Montefalco (モンテファルコ) 2010/9/17~18


 

Montefalco (モンテファルコ) 2010/9/17~18

◆行く
ペルージャ短期留学中の金曜日、今回はウンブリア一のワインの町、モンテファルコに1泊で行く。週末の小旅行にはもってこいの魅力的な場所だ。
とはいえ、モンテファルコという地名はペルージャに来るまで知らなかった。
ワイン造りの町ということもここに来て初めて知った。
たまたまこの週末に行くことにしていたのだが、JITRA(イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line)を見ていたら、最後の方に《9月の半ばにはワイン祭りがある》とあった。
『ひょっとしたら、遭遇できるかも』と思っていたらまさにそうだった。今年は、9月17日~19日の3日間だ。
Montefalco ワイン祭り

 

◆バス停を探すのに一苦労
ペルージャから列車に乗りスポレートで下車、そこから12時45分のバスで向かうのだが、列車が遅れたためバスの発車まで15分しかない。バス停がわからず、いったん駅へ戻り、中のバールでバスの切符を買う時にバス停を訊ねるが『さぁー、ドライバーに訊いた方がいいよ』とのつれない返事。
駅の外へ出ると、ドライバーが乗っているSSITのバスを1台見つけたので訊いてみた。
彼はわからないらしくちょうど横を走り始めた回送中のバスを止め、そのドライバーに確認してくれた。
『あと2分しかないからとにかくこのバスに乗りな』と言われ、その回送バスに乗せてもらう。
目指すバス停は少し前に右往左往していたところのちょっと先だった。
『あの女性が立っているところ。よく見て!あそこだから。バスには行き先がMontefalcoと表示されているから。』
何台か別のバスが停まったあと数分遅れのMontefalco行きに無事乗ることができた。
彼らのサポートがなければ1日数便のバスに乗り損ねるところだった。本当にありがたかった。
(翌2011年のペルージャ再留学中に、Bevagnaへ日帰り旅行した際、Foligloから乗ったバスがBevagna経由モンテファルコ行きだった。このルートの方がバス停もわかりやすく、また時間的にも早いと知った。)

最初混んでいた車内は学校帰りの高校生が降り、だんだん空いてくる。
車窓から見える景色はオリーブ畑がほとんど。
あとはこれからのために耕したたばかりの畑やひまわり。
たまにぶどう畑が見える。さすが季節だけあって、たわわにぶどうがなっている。

◆宿泊先までも一苦労
バスはほぼ定刻にMontefalcoのバスターミナルに到着。場所は城壁から少し離れているようだ。
本当は城壁内に泊りたかったが、予約サイトではみつからずやむを得ずアグリツーリズモを予約していたが、城壁を挟んで反対側でしかもかなり遠く、しかも途中《通行止め》もあって、着くまでに思った以上に時間がかかってしまう。

◆アグリツーリズモで遅めのランチ
部屋にバッグを置いてから食堂で遅めのランチをゆっくり取る。向こうのテーブルには若い(といっても30代か)男性と熟年のご婦人2人。耳をすませると、ずっーと英語の会話だ。
あとでちょっと話しかけると、女性はアメリカからの観光客でモンテファルコのワイナリー・ツアー中で、男性はそのガイドとのこと。ツアーにランチが含まれていて、そのランチをこのアグリツーリズモで取っているところだった。さっそく、ガイド氏が《見込み客》と思ったのか、連絡先を書いた名刺を渡してくれた。

◆《ワイン祭り》の会場は?
遅いランチのあとアグリツーリズモからチェントロに向かう。
まずはチェントロ散策。いつものように町の雰囲気と全体をつかむためだ。
かわいいほど小さい。この小さな町のどこで《ワイン祭り》をやっているのだろう?

コムーネ広場からのメインの通り(Corso G.Mameli)に教会(サン・タゴスティーノ教会)があった。その隣から歌声が聞こえてくる。
とりあえず行ってみると数人のグループが歌っていて回廊に囲まれた中庭にはそれを見ている人たちがいる。
そして回廊、すぐのところにはお菓子類、ジャムなどを売っている(あとでわかったがこれは地元のご婦人がたの手作りのもの)。
さらに音楽を聴きながら回廊を行くと・・・目指すイベントの会場があった。

“montefalco 31 eno’logica”の大きなポスターがあり、入り口受付では小さな黒いエプロンに入ったワイングラスを売っている。

Montefalco ワイン祭り看板

7ユーロ払ってこれで好きなだけテイスティングできるということのようだ。

◆テイスティングを楽しむ
中に入ると、両側にずらっと長いテーブルがありテイスティングのワインが蔵元ごとに並んでいる。蔵元の数は15くらいだろうか。それぞれ、白と3種類の赤がテーブルに用意されていて、壁にも陳列されている。
黒いジャケットを着て首からソムリエをあらわすぶどうのようなものをかけている人も沢山いて圧巻だ。

まず、スプマンテを2種類(スプマンテを造っているところは少ないようだ)。
それから場所を変えながら、白(Grechetto)、赤は3種類あるが、Rossoは飛ばしSagrantino di Montefalco seccoとSagrantino di Montefalco passitoを何箇所かで味わう。
passitoは甘いので次にseccoに戻るときにはグラスを洗い水をちょっと飲む。ちょっと太めで短いグリッシーニのような軽いつまみも用意されている。
飲んでいるうちにだんだん下手なイタリア語も滑らかになり(と思っただけ)夕食の店を教えてもらおうと尋ねると、ほとんどのスタッフが地元の人ではなくどこかから応援にきたスタッフのようだ。
そんな中でいろいろ話しをしたのが、レッジョ・エミリアのデボラとローマで勉強中のフェデリカ(この時点では名前は知らない)。
結局1時間半くらい会場にいた。
ここではテイスティングのみで、買いたい場合は蔵元と関係の深いチェントロの酒屋へ行けば普段よりもかなり安い価格で買うことができるということで翌日2本購入する。

◆飲み友達出現?
いったんアグリツーリズモに戻り、夕食のためまたチェントロへ出直す。訪れた店は会場で地元のお客さんが教えてくれたリストランテ。
中が空いているのになぜか外のテーブルだ、ちょっと前の時期なら最初にうまる場所だ。涼しすぎるが我慢して食事をする。
そこに通りがかったのが、フェデリカとソムリエ姿の男性。こっちは座って、彼らは通りに立って話をする。
何と男性、マルコはペルージャに住んでいると言う。
『今度の月曜、ペルージャで一緒に飲まないか?』『OKですよ、20日ですね』『いやその次の27日、21時にCivico25で』ということで、飲み会成立。
この会話の初めの方で住んでいる所を訊かれた。
“Civico25”というのは住んでいるモノロカーレのすぐ近く(毎朝登校時に前を通っている)のワイン・バーで、『近いから』ということで誘ってくれたと思う。
2009年の”GamberoRosso”に載っていた店で、一度行ってみたいと思っていたので願ってもない。
(一夜明けて携帯のカレンダーを見たらもうすでに予定を入れていた。)
フェデリカとマルコと話をしたあと、ガラスを挟んで店内のテーブルにいた3人(そのうちの一人は店に入るときにこちらに『アキタケーン』と声をかけていった日本好き?)がそばに来て話しかけてくる。別の一人がやはりペルージャの住人。9月末までいるからと、メールアドレスの交換をした。

食事を終え、アグリツーリズモに戻るが途中から真っ暗で道さえ分からなくなって恐い恐い。携帯のカメラ機能の明りを点け何とか帰ることができた。

◆教会めぐり
朝食後9時すぎにチェントロへ向かうが、城壁内には入らずに城壁そばのどっしりとしたファサードが見えるサンタ・キアラ教会へ。

Montefalco サンタ・キアラ教会
中に入ると尼僧が2人。『ご出身はどちらですか?』と問いかけると、ここモンテファルコだという。『是非礼拝堂を見て行きなさい』と案内されたので行ってみたものの暗すぎてよく見えない。
城壁内に入り、《ワイン祭り》会場隣のサン・タゴスティーノ教会へ。ここは面白い2廊式、側廊は右側でこちらには聖人のミイラが3体。左側の壁、内陣にはフレスコ画が沢山だ。観光客の多いのもうなづける。
いったんチェックアウトのためにアグリツーリズモに戻るが、途中の坂道で若い女性とすれ違う。あとでランチのために入った店のカメリエーラが彼女だった。

飲んで食べて、だけではさびしいのでこの町の見どころであるサン・フランチェスコ教会の博物館に行ってみる。
チェックアウトしたためバッグを持っていたので貸しロッカーに預けて見学。見学後もそのまま午後まで置かせてもらった。
入場料(3ユーロ)はいつもと同じらしいが、サン・フランチェスコ教会は閉まっていて入れず、残念ながらゴッツオーリのフレスコ画などは見ることはできない。
結局、博物館だけの見学で宗教画と法衣、教会の装飾彫刻を見ただけだ。

◆2日続けて”montefalco 31 eno’logica”
12時ころまた会場を訪れフェデリカのところに行って挨拶。
マルコの持ち場を教えてもらい見つけて握手、ワイン・バーへ行く日程の再確認。その隣がデボラ。
飲みながらテイスティングしたワインを扱っているエノテカの名前と場所を教えてもらう。それからフェデリカのところでまた一杯。
帰りに再度マルコに挨拶、27日の再会を約束して会場をあとにする。
(この再会は、結局マルコにすっぽかされてしまった!!)

◆帰りのバスは乗り換え
昼食後、ワインとオリーブ・オイルを買ってペルージャへ戻る。
帰りのバスは15時05分発、少し早めにバスターミナルに行って待つが20分ほど遅れてきた。
時刻表ではフォリーニョ行きのはずだったが、途中でドライバーから『ここで乗り換えだ』といわれ、小さな児童公園みたいなところで15分ほど待つ。フォリーニョに着いたのは16時10分頃。乗車券を買うのに手間取っているうちにすぐの列車に乗り遅れ、1時間近く待って次の列車でペルージャに帰る。

行き帰りには多少時間がかかったが、Montefalcoはワインだけでなく思い出に残るなかなかいい町だった。
(あとで聞いたところでは、車だと片道30分程度らしい。)

◆泊る
●ホテル Agriturismo Camiano Piccolo, Via Camiano Piccolo 11, Montefalco
ネットのホテル予約サイトで予約。TwinのSingle Useで69ユーロ。
本当は城壁内のホテルに泊りたかったが、ネットの予約サイトではみつからず、いわば郊外のアグリツーリズモにした。
泊った部屋は本棟から離れたオリーブ畑の中のコテージ(一つの建物に2室)。

Montefalco Agriturismo Camiano Piccolo コテージ

 

畑にはりんご、トマトなどもなっていた。東に開けた景色は素晴らしい。

Montefalco フォリーニョ方向の眺め
全体に好印象のアグリツーリズモ、機会があれば再訪したいところだ。
ここのご主人とは後日、ペルージャのチェントロでばったりと出会う。
www.camianopiccolo.com

◆食べる
●リストランテ
店の名前 Ristorante Pizzeria-Enoteca Il Verziere, Corso G.Mameli 22, Montefalco

Montefalco Ristorante Pizzeria Il Verziere 店内のインテリア

この店のご主人、支払いの際カードのPINコードを入れたときに会っただけなのに翌朝、背後から”Segnor○○”と声をかけてきた。2歳のかわいい男の子と散歩中だった。
食べたもの プリモはMontefalco Sagrantino(赤ワイン)のリゾット(8ユーロ)。セコンドは黒トリュフ味のスカロッピーネ(8ユーロ)。

Montefalco Ristorante Pizzeria Il Verziere 黒トリュフのスカロピーネ

 

ドルチェはカンノーロ(5ユーロ)。ハウスワイン250cc(2.5ユーロ)、水、コペルトで計27.1ユーロ。
店の名前 Ristorante Castel Petroso, Corso G.Mameli 34, Montefalco

Montefalco Ristorante Castel Petroso 店内のワイン
食べたもの ランチのためプリモとワインとカフェのみ。プリモは黒トリュフのストロンゴッツィ(9ユーロ)、Montefalco Ristorante Castel Petroso 黒トリュフのストレンゴツィハウスワイン(Montefalco Rosso)250cc(2ユーロ)、カフェ、コペルトで計13.5ユーロ。

◆買う
ワイン Sagrantino di Montefalco Passito 2004, Rocca di Fabbri (通常16.9ユーロを13ユーロ)
Montefalco Rosso 2007, Rocca di Fabbri (7.5ユーロ、通常より安い)

オリーブ・オイル Romanelli(250cc、4.6ユーロ)テイスティングして買ったが自分の好きな味でかなり美味しい。
http://www.romanelli.se/ARSchedaProd.php?id=156&Categoria=Olio
◆montefalco 31 eno’logica
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
http://www.japanitalytravel.com/umbria/montefarco.html
montefalco 31 eno’logica
http://www.stradadelsagrantino.it/
このイベントはテイスティングだけではないようだ。また、最終日の19日(日)は、無料でワインと食べ物がふるまわれるという。