Genova(ジェノヴァ) 2002/9/8〜10


◆行く

今回の旅はかつて海の覇権を争ったジェノヴァ(Genova)とヴェネツィア(ただし、ヴェネツィアは3度目)、ただ理屈をつけただけだ。ジェノヴァにはあのクリストフォロ・コロンボ(コロンブス)の出身地ということもある。

【1日目】

成田からミラノ直行便で入り、ミラノ中央駅近くのホテルに1泊。

翌朝9時10分の列車ICに乗るため30分前に中央駅へ。切符売場がすべて閉鎖されていて自販機しかない。初めての自販機に悪戦苦闘して購入、発車まであと10分。ホームに向かうが、どこから出るのか分らない。危うく同じ9時10分発のジュネーヴ(Geneve、スペルがよく似ている)行きに乗りそうになり慌てて21番線へ。ギリギリ乗り込む。

最初は平野、小麦畑、途中から山あいが続く。

トンネルを抜けたところで10時42分、ジェノヴァ・プリンチペ駅到着。駅前広場に出ると陽射しが強い。駅を背にして広場の左にコロンボの像が立っている。ホテルはどこかなぁと思っていたらその像のすぐ上の方に見えた。

◆見る

時間があまりにも早すぎたのでチェックインできず、スーツケースを預け、11時には市内観光に出発。旅の楽しみは初めての町に飛び出すその瞬間の高揚感かもしれない。

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日曜のため、パラッツォ・ビアンコ(白の宮殿)、パラッツォ・ロッソ(赤の宮殿)はガイドブックでは午前中(月曜休み)となっていたのでとりあえずバルビ通りを早足で進む。途中右手に王宮があったが月曜午前もやっていると思い込み通りすぎる。まっすぐ進んでいくと通りの名前が変わる。長いトンネル(ガッレリア・ガルバルディ)を抜け、ポルテッロ広場を右折し次の角をまた右折してガルバルディ通りに入る。

しばらく行くと左側にパラッツォ・ロッソを見つけた。確かに外壁はくすんではいるが赤い。今は市立美術館になっている。理由はよく分らないがこの日は入場料無料だった。いくつもの部屋に分かれていてレオナルド・ダ・ヴィンチの絵も含めかなりの作品展示があった。3階のバルコニーからは通りをはさんだ向かいの建物の1階部分屋上に庭園があるのが見える。

次いでパラッツォ・ビアンコと思って入った向かいの建物に入ったところ1階のホールに結婚披露宴に出席する人たちが大勢いて何かおかしいなと思いながら広い階段を3階まで行ったが戻る。これはパラッツォ・ビアンコではなく市庁舎だった。パラッツォ・ビアンコはその隣だったが修復中のため入ることもできず、シートで覆われていて外観を見ることもできなかった。

ガルバルディ通りを戻り4月25日通りからカルロ・フェリーチェ劇場(ここも修復工事中)の横を通りデ・フェッラーリ広場へ出る。

丁度そのとき止まっていた大噴水が噴出す。圧巻だ。こんな凄い噴水は初めてだ。

またこの広場は西にパラッツォ・ドゥカーレ、南にジェズ教会、東に9月20日通りダンテ通りに接したバロック調で重厚な印象を与える建物に取り囲まれている。パラッツォ・ドゥカーレの中に入るが特に何もなく、通り抜けてジェズ教会に行くが日曜のミサの最中なのですぐ外に出てダンテ通りからコロンボの家を探す。

大勢の人がいたのでついて行き階段を登った左に家の跡みたいのがありそこかなと思ったが実は階段の下にあった。『ふぅーん、あのコロンボが幼年期はこんな小さな家に住んでたのか』、と思うような家だ。

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コロンボの新大陸発見のパトロンはジェノヴァではなくスペインのイサベル女王だったのでバルセロナには偉業を示す記念柱などあるが、ここジェノヴァはあくまでも出身地ということか。

◆ジェノヴェーゼが美味い

昼食前の観光を切り上げ、ホテルに戻りながらリストランテを探すが日曜のためやっているところが少なく結局ホテル近くの””Lupo Antica Trattoria”” を一旦通り過ぎたものの戻って入る。

結果オーライだった。間口は狭いが奥右手は広い。初めは誰も客がいないので心配したがそのうち団体客が奥右手に入り賑やかになる。地元名物のジェノヴェーゼが美味。前菜の海の幸が圧巻。これを食べているといろいろ訊いてきて、食べ終わりそうになったころで、パスタ2品(メニューのすべてのパスタ類はジェノヴェーゼのソース)をもってくる。ヴォリュームがある。あとで結構ソースの味がお腹に残った。ポテトといんげんの入ったスパゲッティとラザーニャみたいな厚さの正方形のパスタ。ワインはBarbera、ガス入りの水がデキャンタに入ってきたのは初めてだ。

◆眺望を楽しむ

一旦ホテルに戻り本当のチェックイン。一休みして山の上からの眺望を見に出かける。フニコラーレ(ケーブルカー)停止のためホテル脇の道路を登る。肝心のダルベスティス城は修復工事中のため入れないので少し先の見晴らしの良いところで休み眺望を楽しむ。実にパノラミックだ。ここには多くの老人が犬の散歩に連れてきていた。

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◆港を遊覧

山を下りてホテルに戻らずそのまま港の水族館に向かう。

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水族館の前に港内遊覧船乗り場があった。天気も良いことだし地中海遊覧も悪くないな、ということでその気になり、訊いたところ40分で一周とのこと。1人6ユーロ払って先頭の席に座る。18時20分出航。いろいろ説明があるが分らない。出航してからTの字を大きく下から上に右から左に一筆書きのような航路で進むが堤防の手前を折り返す。港外に出ないので地中海そのものが見えなかったのが残念。

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19時帰着。夜のリストランテを探しながら港沿いの道を歩き、右に曲がったところでプリンチペ駅のすぐ下に出た。

◆大満足の夕食

ホテルに戻ってリストランテ検討に入る。フロントにアドバイスを求め、””Da Vittorio””を21時45分で予約。20分ほど前に歩いて出かける。手持ちのミシュランのコピーに3本フォークで出ていた店と誤解し、行ってみたら全く逆の庶民的なところ。料理もワインも安い。メニューもファミレスのようだ。子供連れの隣の席ともくっついていて子供が手を出したりして親が申し訳なさそうなので、気にしないよう身振りで伝えコミュニケーションを図った。料理も手長海老のグリルには参った。香ばしく焼き上げ、また量も多い。トータル41.83ユーロ、チップ込み45ユーロで大満足。お店の人に明日もまた来ると言って店を出る。

ホテルからのプリンチペ駅夜景

ホテルからのプリンチペ駅夜景

 

【2日目】

朝一番に王宮に行ったが月曜のせいか休み。明日はジェノヴァを観光するひまはないので結局何回か通りすぎたもののここは見ることができなかった。スピノーラ国立博物館に行ったがここも休みだ。いずれも前日通っていたのに残念。サン・ロレンツォ教会(大聖堂)に向かう。旧市街の路地(カルッジ)は昨日(日曜)とはうって変わっていろいろな店がオープンし始め生き生きとした町を見た。昨日のパラッツォ・ドゥカーレのそばに出て、それからサン・ロレンツォ教会まで下る。正面ファサードの柱の彫刻が蛇のようにねじれている。

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教会の中には神父さん一人とあと数名しかいない。壁には聖書からの絵がかけられている。素晴らしい作品群だ。後陣祭壇も素晴らしく写真をとりたい欲求にかられたが静寂さをこわしそうなので断念。宝物室にはキリスト最後の晩餐の聖杯があるとのことだったがその宝物室の場所がよく分らずあきらめた。

サン・ロレンツォ通りを戻り、ジェズ教会へ行く。ファサード外観はパレルモのジェズ教会と同じ形であることに気づいた。

◆ヨーロッパ随一の水族館

歴史的建造物の観光をとりあえず終え、水族館に行くことにした。ここはヨーロッパ最大の水族館とのこと。さすがにいろいろな形で展示されている。横から見たり、上からだったり、エイなどは背中(?)をさわることもできた。一方、ジャングルの中など海以外の展示も多い。

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ここを観覧するのに2時間近くかかり、見終わったころは昼少し前。夕べのリストランテ(すぐ近く)がまだオープン前だったので近くを一回りしてほぼ第1号の客として入るとお店の人に喜ばれた。

食後は9月20日通りの新市街を行ってみたが昼休みでほとんど閉まっていた。

帰りに歩き方やWeb旅行記にも出ていた夜のリストランテを見つけたので予約をする。

◆2日目のチェーナは?

さて以下そのリストランテについて。

アートショーや展覧会も開かれる地元でも評判のジェノヴァ風家庭料理の小粋なトラットリアということで期待していたが・・・・・・。

展覧会とは子供の絵としか思えない作品が壁一面。地元で評判の割に客は我々のいた間たった一人。

料理はツーリスト向け(?)のお任せにする。前菜とパスタ3種(ひょうたん型のチーズ味、シラスのようなジェノヴェーゼ、トマトソースのラビオリ)、ここまで食べたところで兄が突然気分が悪くなり(油がおかしかったというが原因不明)、ここでやめる。ワインも残してしまう。グラッパで少しは落ち着いたようだった。

気さくなおじさんが給仕してくれたが、お勘定の際、54ユーロだったので70ユーロ出したところお釣りは6ユーロ。ごまかされたとしか思えない。味、気分ともに良くない店だった。反省は「家庭」料理を求めてはいけないということ。

◆食べる

■Lupo Antica Trattoria(vico Monachette 20r,16124 Genova)

◎前菜(海の幸)

◎ポテトといんげんの入ったスパゲッティ

◎ラザーニャみたいな厚さの正方形のパスタ

◎ワイン(Barbera 9.5ユーロ)

◎水

2人で40.5ユーロ(ワイン込み)。

■Da Vittorio(via di Sottoripa 59r,16124 Genova)

※この店は魚介類を食べさせるリストランテ

【夕食】

◎前菜(mar naturale)

◎プリモ

◎セコンド(手長海老)

◎カフェ

◎水

2人で41.83ユーロ(ワイン込み)

【昼食】

◎前菜(mar naturale)

◎プリモ(手長海老のペンネ)

◎セコンド(かじきまぐろのグリル、フリットミスト)

◎ドルチェ(ケーキ)

◎カフェ

◎水

2人で38ユーロ(ハウスワイン込み、1/2を2回注文)

 

■Da Genio(Salita san Leonardo 61r,16124 Genova)

※2日目の昼過ぎ新市街から帰りに、歩き方やWeb旅行記にも出ていたリストランテを見つけたので予約をした。

※ツーリスト向けのお任せ

◎前菜

◎パスタ3種(ひょうたん型のチーズ味、シラスのようなジェノヴェーゼ、トマトソースのラビオリ)

◎ワイン(VARIPOCERAVA)

◎グラッパ

2人で54ユーロ(ワイン込み)

 

◆遊ぶ

■ドゥカーレ宮殿

■サン・ジョルジョ城

■ソルデッロ広場

■ドゥオモ

■サンタンドレア教会

■サンロレンツォ聖堂

 

◆泊まる

■Savoia Majestic ★★★★ Twin 18,200円(1泊)

窓を開けると駅前広場がすぐそこに見えた。

 

◆買う

■Gastonomia Bruciamonti(via Roma 81r,16124 Genova)

ペースト・ジェノヴェーゼ(7ユーロ)

自家製のジェノヴェーゼ・ソース、瓶の口がゆるかったのか帰宅したときには少し洩れていた。本場の味を家族に味わってもらうことができた。