Reggio Emilia (レッジョ・エミリア) 2009/9/17~18
◆行く
2009年イタリア一人旅、目的の一つだったチンクエテッレ訪問の次はロンバルディア州で今まで行ったことのない町をいくつか行くことにして、イタリア国旗発祥の町で、またパルミジャーノ・レッジャーノの町であるレッジョ・エミリアが次の目的地だ。
チンクエテッレ観光の拠点にしたラ・スペツィアを午前中に発つ計画だったが、雨にたたられチンクエテッレを結局2回行くことになったので予定より半日遅れて16時20分発のパルマ行きの列車に乗る。
5分遅れで発車したが1時間ちょっと走ったところで急停車。その分だけまた遅れる。パルマでの乗換えをあきらめた。18時20分頃パルマ着。レッジョ行きのホームがわからない。とりあえず地下道へ下り、そこで時刻表で確認すると4番ホーム18時29分発、ぎりぎりセーフだ。
さっきまでは山の中を走っていたが今度は田園だ。18時45分到着、50分に駅を出てトリコロール広場を目指して歩くものの大きなロータリーがそれとは知らず全く方角がわからなくなってしまった。
◆ホテルまで苦労したが・・・
ちょうど自転車に乗った高校生に訊ねる。渡り切ったロータリーのやや斜め後方に見えるクーポラを指し『あれはドゥオモですか?』、『いや、あれはサン・ピエトロ』。
ドゥオモのすぐ近くのホテルを予約していたので『ドゥオモの方へ行きたいんですが』、『この広場を渡って左の方向ですよ』と教えてくれた。
広場の信号を渡る必要はなかったのだ。スーツケースが重い。
大きなエミリア・サン・ピエトロ通りをどんどん歩く。結構遠い。
ぶつかったところで左折するとそこがドゥオモ前の広場(プランポリーニ広場)。ホテルはそこからすぐだった。19時15分チェックイン。
このホテルは昔の公証人役場を改装したものでレッジョ・エミリアに本社を置くあのMax&Maraが経営しているだけあってなかなかスタイリッシュでいい。101号室の室内もいい感じだ。バス、トイレも機能的だ。
◆トワイライトのプランポリーニ広場
シャワーを浴び着替えて散策に出かける。
ドゥオモ前のプランポリーニ広場はひっそりと静まりかえっている。トワイライトの広場は幻想的。チンクエテッレの天候に左右され予定よりも半日遅れで行動した結果、こういう雰囲気を味わえることになった。いつもは昼ごろ次の町に着いているが、夕方着くのもいいものだと思った。
近くの通り(ファルニ通り)のカフェでプロセッコを飲みたかったが、オーナーが出てきてもう閉めるとのこと。随分夜の早い町だなと思う。
◆トラブルで記憶に残るホテル・リストランテでの夕食
ホテル内のリストランテはミシュラン3本フォークなので最初からここで夕食をとることに決め、散策前に予約しておいた。
20時半に行くと、予約のときに話をしたアンナが席に案内してくれる。ほとんど客がいなかったがそのうち大グループ(年代バラバラで14名)が隣に縦長の席につき、さらに入口近くに熟年カップルが座る。
さて、注文だが部屋においてあったメニューの中に地元料理(コースで35ユーロ)があったのでそれを頼んだつもりで渡されたメニューの中から前菜、プリモ、セコンドを選んだ。飲み物はカフェで飲み損ねたプロセッコをグラスで、そしてワインは赤のハーフボトル数種類の中から地元の微発泡のものを選ぶ。
レッジョ・エミリアはモデナと並ぶバルサミコ酢の町。
料理にもかなり使われているがアンナがお皿を運んでくれるが、そのうちバルサミコ酢の話になった。ここの料理に使われているのは15年ものだといって箱に入って現物を見せてくれた。さらに、25年もの、40年物もテーブルに置かれる。
値段は順に50ユーロ、75ユーロ、100ユーロだという。ヤバい!!売りつけられるのか?
マネージャー(カメリエーレ?)が席にやってきた説明にくる。
『お客さん!これはメーカーとの契約で市内ではウチでしか売っていない。町の店には置いていないんだから。』
これを大きな身振りで、両手を振りあげて説明しているうちに彼の手が気づいた時には目の前の残り1杯のワイングラスを飛ばし、こっちの白いポロシャツとベージュのコットンパンツがワインレッドに染まった。
『申し訳ない。いつまでホテルにいるんですか?クリーニングしてお返しします』ということで部屋に戻り次第汚れものを渡し、明日の昼までにクリ-ニングしてくれることになった。
さて、バルサミコ酢。
もともと、本場のこの町ではパルミジャーノ・レッジャーノとバルサミコ酢を買うつもりだったので『それじゃあ、15年もの4本』と注文するといったん彼は引き下がり、戻って来て『在庫をみたら15年ものは1本しかない。40年物を90ユーロにするがどうか?』と。
しばらく考え、15年物1本、25年物2本、40年物1本を注文、代金はチェックアウト時に部屋代とまとめて精算することになった。バルサミコ酢の歴史、作り方、使い方(料理)など書かれた小冊子がつき立派な箱に入っている。ボトルが割れなくていいがものすごく荷物になりそうだ。
食事の締めはドルチェとカフェ。自分としては定食だと思っていて苺とカフェを頼む。2等分された旬の苺はお皿一面に並べられ、その上に15年物のバルサミコ酢がたっぷりかかっている。あとでこの2つはお詫びの印かサービスだと知った。
23時、部屋に戻り内線140に電話し汚れものを彼に取りにきてもらう。
ハプニングといえばハプニングだが大変な思い出に残るトラブルの夕食だった。そのときはさらにトラブルが待ち構えているとは夢にも思わない。
◆朝のプランポリーニ広場は真逆
一夜明け、朝食前にホテルから外に出るとプランポリーニ広場に市が立っている。昨夜の黄昏時に感じた静寂でガラーンとしていた広場は店、店、店でいっぱい。まるで正反対な感じ。先に夕べの広場を見ておいてよかった。
◆三色旗博物館
広場を取り巻く建物群、南側には市庁舎がある。その建物の中に三色旗博物館があるというので、ここから観光スタートだ。
市庁舎に入り、まず「三色の間」(Sala del Tricolore)の中に入る。18世紀末にレッジョ・エミリアなど4都市の代表者がこの部屋でチスパダーナ共和国建国を宣言したという。今でもそのまま使えるような会議場だ。そのときに制定された国旗が三色旗でこれが今のイタリア国旗の原型になっているそうだ。会議場の奥には三色のバナーが2本掲げられている。
このあと目についたドアを押すとそこは市役所。女性数人から『博物館はあっち』と声をかけられ、その方向へ行ってみると老婦人が係りの人で『入場料はいらないが名前を書いて欲しい。人数カウントのためチケットを受け取って下さい。』と。
展示内容はイタリア建国の歴史を知らないとなかなかわかりにくいがナポレオンとの戦いに敗れたがその時に三色旗が使われたことやガリバルディ、エマニュエルⅡ世のリソルジメントの展示もある。
ボローニャのカフェ・ペドロッキといい、イタリアは国の歴史を大事にしているなぁと感じた。
◆ショッピングしながら国際交流
今回のレッジョ・エミリアの旅には随分古いがFigaro1998年7月5日号のコピーを持参、ここに出ているサルメリアで本場のパルミジャーノ・レッジャーノを買うつもりで番地を頼りにプランポリーニ広場の南側、市庁舎の並びを中心にあたりを探し回る。
なかなか見つからずあきらめたときに見つけた。えてしてこういうものだ。
買うと重いので場所を覚えておき、昨夜みつけておいたリネンの店に留守を預かる女性陣向けのおみやげを買いに行く。ウィンドウに出ていたエプロンや鍋つかみがメイド・イン・イタリーであることを確かめて買う。
ご主人ほか家族、店員の皆さんと選びながら談笑、イタリア語をほめられる。お世辞でもうれしいものだ。
ポケットに入れていた雑誌コピーを見せるとご主人から『ぜひコピーさせて欲しい』といわれる。地元の人にとって(日本語の文章はわからなくても)自分の町が外国の雑誌で紹介されているのはものすごくうれしいみたいだ。
◆ドゥオモ
プランポリーニ広場に戻りドゥオモを見学。エプロンなどは大した荷物ではないのでチーズを買う前に行ってみた。
ちょうどミサの最中だった。それとは別に各礼拝堂で祈っている人もいる。
主祭壇奥の後陣には《聖母被昇天》が描かれている。
◆例のバルサミコ発見、しかも安い!
次はさっき見つけた店でパルミジャーノ・レッジャーノだ。
我が家用とおみやげ用にあわせて2つの塊りを買う。1kg11.9ユーロと日本で買うことを考えると破格の値段だ。
サルメリアだけあってほかにも美味しそうで買いたい生ハムやらサラミやらいろいろあるがここは我慢我慢。
同じ通りの食料品店をのぞき店を出るときに、昨夜ホテルのリストランテで買ったバルサミコ酢と同じものが置いてあるのに気づく。確か『市内の店では買えない』と言っていたはず、しかも値段をみるとこっちの方が安い!
すぐホテルにとって返しリストランテへ直行。件のマネージャーがいたのでそのことを告げるが最初は取り合ってくれない。英語でやりあい、ハード・ネゴだったが結局4本分の差額(30ユーロ)をその場で現金で返してもらった。昨夜の食事代は部屋払いでサインしていてそれを変更できないかららしい。
びっくりしたのはこれで終わらず、こっちが渡した食料品店の名前と各々の値段を書いた紙に示談書の文言《差額を現金で受け取り、以後異議を申し立てません》みたいなことを英語で書き込み、サインをしろと言われた。一応内容を確認し、サインをし、握手をして別れる。コピーをもらっておけば良かったか?
◆最後の観光は空振り
お昼を食べるところを探しながらぶらぶらし、結局昨晩一杯飲もうとして『閉めるから』と断られたカフェでランチにする。
ガリバルディ通りに面したギアラ教会やエミリア街道、サン・ピエトロ通りを歩いてサン・ピエトロ教会に行ってみるがいずれも昼の時間帯とあって開いていない。通りも閑散としていてまさに平日の昼下がりといった感じだ。
途中、市立劇場裏手の公園に寄ってみると、ベンチには結構座っている人がいる。
15時をまわったのでギアラ教会にもう一度行ってみるがやはり閉まっているのであきらめ、ホテルへ戻ってクリーニングされた衣類とスーツケースを受け取り駅に向かう。
箱入りのバルサミコが4本増えたので荷物が重い。
途中のサン・ピエトロ教会が開いているのはわかったが荷物があったのでパスした。
◆クレモナへ向かう
16時10分発のFidenza行きの列車は10分遅れ、しかも混んでいて車両を動く。次の目的地クレモナへ向かった。
◆泊る
ホテル Albergo delle Notarie(★★★★), via Palazzolo,8 Reggio Emilia
Twin single use 1泊 82ユーロ。Venere.comで予約。
◆食べる
リストランテ お店の名前 Ristorante delle Notarie, (上記ホテル内)
ミシュランのこの町で一番の評価(3本フォーク。
食べたもの アンティパストはクラテッロ、プロシュートとパルミジャーノ(10ユーロ)。プリモは野菜のトルテッリ(9ユーロ)、セコンドにルッコラの上に牛肉のタリアテッレ、バルサミコ酢たっぷり(18ユーロ)、200~300gくらいあるが完食。
プロセッコ2杯。赤ワインのハーフボトル(8ユーロ)。水、サービス料で計52.25ユーロ。
ドルチェ、カフェはワインをこぼされたお詫びとしてリストランテからのサービス。
お店の名前 Caffe Farini, via Ferini,1/E Reggio Emilia
食べたもの プロシュートとメロン、スパゲッティ(トマト、バジリコ、モッツアレラ)、赤ワイン500cc、カフェ、コペルトで計18.5ユーロ