Bevagna(ベヴァーニャ) 2011/12/3
◆行く
Bevagnaという町は何年か前のFIGAROの特集記事《ローマから行く田舎町》で知った。ペルージャからわずか35kmのところらしいが行き方がよくわからなくて昨年のペルージャ滞在中はあきらめたが、今回はウンブリアのバス時刻表をネットでみつけFoligno(フォリーニョ)駅前からバスが出ていることがわかったからだ。
ペルージャ発9時56分の電車に乗り、フォリーニョにて下車、11時発のバスに乗る。簡単そうだが、どこでバスの切符を買うのか、どこから発車するのか知るのは結構大変だ。
駅前のバス乗り場で待っているおば様に『どこでバスの切符を買えますか?』と訊ね、駅の中のバールだと教えてもらい往復切符を買う(3.8ユーロ)。イタリアではバスの切符を売っている場所を知るのも一苦労だ。
北に向かったバスはフォリーニョ市内で同じところを2回ほど通ってから西の郊外の方に出る。意外に早く11時20分すぎに城壁前の大きな広場に着いた。ドライバーに『ここですか?』と確認して降りる。
フォリーニョを出る頃は小雨だったが運のいいことに雨は上がっていた。
◆中世の趣きある小さな町
ガイドブックも地図もないので場所を忘れないように気をつけながら門の中に入ると雨にぬれた石畳の通りだ。すぐに広場に出る。町の中心だろうとは思うが地図がないのでどこなのかわからない。あとでPiazza Silvestri(シルヴェストリ広場)だと知った。
その広場を左右につらぬいているのが、この小さな町のメイン・ストリートだろうと思い、人の多そうな方の右へ曲がる。
狭い通りの両側にはいろいろな店、ワインや食料品店のショウ・ウィンドウには興味惹かれるものがあったがとりあえず後回しにしてインフォメーションを探す。ほどなく右手のちょっと奥まった教会みたいな建物の中にあることがわかり、誰もいなかったので地図を勝手に頂戴して町歩き開始。
ところが、この地図がまったくわかりにくい。名前の入っている建物、まったく入っていない建物、番号をふってあって場所がわかるもののその説明文が理解しにくい。
とはいいながらも、メイン・ストリートのジャコモ・マテオッティ通りを進むと門があり、壁の外に出ると左側にローマ時代の遺跡がわずかに残っている。戻って途中から右に曲がるとサン・フランチェスコ教会の前に出た。
サン・フランチェスコ教会を見たあと、近くにローマ時代のモザイクがあることを案内板で知り行ってみたが、本来は開いている時間帯なのに鍵がかかっていて入れない。残念だ。
◆この町のシンボル
最初に通りすぎたPiazza Silvestri(シルヴェストリ広場)へ戻り、端正な姿の高い鐘楼を持つサン・ミケーレ・アルカンジェロ教会へ入る。
中には数人の観光客。初期教会のような造りだが左右の柱はどっしりとしている3廊式だ。ここが多分この町1番の教会だろう。
広場の反対側にはコンソリ宮とくっついた形でサン・シルヴェストロ教会がある。
内部は簡素な石造りで何年も経ったと思われる聖人のフレスコ画がある。鍵を持っているので多分聖ペテロだろう。
その後、広場から離れて裏通りに行ってみると、10数人の観光客が中にいる誰かの説明を聴いているのが見えたので立ち止まる。どうやら教会で使う3本1組のろうそくを作る工場のよう(?)で、責任者らしき人が熱弁をふるっていた。
あとはメイン・ストリートの反対側の端にあるサンタゴースティーノ教会を見たらもう13時近く、昼食にするがオープンカフェみたいのは見当たらず、普通のリストランテ、トラットリアばかりだ。
サン・フランチェスコ教会近くのガリバルディ広場(幅広い通り)に数軒あったのでそのうちの1軒でランチにする。
このころにはこの町のみどころも見終わっているような気になり早いバスがあったら帰ろうと思い始める。
食後メインの通りを歩くと店はみんな昼休み、日曜みたいな感じになっていたので予定より1時間早いバスで帰る。やや、不完全燃焼のBevagna訪問だった。
◆帰り道で大失敗
バスでフォリーニョ駅まで戻り、ペルージャへ帰るため電車に乗る。
ホームに行先表示板がなかったが時刻(15時03分)も大体あっていたので乗り込んだ電車だったが、走り始めると太陽の差し込む方向が思っていたより逆だ。
ということはペルージャ行きではなくローマ行きか。次の駅Treviで降りる。
誰もいない知らない駅のホームで座る所もなく次の電車を待つ。何せ本数の少ないいわばローカル線なのでなかなか来ず、15時42分Ancora行きでフォリーニョに戻る。
ここでまたペルージャ行きに乗り換えるが、今度は間違えないように発車間際に前にいる人に訊くとペルージャ行きだとのこと、ホッとする。
約1時間遅れで17時頃ペルージャに戻った。結局予定通りの時間になってしまった。
◆食べる
お店の名前 Ristorante delle Mura, Piazza Garibaldi,14a,Bevagna
食べたもの 前菜は典型的なウンブリアの盛合せ(7ユーロ)、Sagrantinoのニョッキ(8ユーロ)、赤ワイン(グラス3.5ユーロ)、水、カフェ、コペルトで計23ユーロ。
◆読む
FIGARO japon 2005 No.305 10/5号《ローマから行く田舎町》