◆行く
マントヴァの近くの町に有名なリストランテがあるらしいと知ってジェノヴァからヴェネツィアの旅の途中で寄ることを計画。
ところが、訪問当日はその店の定休日と判明。そこでの食事は断念したがゴンザーガ家が栄華を極めたマントヴァには予定通り訪れることとした。
実際にはパルマから電車に乗り、ピアデナで乗り換え約1時間半でマントヴァ着。
こじんまりとした町だ。
◆見る
旧市街のエルベ広場の左にはサンタンドレア教会。広場をさらに進むと今度は別の広場、ソルデッロ広場だ。
この広場の右手にドゥカーレ宮殿、広場のつきあたり奥にはドゥオモが建っている。ドゥカーレ宮殿(サン・ジョルジョ城とつながっている)はマントヴァの栄華を示している。
外観は質素だが中の部屋の装飾は素晴らしい。ルネッサンス期のゴンザーガ家の富と権力が偲ばれる。
大きな部屋の天井画を子供たちに一生懸命説明しているガイドが指さしながら行ったり来たりしていた。何があるのだろうと同じところをたどると、絵の中の腕の方向が、自分の進む方向に進む。天井の馬車をひく馬の方向も変わる。実に面白い。
いろいろな部屋があり、一つ一つを記憶することはとてもできない。
有名な部屋がある。それはサン・ジョルジョ城の《結婚の間》。天井の真中が丸くあいていて空が見えるようだ。
そこから天使が部屋の中を覗きこんでいるというものだ。本当に彼らに見られているように感じる。必見の価値あり。
この部屋の壁、天井の絵はマントヴァを代表するマンテーニャの作品だ。
サン・ジョルジョ城からは湖がよく見えた(マントヴァは三方を湖に囲まれている)。ドゥカーレ宮殿・サン・ジョルジョ城はとにかく大きな建物で、当時の権力者の力を改めて感じた。『どうだ、参ったか』と。?
すぐ隣の教会がドゥオモ。
5廊式で、柱が4列ある。全体に暗い。丁度一つのチャペルでオルガンとフルートの演奏をしていた。
少し疲れたので、ソルデッロ広場のカフェで一休み。ビールを飲み喉をうるおす。
ついてきたつまみ(ピスタチオとパリッとしたスナック)の量が多くてびっくり。
このカフェでは翌日昼食代わりにワインとお好み焼きみたいなピアディナを食べたが、お店の女の子に『お帰りなさい、昨日の午後小さなビールを飲んでいたわよね。覚えてるわ。さっきからうちに来るのか見てたのよ』といわれた。感じのいいカフェでした。
◆「GONZAGA」展
一夜明けて、朝食後テ離宮へ。ここは旧市街からは少し離れている。
当時の別荘ということで離れているのはやむを得ない。市街を歩いて行く(約20分)。比較的大きな通りに面した、大きな庭園の中に建物がある。
駅や、マントヴァへ向かう電車の中で「GONZAGA」のポスターが目立ったが丁度ここで「GONZAGA」展をやっているためということがわかる。そのためか切符売り場が相当混んでいて時間がかかった。
ドゥカーレ宮殿同様内部の装飾、絵が素晴らしい。それぞれの部屋に説明があるが読んでいる余裕がない。ここではギリシャ神?話を主題にした《巨人の間》を見逃せない。
フラッシュなしで写真をとっていいか訊いたらOKだったのでシャッターを押したところフラッシュがセットされていてバツ悪く謝った。それがこの写真。
ここには博物館が併設されていて、ゴンザーガ家の収集物、貨幣、エジプトからの出土品中心に展示されていた。
それも見終わり記念品売り場を見て出ようとしたら係の男性から『ここは出口、特別展の入口は反対側』と教えてくれ、特別展の会場に入る。
ゴンザーガ家の鎧、兜、刀、槍もあったが大半が絵画。ティツィアーノ、ティントレットの作品もあった。また、ブレラ美術館で見た《死せるキリスト》も展示されていた。これはマンテーニャの作品だから展示されたのだ。
その《マンテーニャの家》を帰りに覗く。現代アートの展示中だった。
◆マントヴァでの夕食
はじめに書いたように、当初計画ではダル・ペスカトーレに行きたかったが断念。ホテルの人に教えてもらった旧市街のアイ・ガリバルディニに行く。
ここは雰囲気、味、接客とも良く機会があればまた行きたいリストランテだ。
店の間口は狭いが、中は広い。入ってすぐにもテーブルはあったが、予約した禁煙席は右奥のテーブルが7、8つある大きな個室といった趣きでゆったりとしたスペース。周りは全然気にならない。壁にはモダンアート。
親しみのもてるカメリエーレに、メニューの中の郷土料理を質問。前菜、プリモから各1品、セコンドから2品、食前酒はスプマンテ1杯サービス、ワインはブレシアの赤を選ぶ(2人分です)。
いろいろ説明してくれ、早口でわからないこともあったがこれが一つの間違いを犯す。
というのは、頼んだ覚えのない前菜(タコを軽くスモークしたカルパッチョ、味のついたセロリの輪切りのほか、ハーブ添え)が出てきて、おかしいな、エビの料理を頼んだはずなのに通じなかったのかなぁと思いつつ兄と2人でワインのつまみとして食べ始める。
これをサーブした人は注文した時のカメリエーレと違ったのだが、注文した時の彼が別のテーブルへ行く途中気がつき“Excuse me!” といって調理場の方へ行き、注文した前菜(蒸したエビに、何だか粉をゼリー状に固めたものが添えられたもの)を持ってきて、『注文の品はこちらです。タコは間違いでした。申し訳ない。よろしければ食べてください』と。
当然両方食べたが、タコの方が美味だった。あんな美味しいカルパッチョは食べたことはない。もし、また行く機会があったら絶対にあのタコのカルパッチョを注文しよう。
プリモは甘い小さなかぼちゃの入ったこの地方独特のパスタ(Tortelli di zucca)。マコロンが1つと梨を甘く煮たものが添えられていた。1人分を2皿に分けてもらったので量的にも丁度良かった。
セコンドは魚の身をほぐしたもの、ポレンタ添えと牛のステーキ、トマト添え。これも丁度いい量だった。肉はやわらかくて美味しい。
最後にカフェとグラッパ(おかわりまでした)。ハプニングもあったけれど優雅なひとときを過ごした。
◆食べる
■Antico Ristorante Ai Garibaldini(via S.Longino,7 46100 Mantova)
◎タコのカルパッチョ
◎地方独特のパスタ(Tortelli di zucca)
◎魚の身をほぐしたもの、ポレンタ添え
◎牛のステーキ、トマト添え
◎コーヒー
◎Il Colombaio 2001 Groppello Cascina La Partica(19ユーロ/1ボトル)
カメリエーレに勧められた。あの雰囲気でこの値段で、というのは信じられない。
◎グラッパ
2人で計61ユーロ(ワイン込み)。
◆遊ぶ
■ドゥカーレ宮殿
■サン・ジョルジョ城
■ソルデッロ広場
■ドゥオモ
■サンタンドレア教会
■サンロレンツォ聖堂
◆泊まる
■Rechigi Hotel ★★★★
Twin175.59ユーロ
メールで直接予約。旧市街の中にあるイタリアでは珍しいモダンなホテル。
天井がちょっと低かった(404)。フロントの人はきちんとしているがリストランテの相談、予約も親切に対応してくれた。
朝食も良かった、特にサラミが美味しかった。
◆買う
郷土菓子トルタ・ズブリゾローナ(torta sbrisolona、丸い焼き菓子、みやげもの屋でも売っている。食料品店で買ったが量り売り。)
パルミジャーノ・レジャーノ 約1キログラム 15.7ユーロ