1998年から2019年まで毎年訪れていたイタリア。コロナ禍のため次に行くのはいつになるのだろうか。
旅行の楽しみとして『旅の思い出』があるが、今まで『思い出に残る前菜』、『ドルチェ』、『カラヴァッジョ』のほか前回は『ワインバー ローマフィレンツェ編』を記してきた。
今回はヴェネツィアなど北イタリア各地のワインバーで思い出に残る店をまとめてみよう。
《Venezia》
2015年11月、バーカロ巡りを目的に4度目のヴェネツィア訪問。直前に購入した篠利幸さんガイド本『ヴェネツィア カフェ&バーカロでめぐる、14の迷宮路地散歩』(ダイヤモンド社)には沢山のバーカロ、バール、カフェが紹介されている。2泊3日という短い日程の中で訪問した中から3軒紹介。
- Cantina do Mori(リアルト橋近く)
有名店で2001年9月にも行ったことがある。
入ってみると大勢の客がいてそのほとんど観光客っぽい。
混雑する中を何とか注文してさっと引き上げる。
プロセッコ、マグロのポルペッタ、チーズで6.6ユーロ
- Ancona (リアルト橋すぐ近く)
リアルト橋のすぐ近く、サン・ジャコモ・ディ・リアルト教会前の広場の目指した店は開いているものの店の前からものすごく混んでいて気後れし、入ったのがこの店。
プロセッコ(4ユーロ)、ブルスケッタ(1ユーロ)、ポルペッタ(2ユーロ)
- Osteria Enoteca ai Rusteghi (リアルト橋近く)
篠さんガイド本に《ヴェネツィアで一番美味しいパニーニの店》というのがあったのでそこに行く。
店の前に着くとちょうど老夫婦が入るところ、続いて入る。店内には2、3組の先客がいる。
最初はちょっと居心地がつかめない。そのうち和やかな空気を感じ『篠さん』を話題にオーナーと会話。
バッカラと野菜のパニーノ(4ユーロ)、ハウスワイン白(5ユーロ)
《Vicenza》
- Enoteca La Malanotte
2008年9月、兄とのふたり旅、2泊3日滞在で2回訪問。
アンドレア・パッラーディオ大通りのエノテカのテラスでプロセッコを飲む。カメリエーレのお兄さんからつまみとしてクロスティーニを勧められ、3種類頼む。夕食前にはちょっと重いほどだったが美味い。
翌日は夕食後再訪。雨が降ったからなのか、もう遅いからなのか外のテーブル席はクローズ。中に入るとご主人とおぼしき人に奥に行くようすすめられる。
グラッパを1杯ずつ注文するとご主人がボトルごと持ってきて注いでくれる。いろいろ話しかけてくれ盛り上がる。そのうち昨夜の若いスタッフ(息子か?)も気づき挨拶してくれる。
こういう旅先でのコミュニケーションは実に楽しく思い出に残る。
1日目 クロスティーニ3種(①バカラ、②ルッコラに生ハム、上にフルーツトマト、③タルタル、1.5ユーロ×3)とプロセッコ(3ユーロ×2)
2日目 グラッパ(4ユーロ×2)
《Treviso》
- シニョーリ広場のカフェ
2008年9月
シニョーリ広場のカフェで夕食前恒例の一休み。キリリとしたプロセッコで乾杯。日が落ちたので座っていると寒い、昼の暑さからみるとうそみたい。
この広場はなだらかな起伏があり座っていても何となく落ち着く。向かい側の建物の窓にある鉢植えがとてもきれいだ。
《Asolo》
- Henry’s Bar
2015年11月
Asoloは小さな町。リストランテ探しとアペリティーヴォをかねて町歩きに飛び出すが休みの店が多く、人が入っているようなバールも見当たらない。
そんな中、ちょっと奥まったところに《Henry’s Bar》というバール兼リストランテを見つけ恐る恐るドアを開ける。
客は誰もいない。入ってすぐのカウンターにいた男性に『いいですか?』と尋ねると『どうぞ』との返事。
カウンター席に座る。いわゆるイタリアの町なかにあるバールのカウンターではない。いわばバーのカウンター。
プロセッコを飲む。地元のものだというがめっぽう美味い。
つまみはフォカッチャ、どちらかというとパンに近いがこれも美味い。
あまりのおいしさに2杯飲む(6ユーロ)。
《Parma》
- Enoteca Fontana (ルイージ・カルロ・ファリーニ大通り)
2014年11月
ルイージ・カルロ・ファリーニ大通り(Strada Luigi Carlo Farini)に面した酒屋。
店内でFranciacoltaの泡を立ったまま飲む(4ユーロ)。つまみ代わりにグリッシーニ。
地元の人ばかりで、しかも本当に酒屋の一角という感じの店だ。
2016年9月再訪
2度目は外のテーブル席に座る。時間が早いのでほかには客はまだいない。
スプマンテのあとに白、つまみはTartine(パンに具をのせたもの)とポルペッティで小腹を満たす(7.5ユーロ)