Bologna (ボローニャ) 2007/9/13~15
◆ウルビーノからボローニャへ
『7時だよ』の弟の声で起こされる。今日は8時35分のプルマンに乗るから急がなければならない。何といっても本数が少ないのだ。
1階のリストランテで朝食。チーズ、サラミ、フルーツ、他、さすがに品揃えが豊富で4つ星を感じさせる。
8時10分チェックアウト。プリンターの操作に手間取っているようだ。ちょっと時間が気になったもののわずか10分足らずで城壁外のバス停に着く。
8時40分プルマン出発。今日もいい天気だ。陽射しが強い中、走る。9時45分、ペーザロ駅到着。何と行きより10分も短い。
駅の窓口でボローニャまでのチケット購入。約1時間待って10時54分発ヴェネツィア行きのICに乗る。6号車の指定席を取っていたが、5号車から乗ったため座席にようやくたどりつくと例によって先客がいる。指をさしてどいてもらった。
駅で買ったヘラルド・トリビューン紙で首相辞任の記事を読みながら話し合っていたこともあってあっという間にボローニャ到着(定刻の12時31分より少し遅れる)。
今までの駅に比べると相当人が多い。9年前に泊まったホテルが正面にあるが名前が変わっていて時の流れを感じた。2度目だから駅からホテルまでの方向までわかっていたのでインデペンツァ通りをまっすぐ南に進む。ホテルはすぐそこの8月8日広場にあるが、ほんのわずかの距離の間に兄がジプシーのお婆さんにポケットに手を突っ込まれるというアクシデント発生。やっぱり大都会だ。さいわい被害なし。
◆ボローニャ観光の前に・・・
13時ちょうどホテルチェックイン。スーツケースを置きすぐに出かける。
まず昼食だが、意見がなかなか合わずそのうちマッジョーレ広場に着いてしまう。さらに左右の店を見ながら奥の通りを進み、結局右手の広場のカフェでフォカッチャ、パニーニ、グラスワインで軽いランチを取る。天気がいいので気持ちいい。
グラスワインが1杯6ユーロなのでボトルの方が良かったかもしれない、と思ったのも飲み足りなかっただけではなくさわやかな天気だったかもしれない。
食べ終えてから近くに夕食のリストランテ候補があったのでそこへ行ってみるとその向かいにボローニャ一のチョコレート屋Majaniを見つけたが休み。マッジョーレ広場へ戻る。
◆二度目の斜塔
マッジョーレ広場の南側に聳える大聖堂は15時までクローズ。ならば、と斜塔へ行くことにする。
斜塔は二つあり、高い方がアジネッリの塔、低い方がガリセンダの塔でこっちの方がかなり傾いている。登れるのはアジネッリの塔だ。私は9年前に登っているが同行者2名はもちろん初めて。
階段を何段か上がったところで入場料(1名3ユーロ)を払い、いざスタート。約100メートルで約500段はしんどい。1回目は9年前だったので年を感じる。約10分で登った。
去年のトリノのモーレ・アントネッリアーナに比べると天と地の違いだ。晴れていて景色も良く本当に気持ちがいい。他に高い建物がないので360度パノラマだ。
◆マッジョーレ広場
アジネッリの塔からマッジョーレ広場が眼下に見えたが降りて広場の大聖堂、サン・ペトロニオ教会に向かう。前回のボローニャでは時間がなく大聖堂は外から見るだけだった。それでも圧倒された。
ファサードはまるで2階建てみたいに上下の雰囲気、石の色が違うが装飾もさほどなく実に簡素な感じだ。ファサード前の階段は広くて大きい。
大聖堂の中に入るとイタリアには珍しく写真撮影禁止だ。相当な広さだ。
外観から予想されるように3廊式だ。アーチ形の天井まで左右5本の太い赤茶色の柱で区切られている。
また、床は赤茶っぽい六角形でそれぞれの間はやや黄色ぽい茶色の石でうめつくされている。
この大聖堂は何の対抗心か、ローマのサン・ピエトロ大聖堂より大きくする計画だったらしいが頓挫し未完の部分があると聞いていたが、その部分はどうも左のようだ。
マッジョーレ広場はこの他、見所が多い。大聖堂を正面に右手に市庁舎(ここには第2次世界大戦時のレジスタンス運動の犠牲者名が刻まれた碑がある)、向かい側にはポデスタ館(1階はいわばボローニャ特産館みたいになっていてインフォメーションもある)がある。
広場入口ともいうべき場所(エンツォ広場)には有名なネプチューンの噴水(ブロンズ像)があり、他の観光客同様何枚も写真を撮ってしまった。
◆旧ボローニャ大学
ボローニャを有名にしているのは、世界最古の大学があったことだ。9年前に訪れた時、同行の長男と一生懸命探したがわからずあきらめた思い出がある。
リベンジとばかりに探し回るが遠くまで行き過ぎているうちにサン・ドメニコ教会まで行ってしまう。近くまで行ったら予定外でも見てしまうのが個人旅行の鉄則だ。
大聖堂を見たばかりなので実に小さく感じる。
あきらめて戻ろうとした時、大聖堂の東側の通りで兄が『ここに紋章があるから』と言って入ってみたらそこが目指していた旧ボローニャ大学だった。
中庭を巡る廊下の天井、壁には至るところに当時の学生の出身地の紋章が掲げられている。階段を上がると右手には図書館、今も学生が出入りしている。古い建物でも現実に使うのがイタリアらしい。
『さすがに解剖教室は公開してないよね』と話しながら進むと一番奥の扉が開いていて、まさにそこだった。
2006年のNHKイタリア語講座ではボローニャをいろいろ紹介していて、この教室も紹介されていたが、想像していたよりこじんまりしている。教室の真ん中には解剖台、それを取り囲むように四方から階段状の座席となっていて見下ろしやすい。天井を見上げると人体を示すもののような彫刻で覆われていて、解剖学のための部屋を実感した。
◆冷たいビールで一休み
念願の旧ボローニャ大学を見終えて16時半、ちょっとのども渇いたので恒例のビール。マッジョーレ広場一角のカフェで冷たいビールで一休み。つまみのポテト・チップ一盛り、オリーブ、ピーナッツ、ピスタチオの盛合せはアペリティーヴォなのでいつもの通りサービスだ。
◆国立ボローニャ絵画館
一休みして疲れもとれた。まだホテルに戻るには早いからと国立ボローニャ絵画館(Pinacoteca Nationale di Bologna)に行くことにした。
地図を見ながら、サン・ジャコモ・マッジョーレ教会、テアトロ・コムーネ、今のボローニャ大学などをどんどん通り過ぎる。
絵画館に着いたのは17時35分。受付で時間のことを何かいわれる。『もう入館できない』ということではなく、よく聞くと『ルネサンスの展示は18時まで、18時からはバロック時代の展示観覧』だとのこと、ホッとする(入場料1名4ユーロ)
フレスコ画あり、下絵あり、祭壇画あり、十字架もある。かなり大きな絵が多い。カラッチ、レニとか知らない名前の展示室もある。奥の15室にはラファエロの作品、ラファエロの模写もある。『聖チェチーリアの法悦』という絵には気づかなかったのでまた戻る。
これを見終えると元の場所へ戻るとちょうど18時。次はバロック展示の方へ。
すべて見終えて絵画館をあとにする。割と大きな通り(イルネリオ通り)まっすぐ歩き、8月8日広場へ。
広場に面してホテルが見える。
◆3人で最後の夕食
ホテルで一休みし、8時15分頃夕食に出かける。前年の旅と同様に弟は一日繰り上げて帰国するので3人揃う最後の夕食だ。
目指すは昼間見つけたCesari、夜のマッジョーレ広場を通り抜ける。予約していなかったが問題なく入れた。
外見は入口が派手(周りが赤い枠)でモダンだけど、中は素朴でクラッシク。カジュアルというほどではなく気取っているわけでもない。
壁にはかなり沢山のワインがある。壁の棚があたかもワインセラーのようだ。ヴィンテージものらしいのは格子の扉のある棚の中だ。まるで去年訪れたマルケージ・ディ・バローロのセラーみたいだ。
オーナーなのか、オーナー夫人なのか優雅なドレスの女性がメニューを持ってきてくれた。メニューの字が花文字で読みにくい。英語も併記されているが決めるまでに時間がかかる。前菜、プリモを各自一品づつ選び、セコンドは私と弟だけ。
ワインはサン・ジョヴェーゼを頼む。
これではちきれるほどお腹一杯になり、食後にドルチェをすすめられた時一旦は断ったが3人で一皿といわれパンナコッタをシェアする。
食前酒のスプマンテ、食後のブルーベリーのグラッパはサービスのようだった。
充分満足してホテルに帰る。
◆天国へ続くポルティコ
ボローニャはポルティコの街。NHKのイタリア語講座でもマッテオが山の上の教会まで長いポルティコを登るレポートがあったが、それにトライすることにして8時45分ホテルを出る。
とりあえずは、夕べのリストランテへ行きその前を通りすぎ、途中からサラゴッツァ通りのポルティコを進むと旧市街の入口、サラゴッツァ門に出た。
この門をぬけてあとはひたすら道路左側のポルティコを登るだけだ。「登る」というのは、ここのポルティコは階段状になっていてまさに登る感じだったからだ。
スタジアムを右に見てからポルティコの幅が広くなるとともに斜度がきつくなる。途中、左側から日が差すところがあって暑くてかなわない。「これで終わりか」と思うとまだ先がある。門を出てから45分で到着。ついた時はホッとした。
そのままマドンナ・ディ・サン・ルカ聖堂の中に入る。内陣左の方に何かありそうだったが、ろうそくの台のリフトがある。
この教会はグアルダの丘にあるということで眺望にも期待していったのだけど残念なことにボローニャの町の展望はほとんどきかない。
休む間もなく《天国と地上を結ぶ道》を地上へと戻ったが帰りもやっぱり45分かかった。
◆サン・フランチェスコ教会
サラゴッツァ門から旧市街に入り、前の日に見つけたチョコレートの店に行こうとしたが買うと荷物になるのでその前に、ということで途中で左に曲がりサン・フランチェスコ教会を訪れる。
正面入口は反対側に広場に面している。ファサードは赤レンガで装飾はあまりない。
中に入った感じはとにかくガランとしている。3廊式で柱はファサードと同じく赤レンガで天井でアーチ状になっている。壁は白い。左手で何か音がしたと思ったら修理中だった。
◆ボローニャ駅での別れ
このあとチョコレートの店に行きお土産を買い、ホテルへ戻る。
一足先に帰国する弟が荷物をパッキングした後、ランチを取り駅まで送る。9年前の旅行でも長男をボローニャ駅で見送ったが今回は弟を見送ることになり、どうも自分にとってボローニャは《別れの町》になってしまったようだ。
◆最後のボローニャ観光
ホテルへ一休み後、最後のボローニャ観光に出かける。斜塔から何本かの道が分かれているがその一番南のサント・ステファノ通りにあるサント・ステファノ教会へ向かった。
ロマネスク様式というのかレンガ造りだ。
付属の礼拝堂が右手にありそこからまた中庭に出たりと横に広い教会で歴史的経緯があるのかもしれない。(後で知ったが、7つの教会がつながっていて『7つの教会群』と呼ばれているとのこと。)
ここから今度は斜塔から出ている北のザンビーニ通りにあるサン・ジャコモ・マッジョーレ教会に行く。
ここはキリスト教初期のころのような1廊式だ。身廊左右に8つの礼拝堂がある。中に入ったのが17時半頃でちょうど祈りの最中。礼拝堂の壁はフレスコ画、天井はドームが連なっているような感じだ。他の教会に比べ全体に明るい。フレスコ画とか天井の色のせいだろうか。
この教会の隣にモーツァルトが学んだマルティーニ音楽院があるとガイドブックに出ていて、「どこだろう?」と近くを探し回ったら、まさに隣。
中に入っていくと中庭でギターを手にしている女子学生がいた。モーツァルトの時代から240年ほど経った今でも音楽を志す若者たちの学校だというころに驚いてしまう。
これにてボローニャ観光終了。恒例のビールへと進む。どこがいいか、といことになり少し戻るけどサント・ステファノ広場のカフェで乾杯。この広場は観光スポットではないので見たところ地元の人しかおらず落ち着いていい。
ここでビールを飲んだにもかかわらず、ホテルへの帰り立ち寄ったエノテカでスプマンテで再度乾杯だ。店内を写そうとしていたら隣のジモティーが陽気にポーズをとってくれた。こういうふれあいも楽しい。
◆泊まる
ホテル Zanhotel Regina(★★★★), Via Indipendenza 51
1泊Twin 122ユーロ、Single(Twin) 101ユーロ、Expediaで予約。 2泊した。
部屋の窓から8月8日広場がすぐそこに見える。
ボローニャ駅からもマッジョーレ広場にも近くロケーションが良い。
通りに面したエントランス手前はオープン・カフェ(最終日のランチをとる)。
http://www.zanhotel.it/ita/hotels/regina.html
◆食べる
●リストランテ
お店の名前 Cesari, Via de’ Carbonesi,8
ミシュラン フォーク2本の店
Home
食べたもの 前菜 サーモンのマリネ、野菜添え(ズッキーニなど)11ユーロ
ブッファーラ・アッラ・カプレーゼ 10ユーロ
コッパ 7ユーロ
プリモ トルッテローネ 9.5ユーロ
トルッテリーニ・イン・ブロード 2ユーロ?
タリアテッレ・アッラ・ボロネーゼ 9.5ユーロ
セコンド フィレ肉のバルサミコソース 16.5ユーロ
野菜とチーズのグリル 11ユーロ
デザート パンナコッタ 6ユーロ
ワイン Tauleto, SanGiovese 2001,Umbert Cesari 50ユーロ
食前酒(スプマンテ)、食後酒(ブルーベリーのグラッパ)はサービス
Cesari-ブルーベリーのグラッパ
カフェ、水を含め3人で151.5ユーロ、チップ10ユーロ
お店の名前 Club Petroniano, Via Dell’Orso, 9/B
食べたもの 前菜 生ハムとメロン ここのメロンは一番美味しかった。
カルパッチョ ルッコラがかなりしっかりした歯ごたえ、計9ユーロ
プリモ フンギのリゾット
タリアテッレ・アッラ・ボロネーゼ
トルテッリーニ・アッラ・ボロネーゼ、計34ユーロ
デザート 各自食べたいものを注文しようとしたらオーナーのお爺さんが
“No! Zuppa Englese”といい、とりあってくれない。 計12ユーロ
ワイン SanGiovese 何と10ユーロ まぁまぁの味
カフェ、水を含め3人で80ユーロ、チップ4ユーロ
お店の名前 Cambusa da Gaspare, Via Mascarell 8
食べたもの 前菜 海の幸サラダ レモン・ソース
ムール貝(Cozze Mariano) 久しぶりの大量のムール貝だ 、計14ユーロ
プリモ 魚介類のリゾット いいだしが出ている、
カニのリングイネ これもいいだしが出ている、計17ユーロ
セコンド 手長エビとエビのグリル 18ユーロ
白身魚のグリル(2皿)、肉のグリル 計48ユーロ
ワイン SanGiovese 12ユーロ
水、カフェ、グラッパなど 2人で79ユーロ、チップ4ユーロ
◆買う
チョコレート 箱入りトルッテリーノ(多分30個以上)10.5ユーロ、FIATアソート 1.7ユーロ×6袋、板チョコ 1.5ユーロ×4枚、
お店 MAJANI , Via de’ Carbonesi , 5 (http://www.majani.it/)
パルミジャーノ・レッジャーノ 約1kg 17.16ユーロ
トルテッロ(パスタ)約500g 12.17ユーロ
お店 A.F.TAMBURINI, Via Caprarie, 1 (http://www.tamburini.com/)
この店はボローニャ特産のソーセージなどの肉製品、チーズ、パスタ、ワイン他をかなり多種類取り扱っている大きな食料品店。マッジョーレ広場から近い商店街にある。
レモンチェロ 12ユーロ
お店 Enoteca Italia, Via Marsala 2/b (http://www.enotecaitaliana.it/asp/index.asp)
インデペンツァ通りからちょっと入った規模の大きな酒屋、イタリア中のワインが陳列されていたのでレモンチェロはカプリのものだが「この店なら間違いなし」と思い、お店の人に棚を尋ね買う。
バンコでスプマンテを1杯飲んだ。
パスタ用からすみ(瓶入り)42g 4.97ユーロ
お店 Albrea(スーパー), Via Irneri, 24