Trieste (トリエステ) 2008/9/23~24


Trieste (トリエステ) 2008/9/23~24

◆行く
‘08年のヴェネトの旅、プラン段階ではここトリエステまでは行くつもりはなかった。
5日目はバッサーノ・デル・グラッパでホテルも予約していたのだが、カブレーノ以上にイタリア大好きの大先輩と話していたら、『トリエステは日帰りもできるよ』と言われ、バッサーノ・デル・グラッパには短時間とはいえ前に行ったこともあるし、前泊のトレヴィーゾから近すぎるので急遽変更しトリエステのホテルを予約したのだ。

トレヴィーゾを定刻より少し遅れ14時29分発車。普通列車だがトリエステ直行なので乗換えもなく約2時間のローカル線の旅、ゆっくりと休むことができた。
普通列車とはいえ各駅停車ではない。いくつかの駅を飛ばす。快速のよう。結構乗り降りする人が多い。
トリエステに着く15分くらい前に進行方向右手に海が見えた。

当初の遅れのまま到着。大きな駅だ。
ホテルまでスーツケースを引っ張り歩く。海岸沿いの道路は広く、また建物も大きい。直前のトレヴィーゾが小さな町だったからなおさらそう感じたのかもしれないが、やはりハプスブルグ家統治下のオーストリア・ハンガリー帝国の軍港、その後の自由港の町として発展してきた歴史を感じる。

◆見る
整然と区切られた都市だけあって大運河の向こうにあるホテルまでミシュランの地図を頼りにまったく間違わずに到着。

18時すぎいつものように市内探訪兼リストランテ探しに出かける。

ホテルのあるサン・ニコロ通りをすぐ右に曲がり大きなイタリア通りを渡りその名もテアトロ・ロマーノ通りに進むとその先にローマ劇場があった。いつごろ発見されたのか?ローマ時代からそのままだったのか?などと思ってしまった。

 

 

Trieste ローマ劇場◆圧巻のイタリア統一広場(ウニタ・ディタリア広場)
次はイタリア統一広場だ。広場を整然ととりまく建物群に圧倒される。トリノの王宮広場のようでもあるが一方が海に開けている。といってもヴェネツィアのサン・マルコ広場よりも広くてすごい印象を受ける。風が強くまた冷たい。

Trieste ウニタ・ディタリア広場①

 

Trieste イタリア統一広場からの眺め

この広場には夜も、そして翌日も訪れたがトリエステではここが一番、ここに来ただけでトリエステを見た、といえるのかもしれない。

◆港町では魚料理
夕方出かけたもう一つの目的、リストランテ探しはイタリア統一広場から海岸沿いの大通りを魚市場(水族館)の先のリストランテまでチェック。それから戻り、ホテルを通りすぎ大運河まで。

ホテル近くへ戻りホテル前のカフェテラスでプロセッコを飲みながら情報整理をしつつ、ホテルのフロントで魚料理の店2軒を教えてもらう。この2軒と兄の資料の2軒とあわせ4軒チェックすることで再スタート。結局フロントで教えてもらった1軒にする。

外はパラソルが閉じられていて淋しいが中に入ると何組か食事中でホッとした。店内はどちらかといえば狭い。インテリアも木が使われているがまぁ普通か。案内された席はキッチン近くであまりいい感じはしない。

前菜は『海の幸サラダ』と『マグロの生ハム』の2皿、プリモは『小エビとフルーツトマト、ペペローニのスパゲッティ』、セコンドは『本日の魚のグリル』にした。『マグロの生ハム』は美味い!塩漬けにして軽くスモークしたもので、塩気が強いが結構いける。

Trieste Bandierette まぐろの生ハム

 

マグロ好きの日本ではなぜないのだろう。

◆2日目はミラマーレ城へ
朝からスカッ晴れ。トリエステは昼までの予定なのでまず遠いミラマーレ城に行くことにして8時15分スタート。
中央駅の36番のバス停がわからず右往左往する。他のバスの運転手尋ねると、駅横の通り、と分かった。近くのキオスクでバスの切符を買う。

8時40分のバスが数分遅れて到着、始発ではなく結構混んでいる。9時少し前に終点下車、運転手にミラマーレ城(ミラマーレ公園)の入り方を教えてもらう。

まず、公園へ。園内の案内板(地図)を見てやや大回りに進む。ほどなく海を背にした白い城があらわれる。

Trieste ミラマーレ公園の案内板

Trieste ミラマーレ城全景

入館料(1人4ユーロ)を払い音声ガイドを借りるか(日本語は当然ない)、デポジットをどうするかで係の人とやりとり、結局1個だけ借りることにした(3.5ユーロ)。
ところが英語の説明が長すぎ、どこでも最初だけでストップ。借りる必要がなかったかもしれない。

見学順路は1階から。まずCharlottoの寝室、天井が低い。執務室、ライブラリーと進むにつれて天井が高くなっていく。内部は木造で床は寄木のようだ。
No.7と8は応接室。主寝室のベッドは結婚の贈り物だとか。夏の食事室、謁見室、冬の食事室へと順に見学した。冬の食事室のテーブルが意外に狭い。
2階には20世紀になってからのパイロット関係の展示もあった。その部屋をすぎると各室の装飾は1階よりも華美だ。

◆帰りのバスのチケットに一苦労
庭園を抜け10時にバス停に戻る。すでに10時10分発のバスが待っている。帰りのチケットを買うためにすぐそばの食堂兼バールに行ったが『ないよ』と返事が返ってきた。困ってバスの近くにいた人に『ドライバーですか?』と尋ねるとずっと遠くの人を指す。行って話すと『あっちのバール』と言われ、さっきの店の左奥のバールに行ったものの閉まっている。右往左往して最初の店に行き再度訊いたけれど主人にまた“Non c’e` lo”と言われ困り果てたところに居合わせた人が個人のものを譲ってくれ走ってバスにギリギリ乗り込んだ。
行きに往復分買わなかったのは失敗だったがあの「近くの店で買う」というイタリアのシステムはいまだに理解できない。
ともかくも市内に戻ることができ、駅で降りずにそのまま終点、オベルダン広場まで行く。

◆サン・ジュスト聖堂からカステッロへ
ホテルに戻り荷物をまとめチェックアウト。
サン・ジュスト聖堂が12時から15時までクローズだというのでサン・ジュスト聖堂を目指す。
昨日トリエステに来て最初に行ったローマ劇場の左から回りこむように進む。気がつくとモナーケ通りだ。これを道なりに行くと前方に教会とローマ神殿跡が見えてきた。

サン・ジュスト聖堂は薄茶色のレンガでバラ窓がとても美しい。右にどっしりと寄り添う建物は鐘楼だ。

Trieste サン・ジュスト聖堂①
聖堂の中は非対称の5廊式、奥行きはそれほどない。後陣正面、左右ともモザイク画だ。正面は『聖母と聖人』、右は『キリストと聖ジュストと聖セルヴォロ』、左には『聖母と大天使聖ミカエルとガブリエル』。いずれも美しい。

Trieste サン・ジュスト聖堂「キリストと聖ジュストと聖セルヴォロ」

床にはところどころモザイク模様だ。5世紀のものだそうでびっくりだ。

Trieste サン・ジュスト聖堂床のモザイク

Trieste サン・ジュスト聖堂鐘楼①

鐘楼にはいってみると1階部分は土産物売店になっている。中の壁や柱はローマ時代のものなのだろうか?

次はカステッロへ。カステッロは市立博物館になっている。ちょうど14世紀の特別展開催中。入場料(1人3.5ユーロ)2人分を10ユーロ紙幣で払ったところあるはずのお釣りをくれない。『ここでいいんだ・・・』ちょっと変な顔をしたら係の人が折りたたみの観光ガイドを二つづつよこした。イタリアらしい。
ここでは武器(槍、弓、剣など)や貨幣、聖具、手紙など沢山展示されている。見終えたあとカステッロの屋根の部分に登りざっと一周してカステッロからのトリエステの街を見下ろす。

Trieste カステッロ

Trieste カステッロからの市街とアドリア海①
出る頃にはちょうど12時の鐘の音がなった。

◆ワン・プレート・ランチ
夕べホテルのフロント嬢に教えてもらったElefanteBiancoへランチに行く。前を通ったときランチ定食の小さな看板を見ていたからだ。

店に入っても誰もこない。時間が12時ちょっとのため客もいない。さらに中に入りフラッシュつきで店内の写真をとるとフラッシュで気づいたのかオーナーらしい男性が出てきた。
開いているか尋ねると“Certo!!”。

テーブルクロスが黄色基調でなかなかお洒落な感じだ。

Trieste Elefante Bianco店内①

 

メニューを持ってきたので定食にしたいと言ったのに通じない。外にあるメニューを一緒に見に行き、了解となった。水とワインがついて一人15ユーロ(他にコペルト2.5ユーロ)。ワインのボトルは真ん中のテーブルに置いてある。その中からシャルドネが注がれる。料理の注文を取りにこないなぁと思っていたらワン・プレートで出てきた。これにはちょっとびっくり。
ワン・プレートとはいえ、ホタルイカのスパゲッティ、セコンドとして鰯の空揚げ、フルーツトマトとルッコラのサラダと一応は揃っている。スパゲッティはそこそこのボリュームで美味しかった。

Trieste Elefante Bianco ワン・プレート・ランチ

 

◆大運河を見てからヴィチェンツァへ
まずまずのランチのあとまたトリエステNo.1の統一広場を名残惜しく訪れる。何度見てもこの広場は素晴らしい。
ホテルのあるサン・ニコロ通りも突っ切りどんどん歩いて大運河へ行く。大運河は今でこそその役目を終えているが海からサンタントニオ・ヌオーヴォ教会前の広場まであり水面は陽射しをあびキラキラと輝いている。

サンタントニオ・ヌオーヴォ教会を見ようとしたが昼休み中なのか閉まっていたので外観のみ観光、ファサードはトレヴィーゾのドゥオモのようにギリシャ神殿風で6本の円柱で支えられている。クーポラは低めの丸い屋根でちょっと変わっている。

Trieste サンタントニオ・ヌオーヴォ教会

 

大運河の北側には例によって大きなパラソルのリストランテが何軒か、ムール貝のワイン蒸しを食べている人がいて「ここでランチも良かったかなぁ」と一瞬思った。

大運河を往復してからゴルドーニ広場からイタリア通りをぶらつきホテルに戻ってスーツケースを受け取りトリエステ中央駅に着いたのが14時15分。
14時45分発のヴェネツィア行きの電車は6番ホームと出ていたので行ってみるとすでに入線していた。定刻に発車、トリエステをあとにし今回の最後の訪問地、ヴィチェンツァに向かう。

◆泊まる
ホテル Continentale Hotel Torieste (★★★★),Via San Nicolo 25
1泊 Twin 19,367円、HotelClubで予約、円で前払い

◆食べる
●リストランテ Hosteria Bandierette, Riva N.Sauro,2

Trieste Bandierette
食べたもの

前菜 海の幸サラダ(シャコ、サーモン、あじの南蛮漬け、オイルサーディン、イカ、タコ、エビなど)12ユーロ、マグロの生ハム、9ユーロ。

Trieste Bandierette 海の幸サラダ
プリモ 小エビ、フルーツトマト、ペペローニのスパゲッティ(少しゆですぎ)11ユーロ。
セコンド 本日の魚のグリル(サーモン、スズキ、スカンピ、小さな鰯、イカ、エビ。レモンを絞って食べる。素材を生かした味)16ユーロ。

Trieste Bandierette 本日の魚のグリル
ワイン ハウスワイン(トカイ、白)をすすめられる。味があわなければ取り替えると言われ、そのつもりだったがなかなかテーブルにこないので妥協、結局お代わりする。何と6.5ユーロ×2本。
コペルト、水、カフェ込み2人で70ユーロ。
●リストランテ Elefante Bianco, Riva Tre Novembre 3
2日目のランチをとった店。本文の通り。コペルト込み2人で35ユーロ

Trieste (トリエステ) 2008/9/23~24」への2件のフィードバック

  1. Namiko Kishi

    カブレーノ様 
    はじめまして。トリエステ在住のオペラ歌手です。今度仕事で向かうヴィチェンツァのことを検索していて、こちらのページにたどり着きました。美しい写真と、見どころやお店の親切な解説がとても読みやすくて面白く、ファンになりました。今後も更新楽しみにしております。

    1. カブレーノ

      Namiko様
      コメントありがとうございます。また、掲載が遅くなり申し訳ありませんでした。
      イタリア在住の方のお役に立つとは思ってもいませんでした。
      このところ少し更新が滞っているので頑張りたいと思います。
      トリエステは1泊だけでしたが歴史的な経緯もあってイタリアらしからぬ街の印象でした。
      その街にお住まいとは羨ましい限りです。
      機会があればまた東の方に足を伸ばしたいですね。

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