Novara (ノヴァーラ) 2006/9/9
◆行く
今回の7泊ピエモンテの旅はノヴァーラから始めることにした。といっても泊まるだけだ。
普通ならミラノに1泊してピエモンテに向かうのだろうが、この時期のミラノは見本市でホテルがやたらに高い。また、ピエモンテではアスティ、アルバを訪れたかったのでその手前にあるノヴァーラに泊まろうと考えた。
成田からJL417便にてミラノ、マルペンサ空港に到着。パスポート・コントロールを終え到着ロビーに進むと1日早くミラノ入りしていた弟に迎えられる。
ノヴァーラまではバスで行ける(これはあらかじめネットで調べておいた)。20時ちょうど発なので1時間ほど時間があったがロビーの椅子に座り今回メンバー3人で情報交換などしながら時間をつぶす。
乗客はわずか7名。我々が乗らなければたったの4名ということだ。それだけマイナーな行先ということかもしれない。
発車するころには明るかった空もだんだん暗くなり始める。それでもマルペンサを出てしばらくは車窓から夕暮れの景色が見える。ポー川なのかその支流なのか、川の流れを右に見たり左に見たり、自然の中を進む。そうこうしているうちに少し広い道路に出て、そのうち町の中に入った。
本の中の写真で見ていたサン・ガウデンツィオ教会が遠くにライトアップされているのが現れるとほどなくノヴァーラ駅前に着いた。
我々以外は皆降りる。運転手にどうするか聞かれたが、予約していたホテルは終点のバス・ターミナルの方が近いので「次で降ります」といい、発車してもらう。ほんの少し行ったところの交差点でバスの中からホテルのネオンサイン発見。バス・ターミナルというのが恥ずかしいほどの停留所からはすぐだった。(マルペンサ空港からわずか40分、1人6.5ユーロ)
20時50分にはホテルにチェックインできた。
◆食べる
我々成田からの直行組2名は機内食が2回出たこともあってそれほどの空腹感はないけれど、ミラノ合流者1名は昼食から時間が相当経っているというのでホテル近くで軽く飲み、食べることにして、フロントの女性に近くの店を教えてもらう。
ホテル前の通り(カヴァロッティ通り)をまっすぐ行くと右側にピッツエリアがあるという。
土曜の夜だというのに人通りが少ないがそのお店の前には数人が待っているようだ。彼らが店の中に入ったあと続いて入ると席に案内してくれた。店内のテーブルはほとんど埋まっていて、なかなか流行っている店のようだ。
カメリエーラ、というよりは高校生アルバイト?の女の子が注文を取りにくるが、ワインのところでパタッ!と止まってしまう。ワインが何種類かメニューに載っていたので、『この地方のワインはどれ?』と訊くと『ぜーんぶ』と答えてくる。中にはキャンティもある。『一番上のこれは?』と訊くと『分かる人を連れてくるから待って』。それはナポリ近郊のものだった。結局ノヴァーラの地ワインというのはなく、今回の旅の目的地アスティ近くのワインを選ぶ。
前菜3皿、ポルチーニのリゾット、ピッツアを食べ、ワインを2本飲む。前菜もリゾットもピッツアもものすごい量で『ああ、イタリアにまた来たんだ!』と実感した。
「軽く」のつもりが2時間かけて「しっかり」飲んだので腹ごなしも兼ねて夜のノヴァーラを散策することにした。
◆見る
ピッツエリアを出てホテルとは反対側、つまりそのまま進むと比較的にぎやかな通り、カヴール通りにぶつかったので右折して進む。これがノヴァーラのメイン・ストリートのようだ。流石に土曜の夜だけあって小さい町ながらもそぞろ歩きの人たちは多い。途中の路地を左に入ったところサン・ガウデンツィオ教会のクーポラが路地に面した建物の屋根の向こうに顔を出している。
元のカヴール通りに戻りさらに行くと広場の銅像が見えたが、おそらくその先は駅だろうということで引き返してホテルに帰る。空気がひんやりとしていて肌寒い。
◆朝のノヴァーラ
ノヴァーラは旅行スケジュールでは単に泊まるだけ。アスティ経由でアルバまで行く。距離的には近いけど鉄道では本数が少なく、また結構時間がかかる。というわけで9時07分のFSに乗ることにしていた。
朝食後、1時間あまりの時間を利用して朝のノヴァーラを散歩する。晴れてはいるが気温が低く19度しかなく半袖では寒いくらいだ。まずはサン・ガウデンツィオ教会を目指すが(昨晩は裏から見ていた)、ホテルのロビーにあった簡単な地図を頼りに、「正面に行けるのでは?」とあたりをつけた通りはどうも違ったようだ。それならばと、何とかの館(地図を捨てたので名称不明)を経てレップブリカ広場に向かう。この広場の真ん中には銅像(ヴィットリオ・エマヌエーレ2世?)が立っている。その向こう側にはヴィスコンティ・スフォルツァ城と呼ばれるカステッロがあった。
広場の周囲にはどの町にもあるようにリストランテやバールがあり、『夕べここにくればもっと良かったかなぁ』と一瞬思う。広場のすぐ近くにドゥオモがあるのに気づいたが時間が早いため中に入ることはできない。
時間があまりなくなってきたのでサン・ガウデンツィオ教会に急いだが、遠くからはよく見えるものの近くに行くとわからなくなる。背後から回りこむようにしてようやくたどりついた。外壁の赤茶けたレンガの壁が古さを感じさせる。正面から写真を撮ろうとしたがクーポラが高すぎてなかなかうまくファインダーに収まらなかった。
ノヴァーラはピエモンテ州で2番目の都会のようだがこじんまりとして落ち着いた感じを受けた(といっても、日曜の朝だったからかもしれないが)。
◆食べる
お店の名前 Ristorante Pizzeria Albergo Centro, L.go Cavvalli 2 Ang.Corso, Cavalotti 9/D
食べたもの 生ハム(7ユーロ)、ハム・サラミの盛合せ(6.5ユーロ、これは前者とかぶってしまったオーダーミス)、夏の焼き野菜とモッツアレラ(サラダとして注文したもの、5.5ユーロ)、ポルチーニのリゾット(8ユーロ、少し塩気があるが美味い)、Centro風ピッツア(9.5ユーロ、ピッツアだけでメニュー2ページ、そのトップにあった自慢の品か?ムール貝、フンギ、イカなどがそれぞれ分かれてトッピングされていて真ん中に卵)。
ワイン Barbera D’Asti 2002(13ユーロ)
Dolcetto D’Alba, Le Terre 2004 (13ユーロ)
コペルト、水あわせて3人で70.5ユーロ
◆泊まる
ホテル Hotel Europa ★★★ Twin 100ユーロ、Single 80ユーロ
部屋に入ると2部屋ともエアコンが入らない。フロントに言いに行くと、元のスイッチを入れ忘れていたようだ。室内は少し狭い、Twinの方はバスのお湯が出ない。朝食はテーブル・セッテイング、食事の内容もまあまあ。
インターネット(Expedia)で予約。室内に貼ってあった料金とまったく同じ。他のホテル予約サイトでこの町のホテルがみつからなかったのでやむを得ない。
◆読む
本の名前 『麗しの郷ピエモンテ 北イタリア 未知なる王国へ』山岸みすず、井川直子著
昭文社 1890円
2005年7月発刊の数少ないピエモンテ紹介の本、プランニング初期の段階で図書館で発見、2回ほど借りてからAmazonにて購入。ピエモンテの詳しい地図や美味しいリストランテ、心地よいホテルなどが紹介されている。今回の旅では随分お世話になった。
ノヴァーラはこの本でミラノからアスティ、アルバへの途中にあることを知る。サン・ガウデンツィオ教会のクーポラの写真が印象的だ。