向かう。

 

◆泊る

ホテル MY ONE HOTEL(★★★★), via XX Settembre, 81 Twin single use 1泊 89ユーロ

LaSpezia MyOne Hotel

 

Venere.comで予約、2泊する。駅とフェリー乗り場の中間であることが決め手で選ぶ。

建物は割と新しく高低差のある場所に建っていて、正面入り口は6階にあたる。部屋は210号室、内装、設備はいいがピローネ通りからのいわば裏階段を目の前にしており眺望は全くだめ。

 

◆食べる

  • リストランテ

お店の名前 Osteria All’ Inferno, via Lorenzo Costa, 3 La Spezia

LaSpezia Osteria All' Inferno 入口

LaSpezia All' Inferno 店内

地元の人でいっぱい、安くてうまい居酒屋的雰囲気で場所さえわかればおすすめ。

食べたもの プリモは海の幸のスパゲッティ(6ユーロ)、セコンドに魚のカルパッチョ(8ユーロ)。

LaSpezia All' Inferno 魚のカルパッチョ

 

味は本文の通り。コペルト、ワイン(グラスで2杯)、水、食後のカフェで計19ユーロ。

お店の名前 Osteria Duccio al mercato, via F.lli Rosselli,17 La Spezia

TripadviserでのLa Spezia飲食店評価第一位

食べたもの 前菜はタコとポテトのサラダ(7.5ユーロ)、プリモはロンボのパスタ(Paccheri al ragu di rombo、7ユーロ)、カメリエーラに勧められた一品。イカみたいな歯ごたえのパスタに魚とトマトが押しつぶされたソースで美味い。あとで辞書で調べるとロンボとはヒラメのことらしい。

LaSpezia Osteria Duccio タコとポテトのサラダ LaSpezia Osteria Duccio ロンボ

セコンドはこれまたおすすめのカタロニャ風ヨーロッパロブスター(Astice alla catalano、14ユーロ)。パプリカ、人参、セロリの上にロブスター半分。ロブスターと言われたがAsticeは「ウミザリガニ、オマールエビ、ヨーロッパロブスター」を指すらしい。値段から見て伊勢エビではないだろう。

LaSpezia Osteria Duccio カタルーニヤ風ロブスター

コペルト、ワイン(500ml、3.5ユーロ)、水、カフェで計35ユーロ。食後酒3種はシェフからのサービス。

お店の名前 Ristorante Al Garugio, via S.Pietro, 9 Monterosso Al Mare

食べたもの プリモはジェノヴェーゼ・ソースのスパゲッティ、セコンドはムール貝のワイン蒸し(何と40個もあった)、

CinqueTerre Monterosso Al Carugio ムール貝の蒸し物

CinqueTerre Monterosso Al Carugio クレーム・カラメル

これにパンと水がついて18ユーロの定食、プリモ、セコンドは何種類から選べるプリフィックス。ワイン(500ml、2.5ユーロ)、ドルチェ(クレームカラメル、4.5ユーロ)で計25ユーロのランチ。

お店の名前 Ristorante Il Gabbiano, via Fegina,84  Monterosso Al Mare

食べたもの 前菜に海の幸サラダ(8ユーロ)、セコンドに魚介類のフリット(14ユーロ)、これが食べたかった。イカ(カラマリ)とエビ(ガンベロ)がからっと揚がっていて美味しい。ビーチを望みながらたべるのは格別。コペルト、水代わりの白ワイン(500ml、4ユーロ)で計28.5ユーロのランチ。

 

◆買う

お店の名前 Enoteca La Monterossina, via Roma,7  Monterosso Al Mare

買ったもの グラッパ、レモンチーノ、野イチゴのリキュールなど200mlのもの4本(各7ユーロ)、500mlのグラッパ(14ユーロ)、いずれもシャケトラ醸造元Sangalla社製品

お店の名前 Enoteca D’Uuscintu, via Colombo,84  Riomaggiore

買ったもの シャケトラSciacchetra Riserva 2002, Terra di Bargon(375ml、54ユーロ)

レモンオイルコンデショナー(250ml、7.5ユーロ)

ジェノヴァ産アンチョビフィレ瓶詰め(10.5ユーロ)

ペスト(ジェノヴェーゼ・ソース、3.5ユーロ)

 

◆乗る・歩く

◎チンクエテッレ1日乗車券(レヴァント/ラ・スペツィア間の乗降自由、愛の小道入場も含む、その他チンクエテッレ・カードと同じ利用範囲、8.5ユーロ)

◎チンクエテッレ遊覧船(ラ・スペツィア~ポルトヴェーネレ~モンテロッソ、13ユーロ)

 

◆読む

本の名前 『ミラノから行く北イタリアの街』田島麻美著 双葉社 1700円

ラ・スペツィア1日目に探し回ったオステリア、モンテロッソで閉まっていた店はこの本による。

今までの旅でもタビタビお世話になっている。

Pavia (パヴィア) (2009/9/13~15)

Pavia (パヴィア)  2009/9/13~15

◆行く

パヴィアに行くのは2度目。1度目は2004年、ミラノに降りてニースに行く1泊目にただ寝るために寄っただけなので実質初めてだ。

パヴィア2泊滞在の目的は郊外のパヴィア修道院(Certosa di Pavia)に行くことだった。

 

13日、日曜は久々のミラノ観光後16時25分発のFSでパヴィアに向かう。ミラノからは日帰りができるほど近い。17時10分にはパヴィア駅近くのホテルにチェックインできたほどだ。

 

◆まずは巨大な女性像に迎えられる

18時過ぎにはチェントロへ繰り出す。ホテルを出て最初の大きな通り(リベルタ大通り)に出てびっくり。盾と槍を持った巨大な女性像が道路の真ん中に立っている。ガイドブックにもホテルでもらった市内地図でも触れられていないのでどういう像なのかわからない(不戦を表した平和を希求するミネルヴァ像だということをあとで知った。盾や槍の持ち方に表現されているらしい。)。3日間のうちに何回かこの大通りを渡ったがそのたびにこの像の大きさに圧倒されてしまった。

Pavia 巨大なミネルヴァ像②

 

 

 

◆日曜夕方のチェントロ

この大通りを渡るとカヴール通りに入る。いかにも旧市街という感じだ。

ミラノで歩きすぎたためか足が重い。のどがかわいていてホテルを出た時から「どこか広場のカフェでビール!」と思っていたが中心部のヴィットリア広場ではイベントをやっていて音楽のヴォリュームが大きくうるさいので裏手のドゥオモ広場へ移る。

広場といってもここはそれほど広くなく、人出もうそのように少ない。テーブル6つのカフェでビールを飲んで一休み。

目の前のドゥオモはレンガ積み、ロンバルディア・ルネサンス様式のファサードが西日できれいだ。奥に見えるクーポラは修復中で完全に覆われている。

 

ドゥオモ横からカヴール通りに並行しているカルダーノ通りを進みストラーダ・ヌオヴァ通りにぶつかる。あとでわかったがカヴール通りとこのストラーダ・ヌオヴァ通りが旧市街を十字のように貫いている背骨みたいな通りだ。

 

◆ティチーノ川とコペルト橋

ストラーダ・ヌオヴァ通りには大変な人出。イタリアらしい夕暮れのそぞろ歩きか?

この通りの先にはティチーノ川があり大きな屋根つきのコペルト橋がある。

Pavia コペルト橋(東から)

 

橋の方まですごい人出、と思ったら川に沿って市が行われている。また、橋の上ではアンティーク市だ。橋は幅が広くかなり長い。橋を往復してみたが、仮に日本まで持って帰れるとしても欲しいと思うものはない。

Pavia コペルト橋はアンティーク市

 

橋からティチーノ川を見下ろすと遊覧船が泊っている(あとで近づいてみると実はBar船だった)。

 

川沿いの市は、例によって衣類、靴のほかドライトマト、オリーブ、チーズ、サラミ、ハチミツの店も多少ある。

面白いことにSUZUKIとSUBARUのイベントが行われていた。

 

かなり歩き疲れて19時すぎにいったんホテルに戻る。シャワーを浴び、資料を見ながらベッドに横になっているうちウトウトしてしまう。

 

少しお腹もすいてきたので20時半すぎ食事に出かける。朝からのあまりの疲れのせいかワインも食事もおいしく感じない。

 

◆月曜は雨、雨、雨(2日目)

目的のパヴィア修道院は月曜クローズだと知る。やむをえない、明日に回そう。

となると今日はこの小さな町に一日いることになる。

 

朝食後、玄関を出てみると雨で道行く人はしっかりと着込んでいる。

 

昨日と同じようにカヴール通りを行きチェントロに向かったが、途中カルミネ教会の標識があったので予定変更。

Pavia カルミネ教会①

 

 

ファサード前にトラックが停まり職人が出入りしている。中に入ると工事中でいたる所足場が組まれビニールで覆われている。工事中の教会内部は荘厳さもなく現場そのものだ。

 

◆カステッロも休み

次いで当初スタート地点に予定していたカステッロへ向かう。月曜休みだととわかっていたので「外から見るだけでいい」と思って行ってみると門があいていた。

Pavia ヴィスコンティ城②

 

どんどん進むと市立博物館入口。「博物館はいいや」と思い絵画館入口を探すがみつからずあきらめる。

 

博物館を見ながら館内を見るのも悪くないと思って中に入り、係りの女性に『見るのにどのくらいかかりますか?』と訊くと、『今日は休み』との返事。それにしてはどうして係りの人がいるのだろう?

『中庭の写真を撮らせて欲しい』というと『ここまでなら』とO.K.が出たので回廊などを写す。

Pavia ヴィスコンティ城の中庭回廊①

 

建物を外から見る限り壮大だ。14世紀、ヴィスコンティ家によって建てられたものらしいが当時の君主の力を感じる。

 

◆サン・ピエトロ・チェル・ドーロ教会

サン・ピエトロ・チェル・ドーロ教会がすぐ近くだ。2月11日通りを渡り、斜めの路地を行く。

別の教会かと思うほど隣の建物と完全にくっついている。

Pavia サン・ピエトロ・イン・チェル・ドーロ教会①

 

 

主祭壇の上には聖アゴスティーノのアルカ(石棺)がある。大きな白い大理石で彫刻像が施されたものだ。

Pavia サン・ピエトロ・イン・チェル・ドーロ教会 聖アゴスティーノのアルカ


 

◆マッテオッティ大通りを渡ってストラーダ・ヌオヴァ通りへ。

フラスキーニ劇場の前を通る。この劇場がホテルでもらった観光マップに③と表示されているが、建物自体が歴史的建造物というよりはオペラなどの劇場ということだろう。この日の夜も何か上演されるようだ。

 

そのまま進むとパヴィア大学の前までさしかかったので左に曲がりダヴィンチ広場の3本の塔を目指す。途中で頭が見えたので大学の中を横切り近くへ行ってみた。

3本の塔はすっくと立っている。

Pavia ダ・ヴィンチ広場に面した3本の塔②

 

 

1本は時計塔、反対の1本は壁一面何かで補強されているようだ。足場のようでもある。3本いずれも建物ではなく塔だ。時計塔はわかるとしてあとの2本は何だったんだろう?

 

◆市庁舎からサン・ミケーレ教会

次に向かったのは(といってもすぐ近く)市庁舎。途中に小さな教会があった。市庁舎の前はきれいな広場。この広場には手を上げたカエサル(またはアウグストゥス?)の像が立っている。市庁舎は二つあるようだ。

古い方は何由緒正しそうなたたずまいだ。あわいピンク色の3階建ての建物で3階にはそれぞれの部屋にバルコニーが見える。新しい方には市民が結構入って行く。

Pavia 市庁舎

 

 

市庁舎広場の前のポルタ通りを川の方に進み交差するガリバルディ通りを右折するとほどなくサン・ミケーレ教会の横に出た。回り込んで正面へ行く。さっき行ったサン・ピエトロ・チェル・ドーロ教会がこの教会ファサードを模したというだけあって全体的な形はそっくりだ。もちろん本家のこっちの方がドーンと大きくファサードの彫刻も素晴らしい。

この彫刻は聖人ではなく動物、しかも中には想像上の生き物もあるようだ。

Pavia サン・ミケーレ教会①

 

Pavia サン・ミケーレ教会ファサードの彫刻

 

中は静まりかえっている。力強い柱の3廊式だ。主祭壇上のドームには《聖母戴冠》のフレスコ画があるはずだが暗くてよく見えない。

 

身廊のヴォールト型の天井は何の装飾もない石のままだが柱廊の方はきれいに描かれている。

Pavia サン・ミケーレ教会 素晴らしい天井②

 

 

右にはサン・ミケーレの絵。その手前には《降架したキリストと聖母》の彩色された木彫がある。

 

床はオレンジ色ぽい茶色のモザイク。いわば通路のようにNの字が続いた感じの黒に白の紋様だ。

Pavia サン・ミケーレ教会 柱と床のモザイク

 

 

◆何となく見つけたコレッジョ・ボッロメオ

サン・ミケーレ教会を見た後はガリバルディ通りを東に歩く。早くも下校の生徒たちとすれ違う。ガリバルディ通り角のリストランテで10ユーロの定食ランチをとる。

 

食後リストランテ入口が面していたパスクワレ・マッサクラ通りを歩いているうちに立派な建物の前に出た。探していたわけではなく迷い込んだという感じだ。建物前の広場は閉ざされた空間みたいでひっそりとしている(もっとも駐車場とも化していたが)。

この建物はコレッジョ・ボッロメオ。ガイドブックによると、離れてはいるがパヴィア大学の一部とのこと。正面入り口とその上に掲げられている大きな紋章が端正さを与えているようだ。

Pavia コレッジオ・ボッロメオ

 

 

ティチーノ川沿いに歩き、コペルト橋をすぎてから右折して市街地に入りいったんホテルに戻り一休み。

 

◆夕方の町歩き

15時すぎ再スタート。すっかり天気が良くなっている。

 

まず、明日行く予定のパヴィア修道院へのバス乗り場を探しに行く。駅前に停まっていたSILAバスの人に訊くと『左に曲がってから右に曲がったところだ』と。

そこはバス・ターミナル。しかし、時刻表とか乗り場とかがよくわからない。ようやく切符売り場を見つけ、だいたいわかる。

 

ホテルの前を通りすぎまたチェントロへ行く。

午前中見た大学へ行ってみる。途中右折して3本の塔へ。それから大学の中に入る。中庭だった。いったん出て正面を通りすぎたところで中に入って進むと、アララ、目の前にまた3本の塔。

Pavia パヴィア大学からの3本の塔

 

 

ヴィットリア広場を通り昨日ビールを飲みながら外観だけ見たドゥオモへ。

Pavia ドゥオモ

 

入ってびっくり、寸づまりだ。内陣のみで修復工事中のため壁がつくられていて変な感じだ。

 

次は迷いながらもテオドロ教会へ。ちょうど鐘が鳴った。

左から入ってみると老婦人10名ほどが歌っている(フシをつけ読んでいる?)。

小さなレンガを積み上げた素朴な感じがする。外も同じように小さなレンガ積みだ。

Pavia サン・テオドロ教会

 

 

昼過ぎに通った川沿いのプロムナードからコペルト橋へ出てヌオーヴァ通りでウィンドウ・ショッピングしながらリストランテ探しをする。「この町はホテルもリストランテも人口の割に少ない」と《歩き方》に書かれていたがまったくその通りだ。

路地に入るとシャッター通りかというようなところもある。メイン・ストリートは月曜なので休みなのだろう。

 

夕方恒例ののどをうるおすためヴィットリア広場のカフェに移動する。最初に座った席にはなかなか注文をとりにこないのでトイレに立つと他人が座っていたのでやむなく店の前の席に座る。

Pavia 日曜夕方の ヴィットリア広場①

 

晴れて青空が見えるというものの風が冷たい。

この広場がどうも市内で一番大きいようだがその意味では田舎の町か?リストランテの数と町の洗練度はともかく規模はAlbaに近いと感じた。

 

◆メニューのない店でのチェーナ

いったんホテルへ戻り足を休めるとともに一人でリストランテの検討会議をする。

20時すぎネットでチェックしていた店を第1候補として出かけるが『予約で満席』とのこと。第2候補のOsteria della Madonna に入ることができた。

店内は1階の隅の4人席に案内された。地下にも席があるようで意外に大きい。

Pavia Osteria della MADONNA ワイン陳列①

 

 

さて、注文しようとしたらメニューはない。お店の人が言うのを聞いて頼む形だ。頼んだと思ったのは前菜にアンティパスト・ミスト、プリモはフンギのリゾット、セコンドは肉料理だけだったのでパスし、チーズ盛合せの3皿。

 

ところが注文したはずのアンティパスト・ミストがなく、いきなりリゾットだ。次には塊り7つのチーズだ。「きっとうまく通じなかったのだろう」とあえてアンティパスト・ミストを再度注文。生ハム、サラミ、ラードの多いハム、ペペロナータ、丸い容器3つにカポナータなど3種と大変な盛合せだった。

Pavia Osteria della MADONNA 前菜盛合せ

 

 

隣の6人(男性1人、女性5人)はドルチェの際《ハッピー・バースデー》で盛り上がる。

こっちも気分的にはドルチェを頼みたかったがお腹いっぱい、久々にグラッパにした。

 

◆いざパヴィア修道院(Certosa di Pavia)へ(3日目)

8時過ぎチェックアウトし、バスターミナルへ。

1階の切符売り場で行き先を告げ、乗り場、時刻(No.2、8:30)を教えてもらう。係りの人のいう運賃がなかなかこっちに通じない。手に持っていたコインを出さされ揃えて見せられる。それで1.35ユーロを払ったが、安すぎるので『往復か?』確認したら『違う』というのでもう1回1.35ユーロを払う。帰りにバス停近くで切符が買えるか行ってみなければわからないので往復で買ったわけだ。

No.2乗り場にミラノ行きのバスが停まっていたのでドライバーらしき人に訊くと直行便とのこと。次のバスだと教えてくれた。

次のバスが来て乗るときドライバーに行き先を告げると“la prima fermata” とのこと。約10分で到着。

ここからは《歩き方》に出ていたように、角を右へ曲がり、「多分この道をまっすぐだろう」と歩く。

 

歩きながら親切だったドライバー、切符売り場の人、乗るべきバスを教えてくれたホテル・オーナーに心の中で感謝する。『皆さんのおかげでここまでこれました。ありがとう!』、そしてここまで送り出してくれた家族にも感謝した。

とにかくまっすぐ歩くが、左側はとうもろこし畑、右側に住宅や店だ。途中誰かに確かめようと思っても、表にいた人が店の中に入ったり・・・・・で不安のまま進む。

 

ようやく「らしきもの」が見えてきたが《歩き方》の写真では尖塔がないのに前方には尖塔が見える。ちょっと不安になったが、ちょうど赤いセーターの男性が自転車でやって来て追い抜いていってゲート前で停まったので急いで追いかけ『ここが修道院でしょうか?』と訊ねる。『ここだよ』との返事。

彼は昨日来たら休みだったのでまた来たとのことだった。開門の9時まではまだ数分あるのでちょっと待ったがそのうち開いたのでこの日の第1号として入る。

Pavia パヴィア修道院①

 

 

◆すばらしいファサード

目の前には素晴らしい聖堂。ファサードの彫刻が素晴らしい。聖人だけでもなんと34人、一つ一つの彫刻が見事だ。旧約聖書、新約聖書の場面をあらわしている。

Pavia パヴィア修道院ファサードの彫刻①

 

 

小さな彫刻は長年の風雨のせいか浮彫りのためもあるのか頭がとれているのがいくつかある。

土台に近い部分の丸いものはローマ時代の金貨を模したものそうだ。

Pavia パヴィア修道院ファサード下部(ローマ時代の硬貨模放)

 

 

中に入ると薄暗くて目が慣れるのに時間がかかる。

Pavia パヴィア修道院 林のような柱

 

 

右側第2礼拝堂には《永遠の父》、左側第4礼拝堂には《キリスト十字架刑》、第5礼拝堂には《聖シーロと4聖人》が描かれている。

 

床は大理石の模様だ。

鉄扉を進むと主祭壇がある。周りは《キリストの洗礼》をはじめ新約聖書の場面のフレスコ画で覆いつくされていてすごい。

Pavia パヴィア修道院 多翼祭壇画

 

 

右翼廊手前に男女の大理石彫像が横たわっている。イル・モーロ夫妻の墓碑だという。その下には墓があるようだ。奥は大きな絵が掲げられた礼拝堂だ。左翼廊も同様だ。左翼廊を進む(曲がる)と小回廊に出た。

 

◆小回廊と大回廊

小回廊が取り巻くように中庭がある。ちょうど秋の花が噴水を中心に咲き乱れとてもきれいだ。ここから見る聖堂の外観もなかなかいい。

Pavia パヴィア修道院 小回廊付き中庭①

 

Pavia パヴィア修道院 小回廊付き中庭からの聖堂

小回廊の壁のところどころにフレスコ画が残っている。

 

奥には食堂。ここには《最後の晩餐》が描かれている。有名なダ・ヴィンチの《最後の晩餐》も、フィレンツェのサン・マルコ美術館(修道院)にあるギルランダイオのもそうだが、《最後の晩餐》は修道院の食堂に描かれるものだとあらためて知った。

Pavia パヴィア修道院 食堂

Pavia パヴィア修道院 食堂の最後の晩餐

 

大回廊は見るだけ。その回廊に沿う形で修道僧の部屋(建物)がいくつも見える。

Pavia パヴィア修道院 大回廊付き中庭②

 

 

◆パヴィアへ戻る

約1時間滞在、10時10分修道院をあとにする。雨が降り始め、元来た道を歩いているときにはかなりの雨。

バス停近くの大きな通りで信号待ちのときパヴィア行きのバスが来るのが見えた。ラッキー!10時27分乗車。

ちょうど10分で朝のバスターミナルに着く。

 

◆ラ・スペツィアへ

これにてパヴィア観光はおしまい。今年の旅の目的、チンクェ・テッレへ移動だ。

バスを降りてからそのまま駅に向かう。11時35分発の切符を買うためだ。ところが自販機調整中だったので窓口に行く。

話は通じたが『最初の列車か?』と念を押されたので“Si!”と答え、発券された乗車券を見ると何と12時35分発。

確かにこれは直通では最初の列車だが乗換えの方が着くのが早かったはずなのに・・・残念!

結局2時間も待つことになった。修道院からのバスは往復ともタイミング良かったのだが。

駅にずっといてもしようがないのでホテルの前を通りすぎ例の巨大な女性像の大通りを渡ってから左に行く。バティッシ通りは初めての道だ。

ランチには早いのでぶらぶらと歩くことにした。

左手に大きなスーパー発見、その先にも小さいがもう1軒。探していないときはそんなもんだ。

昨日、市が立っていたペトラルカ広場は今日も市、昨日より店は多そうだ。カルミネ教会の裏を通りカヴール通りへ。何回通ったことだろう。

 

散策にもちょっとあきたのでホテルに寄ってスーツケースを受け取り駅へ向かう。駅で30分ほど待ち例の直通電車に乗りラ・スペツィアへ向かう。

 

◆泊る

ホテル Hotel Aurora(★★) viale Vittorio Emanuele Ⅱ,25 Single 55ユーロ、朝食別 6ユーロ

HPを通じて予約。駅からすぐ。中地下の12号室。朝食は簡素。オーナー、従業員(家族?)は

フレンドリーで親切。

 

◆食べる

お店の名前 Pizzeria-Ristorante, CAPRI Corso Cavour,32

1日目の夕食で利用、日曜夜とあって混んでいた。暑い中歩き回り疲れたせいか味をドルチェ以外あまり感じなかった。

食べたもの 前菜は海の幸サラダ(7ユーロ)、ゴルゴンゾーラのニョッキ(5ユーロ)、ドルチェ(アーモンドのケーキ、3.5ユーロ)、ワイン(GRAVE del Friuliのカベルネ・ソーヴィニオン、ハーフボトル、6ユーロ)、コペルト、水、カフェで計25.7ユーロ。

Pavia Pizzeria CAPRI 海の幸サラダ

Pavia Pizzeria CAPRI アーモンドのケーキ

 

お店の名前 Ristorante Pizzeria Due Sapori, Via P.Massacra,2

食べたもの 10ユーロの定食

パン、水、グラスワイン、プリモ(12層のラザーニャ)、セコンド(やや硬めのステーキ)、カフェ。

Pavia I Due Sapori ラザーニャ

 

テーブルにおかれていたオリーブ・オイルがあまりにも美味しかったので売っている店を訊ねたが残念なことに取り寄せているとのことだった。

Pavia I Due Sapori 美味しかったオリーブ・オイル

 

食後住所を頼りにミシュラン(’05版)に出ていたとあるリストランテを探してみるが見つからない。あとでわかったがランチをとったこの店がその住所だった。名前を変えたのか、店そのものが変わったのか?

 

お店の名前 Osteria della Madonna da Peo, Via Cardano,63

食べたもの 本文の通り。水1リットル、ワイン(Barbera、500cc)込みで35ユーロ(内訳なし)

Pavia Osteria della MADONNA フンギのリゾット

Pavia Osteria della MADONNA チーズ盛合せ