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Vicenza (ヴィチェンツァ)  2008/9/24~26

 

Vicenza (ヴィチェンツァ)  2008/9/24~26

◆行く
‘08年イタリアの旅、最後の目的地ヴィチェンツァへ向かう。この町は今回の旅を計画するにあたり、絶対に外せないところだった。というのは、アンドレア・パッラーディオの建築物がこの町を中心として溢れているからだ。おりしもこの年は生誕500年にあたる。
14時45分、定刻にトリエステ中央駅を発車。途中から乗り込んできた隣の女性2人がずーっとしゃべり続けているうちにメストレ駅に到着。ここでヴェネツィアからの列車に乗り換える。
ヴィチェンツァへの列車は16時49分発。12番線であることを確認して移動、すでにヴェネツィア・サンタ・ルチア駅からの客でかなりいっぱいだ。2階席の一番前5人掛けを占有していた学生2人が席をあけてくれた(この学生、特に1人がうるさい、手を振り回すジェスチャーもすごい!)。

メストレを出るとすぐにドーロ(パドヴァからのブレンタ川クルーズで降りた町)、そしてパドヴァ。ここまでは少し遅れていたがほぼ定刻(17時50分)にヴィチェンツァ到着。
駅を出てイタリアの駅前では珍しい広々とした公園の真ん中のローマ通りを進み旧市街の大通り(アンドレア・パッラーディオ大通り)を行く。歴史的建造物はあるがとりあえずホテルを目指す。このあたりで右折かな、と思った所に看板をみつけ迷わず到着。駅からわずか12分だ。

◆アンドレア・パッラーディオ大通りで乾杯
夕食はミシュラン・ガイドに載っている店にして例によって場所確認かたがた出かけたが肝心の地図を持ち忘れ1軒だけ分からずじまい。そうこうしているうちにサン・コローナ教会、オリンピコ劇場の場所がわかる。想像したよりずっと小さい町だ。

もう1軒のリストランテはわかったが20時では予約がとれないので21時で予約し、帰り途アンドレア・パッラーディオ大通りのエノテカのテラス(大通りそのもの)でプロセッコを飲む。カメリエーレのお兄さんからつまみとしてクロスティーニを勧められた。3種類頼んだが夕食前にはちょっと重いほどだったが美味い。

Vicenza Enoteca La Molanotte クロスティーニ

外のテーブルだったがトイレを借りるため中に入ると細長い店内は結構奥行があり、しかも途中で半地下になっている。セラーにはいろいろな地方のワインが沢山ある。なかなか良さそうな店だ。

◆Agli Schioppiでの夕食
いったんホテルに戻り時間調整をしたうえで予約10分ほど前に出かける。ブラブラし、ちょうど21時に着く。
店内は左右に分かれていてその左側、7つのテーブルの中で最も入口に近い席に案内された。

前菜は生ハムと酢漬けのラディッキオ、バッカラとポレンタ。プリモはバッカラのビゴリ、ポルチーニのスープ。セコンドはポルチーニのグリル1品のみを注文。ワインはヴェネトのアマローネにしたが初めに頼もうとしたものが品切れのようで同じ味だからと別のハーフ・ボトルをすすめられた。結局これを2本飲んだが値段は当初のものと同じだった。

店内の写真をとっていたら正面のディスプレイをバックにシャッターを押してくれた。オーナー夫妻のようだが――最初に予約したときもそうだが――とても良い感じを受けた。

Vicenza agli Schioppi 洒落たインテリア

およそ1時間半のディナーとなる。

◆ヴィチェンツァ2日目
旅が始まって実質5日目となり、時差ぼけがすっかりなくなったのかぐっすり眠り目が覚めたら7時すぎ。
8時過ぎ朝食をとる。このホテル(DueMori)は朝食別料金で5ユーロ。その割にはパンとジャム、コーヒーと極めて質素。

ヴィチェンツァ2日目ではあるが観光としては実質初日、まずこの町のシンボルともいえるオリンピコ劇場へ行く。もちろんパッラーディオの作品だ。来る前はガイドブックの地図を見る限り旧市街の外れでかなり遠く感じていたが実際にはそんなに遠くない。むしろ『エッ!!こんなに近いの?』と思えるほどだ。
ここではオリンピコ劇場のほかキエリカーティ絵画館など6カ所の共通入場券(1名8ユーロ)を購入して入場。

Vicenza オリンピコ劇場

 

◆オリンピコ劇場
最初の部屋にはフレスコ画が4面の壁に描かれている。進んで行くと劇場の中に入る。トイレ、クロークと書かれた方向に進み、劇場客席に入る。
舞台の前には平土間の客席、その上には舞台をとりまくように半円状の10数段の階段座席がある。その1番に座って全体を見おろす。タオルミーナのギリシャ劇場やオランジュ(フランス)の古代劇場のようだ。
階段座席の上には神殿のような列柱が半円状にとりまき、その上に2階席がある。その壁には28体の彫像がグルッと置かれている。

Vicenza オリンピコ劇場客席と数々の彫像②

Vicenza オリンピコ劇場客席と数々の彫像①

一方、舞台の方は、というと奥に向かって古代テーベの町が作られていて遠近法によって小さな舞台がそれなりの奥行きがあるように見える。

Vicenza オリンピコ劇場舞台

 

観客席(平土間、階段)、舞台、いずれも木造であるが階段席にクッションが置かれていることからみると今でも実際に使われているようだ。

フラッシュなしなら写真が撮れるようなので数枚写す。もとの入口に戻ったので係員に『フレスコ画を写真に撮っていいですか?』と尋ねるとO.K.とのこと。デジカメに収めた。

◆絵画館キエリカーティ宮
次は大通りをはさんで反対側のキエリカーティ宮だ。正面は広場(というより公園)に面していて左右に広がった白っぽい優雅な建物だ。もちろんこれもパッラーディオの作品だ。

Vicenza 絵画館キエリカーティ宮

 

この建物は絵画館のほか博物館にもなっている。まず、2階の第9室へ行く。椅子がいくつも並べられた教室みたいな部屋には大作が何点もある。ほかにも部屋の天井からドアの上まで壁一面にフレスコ画が描かれているところが何部屋かあった。
天井の絵や細工もすばらしい。もちろん展示されている宗教画もすばらしい。

Vicenza 絵画館キエリカーティ宮天井画②

Vicenza 絵画館キエリカーティ宮壁の絵

 

◆サンタ・コローナ教会
大通りのまた反対側、ななめ向かい奥まったところにあるのがサンタ・コローナ教会。赤レンガのロマネスク様式。

Vicenza サンタ・コローナ教会①

内部は3廊式、主祭壇にはすばらしい彫刻、取り囲むようにステンドグラスが美しい。

Vicenza サンタ・コローナ教会主祭壇

 

レオーニ・モンタナーリ宮(Gallerie di Palazzo Leoni Montanari)
ここはイコンの展示が中心だ。金物細工のイコンのカバーも多数展示されている。はじめの頃は素朴だったイコンのカバーも色をつけたり、宝石をうめこんだり時代とともに豪奢になっていくさまがよくわかる。
この建物は珍しく撮影禁止、中庭さえもダメだった。

自然科学考古博物館(Museo Naturalistico Archeologico)
サンタ・コローナ教会の通りの奥にあり、共通入場券対象なので行ってみた。入って右手の階段を上がると化石から始まり昆虫や動物の展示。約2000年前の兵士が武器を持ったままの白骨もある。そのほか石器時代の石器など。
下に降りて中庭に出るとローマ時代の石造建物の柱、梁や彫刻が置かれている。

vicenza 自然科学考古学博物館中庭

Vicenza 自然科学考古学博物館床のモザイク画

 

◆ヴィチェンツァをうめつくすパッラーディオ建築めぐり
ホテル隣のトラットリアのテラス席でランチのあとパッラーディオ作品である建物を見て回ることにした。といっても建築に格別の興味があるわけでもないのでこの町を訪れた観光の一環として外観を見るということだが。

パッラーディオ大通りでいうとオリンピコ劇場あたりとは正反対側、昨晩のリストランテ近くからスタート。一つ一つ地図と照らし合わせながら大通りをジグザグのように進む。
Palazzo Porto Breganze (2つのタワーのようなバルコニーがある)
いったんローマ通りに出てサルヴィ公園の中にあるLoggia Valmaranaを見ようとしたが園内工事のため入ることができずカステッロ広場から大通りに戻る。

Palazzo Thiene Bonin Longare (左右対称の端正な形、左側にはスーパーCoinが入っている)

Vicenza ティエネ・ボーニン・ロンガーレ宮

 

Palazzo Valmarana Braga Rosa (窓やドアの上には彫刻がほどこされている)

Vicenza ヴァルマラーナ・ブラガ宮①

 

Palazzo Pojana
Palazzo Thiene (窓枠の円柱が優雅)

Vicenza ティエネ宮

 

この途中にパッラーディオ生誕500年のイベントの建物がある。

Vicenza パッラーディオ生誕500年会場の建物②

Vicenza パッラーディオ生誕500年会場の建物天井画団体客がいてガイドが一生懸命説明しているようだ。天井画《聖母被昇天?》が印象的。
Palazzo Barbaran da Porto

Vicenza バルバラン・ポルト宮

 

Palazzo Da Schio (Ca’ d’Oro)

パッラーディオ以外の建物もあるがそれらもなかなかの作品。パッラーディオの建物同様に作者名、建築年のプレートで表示されている。

◆ドゥオモもパッラーディオの作品
15時半頃、ドゥオモに入る。中にはほとんど人がいない。
中は明るい。ヴォールト状の天井、クーポラには装飾も絵も何もなくシンプルだ。内陣は白い壁、後陣はなんとなく赤っぽい。

Vicenza ドゥオモ内部①

Vicenza ドゥオモ主祭壇

 

ファサードの写真を撮ろうと試みたが大きく画面には入りきらないほどだ。

Vicenza ドゥオモファサード②

 

パッラーディオ大通りの裏手を進むかたちでシニョーリ広場に行ってみる。もう市は終わっていた。

Vicenza シニョーリ広場

Vicenza シニョーリ広場の2本の円柱②

 

◆量り売りのグラッパ
そろそろ旅も終りに近づいてきたのでお土産を買わなくてはと、観光はひとまずおいて歩きまわる。
チョコレートの店があったのでここのところ家族に評判のいいジャンデゥイオッティを買う。チーズが欲しいので広場東の食料品店を覗くが残念ながらまったくない。
少し戻りウィンドウ越しにオリーブオイルが見えた店に入り、ワインがあるか尋ねると『もちろん!』と下へ降りて行く。ワインは地下の奥の部屋だ。ヴェネト特産のアマローネともう1本買う。『グラッパは?』と訊くと連れていかれた売り場は量り売りのようで味見をさせてくれる。試飲をした4種類の中から3種類を各250ml買うことにした。ボトルも量に応じて何種類もある中から選ぶスタイルだ。キャップをはめ封印してからボトルに白いペンでそのグラッパの名前を書いてくれた。
(このうち1種類は少し赤みがかった甘口でちょっと梅酒を思わせるもの。ドイツ産にはびっくり。)

Vicenza ワインとグラッパの店①

 

あまりにも重いのでホテルに置きに帰る。近いので本当に楽だ。

それからシニョーリ広場のパッラーディオ建築物見学再開だ。
ラジョーネ宮、別名バジリカは白い大理石の壮大な建物。広場に面したところにレンガの高い塔(ジローネ塔)がすっくとそびえている。さらに東の方には2本の円柱があり、左側は例のヴェネツィアのシンボル、翼のある獅子像だ。

Vicenza バジリカも修復中

Vicenza ビッサーリの塔とバジリカ①

 

カピタニアートのロッジャ、これはヴェネツィア共和国総督の官邸だった建物で小さいがどっしりとしている。2階だけでなく3階にもバルコニーがある。残念なことに修復中。

パッラーディオ大通りに再び出てブラブラと散策、常設店舗ではなさそうだが食料品店(兼土産物店)があったので入って見ているうち、パルミジャーノ、栗のジャム購入。

18時過ぎ店を出て恒例の一杯やるため歩き始めたところで雨がポツリ。少し店を探しまわったが雷も鳴り、稲妻が光り始めたのでとりあえずホテルに逃げ込むように帰る。
部屋に入るやすごい雨足の音。
19時におさまる。19時15分ころ窓から外をみるとやんでいた。

◆今回の旅、最後のチェーナ
雨が完全にやんでから30分ほどたち、夕飯に出かける。今回の8泊10日の旅で最後のチェーナだ。予約はしていないがこの町を歩きまわった昨日、今日通りかかったサン・ガエターノ通りのオステリアに向かう。名前はOsteria Ca’Doro。

入口から見る感じは狭そうで素朴だ。すでに1階は3つ、4つのテーブルが埋まっていて、その間の席を示されたが、あまり色良い返事をしなかったところ2階に案内される。2階は天井が低く山小屋風だ。1階とは全く趣きが違って落ち着いている。

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro テーブル

 

カメリエーラの女の子の声が太く元気がいい。『イタリア語は?』、『ちょっと』。『英語は?』、『ちょっと』と答えると若い人懐っこそうな男がやってきた。英語で料理の説明をしてくれる。
『生がいいのか?調理したものがいいのか?』と訊かれ答えに窮すが『生も好きだし、調理したものも好き』と答える。

結局次のような料理をオーダーした。
前菜は①タコのカルパッチョ、盛り付けが丸くきれいだ。②スカンピのカルパッチョ、尾がとられたもの6尾。

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro スカンピのカルパッチョ②

 

プリモはウニのスパゲッティ。《ウニ》を英語で言われ理解するのに大変だった。スパゲッティは細いが微妙に芯があるアルデンテ。シェアーしたが1人前を2皿に取り分けてくれた。
セコンドは①相棒は魚介(マグロ、スカンピ、車エビなど)のグリル。②自分はマグロのフリット(炙り2切れの中にチーズを挟んでいる)。

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro マグロのフリット
食後にはデザートを頼みカフェで締める。食後酒は昨夜のエノテカと決めていたのでここではパス。

オステリアという割には前日にくらべ高いがその分量も多いし食材も良く美味しい。いい店だった。
勘定はシェフ自らが打ちこんでいたが帰るときには若い男もあとから出てきてわざわざ挨拶してくれる。
また訪れたい店だ。

◆昨夜のエノテカで乾杯!
大通りに出て件のエノテカへ。雨が降ったからなのか、もう遅いからなのか外のテーブル席はクローズ。中に入るとご主人とおぼしき人に奥に行くようすすめられた。
グラッパを1杯づつ注文すると《太めの大竹まこと》似のご主人がボトルごと持ってきて注いでくれる。いろいろ話しかけてくれ盛り上がったところで笑顔のご主人をパチリ!
そのうち昨夜の若いスタッフ(息子か?)も気づき挨拶してくれる。
こういう旅先でのコミュニケーションは実に楽しい。

23時すぎホテルに帰る。

◆いよいよ最終日
観光に出かける前に駅へ行きミラノまでの切符を買ったり、ホテル近くでお土産になりそうなものを買ったりしてから荷物をパッキング。10時すぎとりあえずチェックアウト。

最終日の観光はまずドゥオモ近くの司教区博物館(MuseoDiocesano)へ。
キリスト教の歴史と題した展示、聖具、聖職者の衣裳、宗教画、ローマ時代の石、遺構、下水などが展示されている。

Vicenza 司教区博物館

Vicenza 司教区博物館展示①

 

◆ラ・ロトンダ
それからいよいよメイン・イベント、時間があれば訪れたいと思っていたラ・ロトンダを目指す。ホテルで訊いたところ歩いて20分少々ということだったのでまず門へ向かう。この道が途中でわからなくなり郵便配達の人に現在地の確認と門までの道を教えてもらう。
門を出て何本かの大きな道路に出てそのうちの「こっちだろう」と思い込んだ方に行くが何となく不安。今度は通りがかったちょっと年上くらいの男性に訊くと道が90度違っていた。地図が悪すぎる。『ここから20分くらいかかる。気をつけて!』といわれ、お礼をいい握手をして別れる。
個人旅行といってもこうした善意の地元の人々に支えられていると思い感謝する。

途中から道路の右側の山の中の道を進む。およそ15分でラ・ロトンダ到着。門の前で立ち話をしていたひとが係の人、入場料(1名10ユーロ)払って敷地の中へ。

Vicenza ラ・ロトンダへの入口
ラ・ロトンダももちろんパッラーディオの作品で最高傑作だそうだ。左右対称の正方形のヴィラ(別荘)でホワイトハウスの原型ともいわれている。

Vicenza ラ・ロトンダ正面②雄姿

 

Vicenza ラ・ロトンダ背面円柱正面から写真を撮り、それから左手から一周、どの方向でもギリシャ神殿風の大きな列柱がある。
ヴィラだけあって町の中のパッラーディオの建物とは趣きを異にしている。

◆ヴィラ・ヴァルマナーラ・アイ・ナーニのフレスコ画
ここからの帰り道ティエポロのフレスコ画があるというのでヴィラ・ヴァルマナーラ・アイ・ナーニに寄ってみたら入場料が1名8ユーロ。ポケットの小銭が足りない、ということであきらめ歩き始めてから「ひょっとしてお札が残っているかも」と思い、パスポートを入れているポーチをあけると70ユーロもあったのであわてて戻った。

Vicenza ヴィッラ・ヴァルマラーナ②

 

切符売り場を見落とし正面の建物の方へ向かうと女性の係の人が追いかけてくる。
建物に入ると掃除をしているおじさんが入場担当、説明文書を『英語?それともイタリア語?』と尋ねてきたので英語版を借りる(帰りに返し忘れ、また声をかけられる。『セニョーレ!!』)。
天井から壁から一面のフレスコ画。素晴らしい。撮影禁止なのはわかっていたが『禁止ですよね?』と訊くと、《目を隠すしぐさ》でO.K.。

Vicenza ティエポロのフレスコ画①

Vicenza ティエポロのフレスコ画③ Vicenza ティエポロのフレスコ画⑥

Vicenza ティエポロのフレスコ画⑦

ティエポロのフレスコ画は傷んでいるところがほとんどなく、壁の下から上、天井と一面に描かれている。
真ん中の部屋から左右の部屋に入る。本末転倒だがシャッターを押すのに夢中でじっくりと一つ一つを鑑賞する余裕がなかったのは失敗だ。
ここを見終えてから切符売り場の建物に入り、第1~5室までの絵を見る。《中国の部屋》、《カントリー・サイドの部屋》とか《オリンポスの神々の部屋》と銘打たれ、それにふさわしい絵が展示されている。12時で閉館のため駆け足だ。
外に出て見る景色の素晴らしいこと!少し遠くに見える教会の鐘楼が絵になる。そのころ到着した人は数分前のため断られていた。

Vicenza ヴィッラ・ヴァルマラーナからの風景①

 

ヴィチェンツァの町に戻る。スカレッテ門の階段を上がった方がわかりやすいと思ったがどうも町とは少し方向が違うようだ。階段を下りて行きに来た道を戻る。サン・ミッシェル橋(ヴェネツィアのリアルト橋みたい)を渡るとほどなく見なれたバジリカ南側に出る。

◆最後の町歩き
バジリカ近くの大きなパラソルの下、テラス席のリストランテでランチをとる。周りのテーブルもほとんど観光客のようだ。
ミラノまでの列車まで1時間以上あるので最後の町歩きをする。
例のエノテカの正面を写真にとってから大通りと交差しているフォガッツァーロ通りサン・ロレンツォ教会に 向かう。偶然なことにエノテカの若いスタッフに出会い、挨拶する。縁というのは面白い。

15時42分発の列車でミラノに向かい、今回の旅(パドヴァ~ヴェネツィア~トレヴィーゾ~トリエステ~ヴィチェンツァ)は終わった。

◆食べる
●お店の名前 Antico Ristorante Agli Schioppi, Contra’ Piazza del Castello 26
(http://www.ristoranteaglischioppi.com/)

Vicenza agli Schioppi
食べたもの 前菜は生ハムと酢漬けのラデッキオ、バッカラとポレンタ(各3個)、いずれも8ユーロ

Vicenza agli Schioppi 生ハムと酢漬けのラデッキオ

Vicenza agli Schioppi バッカラとポレンタ
プリモはバッカラのビゴリー(7.5ユーロ)、ポルチーニのスープ(色はグレー、刻んだポルチーニのほかに何か入っている。うまい!8ユーロ)

Vicenza agli Schioppi バッカラのビーゴリ

Vicenza agli Schioppi ポルチーニのスープ
セコンドはポルチーニのグリル、ポレンタ、チーズ添え(13ユーロ)をシェア。一本一本が小さいポルチーニが2、3個に切って焼いている。ポレンタは黄色、チーズはパルミジャーノではないが良く似たハードタイプ。

 

Vicenza agli Schioppi ポルチーニのグリル
ワイン

Vicenza agli Schioppi アマローネAmarone della Valpolcella classic,ACINATICO 2004(375ml,18ユーロ)2本
グラッパ1杯(3ユーロ)、ジェラート(4ユーロ)、コペルト(2.5ユーロ×2)、水(3ユーロ)で合計95.5ユーロ

●お店の名前Café’ Restaurant dai Nodari, Contra’ Do Rode 20 (ホテルの隣)
食べたもの 早くできるという意味のVeloce(セットメニュー)3種類(7ユーロ、9ユーロ2種類)から9ユーロの一つを選ぶ。それぞれ前菜とプリモに水(500ml)がついている。これにハウスワイン(メルロー、500ml、3.6ユーロ)とエスプレッソを追加。値段の割に料理もワインもまあまあ。

Vicenza Dai Nodari 生ハムと酢漬けの小玉ねぎ

 

Vicenza Dai Nodari トルテリーニ
合計23.6ユーロ

●お店の名前 Antica Osteria Ca’ D’oro, Cotra’ S.Gaetano 8
(http://www.vicenza.com/mx_op-minisite2_cat-1004_id-1722_lang-it.shtml)
食べたもの  本文の通り。前菜2品で27ユーロ。プリモ(ウニのスパゲッティ)18ユーロ。セコンド2品で33ユーロ。デザートはクレーム・カラメル、セミフレッドのジェラート、各10ユーロ。

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro クレーム・カラメル

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro セミフレッドのジェラート
ワイン    Amarone della Valpolicella classic 2003, MANARA (30ユーロ)

Vicenza Antica Osteria Ca D'Oro アマローネ
カフェ(3ユーロ×2)、コペルト(3ユーロ×2)、水(2ユーロ)で合計142ユーロ

●お店の名前 Ristorante Gran Caffe’ Garibaldi, 7, Ctr. Camillo Benso Conte Di Cavour
食べたもの  前菜はヤリイカのイカ墨ソース煮、ポレンタ添え(7ユーロ)、カジキマグロのカルパッチョとガンベローニ添え(7ユーロ)。

Vicenza Garibaldi ポレンタの上にイカ墨とヤリイカ

Vicenza Garibaldi カジキマグロのカルパッチョ
プリモは生ハムとポルチーニのピッツァ(6.5ユーロ)とトマト、バジリコのニョッキ(6ユーロ)
ワイン    プロセッコ(250ml)のあと赤ワイン(500ml)
コペルト(2ユーロ×2)、水(2.5ユーロ)で合計44ユーロ

◆飲む
●お店の名前 Enoteca La Malanotte, Corso Palladio,56

Vicenza Enoteca La Malanotte
1日目 クロスティーニ3種(①バカラ、②ルッコラに生ハム、上にフルーツトマト、③タルタル、1.5ユーロ×3)とプロセッコ(3ユーロ×2)
2日目 グラッパ(4ユーロ×2)。
店内黒板にはグラスワイン(2.5~7ユーロ)が何種類も。うらやましい。

Vicenza La Malanotte こんなグラスのグラッパ

Vicenza La Malanotte 黒板のワイン・リスト

◆泊る
ホテル Due Mori(★★), Contra’ Do Ronde,24 Twin 80ユーロ/泊、朝食別 5ユーロ/食
メールで予約、フロントは何人も変わるが皆親切、ロケーション抜群
(http://www.hotelduemori.com/inglese/prima_en.htm)

Vicenza ライトアップされたホテル

 

 

◆買う
◎ワイン Amarone della Valpolicella classico,Vendemmia 2000,BERTANI (61ユーロ)
地ワイン(32ユーロ)
◎グラッパ 3種類を250mlづつ、瓶代別途、合計24ユーロ
以上購入のお店 Remember, Contra’ Pescherie Vecchie 32
◎フラゴリーノ(5.5ユーロ)
◎チーズ パルミジャーノ(約600g、9ユーロ)
◎栗のジャム
◎チョコレート ジャンディオッティ(100g×4、14ユーロ)
◎お菓子類

Trieste (トリエステ) 2008/9/23~24

Trieste (トリエステ) 2008/9/23~24

◆行く
‘08年のヴェネトの旅、プラン段階ではここトリエステまでは行くつもりはなかった。
5日目はバッサーノ・デル・グラッパでホテルも予約していたのだが、カブレーノ以上にイタリア大好きの大先輩と話していたら、『トリエステは日帰りもできるよ』と言われ、バッサーノ・デル・グラッパには短時間とはいえ前に行ったこともあるし、前泊のトレヴィーゾから近すぎるので急遽変更しトリエステのホテルを予約したのだ。

トレヴィーゾを定刻より少し遅れ14時29分発車。普通列車だがトリエステ直行なので乗換えもなく約2時間のローカル線の旅、ゆっくりと休むことができた。
普通列車とはいえ各駅停車ではない。いくつかの駅を飛ばす。快速のよう。結構乗り降りする人が多い。
トリエステに着く15分くらい前に進行方向右手に海が見えた。

当初の遅れのまま到着。大きな駅だ。
ホテルまでスーツケースを引っ張り歩く。海岸沿いの道路は広く、また建物も大きい。直前のトレヴィーゾが小さな町だったからなおさらそう感じたのかもしれないが、やはりハプスブルグ家統治下のオーストリア・ハンガリー帝国の軍港、その後の自由港の町として発展してきた歴史を感じる。

◆見る
整然と区切られた都市だけあって大運河の向こうにあるホテルまでミシュランの地図を頼りにまったく間違わずに到着。

18時すぎいつものように市内探訪兼リストランテ探しに出かける。

ホテルのあるサン・ニコロ通りをすぐ右に曲がり大きなイタリア通りを渡りその名もテアトロ・ロマーノ通りに進むとその先にローマ劇場があった。いつごろ発見されたのか?ローマ時代からそのままだったのか?などと思ってしまった。

 

 

Trieste ローマ劇場◆圧巻のイタリア統一広場(ウニタ・ディタリア広場)
次はイタリア統一広場だ。広場を整然ととりまく建物群に圧倒される。トリノの王宮広場のようでもあるが一方が海に開けている。といってもヴェネツィアのサン・マルコ広場よりも広くてすごい印象を受ける。風が強くまた冷たい。

Trieste ウニタ・ディタリア広場①

 

Trieste イタリア統一広場からの眺め

この広場には夜も、そして翌日も訪れたがトリエステではここが一番、ここに来ただけでトリエステを見た、といえるのかもしれない。

◆港町では魚料理
夕方出かけたもう一つの目的、リストランテ探しはイタリア統一広場から海岸沿いの大通りを魚市場(水族館)の先のリストランテまでチェック。それから戻り、ホテルを通りすぎ大運河まで。

ホテル近くへ戻りホテル前のカフェテラスでプロセッコを飲みながら情報整理をしつつ、ホテルのフロントで魚料理の店2軒を教えてもらう。この2軒と兄の資料の2軒とあわせ4軒チェックすることで再スタート。結局フロントで教えてもらった1軒にする。

外はパラソルが閉じられていて淋しいが中に入ると何組か食事中でホッとした。店内はどちらかといえば狭い。インテリアも木が使われているがまぁ普通か。案内された席はキッチン近くであまりいい感じはしない。

前菜は『海の幸サラダ』と『マグロの生ハム』の2皿、プリモは『小エビとフルーツトマト、ペペローニのスパゲッティ』、セコンドは『本日の魚のグリル』にした。『マグロの生ハム』は美味い!塩漬けにして軽くスモークしたもので、塩気が強いが結構いける。

Trieste Bandierette まぐろの生ハム

 

マグロ好きの日本ではなぜないのだろう。

◆2日目はミラマーレ城へ
朝からスカッ晴れ。トリエステは昼までの予定なのでまず遠いミラマーレ城に行くことにして8時15分スタート。
中央駅の36番のバス停がわからず右往左往する。他のバスの運転手尋ねると、駅横の通り、と分かった。近くのキオスクでバスの切符を買う。

8時40分のバスが数分遅れて到着、始発ではなく結構混んでいる。9時少し前に終点下車、運転手にミラマーレ城(ミラマーレ公園)の入り方を教えてもらう。

まず、公園へ。園内の案内板(地図)を見てやや大回りに進む。ほどなく海を背にした白い城があらわれる。

Trieste ミラマーレ公園の案内板

Trieste ミラマーレ城全景

入館料(1人4ユーロ)を払い音声ガイドを借りるか(日本語は当然ない)、デポジットをどうするかで係の人とやりとり、結局1個だけ借りることにした(3.5ユーロ)。
ところが英語の説明が長すぎ、どこでも最初だけでストップ。借りる必要がなかったかもしれない。

見学順路は1階から。まずCharlottoの寝室、天井が低い。執務室、ライブラリーと進むにつれて天井が高くなっていく。内部は木造で床は寄木のようだ。
No.7と8は応接室。主寝室のベッドは結婚の贈り物だとか。夏の食事室、謁見室、冬の食事室へと順に見学した。冬の食事室のテーブルが意外に狭い。
2階には20世紀になってからのパイロット関係の展示もあった。その部屋をすぎると各室の装飾は1階よりも華美だ。

◆帰りのバスのチケットに一苦労
庭園を抜け10時にバス停に戻る。すでに10時10分発のバスが待っている。帰りのチケットを買うためにすぐそばの食堂兼バールに行ったが『ないよ』と返事が返ってきた。困ってバスの近くにいた人に『ドライバーですか?』と尋ねるとずっと遠くの人を指す。行って話すと『あっちのバール』と言われ、さっきの店の左奥のバールに行ったものの閉まっている。右往左往して最初の店に行き再度訊いたけれど主人にまた“Non c’e` lo”と言われ困り果てたところに居合わせた人が個人のものを譲ってくれ走ってバスにギリギリ乗り込んだ。
行きに往復分買わなかったのは失敗だったがあの「近くの店で買う」というイタリアのシステムはいまだに理解できない。
ともかくも市内に戻ることができ、駅で降りずにそのまま終点、オベルダン広場まで行く。

◆サン・ジュスト聖堂からカステッロへ
ホテルに戻り荷物をまとめチェックアウト。
サン・ジュスト聖堂が12時から15時までクローズだというのでサン・ジュスト聖堂を目指す。
昨日トリエステに来て最初に行ったローマ劇場の左から回りこむように進む。気がつくとモナーケ通りだ。これを道なりに行くと前方に教会とローマ神殿跡が見えてきた。

サン・ジュスト聖堂は薄茶色のレンガでバラ窓がとても美しい。右にどっしりと寄り添う建物は鐘楼だ。

Trieste サン・ジュスト聖堂①
聖堂の中は非対称の5廊式、奥行きはそれほどない。後陣正面、左右ともモザイク画だ。正面は『聖母と聖人』、右は『キリストと聖ジュストと聖セルヴォロ』、左には『聖母と大天使聖ミカエルとガブリエル』。いずれも美しい。

Trieste サン・ジュスト聖堂「キリストと聖ジュストと聖セルヴォロ」

床にはところどころモザイク模様だ。5世紀のものだそうでびっくりだ。

Trieste サン・ジュスト聖堂床のモザイク

Trieste サン・ジュスト聖堂鐘楼①

鐘楼にはいってみると1階部分は土産物売店になっている。中の壁や柱はローマ時代のものなのだろうか?

次はカステッロへ。カステッロは市立博物館になっている。ちょうど14世紀の特別展開催中。入場料(1人3.5ユーロ)2人分を10ユーロ紙幣で払ったところあるはずのお釣りをくれない。『ここでいいんだ・・・』ちょっと変な顔をしたら係の人が折りたたみの観光ガイドを二つづつよこした。イタリアらしい。
ここでは武器(槍、弓、剣など)や貨幣、聖具、手紙など沢山展示されている。見終えたあとカステッロの屋根の部分に登りざっと一周してカステッロからのトリエステの街を見下ろす。

Trieste カステッロ

Trieste カステッロからの市街とアドリア海①
出る頃にはちょうど12時の鐘の音がなった。

◆ワン・プレート・ランチ
夕べホテルのフロント嬢に教えてもらったElefanteBiancoへランチに行く。前を通ったときランチ定食の小さな看板を見ていたからだ。

店に入っても誰もこない。時間が12時ちょっとのため客もいない。さらに中に入りフラッシュつきで店内の写真をとるとフラッシュで気づいたのかオーナーらしい男性が出てきた。
開いているか尋ねると“Certo!!”。

テーブルクロスが黄色基調でなかなかお洒落な感じだ。

Trieste Elefante Bianco店内①

 

メニューを持ってきたので定食にしたいと言ったのに通じない。外にあるメニューを一緒に見に行き、了解となった。水とワインがついて一人15ユーロ(他にコペルト2.5ユーロ)。ワインのボトルは真ん中のテーブルに置いてある。その中からシャルドネが注がれる。料理の注文を取りにこないなぁと思っていたらワン・プレートで出てきた。これにはちょっとびっくり。
ワン・プレートとはいえ、ホタルイカのスパゲッティ、セコンドとして鰯の空揚げ、フルーツトマトとルッコラのサラダと一応は揃っている。スパゲッティはそこそこのボリュームで美味しかった。

Trieste Elefante Bianco ワン・プレート・ランチ

 

◆大運河を見てからヴィチェンツァへ
まずまずのランチのあとまたトリエステNo.1の統一広場を名残惜しく訪れる。何度見てもこの広場は素晴らしい。
ホテルのあるサン・ニコロ通りも突っ切りどんどん歩いて大運河へ行く。大運河は今でこそその役目を終えているが海からサンタントニオ・ヌオーヴォ教会前の広場まであり水面は陽射しをあびキラキラと輝いている。

サンタントニオ・ヌオーヴォ教会を見ようとしたが昼休み中なのか閉まっていたので外観のみ観光、ファサードはトレヴィーゾのドゥオモのようにギリシャ神殿風で6本の円柱で支えられている。クーポラは低めの丸い屋根でちょっと変わっている。

Trieste サンタントニオ・ヌオーヴォ教会

 

大運河の北側には例によって大きなパラソルのリストランテが何軒か、ムール貝のワイン蒸しを食べている人がいて「ここでランチも良かったかなぁ」と一瞬思った。

大運河を往復してからゴルドーニ広場からイタリア通りをぶらつきホテルに戻ってスーツケースを受け取りトリエステ中央駅に着いたのが14時15分。
14時45分発のヴェネツィア行きの電車は6番ホームと出ていたので行ってみるとすでに入線していた。定刻に発車、トリエステをあとにし今回の最後の訪問地、ヴィチェンツァに向かう。

◆泊まる
ホテル Continentale Hotel Torieste (★★★★),Via San Nicolo 25
1泊 Twin 19,367円、HotelClubで予約、円で前払い

◆食べる
●リストランテ Hosteria Bandierette, Riva N.Sauro,2

Trieste Bandierette
食べたもの

前菜 海の幸サラダ(シャコ、サーモン、あじの南蛮漬け、オイルサーディン、イカ、タコ、エビなど)12ユーロ、マグロの生ハム、9ユーロ。

Trieste Bandierette 海の幸サラダ
プリモ 小エビ、フルーツトマト、ペペローニのスパゲッティ(少しゆですぎ)11ユーロ。
セコンド 本日の魚のグリル(サーモン、スズキ、スカンピ、小さな鰯、イカ、エビ。レモンを絞って食べる。素材を生かした味)16ユーロ。

Trieste Bandierette 本日の魚のグリル
ワイン ハウスワイン(トカイ、白)をすすめられる。味があわなければ取り替えると言われ、そのつもりだったがなかなかテーブルにこないので妥協、結局お代わりする。何と6.5ユーロ×2本。
コペルト、水、カフェ込み2人で70ユーロ。
●リストランテ Elefante Bianco, Riva Tre Novembre 3
2日目のランチをとった店。本文の通り。コペルト込み2人で35ユーロ

Treviso (トレヴィーゾ)  2008/9/22~23

Treviso (トレヴィーゾ)  2008/9/22~23

◆行く
この町に行く気になったのは陣内秀信氏の『イタリア小さなまちの底力』を読んで「二十分で歩ける庭園都市」と紹介されていたからだ。小さな町でありながらベネトンの本社があるというところだ。

◆ヴェネツァ経由トレヴィーゾへ
2日間のパドヴァ観光を早めに終え天気もいいのでヴェネツィア経由でトレヴィーゾへ行くことにした。というのは直行するにしても本土側のメストレで乗換える必要があり、ならばあの魅惑的なヴェネツィアの空気を少しでも感じようと思ったからだ。

11時10分発の電車で昨日のブレンタ川下りの町、ドーロで乗換えそのままヴェネツィアのサンタ・ルチア駅へ向かう。ヴェネツィアは4度目だったが、2階席しかも進行方向の逆に座っていたため島に渡る気分がしない。
11時53分到着。手荷物預り所が工事のため移動していてサインを見て右往左往した。
12時20分すぎようやく預け終え駅の外に出る。天気がいい!日が照っていると夏みたい。昨日とは随分の違いだ。

いつもながら大変な人ごみのリアルト橋サン・マルコ広場を抜け、一番東のカステッロ地区の方まで行きガリバルディ通りで大運河に面したサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会を望みながらランチを楽しんだのちほぼ同じところを通りサンタ・ルチア駅まで戻る。約4時間の滞在だったがヴェネツィアらしい景色を目の当たりにし大満足。

venezia リアルト橋からの大運河
Venezia サン・マルコ広場の賑わい

乗車券を買ったすぐあとに発車する電車に気づいたが行先が確認できずあきらめ16時17分のウーディネ行きの電車に乗る。ほぼ定刻の16時50分到着。いつものことだけど初めての駅に降り立つときはワクワクする。

◆ホテルにチェックイン
予約していたホテルはContinental Hotel、駅のすぐ近くのはずだ。駅を出てから橋をひとつ渡ったところはローマ通り。本当にすぐだったがHotel Carltonもすぐ近くにあり一瞬そっちに行ってしまいそうになった。
部屋は101、パドヴァのホテルよりちょっと狭いが全体にシック、床は寄木だ。

◆夕方のそぞろ歩き
17時半、毎度のことだがリストランテ探しも兼ね街に飛び出す。
ローマ通りポポロ通りボルサ広場をすぎてから左に行くと時計塔が見える。シニョーリ広場だ。時計塔は正面、ポデスタ宮にある。右手には三百人館があり下の階はカフェになっている。

Trevizo ポデスタ宮と三百人館

Trevizo ポデスタ宮の時計塔①

この広場の隣にはベネトンがある。本社は郊外のようだが敬意を表してこのお膝元の店でお土産を買う。

シニョーリ広場からさらに進むと別の時計塔が見えた。そこがドゥオモ、中に入るのは明日にして外観を正面から見る。ファサードはギリシャ神殿のようだ。

Treviso ドゥオモ ファサード

 

◆カフェで乾杯
来た道をまた逆に戻りシニョーリ広場からの左の道からインフェリオーレ通りに。

このあたりにはチェーナの候補店が2軒あったので店構えを確かめたあと、シニョーリ広場のカフェで恒例の一休み。キリリとしたプロセッコで乾杯だ。日が落ちたので座っていると寒い、昼の暑さからみるとうそみたいだ。

この広場はなだらかな起伏があり座っていても何となく落ち着く。向かい側の建物の窓にある鉢植えがとてもきれいだ。
その隣の建物の壁にはうっすらとフレスコ画が残っている。
19時の鐘がなる。半袖なので肌寒い。

ホテルに戻る途中(というかすぐそば)にさらに2軒チェック、部屋に戻って相棒の兄とリストランテ選びの作戦会議。1泊だけなので真剣だ。

『歩きつかれたので近いところにしよう』『サービス料12%でもチップを考えるとそんなに高いわけでもないし・・・』と一番最後にチェックした隣のホテル1階のリストランテに決めた。

◆チェーナ
ということで20時半頃ミシュラン・フォーク2本のL’Incontroへ。

 

Trevizo-Lincontro-エントランス

Trevizo-Lincontro-エントランス

Trevizo-Lincontro

Trevizo-Lincontro

ウィンドウ、入口ドアに書かれた店名は超モダン・アート。中に入るとさすが、黒服、ネクタイ姿の年輩のカメリエーレが寄ってくる。
突然『コンバンワ!』といわれキョトンとしていると今度は中国語で挨拶されたがこっちが日本人だと分かると片言の日本語でずーっとサービスされる。
それもそのはず、この店は何と玉川高島屋に出店していたことがあり彼は東京に住んでいたことがあるという。

英語併記メニューとにらめっこしていると全く同じ日本語メニューを持ってきてくれた。最初のプロセッコが注がれると『カンパイ!』といってサービスされる。
それで分かったのはこの店は肉料理の店だということ。魚はわずかにスモーク・サーモンがあるのみ。
『リゾットは日本語メニューにあるがイタリア語(英語)メニューにはないが・・・』と訊くと『リゾットはポルチーニ』といって生のポルチーニをカゴで持ってきてみせてくれた。
結局、前菜に牛肉のスモークのほかに各自アンティパスト・ミスト(セルフサービス)、それにリゾット2皿、「それでやめてとおきなさい」となかば強制され、従う。きっと日本人の胃袋を考えてのことだろう。
ワインは赤とだけ伝えると、アンティパスト・ミストをとって席に戻ると抜栓したボトルがあった。

Trevizo-Lincontro-前菜

Trevizo-Lincontro-前菜

お腹が本調子ではないのでアンティパスト・ミストはセルフサービスでもほどほどにしたが隣のテーブルの人などは3~4倍とっていたのにはびっくり。

 

牛肉のスモーク一皿をシェア、しっかりとした味だ。ポルチーニのリゾットは乾燥ポルチーニと違って香りだけでなく食感がいい。

Trevizo-Lincontro-ビーフのスモーク

Trevizo-Lincontro-ビーフのスモーク

Trevizo-Lincontro-ポルチーニのリゾット

Trevizo-Lincontro-ポルチーニのリゾット

 

食後に『何か?』と訊かれたのでチーズを頼むと各々にクリーム・チーズぽいチーズに蜂蜜がかかったものが出されそのほかにパルミジャーノが塊(多分300グラムくらい)で出てきた。イタリアでも初めての体験だ。その塊の1/3くらいを2人で食べる。

Trevizo-Lincontro-パルミジャーノがこんな形で

Trevizo-Lincontro-パルミジャーノがこんな形で

食後酒のグラッパは冷たく冷えたボトルをそのまま置いていく。パルミジャーノ同様太っ腹だ。好きなだけ飲んでいいということだろうが2杯目は少なめに飲む。あわせるようにプティフール(クッキー)盛合せが出てきてディナー終了。満足、満足だ。

店を出ると隣が我がホテルなのだが『近い方がいい』といった相棒が『まだ早いからもう一度シニョーリ広場に行こう』と、また歩く。小さな街だからすぐだ。
夕方とは違うカフェ、三百人館1階に行き、飲みすぎに注意する私はエスプレッソ、相棒は赤ワインでトレヴィーゾの夜を楽しむ。このとき気づいたワイン・グラス、0.1lという表示がありちょうどそこまで注がれていた。これはいいなぁ、と思った。

Trevizo 目盛りつきのグラス
23時頃ホテルへ戻る。

◆総裁選を知る
この日は自民党総裁選。TVのニュースで麻生氏が予想通り選出されたのを知った」。
翌朝も繰り返し報道されているがコメントは分からない。このところ毎年この時期に日本の政治の動きがあり旅行中のイタリアでそれを知ることが恒例となっている感がある。

◆トレヴィーゾ観光
8時半すぎ観光スタート。トレヴィーゾはヴェネツィアとは趣が違うが水路の町だ。
ホテルを出てすぐ橋を渡ると右手に水門みたいのがありそこでごみなどを自動的に持ち上げきれいにしている。水の流れはゆったりとしている。

Trevizo 水門

 

まず、ドゥオモへ向かったが『途中に《おっぱいの噴水》があるはずだ、どこだろう?』とシニョーリ広場とドゥオモの間を行きつ戻りつするがわからない。右手の小道にも入ってみるがわからない。通りがかりの小柄な老人に尋ねると嫌な顔ひとつせずに連れていってくれた。尋ねた場所からはかなり広場まで戻ったので申し訳ないくらいだ。
その噴水は裏通りの奥まった一角、もうほとんど美容院の中庭みたいな感じのところにグラマラスな身体をみせている。そこにあるのはレプリカで本物は市立博物館にあるらしい。

Trevizo おっぱいの噴水②

 

ドゥオモの外観は昨日みているが今日は中に入る。3廊式。ティツアーノのフレスコ画があるらしいがどれだかわからずじまい。

Treviso ドゥオモ 内陣

 

Treviso ドゥオモ 画

ドゥオモの前の通りを西に行き途中で右折、落ち着いた住宅街を進む。大きな通り(カヴール通り)に突き当たって左折し、サンティ・クアランタ門の外に出る。この門の上部にはヴェネツィア共和国の象徴の獅子像が彫られていてこの町がヴェネツィアに属していたことがわかる。写真を撮るがやや逆光気味か。

Treviso サンティ・クアランタ門

 

◆城塞を歩く
カヴール通りを戻り、市立博物館へ行ってみたが修復工事のためクローズ。その先を左折、壁に沿って歩く。途中から壁の上が散歩道になっているのを知り、上がって歩く。城塞の上を歩いているわけだ。

Treviso-城壁の上の散歩道

Treviso-城壁の上の散歩道

Treviso-お濠と水鳥

Treviso-お濠と水鳥

足元にはお堀の水の流れが見える。いい雰囲気のプロムナードだ。男二人で散策するのはもったいない。あざ笑うかのように突然栃の実が頭上から落ちてきた。

◆メルカートから北東へ
露天市(メルカート)のテントが右手下に見えてきたので下りてその市の中を歩く。買う、買わないにしても歩いて見て楽しい。
衣料品、花、日用品、だいぶ進んだところで青果(これがあると実にカラフル)、そしてチーズ、魚(1軒だけ)お惣菜など。この町でも圧倒的に衣料品店が多い。
グラッパ産のチーズがあったので値段を訊いたらすぐ量ってくれ3ユーロちょっとと安いので1個買う(スモークチーズの一種、割とふわっとしている)。

そのまま歩き北東にあるサン・トマーゾ門の外に出て写真を撮る。

Treviso サン・トマゾ門①

 

また中に戻ってサン・フランチェスコ教会へ行ってみたが修復工事中。教会前の広場を通り、サン・タゴスティーノ教会を訪れる。丸っぽくて白い内部、入口近くで遠慮がちに写真を撮っていたらおば様が来て『主祭壇の前に行って撮りなさい』とお墨付きをもらう。

Treviso-サン・タゴスティーノ教会 ファサード

Treviso-サン・タゴスティーノ教会 ファサード

Treviso-サン・タゴスティーノ教会 主祭壇

Treviso-サン・タゴスティーノ教会 主祭壇

 

◆川中のペスケーラ
地図を見ると近くにペスケーラ(魚市場)があるらしい。その名もペスケーナという小道を行くと川の中の小さな島に数軒の魚屋があった。時間のせいか半分の店は閉まっていたが1軒には人だかり。そばに行ってみるといろんな種類の魚介類。新鮮で美味しそうだ。スカンピ、もぞもぞ動く小さなカニもある。

Treviso-ペスケーラ(魚市場)

Treviso-ペスケーラ(魚市場)

 

来た道を戻り、サン・タゴスティーノ通りからカルロ・アルベルト通りへ。これで町の東に来たことになる。サンタ・マリア・マッジョーレ教会の前の広場はまるで駐車場と化している。小さな町で中世そのままなので車をとめられるところが少ないからやむを得ないのだろう。

サン・アガタ通りを通ってホテルに戻る方向に行くと、途中橋の上からの運河の流れの眺めがあまりにもいいので写真を撮り合う。橋の上の交通量が多いのでなかなか大変だ。

運河に沿ったリヴィエラ・サンタ・マルゲリータ通りを水面を見ながら歩く。実にきれいで気持ちが洗われる感じだ。トレヴィーゾに来た甲斐がある。

一旦ホテルに戻り荷物をまとめチェックアウト。スーツケースを預け最後の観光と食事に出る。

トレヴィーゾはこじんまりしているが品のいい感じの町だ。お店も洗練されている。川の流れもゆったり。天気のいい今日はいい。

◆サン・ニコロ教会はどこ?
サン・ニコロ教会に行こうとして大きなはずの通りがわからずドゥオモ近くまで行ったので地図を見直して進むと何とホテルを出て橋を渡ってすぐ左正面の像のあるところがヴィットリア広場でそれを左折するとさっきわからなかった「大きなはずの通り」サン・ニコロ通りだった。

サン・ニコロ教会はファサードのように見えたところは実は北の壁、通常のファサードにあたるところはなさそうで、北側のどてっ腹から入る。
中は広い。3廊式で柱にはフレスコ画、右の壁には大きなモザイク画がある。内陣も含め大きな絵が沢山掲げられている。

Treviso-サン・ニコロ教会

Treviso-サン・ニコロ教会

Treviso-サン・ニコロ教会-受胎告知フレスコ画

Treviso-サン・ニコロ教会-受胎告知フレスコ画

ここを出るとちょうど正午、2方向から教会の鐘の音が聞こえる。

 

◆ティラミス発祥の店でランチ
さて、ランチ。トレヴィーゾはティラミス発祥の地でその発祥となった店、Beccherieに行くことに決めていた(本当は夕食で行きたかったが前日は定休日だった)。
シニョーリ広場の裏側だとホテルで聞いていた。三百人館の裏にあたる店に着くとジャケット、ネクタイ姿のオーナーに迎えられる。
天気がいいのでテラス席にした。

Treviso-Beccherie

Treviso-Beccherie

Treviso-Beccherie-テーブルセッティング

Treviso-Beccherie-テーブルセッティング

食前酒のプロセッコでスタート。食事を終え時間をおいてからドルチェのオーダーを取りにきて『ティラミス?』と訊かれたので“Si!”。名物だもの、当然。
しっとりとしてそれでいて水っぽくなく美味しい。

Treviso-Beccherie-本家本元のティラミス

Treviso-Beccherie-本家本元のティラミス

2人でチップ込み80ユーロとランチとしてはちょっとかかったが、ティラミス発祥の店らしいしミシュランのフォーク2本なので満足だ。

この店は池田匡克氏の『イタリア老舗料理店』で紹介されていてオーナーへの取材もあったので尋ねてみたが、こちらのイタリア語が通じなかったのか『知らない』と言われてしまった。

ランチを終え、ホテルでスーツケースを取って駅へ。次の目的地トリエステ行きの電車を約25分待つ。爽やかだった暑さもこの時間には陽射しが強くジリジリするほどだ。定刻より少し遅れ14時29分トリエステ直行の電車に乗ってトレヴィーゾをあとにする。

◆食べる
●お店の名前 L’Incotro, largo Porta Altinia 13
食べたもの 本文の通り チップ込み 2人で100ユーロ
ワイン CASTELLO di RONCADE, PIAVE (cabernet)

グラッパ BONAVENTURA MASCHIO, PRIME UVE, VENDEMMIA 2005

Trevizo-Lincontro-ワイン-Castello-di-Roncade PIAVE

Trevizo-Lincontro-ワイン-Castello-di-Roncade PIAVE

Trevizo-Lincontro-グラッパ

Trevizo-Lincontro-グラッパ

●お店の名前 Antico Ristorante Beccherie, Piazza Ancilotto 11
食べたもの 前菜はヴェネトの甘い生ハムとメロン、地元のサラミにポレンタ添え、(2品で16ユーロ)
サラミは一切れがかなり大きく太いもの、脂が結構あるがしっかりした味。やや塩気がきつい。

Treviso-Beccherie-生ハムとメロン

Treviso-Beccherie-生ハムとメロン

Treviso-Beccherie-サラミのポレンタ添え

Treviso-Beccherie-サラミのポレンタ添え

プリモ イカ墨のスパゲッティ(8ユーロ) 濃厚で唇が真っ黒になる。
セコンド ホロホロ鳥のロースト(15ユーロ)
(プリモ、セコンドをシェア)
ドルチェは二人ともティラミス(8ユーロ×2)
食前酒のプロセッコ、ハウスワイン(カベルネ・ソーヴィニオン)500ml、水、コーヒー、コペルト(3ユーロ×2) チップ込み 2人で80ユーロ

◆泊まる
ホテル Continental Hotel Trevizo (★★★★) ,Via, Twin 13,699円、HotelClubでネット予約

◆買う  男の子用パーカー、女の子用Tシャツ
お店  Beneton, Piazza Indipendenza
サイズが年齢ではなく身長のためちょっと苦労する。

◆読む
●本の名前 『イタリア 小さなまちの底力』陣内秀信著
トレヴィーゾに行く気にさせてくれた一冊。
ヴェネトの小さな町を訪ねようと思い、ネットで情報を検索していたらあるサイトに『この本を読んでトレヴィーゾへ行ってみようと思った』と書かれていたので参考になるかなぁと思いAmazonから購入(書店で探したが在庫なし)。
著者が留学されていたヴェネツィアはもとよりその後30年にわたり研究過程で訪れたイタリアの北から南までの数々の町が、そこに住む人(いろんな意味での知人)やイベント、多様な広場や建物そして文化を中心に述べられていてそれぞれの町の雰囲気がよくわかる。さらには、イタリアそのものの理解が深まる。

●本の名前 『イタリアの老舗料理店』池田匡克著(角川書店)
10ページにわたりBeccherieが紹介されている。ホロホロ鳥のローストはここの名物料理のようだ。

Padova (パドヴァ) 2008/9/20~22

Padova (パドヴァ) 2008/9/20~22

◆行く
パドヴァは2度目だ。前回(1999年9月)はヴェネツィアからラヴェンナへ移動する途中ジョットのフレスコ画でうめ尽されたスクロヴェーニ礼拝堂をみるためだけにちょっと寄っただけだ。今回はヴィチェンツァを中心としたヴェネトの旅、ということでヴェネト州第二の都市、パドヴァをじっくり見るつもりで行くことにした。今年の相棒は2つ上の兄だ。

前日、日本からミラノに着き1泊し、8時55分発のICでミラノ中央駅を出発。
ホテルを出た頃は肌寒く雲っていたが、列車が走り始めた頃はうす曇り。ところどころ青空がぼんやりと見える。あたり一面はとうもろこし畑だ。そのうちぶどう畑に変わる。
約3分遅れで11時すぎパドヴァ到着。

まず荷物を置くためスクロヴェーニ礼拝堂のちょっと先のホテルに向かったつもりだったが9年前の記憶が定かでなくちょっと方向を間違えたりして20分ほどかかってしまった。

◆パドヴァ旧市街を下見
荷物をフロントに預け、いざ市内へ。ホテルを出て旧市街へ向かう。すぐカヴール広場、その先に市庁舎があり、ちょうど結婚式の人たちが大勢いる。そういえばホテルのロビーには結婚式に出席するような服装のグループがいたのを思い出す。

Padova 市庁舎

市庁舎の向かいは13世紀に創立されたパドヴァ大学、何となく古めかしさを感じる入口だ。

 

右に曲がると果物と野菜の市が立っている。ラジョーネ宮の南にあたるエルベ広場だ。ラジョーネ宮をぐるっと回ると果物や野菜のほか衣類やパスタなどの店が沢山ある。あとで地図で確かめるとそこはシニョーリ広場だ。相変わらずイタリアの市はすごい。

Padova エルベ広場とラジョーネ宮

 

ちょうど昼頃になったので「歩き方」に出ていたオステリア”Al Pero”を通りがかったので昼食にする。12時ちょっと、というのに客はほとんどいない。それぞれ前菜とプリモを注文し、ワイン0.5lを二人で飲みパドヴァでの初の食事とした。

Padova al Pero たこのカルパッチョ

Padova al Pero フンギのポレンタ

◆パドヴァの町歩き
腹ごしらえを終え、ホテルに戻りチェックイン。14時頃、いよいよ観光スタート。
PADOVAカード購入もかね、市立博物館とスクロヴェーニ礼拝堂へ行く。PADOVAカード購入と同時に礼拝堂の予約をするのだが(前回は予約制ではなかった)何と礼拝堂は17時15分の予約だ。係のおばさんからそれまで博物館を見るようすすめられる。

博物館は前回も感じたが展示物がやたら多い。ギリシャ・ローマ時代の彫刻、エジプト関係、宗教画、祭壇画などなど。
要所、要所に係員がいて『次はあっち』と指示してくれる。
最後の方でマンテニャの作品を声かけて教えてくれた。その作品は透明のパネルで覆われた小さなもの、教えてもらわなければ多分見逃しただろう。

これでも予約時間までたっぷりある。戻ってさっきの係のおばさんに訊くとズッケルマンの邸宅の博物館に行くようにとのこと。右に出てアレーナの方に行ったが何もない。戻ったところの看板で確認するとトラムのレールの向こう側だ。
ヴェネト州3番目の都市、パドヴァにさえこんないろいろな芸術作品が集まっているのに感心する。

ズッケルマン氏はパドヴァの財界人。19世紀のスタイルの邸宅が博物館になっている。
入ってすぐ右は近代美術(パスする)。上の階にはBottacinコレクション(ギリシャ、ローマ時代の貨幣)が展示されている。寄木細工の調度品や食器、宝石、指輪なども展示されている。
これを見終えてもまだまだ時間があるので恒例のリストランテ探しもかね近くをぶらぶらし、戻って市立博物館のカフェでスプマンテを飲む。
17時ちょっと前にもとの切符売場に戻り入場を待つ場所を教えてもらう。礼拝堂入口のすぐそばだった。

17時15分丁度に中に入ることができたが、そこは礼拝堂ではない。まず椅子に座ってDVDを見せられる。約10分少々。15分後ようやく念願のスクロヴェーニ礼拝堂の中に入ることができた。壁いっぱいジヨットのフレスコ画が描かれているが2度目なので相棒に説明する。
3月27日に朝日が差し込む先はどの絵なのかいろいろ考えてみたが結局わからなかった。
場内では父親が子供に場面の説明をしたりする様子がみられほほえましい。

15分ちょうどで観覧終了となり17時45分退館。そのあとPADOVAカードを効率よく使える(2泊するとはいえ翌日は朝から昼すぎまでブレンタ川遊覧で市内観光の時間があまりとれないので)ということでカフェ・ペドロッキとラジョーネ宮に向かう。

カフェ・ペデロッキの閉館時間が「歩き方」に出ていた18時30分ではなく18時ちょうど、閉館になったことを教えられる(入口を探すのに一回りしてしまう)。

Padova カフェ・ペドロッキ
ラジョーネ宮も一回りしたがどうも修復工事中のようだ。

ラジョーネ宮を取り巻く広場の市は終りに近づいているようだけどラジョーネ宮の下はアーケード2本、各々の両サイドにはいろいろな店がある。
ここでの見学はできないので遠く離れた19時まで入場できるサン・ジョルジョ礼拝堂サンタントニオ聖堂へ行くことにした。

サンタントニオ聖堂前の広場に着く。守護聖人、そして巡礼で訪れる人が多い総本山のためか聖堂がどっしりとしていてものすごく大きい。

Padova サンタントニオ大聖堂①

サンタントニオ聖堂に入ると荘厳なミサの最中で、中を歩き回る雰囲気ではないのですぐに出た。
印象は後陣に行くほど装飾はみごとだけれど全体には装飾を押さえ質素な感じで威厳がありかえって圧倒されるようだ。色は茶、クーポラもそんな感じ。壁などは白、茶、黒の3種類か。

サン・ジョルジョ礼拝堂は右隣だ。PADOVAカードを見せて入ろうとしたらさらに一人2ユーロ必要だった。スクロヴェーニ礼拝堂と同じく壁には絵巻物のフレスコ画(キリストとサン・ジョルジョのようだ)。英語の説明文を読んではみたもののよくわからない。礼拝堂の中にはもう一組、韓国人の修道士が一生懸命説明していた。

Padova サン・ジョルジョ礼拝堂②

Padova ガッタメラータ騎馬像

Padova ガッタメラータ騎馬像

広場にはのろうそくや宗教関連のみやげ物の屋台が出ていてサンタントニオ聖堂が巡礼者の多いことを示している。広場からサンタントニオ聖堂の左に目をやると道を隔てた建物群が整然としていて美しい。

Padova サンタントニオ聖堂左の建物群

 

来た道をゆっくりと戻ると門前町をあらわすように巡礼者用のおみやげの店が多い。

Padova サント広場の巡礼者向けの店

◆パドヴァの夕食
場所まで確認しに行ったリストランテに行くことにしてホテルのフロントから電話してもらったところ休みのようだった。ホテルの中のリストランテZaramellaがいいといわれ、ミシュラン2本フォークだったのを思い出し20時半に出かける。

フロントの横から入ってみるとゆったりとテーブルが置かれたエレガントな雰囲気だ(といってもお客の服装はカジュアル)。

ワインを頼むのに迷い、ワインリストの赤の中で地ワインを教えてもらう。
海が近い町なので前菜からプリモ、セコンドと二人とも魚で攻める。
前菜はマグロのカルパッチォ(茄子とジェノヴェーゼみたいな味のソース)と海の幸サラダ(エビ、シャコ、ムール貝、あさり、小さなイカなど)。この海の幸サラダには、オリーブオイル、胡椒、レモン半分で自分の好みで味付ける。シンプルだけれどめっぽう美味い。今までの同じ物の中で最高だった。

Padova Zaramella まぐろのカルパッチョ

Padova Zaramella 海の幸サラダ

プリモは何というんだろう。ぎょうざの皮みたいものを重ね間に何か(イカ墨?)をはさんだもの。上にエビが乗っている。これもものすごく美味しい。この店にして良かった!

セコンドは相棒はガンベローニ(エビ)、自分はアドリア海の白身魚を揚げたものにフンギ・ポルチーニが添えられたものにした。

Padova Zaramella ガンベローニ

 

イタリアでの夕食ではよくあることだが満腹状態。テーブル横にデザートがワゴンで運ばれてきたが手を振ってパスする。食後酒もカフェもパスだ。

Padova Zaramella ワゴンサービスのデザート

 

リストランテ入口から外に出てぶらぶらしてから一杯飲もうとしたがとてもそれどころではなくホテルへ戻った。

◆2日目はブレンタ川の川下り
8時30分出航の遊覧船をネットで予約していた。途中ヴィラを見学し、ドーロというところまでの半日観光だ。

7時50分すぎホテルを出て乗場に向かう。寒いのでセーターを着る。結構遠く、プリントアウトした地図を片手に歩くが途中通りの名前が分からなくなり遠回りしあせる。
交差点で親切なのか『何か情報が欲しいのか?』と声かけられたが信じていいのか、時間がとられては困るので遠慮する。

そのうちだいたいの方向がわかり、前方にぞろぞろと橋をわたるグループが見えたのでついて行くと小さな船着場(ホテルから1.7km、22分もかかってしまった)。そこにいた係とおぼしきおじさんに訊くとどうもここらしい。

Padova ブレンタ川遊覧 船が待っている

Padova ブレンタ川遊覧②

8時半すぎ出航。熟年の女性ガイドが『日本人も二人乗っている』とアナウンスしてくれ何だかこそばゆい。いろいろ説明しているが(もちろんイタリア語で)パドヴァとヴェネツィアのかかわりが中心のようだ。

我々は船の前部のややうしろに座っていたが進むにつれ前方からの風が冷たく寒い。誰かが言ったらしく橋の手前で停まったときおじさんが運転をやめ前のビニールシートを下ろし両側のファスナーをかける。風はほとんど感じなくなった。
川幅はそれほど広くない。日曜とあって両岸を散歩をしている人が見えたり何となくのんびりとしている。

Padova ブレンタ川遊覧 川岸

 

船の中から妻と長男にメールしてみた。長男からは『今どこ?』という返事がすぐ返ってきて・・・
いい意味で大変な時代になったもんだと痛感する。

この川下りのおもしろさは水門で水位がかわることだ(’08年の教育TVイタリア語会話でもモニカが遊覧船に乗り水門の説明をしていた)。9時10分頃最初の水位チェンジ、後ろの水門を閉じ前を開ける。

Padova ブレンタ川遊覧水門1①

Padova ブレンタ川遊覧水門1②

9時半ごろには2ヵ所目の水門、ここは大きな建物をくぐるような水門だ。水面の高さは前後で1mくらいの違いがある。

Padova ブレンタ川遊覧 ふたつめの水門②

Padova ブレンタ川遊覧 ふたつめの水門④

間もなく左手にヴィラが見え、みんな左側に寄って写真をとるがここで下船。

Padova ヴィラ・ピサーニ(船から)③

結構大きな道路を渡りヴィラ・ピサーノへと歩く。

Padova ヴィラ・ピサーニ③

入館見学だけれど大勢の観光客がいてすぐには入れずかなり待つ。

Padova ヴィラ・ピサーニ 正面①

Padova ヴィラ・ピサーニ 観光客がいっぱい

グループごとに発券されていたようでガイドから渡されたチケットの入館時刻は10時29分だったが10時すぎに入ることができた。ガイドを置いたまま二人でどんどん進むと同じ船のグループと一緒になる。
部屋は今まで見たいろいろなヴィラ、宮殿のように寝室、食堂、図書室、音楽室などいくつもある。

エマヌェルⅡ世、ナポレオンの寝室(隣の部屋がバスルーム)をすぎるといよいよSala di Ballare(舞踏の間)、柱はダマシ絵、天井にもダマシ絵(ないのにクーポラがある)。2階バルコニーはオケの場所か、手すりの金色の装飾がすごい。

この部屋の対面が外の庭園。ものすごく大きいがその向こうにまた建物がある。これにて館内見学終了、庭園に出て写真を撮り合う。

Padova ヴィラ・ピサーニ 庭園②

しかし、当時の貴族は大したもんだ、としみじみ感じた。
11時すぎ船着場に戻り船がくるのを待つ(船着場が小さいので次にくる船のためにどき、近くで待っているようだ)。停泊中の大きな観光船に横づけされたので大きな船を通り抜けて乗り込む。なかなか面白い。
11時22分出航。

Padova ブレンタ川遊覧 他の船②

 

12時頃、左手前方に教会が見えたとたんに船着場、下船。どうやらここが我々にとっては最終目的地ドーロのようだ。

Padova Doloの教会①

Padova Dolo 水車

日曜の昼とあって船着場近くにはパラソルの下、食事を楽しんでいる風景が目に飛び込んできた。

Padova Dolo 川沿いのカフェ

 

◆イタリア人夫婦2組とランチ

船を下りて団体客と別れ、ガイドのダニエラにイタリア人夫婦2組と我々の6人でリストランテに連れて行かれる。他の2組は食事込みのようでダニエラから『自費でいいですか?』と訊かれ了解する。いずれにしてもドーロでお昼を食べてからパドヴァに戻るつもりだったので悪くはない。

奥の広いリストランテだ。テーブルの間隔は結構狭い。テーブルに6人でつき同じメニューでいいか確認されたので同意する。その方がお互い好都合だろう。
そのうち空いていたテーブルもどんどん埋まり店内は活況だ。

熟年夫婦はパドヴァ在住、若い夫婦はトリノから来たとのこと。1年前にトリノに行ったことを話題にしたがあまり話が続かない。4人はヴェネツィアまで船下りを楽しんだのちパドヴァ夫妻は電車でパドヴァに戻り、トリノ夫妻はヴェネツィアで泊まるとのこと。

料理は、①海の幸サラダ②野菜サラダ③海の幸リゾット④干しダラ、イカ、エビのグリル⑤ドルチェ⑥ぶどう、どれもすごいヴォリュームだ。

Padova (Dolo) Al Cristo 海の幸サラダ

Padova (Dolo) Al Cristo 干しダラなどのグリルPadova (Dolo) Al Cristo ドルチェ
(パン、水4本、赤ワイン込みで一人26ユーロ)

食後4人と別れダニエラにパドヴァまでのバス停の場所を教えてもらう。意外にバス停は近く、歩き始め通りを横断したところでパドヴァ行きのバスがきたので飛び乗る。待ち時間ゼロだ。ドライバーに言って切符を買う。

◆パドヴァで迷う

およそ30分で見慣れない場所が終点らしく下車。Fiera(見本市)会場の近くでサン・タントニオ聖堂に良く似た教会を通りすぎてすぐのところだ。いわばバスターミナルのようだ。ここで誰かに訊けばよかったのだがそうしなかったために気持ちの上では迷子になったようなもの。とりあえずバスが来た方向の反対側に進む。駅に行く42番のバスが通りすぎたのでそのあとを追う。
通りの名前がわからないままどんどん歩く。突然PORTELLOという地名、『あれっ?朝の船着場の地名だ』。なんだか狐につままれたような感じだったが、あとは朝来た道を戻るようにホテルに帰った。バスを降りてから30分以上かかった。いまだに降りた場所がどこかわからない。

◆カフェ・ペドロッキとラジョーネ宮
一休みして15時半に出かける。今度は植物園(世界最古の植物園、世界遺産)を目的地として途中カフェ・ペドロッキに寄ることにした。

カフェ・ペドロッキは1831年創業され学生や知識人が集う歴史的なカフェだ。2階に上がり入口から入ったすぐの部屋はいわば宴会場。その奥はテーブルにお皿がセッティングされている。

Padova カフェ・ペドロッキ 宴会場

Padova カフェ・ペドロッキ 宴会場の天井① 

元の場所に戻りさらに奥の部屋に行くと打合せスペースのようなカフェ。さらに進むとイタリア統一の博物館になっている。エマヌエレⅡ世、ガリバルディなどにまつわるものや当時の軍服などが展示されている。

カフェ・ペドロッキを出て次は開いていないかもしれないけどラジョーネ宮に行く。市はすでに片付けに入っていたが、ラジョーネ宮を見上げるとバルコニーに人がいる。

Padova ラジョーネ宮①

 

昨日は閉まっていた階段入口も開いている。
まず、階段を上がりながら天井をデジカメにおさめる。2階にあたるサロンに入る時係の人から『フラッシュはダメ』といわれる。

Padova ラジョーネ宮 サローネの天井

 

中は相当広い。その壁面は何百(何千?)ものフレスコ画。

Padova ラジョーネ宮 サローネ

Padova ラジョーネ宮 サローネのフレスコ画

奥には木製の大きな馬の像、これはサン・タントニオ広場のガッタメラータの複製とのことだ(ただし、馬だけ)。
かなり広くて明るいのでフラッシュなしでも何とか撮れる。

◆骨董市
ローマ通りを南に下る。路上で骨董市が開かれているようだ、と思ってさらに進みプラート・デッレ・ヴァッレには見渡す限り骨董屋さんで一杯だ。見れば興味も湧くだろうが旅行者にとっては荷物になるので横目で見るだけだ。

Padova ローマ通りアンティーク市②

 

プラート・デッレ・ヴァッレは楕円形をした大きな公園だ。ここの真ん中を突っ切って向こうの植物園とおぼしき方へ行ってみたがそこは大きな駐車場だった。元へ戻り北へ進むと、最初サン・タントニオ聖堂の裏側と思った教会がサンタ・ジュスティーナ教会で90度ほど方向を間違えていたようだ。
サンタ・ジュスティーナ教会は赤茶色のレンガ積みのロマネスク様式で中は3廊式で内陣は予想以上に広い。

Padova サンタ・ジュスティーナ教会

 

ようやく植物園(OrtoBotanico)の看板が出てきた。通りを渡り標識にしたがって進む。最後は狭い道に入るのがわかりにくかったが何とかたどり着く。
規模は子供の頃よく行った札幌の北大植物園の方が大きい。大きさよりも歴史(1545年パドヴァ大学薬学部付属の薬草園として作られたヨーロッパ最古の植物園)がポイントなのだろう。ゲーテが惹きつけられた棕櫚の木は屋根のある建物で守られていた。ゲーテが見た木を見ていることに感慨を覚える。

Padova 植物園入口

Padova 植物園 棕櫚②

Padova 植物園 睡蓮②

Padova 植物園の花②

◆サン・タントニオ聖堂からエレミターニ教会へ
このあとはサン・タントニオ聖堂へ。中に入るとミサの最中で信者が大勢いる。邪魔にならぬよう壁づたいに一周しながら聖アントニオの墓や礼拝堂を見学するにとどめた。

昨日と同じ参道を戻りホテルに向かうが市立博物館隣のエレミターニ教会に寄ることにした。何度も通っていたのに「近いからまたあとで」と後回しになっていたのだ。

Padova エレミターニ教会 ファサード

 

ロマネスク・ゴシック様式だ。南側横の入口から入る。がらんとした一廊式。右奥のオヴェターリ礼拝堂前には20人くらいのグループが熱心にガイドの話を聴いている。そこにマンテニャのフレスコ画があるからだ。空襲を受けかなり痛んでいるが修復作業中のようだ。主祭壇、内陣にもフレスコ画がある。

これにてパドヴァ2日目の観光終了としホテルへ戻る。

◆日曜夜は食事が大変
19時45分夕食に出かける。フロントで教えてもらった店は休み。サン・タントニオ聖堂からホテルへ戻る途中もいくつかチェックしたがそのうち1軒だけ開いていたピッツエリアに行く。
ちょっとだけ待たされ通路脇のテーブルに座らされる。結構混んでいるのでいい店かもしれない(他の店が休みのせいもあるかもしれない)。スタッフの動作がきびきびしていて感じ良い。
満足して店を出たがホテルを通り越し市庁舎やカフェ・ペドロッキ、パドヴァ大学の夜景を見てからホテルに戻った。

まだ9月20日すぎというのに一日中セーターを着ていた寒い一日だった。木々の葉も色が変わっているのもあり人々の服装も秋というよりは初冬の装いだ。寒くて長い一日だった。

◆パドヴァ3日目
7時ちょっと前に起き外を見ると墨絵のような空に帯状の雲。昨日とはうってかわってあったかく今日は晴れそうだ。

見逃しているドゥオモ礼拝堂が10時からなのでそれを見てからパドヴァから移動する予定だ。
ゆっくりと朝食をとってから8時40分頃出かける。表に出ると昨日とは違って月曜の朝、活気を感じる。夕べ写真をとった大学正面をもう一度写しエルベ広場からドゥオモへ。

Padova ドゥオモと洗礼堂

ドゥオモはロマネスク様式でレンガ積みのシンプルなファサード。右にはよりそうように礼拝堂がある。
ドゥオモの中は3廊式で全体に白く塗られ華美な装飾はない。右翼廊は聖母マリア、左翼廊にはキリストか。

Padova ドゥオモ 主祭壇

Padova ドゥオモ 右翼廊祭壇

洗礼堂にはまだ入れないので適当に道なりに歩く。テアトロ・ヴェルディ、修復中の市庁舎の大時計、ラジョーネ宮1階の商店街(肉、チーズ、食料品、お菓子、惣菜、パスタ、魚屋。市があるのでさすが青果店はない。)など歩き回る。

Padova ラジョーネ宮1階のサラミ店

Padova ラジョーネ宮1階のチーズ店Padova ラジョーネ宮1階の干しダラの店

Padova ラジョーネ宮1階の惣菜屋

時間調整をした後洗礼堂に着いたのが10時すぎ。

Padova 洗礼堂

パドヴァ・カードを見せて中に入る。
天井にはキリスト、取り囲むように聖人が大勢。入口を背に右側の壁にはキリストの生涯が9つの画面で描かれている。《ユダの接吻》はスクロヴェーニ礼拝堂のジョットの絵と良く似ている。修復したせいなのかこちらの壁の絵は実に美しい。
反対側の壁には《最後の晩餐》など、正面の高いところには《受胎告知》があり、天井の絵を取りまくように旧約聖書の場面が描かれている。
ものすごく美しいが写真を撮ることができないのが残念だ。

これでパドヴァの観光終了だ。このあとはトレヴィーゾに移動だが天気もいいのでヴェネツィアにちょっと寄ることにした。

ホテルに戻って荷物をまとめ、チェックアウト。駅に向かって歩き始め、エレミターレ教会のあたりでトラムが来たが間に合いそうもなく次のトラムで駅へ行く。

11時頃パドヴァ駅に着いたが11時02分発の電車は無理だと判断し自販機で11時10分発の乗車券を買ってホームへ。ちょうど電車が入ったところで2階席に行く。
11時27分、昨日のドーロに着く。ヴェネツィア、サンタ・ルチア駅には定刻より少し遅れて到着。

◆ヴェネツィアでランチ・タイム
6年ぶり、4度目のヴェネツィア上陸。
駅で荷物を預け(預かり所が構内工事のため移転していたので見つけるのに苦労)身軽なのでヴァポレットには乗らず路地を歩く。
リアルト橋、懐かしいなぁ。相変わらずここから見る運河は素晴らしい景色だ。

venezia リアルト橋からの大運河

サン・マルコ広場から運河沿いのスキアヴォーニ海岸通りを進む。

Venezia スキアヴォーニ河岸

島の東にある公園を一周して通り抜け運河の方へ戻る途中のガリバルディ通りのオステリアでランチだ。
遠くにはサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会のドームが見える優雅なランチ。

Venezia Al Garanghelo

Venezia Al Garanghelo フリット

来た道を戻りサンタ・ルチア駅へ向かう。約4時間の滞在だったがヴェネツィアらしい景色を目の当たりにし大満足。当日の朝思い立ち訪れることができるのも個人旅行の醍醐味だ。

16時17分発の列車で次の目的地トレヴィーゾに向かう(16時50分トレヴィーゾ着)

◆食べる
●お店の名前 Trattoria “al Pero”, via S.Lucia,72

Padova al Pero
食べたもの 前菜 たこのカルパッチョ、ポテトとオリーブ添え、フンギのポレンタ、チーズ添え。
プリモ リコッタチーズのニョッキ、チンギアーレのラグー・タリアテッレ。

Padova al Pero リコッタチーズのニョッキ

Padova al Pero タリアテッレ チンギアーレのラグー①
ハウスワイン(0.5l)、水、コペルトで64ユーロ
●お店の名前 Zaramella, Largo Europa,10 (ホテル内)
食べたもの 本文の通り。
ワイン   Colli Euganei Rosso Riserva 2004, VIGNALE (メルロ60% カベルネ・ソーヴィニォン40% 19.5ユーロ)

Padova Zaramella Colli Euganei
水、コペルトで86.5ユーロ
●お店の名前 Ristorante&Pizzeria Al Cristo, via Giuseppe Mazzini, 9,30031, Dolo

Padova (Dolo) Al Cristo
ブレンタ川遊覧船のオプションのランチ
食べたもの 本文の通り。ワイン、水込みで一人26ユーロ。

●お店の名前 Pizzeria Pago Pago, via G.Galeet, 59
食べたもの 前菜 生ハムとメロン(10ユーロ)、まぐろのカルパッチョをバルサミコ酢で(8ユーロ)。

Padova Pago Pago マグロのカルパッチョ

 

Zaramellaと同じ料理だが、あちらは盛り付けがエレガント、こちらは実質的でまぐろは脂がのっている。くるみがパラパラ。
プリモ トマトソース、バルサミコソースのニョッキ(7ユーロ)、ニョッキがかなりしっかりしている。長いのをゆでてから切ったようだ。量が多く少し残す。
ピッツア シチリアーナ(6.5ユーロ)、サラミ、オリーブなど。ピッツェリアだけあって3ページもの種類があり、しかも安い!ナポリほどではないがやや厚め。

Padova Pago Pago ピッツア・シチアーナ
ハウスワイン(0.5l×2)、水、コペルト、とカフェ、グラッパ各1杯で51.6ユーロ。

◆泊まる
●ホテル Hotel Europa Largo Europa, 9(★★★★)
http://www.hoteleuropapadova.com
Twin 120ユーロ×2泊
改装してから間もないようだ。廊下の照明は人がいるとパッと明るくなる。
フロントの人の話によると内装を担当したのは日本人だとのこと。
Booking.comで予約

◆買う(見る)
●PADOVAカード 48時間利用可能 一人15ユーロ
大半の観光施設、トラムがフリーパス(一部追加支払いのところもある)
●ブレンタ川遊覧船
Tour B/3をインターネットで予約 http://www.battellidelbrenta.it 一人43.5ユーロ
このコースはパドヴァからドーロまでの午前半日コースで水、金、土、日運航、この日程にあわせてパドヴァ滞在を決めたようなもの。