Napoli(ナポリ) 1998/3/9



◆行く 
ミラノから始まったイタリア3週間の旅、17日目。いよいよ南に向かう。
ローマで2泊したあと、ナポリ、カプリへ行く。再びローマへ戻ってくるのでホテルにスーツケースを預け、ショルダーバッグ一つで出かける。ローマは3月なのにあったかくて半袖でもいいくらいの時もあったので、南はもっとあったかいだろうと思い、セーターをスーツケースにしまいこみ、本当に身軽だ。

午前中はローマをぶらぶらし、テルミニ駅に13時頃着く。テルミニ駅は2日前に降り立っただけだが、何となく得体のしれない人間や物乞いが多い。サンドイッチを買ったがそのレジでも変な老婆が立っていて皆に1,000リラくれと言っている。


13:40の電車に乗ったが10分ほど遅れたようだ。車内はすいていて6人掛けに2人。
1時間くらい走ったところで雨。観光をどうしよう?と思う。15:40頃ナポリ到着。ナポリの駅は物騒だとガイドブックに出ていたのでやや緊張して駅構内を抜けた。


外はまだ雨。予約していたホテルは駅前の大きな広場に面したところなのですぐにチェックイン。
当初ナポリには2泊し、ポンペイ、カプリ島を日帰りしようと計画していたため足の便のいい駅前のホテルにしていたが、その後カプリ島も泊まることにしたので結局駅前ホテル1泊となった。

◆決死の覚悟の横断
外はまだ雨だったけれどホテルにいてもしようがないので、少し小降りになったところで傘をさして17時頃出掛ける。ナポリは治安が悪いと聞いていたので、ガイドブックも持たず手ぶらで出た。ホテルを出て最初の道路(大した幅ではない)を渡るときに車が止まってくれず必死の思いで横断する。それまでに経験しなかったような苦労を強いられ、これでいっぺんにナポリの印象が悪くなる。

◆ナポリを見て、死ね?
ガリバルディ広場からまっすぐ伸びたウンベルト1世通りを進む。この通りにはリストランテやピッツエリアはまったくないようだ。途中で海側の方へ曲がる。どんどん行くと大きな広場に出た。そこが王宮前の広場(プレビシート広場)で一方が半円形で広々しているのに驚いた。しかも閑散としている。

広場を左の方へ抜け海に向かうとほどなくサンタ・ルチア港。『ナポリを見て、死ね』という言葉はこのサンタ・ルチア港からのナポリ湾、ヴェスヴィオの景色の美しさを言うのだろうがあいにくの天気でそこまでの感動は得られない。

海沿いのナザリオ・サウロ通りを戻り途中で右に曲がりヌオーヴォ城の前に出た。このとき通りの反対側にいたのだがここからお城側に横断するのが大変だ。トラムも走っている大きな道路なのでホテルを出た直後の横断とは規模が違う。トラムの停留所を離れ小島に見立てそこまでどうやって行くかそれこそ車の流れを見ながら決死の思いで、ヌオーヴォ城を見るどころの騒ぎではない。やや疲れて19時頃ホテルに戻った。

◆再びサンタ・ルチアへ
部屋に戻りガイドブックで歩き回った所を確認していて、サンタ・ルチアのナザリオ・サウロ通りに良さそうなリストランテが載っていたのでちょっと遠いけれどそこに行くことに決め19時半前に再び出かける。40分かかってお目当てのリストランテへ到着。
ドアを開けようとしたが開かない。中にお客がいるので休みではなさそうだ。「どうしよう」と思っているうちにお店の人が気づいて鍵を外し入れてくれた。

店内は明るい華やかな感じで一人で食事をするにはもったいない。ナポリゆえ魚料理ばかりで注文したが本当に美味しい。そのうち隣のテーブルにハネームーンの日本人カップルが座ったので『ここの魚料理は美味しいですよ』などと言ってしまう。


ワインはカンパーニャのキーンと冷えた白ワイン、グレコ・ディ・トゥーフォを注文した。一人旅で初めてボトルで頼んだ。というのは、前日ローマの夕食で最初250mlのデキャンタを飲み、もう少しいけそうだったので同じものを頼んだところ500mlが出てきて「まっ、いいか」と考え、飲み干してしまったから、ボトル一本でも大丈夫と思ったからだ。


◆二日酔い
食事を終え、タクシーを呼んでもらって22時ホテル着(徒歩40分の距離がタクシーで10分、13,000リラ)。
ベッドで横になりBBCで日本の天気予報を見ているうち、1時間ほどうとうとしてしまいあわててシャワーを浴び就寝。ところが寝ているうちに気分がむかむかし目覚める。
3週間の旅の17日目にして初めてしんどい思いをした。17日間の旅疲れ、ナポリでの緊張を強いられた歩き疲れ、冷たいワイン、しかもフルボトル。これらが複合した原因だったと思う。
翌朝は頭がガンガンする二日酔いだった。

翌日はポンペイを見たあとカプリ島泊まりなのでナポリ観光はカプリからの帰りにしようと考えていたが半日の印象が悪く結局これ以上の観光をしなかった。
翌年、家族でフィレンツェ、ヴェネツィア旅行をしたあと長男夫婦がカプリ島へ行くためナポリに泊まったがやはり怖くて観光しなかったという。

◆食べる
お店の名前 Il Posto Accanto, via N.Sauro 2, Napoli
◎海の幸サラダ(烏賊、タコ、エビなどにオリーブオイル、レモン、14,000リラ)
◎ファルファッローニ(小さな蝶ネクタイ形のパスタ、11,000リラ)トマトが美味い。魚介類はわずかだけれど本当に美味い。
◎メカジキのグリル(長さ13cm×高さ7cmのひし形、15,000リラ)でかいがこれも美味い。
◎ジェラート・ミスト(7,000リラ)
◎ワイン Greco di Tufo, Mastroberrardino (20,000リラ)
◎コペルト、水、サービス料(10,000リラ)込み82,000リラ

◆泊まる
ホテル Cavour ★★★ Single 9,000円
MIKIで予約、旅行代理店でクーポン購入
間口の狭い縦長のホテル。フロント氏はこの旅では初めて普通の服装で愛想もない。
「どこかいいリストランテを教えて欲しい」と訊ねたら、たちどころに「このホテルの中だね」と返され全くとりつくしまもない。二日酔いになったこともあって印象のよくないホテル。