Milano(ミラノ)2016/9/22~24


 

◆行く

2016年イタリアの旅は数十年来の友人とふたり旅。

Y君は仕事の都合でミラノから帰国の予定、カブレーノはさらに1週間旅を続けるが、いずれにしても6日前にミラノから始まったふたり旅の最終目的地だ。

 

ミラノでの目的はY君の強い希望によりスカラ座でオペラを観ること、だ。

 

ローマ・テルミニ駅近くの定宿ともいうべきホテルを出て、11時頃テルミニ駅に着いたがまだホームが決まっていない。15分ほどして8番ホーム確定、ただ構内工事のためかなり戻り1番線の方から入る。

ホームに入るとき乗車券のチェックがある。不審な輩を排除するにはいいことだ。

列車は11時30分発のFrecciarossa 。席は6号車の12D、13D。荷物置き場がないのでシートの間に入れる。

 

隣の男2人がずっとひっきりなしに喋っている(ほとんどミラノ近くまで)。まぁ、イタリアではありがちだが。

 

停車駅は、ボローニャだけ。定刻の14時29分ミラノ中央駅到着。45分にはホテルにチェックイン。

 

◆いざ、観光へ

一休みして15時すぎ、出かける。メトロの中央駅キオスクで1日券購入(4.5ユーロ)。

まず、ドゥオモ駅へ。1日券なのになぜか出ることができない。

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観光前に遅いランチで調べていたパルマの生ハムの店に向かう。Y君は『昼ヌキでもいい』というがお腹がすいているので予定通り。本当ならば、ガイドとしてはパルマに泊まり、本場の店で食してもらいたかったが、日程の関係でそうもできずここミラノでパルマっぽく味わうことにしたのだが。

 

生ハムやポレンタのフリットをつまみに茶碗でランブルスコを飲む。相棒がコーラだったのが今一か。

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お店の人は気さくに話しかけてくれる。昼は日本人も多く、イタリア人と半々らしい。『また来ますか?』と訊かれたので『明日、オペラの後で来るかもしれない』と答える。

 

 

食後、モンテナポレオーネ通りでY君の買い物に付き合う。あまりこういうブランド街で動き回ることはないのでいい経験だ。

 

モンテナポレオーネ通りを往復した後、ドゥオモに戻ろうとしたが、なぜか同じところを回り、ちょっと道に迷ってしまう。

ミラノ観光定番のガレリアをそぞろ歩きし、スカラ広場でダヴィンチ像を見て、明日のオペラを楽しみにスカラ座を眺めて戻る。

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ドゥオモに入ろうとしたらもう閉まっていてはいることはできない。17時30分終了とのこと、ドゥオモ観光は明日にまわすことにした。

 

◆メトロですられる

すぐそばのリナシェンテをちょっと見て、ホテルに戻ろうとメトロに乗った。

これが失敗の元。ミラノ市内を動き回るのは7年ぶりくらいでメトロのラインが頭に入っていなかったた。

M3線に乗るべきところをM1線に乗ってしまった。しかもものすごく混んでいる。すぐに間違いに気づき2つ目で降りて戻りM3線に乗り換え、レップブリカ駅で出ようとしたらスラックス左ポケットの財布がない!!

すられてしまった。

改札を出るには財布に入れていたメトロの切符が必要なので係員のところに行ったら何も訊かずに出してくれた。

 

すぐにカードをとめなければ!!

ホテルに戻り部屋からスマホでかけるが焦っていたのか、国番号が必要なのか、つながらないので部屋の電話で掛け、事件発生後30分くらいで止めることができた。

 

あとは警察への届けだ。

レセプションで事情を話し、警察の場所を教えてもらう。

一人でいてもやることがないというので相棒もついてきてくれることになった。心強い。

教えてもらった警察は中央駅の向こう、歩くと結構遠い。

近くで地元の人に教えてもらい、たどり着くと『ここではない』と正しい場所を地図で示してくれた。

レセプション氏が間違えていて、本当の場所はメトロM3線トゥラーティ駅モンテナポレオーネ駅の間くらい。

さすがにそこまで行く気はなくなり、明日行くことにして夕飯を食べることにした。

 

◆気落ちした夕食だったが

スリ事件にあう前は、行ったことのある店にしたかったがちょっといろいろ疲れたので出かけるのが億劫になり、ホテルすぐそばのリストランテをトリップアドバイザーでチェック、まぁまぁ良さそうなのでそこにする。

 

店に入ると何か音楽が流れていて一瞬安っぽい雰囲気かなと思ったがそうでもなかった。

奥のテーブルに案内される。ジローラモさん似のやや調子のいいのが担当カメリエーレ。

注文の取り方、すすめ方は調子がいい。

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スリのこともすっかり忘れて楽しい気分になった。

会計を頼むと、2つ間違いがあり、これを指摘、最初は取りあってくれなかったが、自分でも珍しくしつこく明るくいうと1つだけ訂正してくれた。

 

ローマからミラノへ。そして観光、事件、と長い一日だった。

 

◆2日目は予定外の警察から

ミラノ2日目の予定は、《最後の晩餐》を12時30分、夜はメインイベント、スカラ座でオペラを観ることになっている。

 

昨日、警察へスリの届け出ができなかったので《最後の晩餐》鑑賞の前に済ませる必要が出てきた。

必要と言っても、カード会社から盗難届を出すよういわれたのと、財布本体などの被害を保険で補償してもらうためだ。

 

 

ネットで住所、地図を確認していたがほぼ同じところに警察署が2ヵ所ある。まず、近い方に行ってみると恐らく滞在許可証を待つ人が数多く並んでいて、訊いてみるとここではないと。

『右手を進み右に曲がり、また右に曲がる』

 

行ってみると、警官が何人もいる。『財布を盗まれたのですが』というと、入室前に荷物チェックだ。

そのうえで向かい側に入るようにと指示される。

入って廊下から部屋を覗くと婦人警官、どうやら担当らしい。

あとは事務的に盗難届を日本語で書いて終わり、『まだか、まだか?』とせかされるが捜査するわけではなく単に被害者の保険請求のためにやっているという感じだ。

 

盗難届は本紙を含め4枚、それに警察のスタンプ、こちらも4枚に署名し、1枚もらって終わりだ。

 

◆ドゥオモ

警察での手続きは意外に短時間で終わり、予約している《最後の晩餐》には早すぎるのでメトロでドゥオモ駅に行き、昨日入れなかったドゥオモの見学だ。

 

左側にある入場券売り場へ行きチケットを買う(1人2ユーロ)。

ファサードのある正面に回って列に並び、携行品のチェックとボディ・チェックを受けてから入場。

今まで何回か訪れているがここまで厳しくなったとは。こうなると「教会」というより観光地そのもだ。

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中へ入ってまず右側、筋骨隆々の聖人バルトロマイがいる。これは皮をはがされたためだと知る。

それから後陣へ。何度見てもここのモザイクは素晴らしい。

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すぐそばにマリア像があるがこれは尖塔にあるもののレプリカだろうか?

 

見渡すとパイプオルガンがあり、2人でどっちが古いのか話題になった。手前の2台が古く奥の2台が新しいものらしい。

 

堂内は仕切られていて2ユーロの拝観料では入れない。ただ、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会やサン・ロレンツォ教会の拝観料が5ユーロだったことと比べると、さすがミラノのドゥオモの方が、入場者数が圧倒的に多いのだろう。

 

◆Peckでカフェ

ドゥオモを観た後はPeckに行く。名前はよく聞き、日本橋高島屋の売り場には行ったことはあるが、ミラノ本店は初めてだ。

 

特に買いたいものがあるわけではない。売り場を見る。

地下のワイン売り場は圧巻だ。マグナムもいろいろある。見ているだけで楽しい。

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一度出てから、『時間があるのでお茶をしよう』ということになり戻って1階中央のカフェでお茶をする。

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◆《最後の晩餐》

メトロM1線に乗りカドルナ駅で下車。

地上に出てみると全くどっちの方向なのかわからない。2人ほど尋ね、大体の方向はわかった。

1999年に行ったときはホテルからトラムに乗ったが、下車後全く反対方向に歩いたため予約時間ギリギリだったことを思い出す。

 

地図と看板を頼りに進み、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の横に出たので正面に回る。

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時間は11時40分頃、予約時間までは小一時間ある。

まずは、チケットの引き換え。メールのコピーを見せてチケットを難なくもらう。

『5分前に、すぐ隣の建物内集合』とのこと、教会前の広場で写真を撮ったりして時間をつぶす。

 

 

予定時間の少し前に進み出すがいったん止まって12時30分きっかりに入場。

入って右奥が《最後の晩餐》だ。

17年ぶりのご対面。

キリストの足元がドアになってしまったのは残念だ。

ここではフラッシュなしであれば写真が撮れる。

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反対側には、キリストが十字架に架けられている絵。

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登場人物についての説明板がある。

 

15分間って意外に長い。じっくり鑑賞することができた。

 

◆スフォルツェスコ城

いったんさっきの駅に向かい通りすぎて、スフォルツェスコ城へ。

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ここにはミケランジェロ最後の作品を展示している美術館があるので、相棒にどうするか訊いたが『パスしたい』とのこと。

城を抜けてセンピオーネ公園を散策。天気がよく歩いていても気持ちがいい。平和の門が見えるところまで行って戻る。

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◆ナヴィリオ運河でランチ

メトロに乗ってポルタ・ジェノヴァ駅へ。

運河へ出て、運河沿いのピッツェリアでランチ。いろいろ店を探したかったが意外に暑いので歩き回らずにすぐに決めた。ピッツアと飲物のセットメニューを注文。日が当たる方に座ったので暑い。

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食後近くをブラブラし、メトロに乗るつもりでポルタ・ジェノヴァ駅に戻ったが、中央駅行きのトラムがきたので乗ってしまった。

が、かなり周回しそうなのでメトロ駅のありそうなところで降りるとどうやら停留所一つ分早かったようだ。

何とかメトロに乗り換えてホテルに戻る。

 

◆オペラ鑑賞

いよいよ今晩は今回の旅のメインイベント、スカラ座でのオペラだ。

20時開演なのでホテルを18時半すぎ出てメトロで向かう。19時スカラ座到着。

少し早すぎたようだ。まだ、それらしき人は少ない。

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写真を撮ったりしているうちに、だんだん集まり、19時20分正面扉が開く。

 

我々の席はパルコ1列目のやや正面のNo.15。

右の階段を上がって右に行きすぐわかったがドアに鍵がかかっている。

聖職者のような衣装をまとったスタッフがやってきて扉を開けてくれ席につく。

 

しばらく空席が目立つ。我々のボックス席にも来ない・・・と思っているうちに開演10分前にはほとんど埋まる。

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演目はモーツァルトの《魔笛》。Y君はもともと合唱部にいたので詳しいが、カブレーノにとって《魔笛》は初めてなので予約してからの2か月間YouTubeで予習をしていたものの何せ長いので全部を見切ることはできなかったのだが。

ドイツオペラなので言葉はドイツ語、字幕言語を英語にするかイタリア語にするか迷ったが結局イタリア語を選ぶ。

 

20時、オーケストラの演奏でスタート。

第1幕は21時15分頃終わり、20分間ほどの休憩。1階のロビーに降り、1杯飲もうとしたが列が長いのであきらめる。

この幕間のロビーでのざわめきが何とも良い。ドレスアップした紳士淑女も多い。

 

第2幕が終わったのは23時20分、それからカーテンコールが10分続く。しかし、長い。

オペラは門外漢だが、《大祭司ザラストロ》の低音は素晴らしかった。それに引き換え《夜の女王》は肝心のアリアには少し声量が足りなかったようだ。Y君も同じことを言っていた。

 

◆オペラのあとは

出かける前には、23時をすぎていたらホテルに戻ることにしていたがお腹がすいていてどうしようもない。

前日遅いランチに行ったパルマ生ハムの店に向かったが看板の灯りが消えている。店に入ると椅子をテーブルに上げ片づけているところ。

あきらめてドゥオモ方向に戻る途中客が大勢いる店があったので入る。食べるものは『サンドイッチしかできない』と。

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サンドイッチにビール、ワインで乾杯、ミラノ最後の夕食はわびしいものとなってしまう。

 

メトロ終電でホテルに戻る。

 

◆ふたり旅の終わり

いよいよふたり旅最終日。

朝食後、Y君が珍しく『朝の散歩に行きたい』というので出かける。まぁ、ホテルの周りを大きく回った感じだ。

10時半、彼がチェックアウト、マルペンサ空港までのバス乗り場まで送って行く。

バスに乗り込んでから『15分後発車だよ』、『帰国したらメールが欲しい』と2度もこっちも乗り込んで言葉を交わし、バスをあとにした。

これにてふたり旅は無事終了。

あとはフィレンツェに再度行き、その後パルマを経て帰国するまで1週間いつものような一人旅だ。

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◆泊まる

ホテル Marconi Hotel, Via Fabio Filzi, 3, Milano

Expediaで予約、Single 1泊1人10,596円、予約時支払い、ミラノ中央駅から10分くらい

 

◆食べる

  • お店の名前 Salsamenteria di Parma, Via S. Pietro All’Orto, 9, Milano
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https://www.salsamenteriadiparma.com/

遅いランチとして訪問。相棒に食欲なく軽いランチに終わる。

食べたもの 生ハム3種とサラミの盛り合わせ(小)、ポレンタのフリット(これはつまみにちょうどいい)、茶碗のような入れ物でランブルスコ2杯、相棒はコーラ。2人で41ユーロ。

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  • お店の名前Ristorante Limone, Via Fabio Filzi, 7, Milano

ホテル並びすぐ近く

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食べたもの お通しとしてフォカッチャ、前菜は魚のタルタル(サーモン、マグロ、カジキマグロ)18ユーロ、

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ミラノ風リゾット(13ユーロ)、ぺスカトーレのリゾット(16ユーロ)。

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飲んだもの ビール(6ユーロ×2、小を頼んだのに普通サイズがでてきてクレームしたが取りあってくれない)、Friuliのシャルドネ(28ユーロ)

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食後のサービス レモンチェッロとビスッコッティ

水、カフェ、コペルト込み2人で101ユーロ(最初は107ユーロ、ビールとタルタルの請求額にクレーム、タルタルのみクレームが通った)。

 

 

◆観る

  • サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会《最後の晩餐》

イタリア旅行情報サイト 『AMOITALIA』から依頼、1人3,200円

http://www.amoitalia.com/milano/cenacolo.html

 

  • スカラ座 オペラ『魔笛』 スカラ座HPで予約

http://www.teatroallascala.org/en/index.html

パルコ席1列目No.15最前列 1人216ユーロ(25,275円)

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