Pienzaへの旅


 

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イタリアへ行き始めて17年目、17回目の旅だった今回、初めて訪れたのはピエンツァ。

14年前にモンテプルチアーノからシエナに向かう途中に乗っていたバスが停まり、『今度はここに降りてみよう』と、それ以来訪れようとずっと考えていた。

 

ピエンツァはルネッサンス期にこの町出身のピオ2世によって造り変えられた小さな町で世界遺産にも登録されている。このことも行きたかった理由だ。

 

今回の旅では、当初はシエナ→ピエンツァ(泊)→モンテプルチアーノ(乗換え)→キウジィというルートを考えていたがキウジィまでのバスの便が恐ろしく良くないことがわかり全体の日程を変えてシエナから往復することにした。

 

◆シエナからのバス

前泊地はフィレンツェ。シエナからのバスはFS駅から出るのでフィレンツェからあえて電車に乗る。電車を降りてからバスの発車時刻まで30分あるので悠々だと考えていた。

とりあえず駅の外に出て雨の中スーツケースを転がしながらバス停を探すが《モンテプルチアーノ行き、112》の発車場所が全くわからない。何人かに尋ね、このあたりだということ、乗車券は駅の中で売っていることを教えてもらう。

 

バス券を買う時に発車場所を訊くと『駅の左側』としか教えてくれない。再び外へ出て何人かに訊くが『知らない』との返事。意を決してちょうど来たバスの運転手に尋ねると『この場所から。もうすぐ来るよ。』と言われほっとする。

 

バスは定刻に来た。運転手に『ピエンツァまで』と言ってスーツケースを下に入れてもらう。

 

トスカーナ特有のなだらかな丘陵地帯が見えるはずだが、雨のせいで車窓からの景色ははっきりしない。残念だ。

 

1時間以上乗り、定刻より少し遅れて14時半ごろホテル近くのバス停で降ろしてもらう。

 

◆ピエンツァ町歩き

チェックインして目と鼻の先にある町へすぐに出かける。町の入口でちょうど日本人のツアー客と一緒になった。添乗員の声が聞こえたが40分の観光のようだ。

 

一群はまっすぐ行く人が多そうだったのですぐ右にまがりオルチャ渓谷の景色がいいゴッツァーニ通りに出る。確かに景色は良さそうだが何しろ雨で見通しがあまりきかず感動するほどではない。

ドゥオモの横に出たので抜けるとそこが町の中心地。ロッセリーノ通りに出る。細い中世っぽい通りに面した店はほとんど閉まっている。

1軒の食料品店が開いていてパニーノの貼紙があったので遅いランチにする。生ハムとペコリーノのパニーノを作ってもらい赤ワインを1杯頼んだ。店内には、サラミ、チーズやオリーブオイルがあったのでまたあとで来ようと思い何時までやっているか訊く。

 

腹ごしらえもできたので町歩き再開。

といってもすぐ近くのサン・フランチェスコ教会とドゥオモだけだ。そう広くもないピオ2世広場は敷石の工事中で、ピッコローミニ宮は何と前日から月末まで休館だった。

サン・フランチェスコ教会もドゥオモも中に入ると日本人だけだ。

そのあとは町の中央を通るロッセリーノ通りから折れる小路をいろいろ行ってみるが、小さな町なのですぐに終わってしまう。

雨、風がひどいのでいったんホテルに戻ることにした。入口付近ではツアーの人たちがバスに戻るところだった。

 

◆夕方の町もひっそり

1時間ほど休んで買い物やら夕食のリストランテ探しも兼ねて17時半ごろ再び町へ。

相変わらず休んでいる店が多い。さっきが単に昼休みだったのではなく月曜午後のため休みらしい。中にはピッコローミニ宮休館と合わせ2週間も休んでいるリストランテも数軒あった。全体にひっそりしている。

風雨は依然強く、雷も鳴りだす。

 

◆朝は大きな虹

翌朝は晴れ。朝食前に散歩のため町に行く。昨日と同じルートで渓谷を見下ろすところに出ると何と虹の根っこがドーンと立ちあがっているのが目に入ってきた。

『これはすごい!!』

うしろを気にしながらムーラ通りを進み振り返ると虹は大きく成長し、ドゥオモの鐘楼を包むように空に広がっている。

《早起きは三文の徳》というやつか、それとも頑張って来た割には閉まっているところが多かったための《お詫びのしるし》なのだろうか?

チェックアウト時にこの虹の話をしたら『イタリア人は虹を見ると何かいいことがあると信じている。』と言っていた。

 

9時19分のシエナ行きのバスに乗ってピエンツァをあとにした。

途中の天気は相変わらず晴れたり降ったりだったが、この日の午後以降帰国するまでパルマ、モデナ、ローマは良い天気だったのはこの虹のご利益か?