Asolo(アーゾロ)2015/11/17


 

Asolo(アーゾロ)2015/11/17

◆行く
2015年イタリアの旅で初めて訪れた町、Asolo(アーゾロ)
1か所くらいは初訪の地を組み入れなければ旅のワクワク感が薄れてしまう。
そこでヴェネツィアからもそう遠くないアーゾロを選んだ。
かつて見た雑誌の紹介記事には『薔薇色に輝く中世の町、・・・』とあった。

ヴェネツィアからのルートは電車に乗り、
①Castelfranco Veneto(カステルフランコ・ヴェネト)、
②Montebeluna(モンテベルーナ)、
③Bassano del Grappa(バッサーノ・デル・グラッパ)
のいずれかでバスに乗り換える。
バスの時刻、所要時間を考えて②のモンテベルーナから行くことにした。
ヴェネツィアからの電車を7年前に1泊した町、トレヴィーゾで乗り換える。

◆モンテベルーナからのバス
モンテベルーナには15時49分着、ホームに入る前に駅近くにバス乗り場があるのを見つけた。
電車を降り、ますバス乗り場に行くとどうやら16時発(バッサーノ・デル・グラッパ行き)のバスがあるようだ。
バスの切符はどこで買うのだろう?
イタリアの町ではこれが問題だ。
近くにいた若い男性に尋ねるとどうも駅の中らしい。さっそく駅に戻るがそれらしきところはない。
1番線ホームに面したバールに入って訊いてみると、電車の切符売り場の隣の窓口だという。
そこに行くと閉まっていたので隣の窓口で訊くと『バスの切符売り場は隣だけど今日はもう終わった』とのこと。

バス乗り場に戻ると16時のバスが来ている。
乗り込み、運転手に『切符が欲しい』というと、『バスの中では売っていない』。
『売り場は閉まっていて買えない』といってみたが、オレは知らんという態度。
このバスを逃すわけにはいかないので『乗ることはできるか?』というと黙認みたいな感じだったので乗り込む。

『アーゾロに行きたいがどこで降りたらいいか教えて欲しい』と言うと、『2ヵ所あるからどっちかなぁ?』。
ドゥオモの近く、だというと最前列に座っていたおばさまが『それならCa’Vescovo』と教えてくれた。
検札がこないことを願いつつ、運転手に『まだか』確認しつつ、およそ30分後、運転手が『ここだよ』と教えてくれる。
そこは、さっきまで乗っていたバスが走っていた県道みたいなところでクルマはバンバン流れている。
近くにはイタリアには珍しい(?)ショッピングセンター。

◆アーゾロまでのしんどい山登り
チェントロ方面という目玉のような表示板だけが頼りだ。
とりあえず、クルマが途切れたところで県道を渡り、県道から折れる道路(通り、ではない)を進む。
というか登る。
時折クルマがくると道路脇によけ、スーツケースを引っ張りながら登る。
持っている地図はチェントロのものだけ、町は山の上の方ということは知ってはいたが山の上までは遠そうだ。
しばらくすると、アグリツーリズモの建物があり、まだまだ先だと思い知らされる。
そのうち右手にスペースがあり、看板があったので行ってみたものの地図ではない。
その先で道路が狭くなりクルマをとめるための一時停止信号があった。
『チェントロの端っこくらいまでは来たのかもしれない』。
その先は市街地だ。歩道ですれ違ったおばさまにホテルの場所を訊き、道が間違っていなかったことを知る。

ホテルを見つけチェックインするときあまりにも汗をかいていたのでレセプション氏から『外は雨でも降っているのか』とからかわれた。
バスを降りてから山道、地図なし、荷物ありの25分間だった。
下からチェントロまでのバスがあるのをあとで知る。
しかし、こんなに面倒であることをわかっていたら絶対に訪れなかっただろう。

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◆アペリティーヴォへ
チェックインするなり『今日はどこで夕飯をつもりだ?ほとんどの店が休みだよ。すぐ近くのビッレリアにしなさい。ステーキも安くてうまいし』と言われた。
彼は英語でしゃべり、こちらは英語とイタリア語で答える。
面倒なので2度目に会った時は『英語はできない』と言っておいた。

リストランテ探しとアペリティーヴォをかねて町歩きに飛び出したが彼の言う通り休みの店が多い。
人が入っているようなバールも見当たらない。
小さな町だ。
昨年のピエンツァと同じく『わざわざ来たのに・・・』という感じだ。

そんな中、ちょっと奥まったところに《Henry’s Bar》というバール兼リストランテがあったので恐る恐るドアを開ける。
客は誰もいない。入ってすぐのカウンターにいた男性に『いいですか?』と尋ねると『どうぞ』と返事があった。
カウンター席に座る。いわゆるイタリアの町なかにあるバールのカウンターではない。

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プロセッコを飲む。地元のものだというがめっぽう美味い。
つまみはフォカッチャ、どちらかというとパンに近いがこれも美味い。
あまりのおいしさに2杯飲む。
奥には小洒落たリストランテとしてのテーブル席の部屋があり『夕食の候補にもなるなぁ』と思った。

◆夕食
ホテルに戻り、1時間ほどしてから夕食に出かける。
ホテル近くのビッレリアは外から覗いてみたがちょっとイメージ違いだ。
開いている店もそう多くはなく結局ビッレリアのブロックでちょうど対角線上にあるオステリアに入る。
外から店の中が見え、入り口近くのカウンター付近に若い人が数人いたが客ではなさそうに見えた。
『開いていますか?』と訊くと『どうぞ』と招き入れられた。
割と広い店でゆったりした感じだ。奥のテーブルに座る。

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前菜に生ハム・サラミの盛り合わせ、

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プリモはメニューの解読に時間がかかったがポルチーニのリガトーニを注文。

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さらにセコンドを頼もうとしたらカメリエーラから『プリモの量が多いのでとりあえず食べてから』とストップされる。
このカメリエーラ(シェフの奥さん?)は髪の色が赤め、とてもきれいな人だ。
結局、リガトーニの量が多くセコンドは頼まずじまい。

食後にティラミスを食べ満足して店を出るが、ホテルは目と鼻の先なのですぐに帰れる。

◆朝の町歩き前に

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ホテルのスタッフは昨晩の男性からおば様(あとで79歳だと知った)に変わっていた。
朝食後の話題は、どうやってバスの乗車券を手に入れるかだ。
ここからは下まで(昨日降りたCa’Vescovoまで)は黄色いバスがありその切符は車内で買えることはわかった。
問題はその先、バッサーノ・デル・グラッパまでの切符だ。
ちょうどホテル近くに黄色のバスが停まっていて、レセプションにいたおば様に『あのドライバーに尋ねてきな』とけしかけられ行ってみた。
バッサーノ・デル・グラッパまでの乗車券はないのでタバッキで買うように言われ、すぐそばのタバッキに行くと『扱っていない、バスの中で』とのこと。
今日も苦労しそうだ。

◆朝の町歩き
町歩きはまずすぐ近くのカテドラル。

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内陣の《聖母被昇天》がヴェネツイアの《サンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会》のものと全く同じ構図。
ガリバルディ広場の大きな松の木はクリスマスツリーの準備を始めたところだ。

向かったのは、昔の(EX)サン・ピエトロ修道院、その上のRocca(砦)へ。
きつい登りだが途中の見下ろしたような景色はいい。
Roccaに着いたが早すぎて門の鎖がかかっていて入ることができない。
1時間後に開くのはわかったがそんなに待つわけにもいかずあきらめて下山。

チェントロに下りて、あとはホテルでもらった地図を頼りに、カノーヴァ通りを歩く。
この町からどこかにつながるいわば幹線道路のようだ。
カーブしたところにサンタ・カテリーナ教会があり、通りの名前がサンタ・カテリーナ通りに変わる。
その先にヴィラ(Villa de Mattia)があるが通りを挟んだ庭園が素晴らしい。庭園だけでなくそこから見える景色もいい。

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さらに行くと16世紀に建てられたという小さなロンゴバルダの建物があった。

再びチェントロに戻ってガリバルディ広場すぐそばのカフェに入る。
店の中のテーブル席にはご年配の紳士、ご婦人で占められている。
バスの乗車券のことを知りたかったのでカウンターでいい。
 乗車券をどこで買えるか訊いてみたもののやっぱりわからない。

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◆結局はバスをあきらめる
ホテルに戻り、10時10分発の下へ行くバスに乗るつもりでチェックアウト。
おば様が『どうだった?』と訊くので『ダメみたい』。
そのとき外を歩いている男性が英語もしゃべれるし知っているかもしれない、といわれ、無理やり出される。
その男性は『なんのこっちゃ!』と思ったかもしれないが『わからない』と。

ホテルに戻ると彼女は『じゃ、タクシーで。20~30ユーロよ』というのでお願いしたのはいいが、タクシーの電話番号を調べるのに何冊ものメモ帳をひっくり返す。
ついにあきらめ、遅れていた10分発のバスがきたところでおば様は飛び出し、ドライバーと何か話して戻ってきた。
どうやらタクシーの連絡先が載っているパンフレットをもらってきたようだ。

ようやくタクシー会社と連絡がとれ、35ユーロを30ユーロにまけてもらい、タクシーを待つ。
5分といっていたが15分近く待つ。

その間、おば様といろいろ話をする。
『プロフェッソーレ?』(もちろん違うが)
『どこでイタリア語勉強したの?』
『年は?』
『私はいくつに見える?』
おかげでイタリア語のいい勉強になった。

思いがけず山登りをしたり、バス(特に乗車券)にも苦労し、滞在時間も短かったが思い出に残る町となった。

10時40分タクシーがきておば様と別れ、バッサーノ・デル・グラッパに向かう。

◆泊まる
ホテル Hotel Duse (★★★), Via Robert Browning 190, Asolo
Single 60ユーロ、Booking.comで予約
チェントロど真ん中でガリバルディ広場すぐそば、部屋の窓からはカテドラルも見える。

◆食べる
お店の名前 Hosteria Ca’Derton, Piazza d’Annunzio 11, Asolo
食べたもの 前菜は生ハム・サラミなど盛り合わせ、付け合わせにカルチョフィ、ペペローニの酢漬け(8ユーロ)。

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プリモはポルチーニのリガトーニ(8ユーロ)。うまいが食べているうちにリガトーニが少し柔らかくなってくる。これで満腹のためセコンドはパス。
ドルチェはティラミス(4ユーロ)。グラスの中に作っているのでフワッとしている。
ハウスワインは軽めだというのでやめ、地元のマルベックを250ml(5ユーロ)。
水、カフェを含め、計27ユーロとそれまでのヴェネツイアに比べると半額以下。

◆飲む
お店の名前 Henry’s Bar, Valcagnata 200, Asolo
アペリティーヴォで訪れる。なかなか雰囲気のいい店。
飲んだもの 地元のプロセッコ2杯(6ユーロ)
https://www.facebook.com/henrysbarasolo