めPisa(ピサ)2011/11/12~13
◆行く
今回のペルージャ生活で初の1泊旅行。ピサに泊まり、ピサ&ルッカ観光だ。
ピサもルッカも1998年初めてのイタリア旅行のときフィレンツエから日帰りで訪れているから13年ぶりだ。
7時すぎにペルージャの住まいを出てピサには正午前到着。ホテルにわずかな荷物を預け、再び列車でルッカに行き観光ののち18時すぎピサに戻る。
これから明日午後までピサを楽しむ。
◆ホテルのバーで
ルッカからホテルに戻ってレセプションで鍵を受け取るときにおすすめの魚料理のリストンテを教えてもらう(海から遠いペルージャではなかなか魚料理にありつけないので)。
そのとき左手の部屋で《トスカーナの食べ物を味見する》イベントが19時から開かれることを知った。
飲み物代さえ払えば、食べ物は無料とのこと、19時半すぎそこを覘いてみる。
テーブル席をすすめられたがバー・カウンターに座る。
『どうしてテーブル席に行かないのか?』とバーテンダーから聞かれたが『一人なので話相手が欲しいから』。
プロセッコを注文し、さっそくトスカーナの食べ物を取りに行く。
よく考えるとこれはアペリティーヴォのつまみ、しかもセルフ・サービスだ。
バーテンダーからは『どこから来たのか』と訊かれ正直に話し、『今日はルッカに行った』というと、何週間か前のルッカでの日本フェスティバルの話を聞かされ盛り上がる。
1杯飲みながら会話の勉強もできた。
◆リストランテでは国際交流
アペリティーヴォは1杯にとどめ、20時半ころレセプションで教えてもらった魚料理のリストランテに行ってみるとどうやら満席の模様。
しようがなく出掛けに見ていたホテル斜め向かいのリストランテに行く。魚料理があったからだ。
店主が愛想よく迎えてくれ2組のカップル(1組は若い、1組はまぁ同じ世代か)の間の席に案内される。熟年カップルは先に店を出た。
若いカップルの話が何となく耳に入ってくる。そのうち、店主とのドルチェの会話で男性がフランス人、女性がスペイン人とわかる。どちらかと言えば逆のような感じなのだが。 イタリア語の実力は女性の方が上で、男性が間違えれば何回も言い直させている。
そのうち、何となく話しかけてみた。『あなたは、フランス人。あなたはスペイン人。私は日本人。でもイタリア語で話ができますよね。』 それから3人で会話。彼らはバルセロナで知り合ったという。彼が日本語で『こんにちは』というので、フランス語とスペイン語でお返し。それから話が弾む。
年を尋ねられたので正直に答えると、『私の父親と同じ世代です』といわれてしまった。『私の子供はあなたより皆、年が上ですよ。』 彼らから『ひょっとしてすぐ近くのホテルでは?』と言われ、親近感がお互いにさらに増した。
彼らは先に帰ったが、そのあとでカメリエーラに『3人、別々の国なのにイタリア語で話していたんですよ』というと、彼女はルーマニア人。イタリアに来て1年、イタリア語をまったく知らなかったのに仕事をする中で覚えたという。『学校に行くよりイタリアで仕事をした方が身につきますよ』と厳しい一言。 とはいえ振り返ってみると、さきほどから実に楽しい会話の夕食だった。
◆夜の町歩き
すぐに向かいのホテルに帰るよりはと、夜のピサを少し歩く。
ホテル前のマッツィーニ通りを右に曲がってちょっと行くとピサ最大の目抜き通り、イタリア通りに出た。
両側の店は閉まっているものの土曜夜なので人出は多い。
イタリア通りと交差する小さな通りをいくつか入ってみるとリストランテやカフェ、バール。外で飲んでいる若い男女グループも多い。
◆朝のピサ
一夜明けると、今日もいい天気。
アルノ川の橋を渡り、川岸双方の歴史的パラッツオを眺める。
イタリア通りから続いているストレット通りは露店の準備が始まっている。ちょっと行きすぎて少し戻って右に曲がるとディーニ通り。この通りも露店準備中。結局カヴァリエーリ広場に出た。
ここのサン・ステファノ教会、カヴァリエーリ宮の装飾は素晴らしい。
まっすぐ進んだのち右折してドゥオモ地区に向かう通り(サンタ・マリア通り)に入る。道路は広いが両側は土産物屋や飲食店、その前を大勢の観光客が歩いている。
段々斜塔に近づくがこの方向では傾いているようには見えない。
◆斜塔に登る
13年ぶりのドゥオモ地区。当時と違うのは斜塔に登れることだ。今回の目的は登ること。 着いてからまず斜塔、ドゥオモ、洗礼堂の周りをゆっくり回り、斜塔の傾き方を目で楽しむ。
10時ちょっと前にチケット売り場に行って入場券を買おうとすると希望の時間を訊かれた。一番早いのが10時20分なのでそういうと『個人なら10時で大丈夫』。入場料は15ユーロ。行く前に隣の部屋で荷物を預けるように指示された。あとで考えると、たとえショルダー・バッグでも持っていたら大変だった。
ショルダー・バッグを預け、身軽になって斜塔下に行くと10時の人たちが続々入場し、続いて入る。さらにうしろから団体客が続く。
まず、右回りで登る。登り始めは身体は右に傾く。しばらく進むと平らな部分、それから今度は左に傾く。また、平らになる。この繰り返しでだんだん慣れてくるが最初の数周りがしんどい。 上にいくほど傾き方の調整というか、上の方の中心軸をずらしているとのことなので感覚ではなく物理的にもそうなのかもしれない。
壁の内側にへばりつくようにあった階段が終わり、塔の中心部を回るように登る階段は左回り。最初のころほどしんどくない。 ようやく外に出るとスタッフが日本語で『まだまだ!』と叫んだ。実はこの時間帯は日本の団体客がほとんどで登っているときの会話や掛け声は日本語だらけ。とても外国にいるとは思えない。
最後は肩幅よりちょっとだけ広い幅の階段、これで2階分上がったはずだ。 狭い屋上で記念撮影の撮りあっこをしている。こちらも、まったく知らない日本人母娘のカメラのシャッターを押してあげた。
登って、上で景色を眺め、写真を撮って、下りて所要時間は15分。20分きざみの入場なので狭い階段で交錯することはない。 身体が右や左に傾きながら高いところに登るという得がたい体験だった。
◆ドゥオモと洗礼堂
いずれも2度目だが、ドゥオモは入場できるエリアが以前よりも狭くなっていた。
洗礼堂(入場料5ユーロ)ではまず上に上がって見下ろす。
ゆったりと見まわしたあと下りて洗礼櫓や説教壇を見る。ピサーノ作の説教壇は浮彫りのゴシック彫刻で飾られている。
ドゥオモ地区をあとにして北東エリアに移動。観光客は見当たらず途中の公園などの雰囲気は何となく日曜の朝といった風情だ。
サンタ・カテリーナ教会は閉まっていた。簡素なファサードのサン・フランチェスコ教会の中はがらんとしている。
ピサの町もある程度見たので港町リヴォルノをどうしても見たくなり駅へ向かう。
◆Livornoに向かう
駅近くのカフェでフォカッチャとビールのランチをとり、12時32分の列車に乗る。 13時頃、リヴォルノに着いたが想像していたのと違って海は遠い。駅からまっすぐの大きな通りを30分近く歩いてチェントロへ出たが港までさらにありそうだったのであきらめ共和国広場だけ見て駅へ戻る。リヴォルノは失敗だった。
◆ピサで最後の町歩き
14時の列車でピサへ戻り、残りの時間をピサ町歩きにあてる。 サンタ・ニコラ教会に入ると、アジア系の人たちがギターを弾きながら歌っていた。 ダンテ広場、サン・フレディアーノ教会の前を通り、朝訪れたカヴァエーリ広場へ出る。
教会近くのソルフェリ-ノ橋を渡り、広いローマ通りをちょっと行ってから右に曲がる。
駅からほど近いサン・パオロ・ア・リーパ・ダルノ教会は肝心のファサード下の部分が修復中で見ることができない。教会前の広場ベンチには地元の人が日曜の午後をゆったりと楽しんでいる。
アルノ川に出ると昨夕見えたおとぎ話に出てくるようなサンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会へ行く。小さいがミラノのドゥオモを彷彿させるようなゴシック建築だ。
教会近くのソルフェリ-ノ橋を渡り、広いローマ通りをちょっと行ってから右に曲がる。
サンタ・ニコラ教会に入ると、アジア系の人たちがギターを弾きながら歌っていた。
ダンテ広場、サン・フレディアーノ教会の前を通り、朝訪れたカヴァエーリ広場へ出る。
ここからドゥオモへ行く通りまではアンティークを中心とした市で朝よりも人出が多い。再度ドゥオモ広場に行き斜塔などを見て戻る。途中、ジェラートで一休みだ。
◆ペルージャまでの長いみちのり
ホテルに戻って荷物を受取り、ペルージャに帰るためピサ中央駅に向かう。
ペルージャ着が20時すぎなので腹ごしらえのため駅近くのバールでパニーノを買い17時11分のフィレンツェ行きの電車に乗る。
ピサからフィレンツェまでは問題はまったくない。18時にフィレンツェに着き、18時13分発の列車に乗り換えた。定刻に発車、ここまでも特に問題なし。
ところがアレッツォで長いこと停車、どうやら接続するはずの列車の到着を待っているようだ。確か15分停車、と言っていたような気がしたがそれ以上だった。
その後も何回か停まり、かなり遅れてきた。
20時すぎ車掌が検札にきたので『何分遅れているのですか?』と訊いたところ『20分』との答え。定刻では20時19分着なので、20時40分頃到着かと、まぁあきらめる。
そのうち行きに乗り換え時間のかなりあったテロントラに到着。『エッ!行きにここにくるまで40分はかかったはず。40分遅れ?』。実際、40分遅れでペルージャに到着。
ペルージャに着いてからチェントロへのバスがなかなか来ない。もともと本数は少ないが時刻表にのっているのに来ない。日本とは大違いだ。
◆泊る
ホテル
Hotel Bologna(★★★★) Via Mazzini,57,Pisa Single 59ユーロ
Booking.comで予約。
部屋はレセプションのある建物をいったん出て奥の別棟、なかなかいい感じ。
◆食べる
お店の名前 Ristorante Il Nuraghe, Via Mazzini,57,Pisa(要するにホテルの向かい)
食べたもの 前菜は海の幸盛合せ(8.5ユーロ)、マグロの燻製カルパッチョ、タコのマリネなど5種類、ヴォリュームたっぷり。
メインは久々の魚料理、白身魚をソテーしたものにバジル・ソース(15ユーロ)
コペルト、ハウスワイン500ml、水、ドルチェ(3.5ユーロ)、カフェで計39ユーロ。
ここでの思い出は隣のテーブルにいたカップルとの楽しい会話だ(本文の通り)。