Sansepolcro(サン・セポルクロ) 2011/10/16
◆行く
2011年10月~12月、3ヵ月間のペルージャ留学生活で初めての旅はサン・セポルクロ。
今日はトスカーナのSansepolcroへペルージャから日帰り。この町はFrancesca della Pieroの生まれた町で有名だ。フランチェスカ・デッラ・ピエロは昨年10年ぶりに訪れたアッレッツオのサン・フランチェスコ教会の後陣に描かれている《聖十字架伝説》の作者だ。
サンセポルクロへは一般的にはアレッツオからバスで行くということになっているが、昨年アレッツオに行ったときにバス乗り場を駅前で探したもののわからなかった。
今回、たまたま地図を見ていたら、ペルージャからのローカル電車が行っているのがわかった。ペルージャから1時間半、ウンブリアのCitta di Castelloから20分くらいで行けるようだ。
今、クラスには先生の教え方を勉強するために出席しているLindaがいる。チッタ・ディ・カステッロに住んでいる彼女に『両方行くならどっちに泊まった方がいい?』と訊いたら『近いから泊まる必要はないですよ』と言われていたので、とにかく終点のサンセポルクロまで行って、時間があったら帰りにチッタ・ディ・カステッロに寄ることにした。
ペルージャの住まいを出てからいわば坂道を下り、約20分でS.Anna駅に着く。
8時18分発の2両編成の列車に乗る。ほぼ快晴の下、ウンブリアの田園地帯を走る。
小さなぶどう畑、何かなっている畑、耕したばかりで土があらわになっている畑、などなどが車窓から見える。
◆チェントロへ
定刻の9時50分、サンセポルクロ到着。地図も何もないが、とりあえず駅の正面の通り、ヴィットリオ・ヴェネト通りを進む。
右手の駐車場で掃除をしている男性がいたので尋ねてみると『あそこの門を右に入ったところだよ』と教えてくれた。
結局、迷わずに、チェントロのメイン・ストリート、9月20日通りに入ることができた。
メイン・ストリートとはいえ、日曜とあって両側の店は閉まっているし、人通りもまばら。
地図をもらおうとインフォメーションを探すが途中で表示がなくなり、中心部のトッレ・ディ・ベルタ広場とさっき来たところを行ったり来たり。
ようやく、広場の北の方にあることがわかり、地図やそのほか見所を教えてもらう。
ものすごく感じのいい人なのだけど、イタリア語で質問しているのに《どうせわからないだろう》と思ってかすべて英語で説明された。こっちの頭が混乱しそう。
◆フランチェスカ・デッラ・ピエロの作品
サンセポルクロに来た最大の目的、Museo Civicoにあるフランチェスカ・デッラ・ピエロの《la Resurrezione》(キリストの復活)をみるためだったが、その美術館は隣の建物。
小さな階段があり、上ると外からガラス越しにその展示室、そして正面にその絵を見ることができる(このことはBSの美術番組で知っていた)。入り口は左に回りこんだところ、6ユーロ払って入館。この建物自体が14世紀の音楽学校だったらしく天井が高く優雅だ。
まず最初の展示室では右の壁にあるフランチェスカ・デッラ・ピエロの彫像に迎えられた。若くてイケメンだ。
その左の部屋は順路としては最後なのかも知れないが、《聖母の無原罪の宿り》の聖母マリアの顔が可愛い。
最初の部屋の右へ進むと、フランチェスカ・デッラ・ピエロの《ミゼルコディアの祭壇画》が分割された感じで展示されている。もとの形はそばにある参考図で想像する。
いよいよ次が例の展示室、奥行きがあって広い。まず右に《聖ジュリアーノ》、左に《聖ルドヴィーコ》のフレスコ画、いずれもフランチェスカ・デッラ・ピエロの作品、どこからか移されたもののようだ。
正面の壁には《キリストの復活》。上2/3が復活したキリスト、姿勢をただしまっすぐ前を見つめている。目が生きている。一方、下の4人の兵士はそれを知らずに眠りこけている。ただ左の一人は、ひょっとしたら復活を知って義務を果たせなかったことか何かで嘆いているのかも知れない、顔を両手でおおっている。
次の展示室に入ると正面にあるのは一目見ただけでわかるアンドレア・デッラ・ロッビアのテラコッタの作品で、《キリストの誕生》の祭壇画だ。他にも《聖母子》の作品がある。
さらに展示は続くが長くなるので省略、2周したので約1時間かかった。
◆サンセポルクロの町歩き
フランチェスカ・デッラ・ピエロの作品を堪能した後は、ちょっと広場の方に戻りカテドラーレへ。
3廊式の白い内部、日曜午前でミサの最中なので遠慮してすぐに出てきた。
あとはすぐ近くの3つの教会、フランチェスカ・デッラ・ピエロの家(といわれる建物、よくわからなかった)、古いお城を見に行く。
途中、ピエロ公園という小さな公園があり、真ん中に像が立っている。ウルビーノのラッファエッロ像があった公園(ローマ広場)を思い出す。
◆日曜のランチに大満足
そうこうしているうちに12時をかなりまわってしまい、教会もどこも15時頃までクローズ。ご飯をたべるしかない。日曜の小さな町は人出がほとんどなく、インフォメーションで教えてもらったトラットリアが集まっている通りも閑散としていて空いているテーブルからはまったく判断できず、もう少し範囲を広げて探し回る。
結局、朝入った門のすぐ内側のエノテカ兼リストランテにする。決め手は外のテーブルに一組いたことと10ユーロ、15ユーロ、20ユーロの定食があったからだ。
外は寒いので中の席にしたが例によってあまり入ってすぐの隅っこだ。
3種類のコースは品数が違うだけなので、10ユーロのコース(ブルスケッタとパスタ)にしたが、美味しくてかなり満足したランチとなった。
この店を出たのが13時半、あと1時間半もやることがないとすると退屈だ。ちょっとブラブラしてからCitta di Castelloに行くことにし、駅に向かい、サンセポルクロ観光を終える。
◆食べる
- リストランテ
店の名前 Enoteca Ristorante Berghi, V. XX Settembre 10, Sansepolcro
食べたもの ブルスケッタとパスタのランチ・コース(10ユーロ)
コペルトとしてのパン、ごまにおおわれているグリッシーニ状のものもしっかり出てきた。
パスタは3種類からポモドーロのタリアテッレを選ぶ。
『水もつきますよ』といわれたあと、『ワインを』というと、封を切っていないChantiがグラスに注がれる。
ブルスケッタは大きめで4種類、みな美味しかったがフンギのが特にうまい。
お皿を下げるとき『全部美味しかったですよ』というと『グラッツェ!』と喜んでくれる。
そのあとのフレッシュ・トマトのタリアテッレ、麺もうまいがトマトの味がいい。トマトの大きさは日本のプチトマトよりひとまわり大きい。塩気はソースではなくトマトについている。
マスターが『カフェは?』と訊いてきたので頼む。
カメリエーレ役をしていたスタッフに勘定を頼むと、すぐさま『10ユーロ』とのこと。
水もワインもカフェも入って、しかもコペルト料もなし。美味しかったし、充分満足したランチとなった。