Barbaresco (バルバレスコ) 2006/9/11~12


Barbaresco (バルバレスコ) 2006/9/11~12

◆いざ、ワインのぶどう畑へ

アルバのホテルでチェックアウトとともにタクシーを頼んだ。アルバにはタクシーが十数台しかないと聞いていたが10分足らずでプジョー607が迎えに来てくれた。

Barbaresco ブルーノさんのプジョー607

ホテル前の道路(トリノ通り)を左に向かう。

そのうち左折してくねくねとぶどう畑を進む。ドライバーのブルーノさんはそう話す方ではないが、ところどころポイントだけは説明してくれる。いわく『あと10日で摘みはじめる。ここはGajaの畑だよ。これはネッビオーロ、あれはマスカットだよ。』などなど。 20分ほどでバルバレスコ村に着き、プジョーはかの有名なGajaの前に止まった。

Barbaresco GAJA

 

道路の両サイドに建物はあるが、その裏側はなだらかな起伏のもうすべてぶどう畑だ。

Barbaresco ぶどう畑①

 

◆エノテカ・レジョナーレ

ここバルバレスコ村では《バローロ》の弟分といわれる《バルバレスコ》が作られている。

我々の目的はエノテカ・レジョナーレ(その土地のワインが展示即売されている州立の施設で当然試飲もできる)で試飲することだった。

エノテカ・レジョナーレはかつて教会だった建物だとガイドブックに書かれていたので上の教会をエノテカ・レジョナーレと思い込んで登る。これが本物の教会(サン・ドナート教会)だったので、右手の試飲をさせる店がそうなのかなぁと入ってみたがどうも違うようだ。お店の人に尋ねたら『下におりたところの教会の建物ですよ』。全くの逆方向だった。

エノテカ・レジョナーレに入って左側の一角が試飲コーナー。一杯1.5ユーロ。

6種類のバルバレスコがカウンターに出ている。そこから選ぶことになるのだが試飲代は同じでももとの値段は当然違うはず、何とか高いのを注文したいものだと思って選ぶ。美味しかったが飲み終えてから陳列棚を見ると大半が17.5~20ユーロ、1種類だけ37.5ユーロの良いバルバレスコ。私と弟はいわば普通レベルだったが、兄は運良くこの高級ワインを飲んだことになる。

Barbaresco エノテカ・レジョナーレ

Barbaresco エノテカ・゙レジョナーレ陳列

 

◆アグリツーリズモ

目的を果たし、ぶどう畑の中を予約しているアグリツーリズモへ向かってもらう。レンタカーを借りないでよかった。こんなところ道がまったくわからないから。

20分足らずでぶどう畑のど真ん中にある本日の宿Casina Barac に到着。ブルーノさんからは40ユーロ(約6,000円)請求された。「まっ、ちょっと高いけどしようがないな」と思い払う。『また、連絡してくれ』ということで名刺を渡される。

そうこうしているうちにホテル・オーナーが出てきて、『明日は?』、『明後日は?』という話になり明日9時半に迎えに来てもらうことになった。

Barbaresco Cascina Barac

 

さて、アグリツーリズモ、日本でいえば農家の民宿みたいなものだろうが建物はそう大きくないもののロッジ風で立派だ。オーナーのアルビーノ氏に案内されロビーの応接ソファーに座らされ、いろいろと英語で質問される。

それが終わったら、『赤がいいか、それとも白がいいか?』と尋ねてきたので『赤がいい』と答えると、我々と自分用に大きなワイングラスを用意し、注いでくれた。こんなチェックインなら大歓迎だ。

飲みながらまた質問、『仕事は何だ?』、『明日以降はどこへ行く?』。『バローロ、そしてブラ、トリノ』というと、『“ブラ”ではない、“ブラァ”』とアクセントを直される。ゲストなんだか生徒なんだか分からない。

そして意表を突かれた極めて重大な質問、『今日の夕飯はどこで食べる?』。『もちろん、ここで(メールで1泊2食と予約していた)』。『今日はうちではないよ。アルバ市内へ行く?』。 「アルバ市内へ食べに行くくらいならわざわざこんなぶどう畑には泊まらないよ」と思いつつ、『この近くには?』と訊くと『2軒あるけど、歩いて行けるところは家庭料理、もう1軒の方がエレガント、車で送り迎えするけど』。後者を頼みさっそく電話してもらったが残念ながら満席とののこと。

次の選択肢はバルバレスコ村のAntineだという。「エッ?さっきまでいたあそこまで戻る?」と一瞬思ったが、実はアルバからでも行きたかったミシュラン1つ星のリストランテ、うなづく。ここは予約できた。

部屋の鍵をもらう前にもう一つ、予期せぬ質問、『ワイナリーをやっている。テイスティングできるがどう?』。これは有難いお言葉、この宿ではほかに夕食までやることもないし渡りに舟とばかりにお願いした。

◆テイスティング

部屋に入り、一休みしてから建物から出てぶどう畑を下りるような形でワインセラーの方へ行く。

向こうからジーンズをはいた実直そうな男性が待っていたかのようにやってきて『フランコです』と手をのばしてくる。こちらも名乗り握手をした。彼がワイナリーの当主だ。

そのまま彼について行き右手の建物に入り、テイスティング開始。 まず、シャルドネ。フランコ本人が注いでくれる。 説明はすべて英語。この地方の人、とりわけワイン・ビジネスに携わる方々は商売上英語を普通に操れることが必須のようだ。

こちらは必死についていく感じだ。 日本でもデパートなどでテイスティングさせることがあるがちいちゃな容器でほんのちょっとだが、ここでは普通のワイングラスにそこそこの量だ。

シャルドネ(Chardonnay)のあとは

Dolcetto D’Alba, SCALETTA

Barbera D’Alba, MUGIOT

Barbaresco, Riserva 2001

Barolo と次々にテイスティングし続ける。

Barbaresco Piazzoのテイスティング・ルーム

Barbaresco Piazzo テイスティング

 

Barbaresco Piazzo シャルドネ

Barbaresco Piazzo バローロ

Barbaresco Piazzo バルバレスコほか

自家製だというサラミまでつまみとして出してくれ、テイスティングなのか飲み会なのか・・・・あっという間に1時間経ってしまう。

世界各国に輸出していて、日本ではかつては成城石井が取り扱っていたそうだ。最初のころはコンテナ1本分、今は年間2000本だという(生産能力は50万本だから日本向けは微々たるもの)。

ここで3人とも1本づつ買ったのだが、兄が帰国してから家族で飲んだ際、姪が『このラベルのものを成城石井で買ったことがある』と言っていたとのことだった。 フランコの話では、Barbarescoの畑の広さはBaroloの1/3 、だから知名度が低い、Barbarescoは自分のところでは7,500本、ラベル枚数で制限されているそうだ。

Barbaresco Piazzoのぶどう畑②

Barbaresco Piazzo ぶどう畑⑤

Barbaresco Piazzoのぶどう畑①

Barbaresco Piazzo ぶどう畑⑦花

 

ビジネスとしてはなかなか楽ではない印象を受けた。

◆ミシュラン1つ星でチェーナ

19時半にアルビーノがバルバレスコ村まで車で送ってくれることになっていたので外の庭の椅子でぶどう畑を眺めながら待つ。少し肌寒くなってきたので重ね着をするために部屋に戻ったりする。そのうち、ようやく夕暮れ。彼がなかなか現われない。20時半ごろ、奥さんと一緒に戻ってきた。『すまない、すまない』と言ってたようだが、そのままバルバレスコ村まで送ってくれた。

もうあたりは暗いがぶどう畑の丘陵地帯を登って行く。道は幾重にもカーブしている。トレイーゾを通り過ぎ昼過ぎにいたバルバレスコ村に着いた。 「帰りはどうするのだろう?迎えに来てくれるのだろうか。」など考えていたがAntineの前で止まったとき、アルビーノから『帰りはタクシーを呼ぶように』と軽く言われる。

我々が着いたことを気づいたのだろう、リストランテの女性が出迎えてくれた、さすが一つ星は違う。ゆったりとした階段を上がり、2階に上がってすぐのテーブルへ案内された。どういう席の配置になっているのかあまり他のテーブルは目に入らない。

メニューを渡され、2種類のコースから選ぶことにしたが昨日ヴォリュームが多かったので4品からなるピッコロ・コースにする(この判断は正解だった)。 食事に入る前に食前酒をすすめられる。ついでアミューズ、これはひよこ豆にトリッパのスープ、オリーブオイルの味がいい。

Barbaresco Antine ひよこ豆のスープ

アンティパストはハムのような肉をミルフィーユのように重ねたものとマッシュポテト。これをバジルのソースにつけて味わう。

Barbaresco Antine 前菜

 

 

プリモはリゾット、真ん中に卵の黄身。米は芯があるというほどではないがほどよい固さでしっかりしている。

Barbaresco Antine リゾット②

セコンドは兎の煮込み(前の晩の馬肉と同じような味)、ローズマリー、月桂樹の葉がポレンタに添えられている。ここでお腹が一杯、しかも時差ぼけで眠く、途中でギブアップ。

Barbaresco Antine 兎の煮込み

しかし、これでは終わらない。口直しのジェラート。アーモンドの実を粉にして固めた台にジェラートだ。ついで本物のドルチェ、いろいろな木いちごに生クリーム、中にまたジェラートだ。

Barbaresco Antine ドルチェ②

ここでタクシーを頼む。最後はエスプレッソで締めるがこの時小さなクッキーとチョコレートの盛合せが出て来た。

ちょうどエスプレッソを飲み終わり、お勘定をすませた時にタクシーが来た。もと来た道を、真っ暗な中をくねくねと走り約15分で帰還。ドライバーは太った恐そうな第一印象だったがCascinaBaracのゲートを開けてあげた際は「ありがとう、おやすみ」と言ってアルバの町へ帰っていった。

 

◆泊まる

ホテル Cascina Brac, Frazione San Rocco Seno d’Elivio, 40

http://www.barac,it

ワイナリー ピアッツォ社のオーナーの娘(多分次女)夫婦が経営、我々を迎えてくれたアルビーノはこのご主人。ワイナリーの方も娘(多分長女)夫婦が経営、社長のフランコ氏はアルビーノの義兄にあたる。 Twin 95ユーロ、Single 75ユーロ、ガイドブック(『麗しの郷ピエモンテ』)に掲載されていたので本文記載の通りインターネットで予約。

Barbaresco Cascina Barac 室内①

Barbaresco Cascina Barac 部屋の名前(扉)

我々が泊まった部屋の名前は“Vigna Giaia”でピアッツォ社のバルバレスコの畑の名前から取っているようだ。 朝食はやや肌寒い外のテーブルでぶどう畑を眺めながら。チーズ、サラミ、生ハムが美味しかった。

◆食べる

●お店の名前 Antine,via Torino 34/a,Barbaresco 食べたもの 本文の通り。ピッコロコースは1人35ユーロ(もう1種類は45ユーロ)。 ワイン   Barbaresco, CARLO GIACOSA, Narin 2003 (28ユーロ)

Barbaresco Antine バルバレスコ②

食前酒(3ユーロ)、水、エスプレッソ、チップ込み3人で161ユーロ。ミシュラン一つ星でも高くない、むしろ安い。 ワイナリーGAJAのすぐ隣だったような気がする。

 

◆買う ワイン Baroro. Piazzo 18.5ユーロ  http://www.piazzo.it