Agrigent(アグリジェント) 2001/7/23


 

◆行く

いよいよアグリジェントへの旅。前泊地のシラクーサからバスの旅だ。計画段階にてネットでいろいろ調べたが、バスで移動するなら、一旦カターニャに戻り、乗り換えるということだけは分ったが、時刻表までは入手できなかった。

シラクーサのホテルでバスターミナルを尋ねると、バス停と時刻を教えてくれた。バス停は思っていたより近かったが次のバスは8時32分とのこと。これに乗れればアグリジェントへ一つ前のバスで行けるが部屋に戻った時は8時20分。あきらめて9時2分のバスにしてバス停へ向かう。

バス停前のスタンドで切符を買う(一人8,000リラ)と次のバスは”INTERBUS”ではなく”AST”8時45分とのこと。ついている。実際にバスが来たのは8時51分。2日前に降り立った空港を通りカターニャ駅前に着いたのは10時10分。スーツケースを引いて隣のバスターミナルへ。

エトナ山からの火山灰がどんどん降ってくる。切符売り場(一人19,000リラ)でアグリジェント行きは10時25分発といわれ、あせって一番北の乗り場へ行き一旦荷物を入れるが何となく不安になり降ろして再度切符売り場で確認すると11時発とのこと。

バスはカターニャの駅を出て逆戻り、何と空港前のバス停に停まる。これを知っていたらわざわざカターニャ駅まで行かなくても良かったのが。

2階席の一番前に座ったので見通しが良い。前方に煙が見え、近づくにつれ渋滞。車が燃えている。その脇を警官の指示で上下線の車が交互に通過する。日本であれば絶対交通止めで何時間か立ち往生するなぁと思う。

事故だ1

 

バスのエアコンは壊れているらしく冷房の効かない車内でひたすら耐える。途中新しいマンションが立ち並ぶ町CALTANISETTA、小高いゆるやかな丘の町CANTITTIを通り抜け13時50分アグリジェント駅到着。5時間の旅だった。グルッと迂回しているのでレンタカーで直行すればもっと近いはずだ。

ホテルに入り一休みして16時すぎ、神殿の谷へ向かう。少し遠いがいつものように歩く。背中への陽射しがじりじりと熱い。16時すぎなのにこの暑さ、と思うが夏時間で1時間早いことを考えれば納得。

進んで行くと木々の間から神殿が見えてくる。右手にはエルコレ(ヘラクレス)神殿。UFOから宇宙人が降り立ったような、またはきのこが生えているような形だ。左方向にはコンコルディア神殿。しっかりとした形でそびえている。

エルコレ神殿5 コンコルディア神殿2
まず端正な形のコンコルディア神殿へ向かう。神殿の谷(考古学地区)の中はきちんと整備されていてここに向かう道も広くきちんとしている。地区内にはアーモンドの木々が。春先に訪れると花がきれいだと思う。この神殿は丘の上にあり、バックには海。古代ギリシャ人は何を考えてこんな壮大な建物を建てたのだろうか。

コンコルディア神殿5
少し離れた先にジュノーネ・ラチニア神殿がある。この神殿はコンコルディア神殿とは対照的に太い柱が残っているだけ。カルタゴの侵攻にあい炎上し、またその後の地震で崩壊したものだという。

 

 

ジュノーネ神殿2

 

ジュノーネ神殿6

来た道を戻り、エルコレ神殿を見る。太い柱が8本残っている。上部には柱より一回り大きい丸い石が乗っかっていてまるでひょっろとしたきのこのように見える。

これですっかり見終わったと思い神殿の谷をあとにしたが翌朝になって駐車場奥にジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿、ディオースクリ(カストール・ポルックス)神殿を見逃していたことに気づき再度訪れた。これが個人旅行の短所でもあり、再訪できるところは長所でもある。

ジョーヴェ・オリンピコ神殿はかつて神殿の柱だった巨人像テラモーネが横たわっているほかは大きな石がごろんごろんところがっている(巨人像はレプリカ、本物は考古学博物館で展示されていた)。

奥へ進むとディオースクリ神殿がある。やはりカルタゴ侵攻、地震によって崩壊し、建物の角の部分が柱とともに残っているだけだが、一番絵になる。

ディオースクリ神殿4

ディオースクリ神殿から旧市街1

神殿の谷を出て考古学博物館に行く。先ほど見た巨人像テラモーネの本物が壁に縦に展示されている。室内で見ると外で見たよりも相当でかい。柱の一部だったことが分るように往時のジョーヴェ・オリンピコ神殿の模型も展示されている。

考古学博物館3

 

一旦ホテルに戻り(博物館のすぐ側)チェックアウト後市内バスで駅へ行きスーツケースを預け旧市街を散策する。ドゥオモ(カテドラーレ)へ向かってゆるい上り坂。一本、道を間違えたようでかなり登ってしまった。ようやく見つけ中に入る。広い内部は静まりかえっていた。

AgrigentoのDuomo

 

それからすぐ近くのサンタ・マリア・ディ・グレーチ教会を探す。小径を降りて行く。八百屋をすぎると地名が変わったので戻る。見つかったものの小さな入口、鍵がかかっていたが小父さんがやって来て開けてくれ、一緒に中に入る。

『イタリア語がわかるか?』と訊かれ『少し』と答えるといろいろと説明してくれる。キリスト以前の最古の教会で当時の柱は36本(?)あったが今は8本のみ。アラブ人、ノルマン人の侵攻があって次々に変わった。今の入口はノルマン様式で最終的に1700年代に今の建物になったらしい。外へ出て地下部分の基礎を見せてくれた。帰りに気持ち程度の喜捨をしてアグリジェントでの観光を終えた。

◆アグリジェントでの夕食
ホテルは旧市街と神殿の谷の中間にあり周辺にはリストランテらしきものがあまりなさそうだったことと、ホテルホームページでの庭(このホテルには広大な庭がある)でのディナーの写真が良さそうだったので神殿の谷観光に出かける前にフロントで予約したところ庭でのディナーはやっていない、食事はホテル内のリストランテでとれるといわれ予約した。

予約した時間に行ってみると客は誰もいない。それからもいくつかのテーブルがうまっただけだったがテーブルセッティングはきちんとされていたしカメリエーレも良い対応だった。残念ながら昼間の疲れのせいかワインを飲み干すこともできず、セコンドでお腹一杯になりそこでやめた。客が少ないとはいうものの優雅な雰囲気の中、セコンドでやめたとはいえ雰囲気、味の割にべらぼうに安かった。

◆食べる
■ホテル内リストランテ【夕食】
◎アンティパストはサーモンのカルパッチョ(赤キャベツ添え)、生ハムの燻製と洋梨
◎プリモはフンギのリゾット(少々塩っぱい)、オマール海老のタリアテッレ(クリームソース)
◎セコンドはフィレステーキ(トマト味、小さなエンドウ豆添え)、海老のマヨネーズソースかけ
◎水、食前酒
◎ワイン(LIGORIO 1999  Aziende Vinicade Micelli Palermo (1.4万リラ))
2人で11万リラ(ワイン込み)

■Trattoria Black Horse(via Celauro,8,Agrigento)【昼食】
旧市街中心部にはあまり店がなく、もう1ヵ所見つけた店の名はマンハッタン。
これだけでどんな店か想像できたがパレルモへ行くバスの時間のこともあり妥協したのが失敗のもと。
◎アンティパスト1品(多分生ハムとメロン)
◎プリモ2品
◎ハウスワイン
◎水
2人で4.2万リラ(サービス料込み)

◆遊ぶ
■コンコルディア神殿
■ジュノーネ神殿
■ディオースクリ神殿
■ドゥオモ
■サンタ・マリア・ディ・グレーチ教会

◆泊まる
■Colleverde Park Hotel ★★★★ Twin 24万リラ

ColleverdeParkHotel1
メールで直接予約。
ホテル到着したのが14時45分。まだ部屋の準備が出来ていなくて、近くのバールで遅い昼食をパニーノ、アランチーノでとり時間をつぶした。ホテルからの神殿の谷からの眺めが良く、庭も散策できるほど広い。
旧市街からはバスで10分、バス停もすぐ前なのでロケーション的にもそう問題はない。