Amalfi(アマルフィ) 2011/12/9~10
◆行く
2度目のペルージャ短期留学、1度目は週末といえば旅行していたが2度目のこのときはあまり出かけなかったものの最後の月12月に祝日(聖母無原罪の御宿りの日)もあって連休となったので南へ3泊4日の旅に出かけた。目的地はアマルフィだ。ただ、ちょっと時間がかかるので手前のサレルノで1泊していた。
明日からの天気が悪そうなので早めにアマルフィに行くことにする。ホテルで『アマルフィ行きのバスの発車時刻が9時、次は10時』と教えてもらい、9時のバスに乗ることにしてチェックアウト、しばらくロビーで時間調整。何しろホテルからバス乗り場が見えるくらいの近さだ。それでも15分前にバス停に向かう。
◆ひたすらバスを待つ
そのうち来るだろうと待つがなかなか来ない。市内バス、今回乗るのと同じブルーのバス(SITA)もどんどん来るがアマルフィ行きは来ない。10分経ち、20分経ち、9時半になったころには『もう10時発を待つしかないだろう。』と開き直る。ぱらぱらと小雨が降ってきた。一時屋根のある駅の方に移動、食い入るように入ってくるバスを見る。
ついに10時になるがそれでもこない。いささか不安になった。『道路事情か何かで今日は運休だろうか?それともバス停が臨時的に変わったのだろうか?(ナポリ行きのバス停の変わったことが掲示されていた)』
◆バスの旅
10時08分、ようやく待望のアマルフィ行きのバスが来た。
1時間20分もたちんぼで待ったことになる。ずっと立っていたので何も考えずすぐの席に座る。実は向かって右側、これは山側であることにあとで気づいた。
昨日2回も歩いたローマ通りを進み、10分ちょっとで市内を抜けて山道に入る。
海が左側に見える。
曲がりくねった道、しょっちゅうクラクションを鳴らす。山側を見ていたらローズマリーが岩にへばりつくように自生している。そのうち晴れてきた。
道路の上も下も、すなわち左右にレモンの木の段々畑もある。
よくもこんなところに道路を作ったとものだというくらい切り立った壁の下を行く。
10時50分すぎ、山を下りビーチに出た。Maiori(マイオーリ)というところのようだ。ここでかなり乗客が降りたので海側に移る。
この町を出ると、信号で片側通行になっている海に突き出たような道になる。完全に晴れた。日があたってまぶしい。海が青い。凪いでいていい景色だ。
ここを下りるとまたビーチ、隣にサッカー場にしては小さいが芝生のようなグランドがあった。
そうこうしているうちにまた一度上り右に回りこみながら下りると前方にはバスが何台も停まっているのが見えた。TVでよく見るあのドゥオモも見えてきた。
どこで遅れを取り戻したのか定刻の11時15分に到着、待ち時間よりも短い時間でアマルフィに着く。
予約していたホテルはすぐ近くのはずだったがプリントしていた予約サイトの地図が間違っていて見当たらず、電話して教えてもらいホテル到着。
◆思いがけないアップグレード(?)
チェックインの際、『予約しているシングルは狭くて海も全く見えない、カードではなく現金で払うなら海の見えるダブルの部屋を提供する。』と言われ、予約していた部屋を見せられあまりの狭さに同意する。
実は旅行直前このホテルからメールが入っていたが、てっきり《予約お礼》だと思って良く読まずにいたがあとで見るとこのことだった。
◆町歩き
チェントロのメイン・ストリートを歩く。といってもすぐ終わってしまう。アマルフィは小さな町だ。
その外れにあるピッツエリアでまず腹ごしらえ。
海辺に戻り、岬近くのLunaHotelまで歩く。天気が良く、海岸の景色がきれいだ。さすが、アマルフィ海岸!
帰り道、GranCaffeでカフェ注文(1ユーロ)。お店の人から『折角だから外のテーブルに行ったら』といわれ、カフェを皿ごと持って海岸通りを横切り、海に面したテーブル席に座って楽しむ。いい天気でとても気持ち良い。
チェントロに戻ってこの町のランドマーク、ドゥオモへ行く(3ユーロ)。まず、Chiostro del Paradizo《天国の回廊》を見る。次いで古い聖堂、今は博物館になっている。日本語パンフレットと見くらべながら見学だ。地下のクリプタは前日のサレルノのドゥオモと同様、天井のフレスコ画が素晴らしい。
それにしてもこのドゥオモは階段下から見上げると絵になる。近づいても良し、離れても良しだ。
(このとき撮った写真は今でもスマホの待ち受け画面にしている。)
◆魚介料理を楽しむ
町歩きのあと、いったんホテル(家族経営)に戻ってレセプションにいた奥さんに『地元の人が好きなリストランテを教えて下さい』と頼んだ。まず最初に言われたのは、プリモピアットとしては”Scalatielli”を食べるといいということ。魚介類がたっぷり入っているパスタだという。
店を2軒教えてくれたが意外にもチェントロのど真ん中、メイン・ストリートのリストランテだった。1軒は歩いているうちに気がついていた店、もう1軒はわからないので早めに探しに行ったらそこも何回も通り過ぎていたホテルのすぐ近くの店だった。結局もともと気がついていた方の店に決め、20時すぎ店を訪れる。
2人用の席のどれを選んでもいいと言われ、やや奥めの席にした。メニューはあらかじめ外に出ているのを見ていたので折角海の町に来たからには魚料理にしようと思っていた。
まず、アンティパスト。魚のフリットの盛り合わせにする。大きめなトマトのブルスケッタにエビ、鰯、チーズが中に入ったすり身のボール状のものなど、美味い。
プリモはホテルの奥さんご推奨の”Scalatielli”。パスタそのものは短いが太くて厚めでもちもち感がある。日本でいえばほうとうの少し厚めで短い感じか。ムール貝、あさり、エビなどが入ったソースにだしが出ていて本当に旨い。
セコンドは意外にもムール貝のスープがあったのでそれを注文。イタリアではこれを食べるのも楽しみの一つだ。これは自分にとってはちょっと期待はずれ。白ワインで蒸しているのではなくペペロンチーノで少し辛味を出したトマト・ソース味でやや塩気が多い。
ドルチェはマチェドニア(フルーツ・ポンチ)にしたがこれは普通か。
ワインは珍しくハーフ・サイズのものが何種類かあり、”La crima chiristi”の白を飲む。
今回のイタリア生活の中で初めてアンティパスト、プリモ、セコンド、ドルチェを食べ、アマルフィの魚介料理を堪能した。
◆Ravelloへ
ホテルの奥さんにリストランテを教えてもらったときRavello行きをすすめられた。
行きはバスで20分、帰りは海の景色を眺めながら歩いて下って1時間とのこと。
9時15分のバスがあるらしいので9時前にチェックアウト、海沿いのバス停に行くが結局9時半すぎにバスが来た。
9時55分頃、ドライバーから”Ravello!!”といわれ降りる。
まず、訪れたのはドゥオモ。
そのあとインフォメーションで地図をもらう。ラヴェッロはクラシック音楽祭りの町らしくポスターなどが貼られている。
その音楽祭が開かれるVilla Rufoloを見学(5ユーロ)、20分くらいと言われたがゆっくり見たので30分くらいかかった。
途中10時半すぎ、鐘の音がする。
花壇越しに眼下に見えるMaiori、Minoriのビーチがきれいだ。
山の方は黒いネットで覆われたレモンの木の段々畑。ドゥオモ広場から見る山側の家々、白やクリーム色で点在しているので絵になる。
左下の方には赤茶っぽい紅葉がきれいだ。
Villa Cimbromeに向かうが途中から雨。雨の中、広い庭園を見てもしようがないので戻る。サン・フランチェスコ教会に寄り、出ると雨はあがっていた。
ドゥオモまで戻り近くのバールで一休み。正午ちょっと前、アマルフィまでの階段を下り始める。
Atraniのドゥオモと鐘楼がアマルフィとよく似ていたものだからてっきりアマルフィの西を方を歩いているかと思った。
Atraniの海が見える広場で休んでいる人たちにアマルフィへの道を訊いて左に進む。途中、Luna Hotelのある岬に出ずに駐車場のトンネルでショートカットし、12時45分アマルフィに無事戻る。
◆アマルフィのお土産
チェントロど真ん中のリストランテでスパゲッティ・アッレ・ボンゴレと白ワインでアマルフィ2度目のランチ。このスパゲッティは美味しかった!
アマルフィの名産といえば、レモンチェッロ。開店時間を気にしていた専門店に行ってみる。試飲したうえで買うことにしたが、500mlを買うつもりだったが瓶にデザイン性があり運びにくそうでまた割高なので結局丸い瓶の700mlのものとチョコレートを買う。ほかにもペルージャのクラスメートや友人たちへのお土産としてレモンの石鹸を買った。
◆サレルノ経由カゼルタへ
15時15分のバスでサレルノに向かう。右側に座り、海を見るが天気のせいで昨日ほどの景色の良さはない。
30分くらいでサレルノの海岸が見えてきた。今度はローマ通りではなく海岸通りを走る。てっきり駅で停まると思ったが、左折し、右折してエマヌエル通りを突っ切り、線路の下をくぐって進むので『駅に行くんですか?』と訊くとお客さんの一人が『駅に近いところはさっきすぎたよ』と教えてくれたので降りて歩く。
予定している電車まで1時間近くあるのであわてないですんだ。
サレルノ駅では自販機で乗車券が買えなかったり、ホームが変更になったり小さなトラブルがあったものの17時28分乗車、今回の旅の最終目的地カゼルタへ向かう。
◆泊る
●ホテル Residenza Del Duca, Mastalo II Duca 3,Amalfi(★★★)
家族経営の小さなホテル、Single 50ユーロ、Booking.comでカード払いで予約。同額現金払いでDoubleにアップグレードしたのは本文の通り。ところが領収証をくれないので要求したところ渡されたのはホテル名もない簡単な手書きの紙きれ。そのうちカード請求もあるのではないかとひやひやしていた。
◆食べる
●リストランテ Ristorante il Tari, via Petro Capuano, 9/11, Amlfi
http://www.amalfiristorantetari.it/
(tariとは、その昔アマルフィが海洋国家として活躍していたころのアマルフィの貨幣、だとホテルの奥さんから教えてもらった。)
食べたもの 本文の通り。計44.5ユーロ。
●リストランテ Ristorante Pizzeria La Galea,Via Lorenzo d’Amalfi 30, Amalfi
食べたもの 本文の通り。コペルトなし、計12ユーロ。
◆買う
レモンチェッロ 700ml 13ユーロ
お店Antichi Sapori D’amalfi,Piazza Duomo, 39. Amalfi
レモンの石鹸 数個 14ユーロ
お店Masanello di Anastasio Salvatore Enoteca Prodotti Tipici
13, Via Lorenzo D’ Amalfi