2015年イタリアの旅で初めて訪れた町、Asolo(アーゾロ)。
1か所くらいは初訪の地を組み入れなければ旅のワクワク感が薄れてしまう。
そこでヴェネツィアからもそう遠くないアーゾロを選んだ。
かつて見た雑誌の紹介記事には『薔薇色に輝く中世の町、・・・』とあった。
ヴェネツィアからのルートは電車に乗り、①カステルフランコ・ヴェネト、②モンテベルーナ、③バッサーノ・デル・グラッパのいずれかでバスに乗り換える。
バスの時刻、所要時間を考えて②のモンテベルーナから行くことにした。
ヴェネツィアからの電車を7年前に1泊した町、トレヴィーゾで乗り換える。
モンテベルーナには15時49分着、ホームに入る前に駅近くにバス乗り場があるのを見つけた。
電車を降り、ますバス乗り場に行くとどうやら16時発(バッサーノ・デル・グラッパ行き)のバスがあるようだ。
バスの切符はどこで買うのだろう?
イタリアの町ではこれが問題だ。
近くにいた若い男性に尋ねるとどうも駅の中らしい。さっそく駅に戻るがそれらしきところはない。
1番線ホームに面したバールに入って訊いてみると、電車の切符売り場の隣の窓口だという。
そこに行くと閉まっていたので隣の窓口で訊くと『バスの切符売り場は隣だけど今日はもう終わった』とのこと。
バス乗り場に戻ると16時のバスが来ている。
乗り込み、運転手に『切符が欲しい』というと、『バスの中では売っていない』。
『売り場は閉まっていて買えない』といってみたが、オレは知らんという態度。
このバスを逃すわけにはいかないので『乗ることはできるか?』というと黙認みたいな感じだったので乗り込む。
『アーゾロに行きたいがどこで降りたらいいか教えて欲しい』と言うと、『2ヵ所あるからどっちかなぁ?』。
ドゥオモの近く、だというと最前列に座っていたおばさまが『それならCa’Vescovo』と教えてくれた。
検札がこないことを願いつつ、運転手に『まだか』確認しつつ、およそ30分後、運転手が『ここだよ』と教えてくれる。
そこは、さっきまで乗っていたバスが走っていた県道みたいなところでクルマはバンバン流れている。
近くにはイタリアには珍しい(?)ショッピングセンター。
チェントロ方面という目玉のような表示板だけが頼りだ。
とりあえず、クルマが途切れたところで県道を渡り、県道から折れる道路(通り、ではない)を進む。
というか登る。
時折クルマがくると道路脇によけ、スーツケースを引っ張りながら登る。
持っている地図はチェントロのものだけ、町は山の上の方ということは知ってはいたが山の上までは遠そうだ。
しばらくすると、アグリツーリズモの建物があり、まだまだ先だと思い知らされる。
そのうち右手にスペースがあり、看板があったので行ってみたものの地図ではない。
その先で道路が狭くなりクルマをとめるための一時停止信号があった。
『チェントロの端っこくらいまでは来たのかもしれない』。
その先は市街地だ。歩道ですれ違ったおばさまにホテルの場所を訊き、道が間違っていなかったことを知る。
ホテルを見つけチェックインするときあまりにも汗をかいていたのでレセプション氏から『外は雨でも降っているのか』とからかわれた。
バスを降りてから山道、地図なし、荷物ありの25分間だった。
下からチェントロまでのバスがあるのをあとで知る。
しかし、こんなに面倒であることをわかっていたら絶対に行かなかっただろう。