Firenze (フィレンツェ) 2010/7/29~31
◆行く
フィレンツェは1998年から連続3年訪れて以来10年ぶりだ。今回はペルージャ短期留学の前にローマ同様ちょっと観光気分を味わうことにしていた。そしてそのローマから移動する。
午前中のローマは晴天だったが途中から曇ってきて今にも降り出しそうだ。列車がフィレンツェ市内に入ったころ雨がポツリポツリ。
12時40分サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着。このころには本降りだ。
駅で雨宿りをしたが結果的には失敗だ。13時をすぎたころから土砂降りで雷もガンガンごろごろ。 1時間待って青空が出てきたので地下道を使って歩き始める。地上に出てから少しは傘をさしたが、サン・ロレンツォ聖堂のあたりで傘をしまう。
カヴール通りに面しているはずのホテルがわかりにくい。ちょうど建物の工事中で看板がシートで隠れていたためだ。列車を降りてからなんと1時間半もたっていた。
◆またまた雷雨だ
荷物もあけずにカメラのみ持って台風一過のような晴天の下、昼食と散策に出かける。 ドゥオモ(花の大聖母)の前を通るが相変わらず観光客でいっぱいだ。
11年前家族みんなで行ったPizzeriaでランチ、遅い時間なのにかなり混んでいる。
そのあとは以前行ったことのある店やポンテ・ヴェッキオなどに行く。
シニョーリア広場についたころには空が一面雲に代わっていた。16時、それこそ突然降り始める。 カルツァイウォーリ通りの店の軒先を飛び石のように雨宿りして最後はズブぬれでドゥオモの前まで行く。
近くの建物でしばし雨宿り。雷もひどい。1日2回もこんな目に遭うとは・・・。
◆夕食前のリサーチ
ホテルでおすすめのトラットリア数軒を教えてもらい、今度は用心のため傘をショルダーバッグに入れて夕食前の1杯(アペリティーヴォ)とリストランテ探しに出かける。
まず、おひざもとの2軒を確かめてからシニョーリア広場、ウフィツィとヴェッキオ宮殿の小路を行きワインバー1軒見つけたがパス。 ポンテ・ヴェッキオをわたりピッティ宮の方まで行き、戻って橋の近くの気になったワインバーで一休みしようとしたが20時予約のテーブルしかなく残り15分なのであきらめ、夕食に向かう。
結局教えてもらった店の一つに行くことにしたが、フィレンツェのチェントロは小さい町とはいえ、ほぼ反対側なのでそれなりに遠い。
◆ZA-ZAでのチェーナ
結構人気店のようでにぎわっている。外の席はいっぱいで中のテーブルに案内される。下に行く階段を見下ろすこじんまりとした席だ。壁の一部が祠のようになっていてそこに聖母子像が鎮座している面白い雰囲気。
各テーブルにはZA-ZAのラベルの赤ワインが当然のように置かれている。
トスカーナ料理とワインを堪能しお腹いっぱいドルチェもカフェもパスだ。ホテルに戻ってから念のため胃腸薬を飲むほどだ。
◆中日(なかび)は美術鑑賞
10年ぶり、4回目のフィレンツェに来た理由のひとつはドゥオモ付属美術館とウフィッツィ美術館を見ることだ。
ドゥオモ付属美術館は過去には場所がわからなかったり、行ってみたら休みだったりして見ることができなかった。ウフィッツィには3回訪れているが、それでも『また見たいな』ということでホテルを通じて午後の予約を取っていた。
8時半ごろホテルをスタート。風があり7月末だというのに肌寒いくらいだ。 ドゥオモ博物館の場所を確認、9時からなので後回し。
◆ミケランジェロ広場
以前2回泊ったことのあるベルベリーニホテルを左折、サンタ・クローチェ教会前の道からグラツィエ橋を渡り、ミケランジェロ広場へ行く。ホテルから約2kmの道のりだ。 まだ早い時間なので広場は閑散としている。
昨日とは一転、うすい雲がところどころあるが晴天。その下の市内の景色は素晴らしい。何回来てもそう思う。一人占めしている気分だ。
帰りは少し道を間違えたが途中で登ってきた道に合流、そのままドゥオモ付属美術館へ。
◆ドゥオモ付属美術館(Museo dell’Opera del Duomo)
念願の入館、ここは展示作品のみどころが多い。圧巻はミケランジェロの《ピエタ》とドナッテロの《マグダラのマリア》。
特に《マグダラのマリア》がここにあることを知らなかったので『おぉ!ここにあったんだぁ!』と感激した。
◆中央市場
ホテル近くの中央市場を覘く。
ここに入るのは初めてだ。目当てはConti、日本でイタリア食材通販のお店《ベリッシモ》がここの店主と懇意のようで取り扱っている店だ。
日本人の女性スタッフに声をかけられ、そのことを話したり、このあとペルージャに短期留学することなど話しながら、自炊に必要?なドライトマト、乾燥ポルチーニ、赤ワインなどを購入。
いったんホテルに戻りPCでウフィッツィの予約番号を確認、メールをチェックして12時すぎ再度出かける。
ドゥオモの前を通ると時間のせいか並んでいる人が少ないので入ってみた。ここにはフィレンツェに来るたび来ているが覚えているのはクーポラの絵くらいだ。
デジカメを持って入るのは初めてなので身廊手前の壁(ファサードの内側)とクーポラの絵を写す。
◆10年ぶりのトラットリアは期待はずれ
そろそろお腹がすいてきた。バルベリーニ・ホテルの裏側の《I’ che c’e c’e》を10年ぶりに訪問。店の前のメニューを見ると少し高くなっているようだったので13ユーロの定食をとることにして入る。
お客はアジア系夫婦と子供、若い男女3人、それにジモティのおじさんのみ。 昔いた元気で愛相のいいおばちゃんは壁に貼ってある写真では見たがもう店には出ていないみたいだ。
さて、味の方だが期待を込めて行った割には今一つ。残念だった。シェフが代わったのか、やる気がなくなったのか? お客はその後熟年カップル、グループなどで18名まで増えたのでそれなりの支持はあるようだが。
◆ウフィッツィ美術館
15時予約なので一旦戻ったホテルを14時半少し前に出る。14時35分すぎ予約窓口へ。
いとも簡単に入場券を手にし、少しベンチで待つ。 入場すると結構混んでいて、東京の美術展までとはいかないが有名な作品のあたりは人だかりだ。
シモーネ・マルティーニの《受胎告知》、レオナルド・ダ・ヴィンチの《受胎告知》、ボッティチェッリの《春》や《ヴィーナスの誕生》に見入ってしまう。
『歩き方』を参照しながら見どころをおさえる。4回目だけれど何度見てもいい。 折り返しのあたりで疲れが出てくる。前もそうだったがここからは駆け足気味になってしまう。
最後の1階のカラヴァッジョ特別展でどっと疲れる。カラヴァッジョの作品は《メデューサの首》のみであとは弟子というか他の画家の作品だった。 結局2時間費やした。歩き回った身体を休めるためホテルで休養に戻る。
◆アペリティーヴォのあとは食べながら国際交流
19時すぎ食事に出かける。少し早いがその前にどこかバールかエノテカでアペリティーヴォということ。
昨日探し当てたワインバーに寄ってみた。フィレンツェでありながら観光客はほとんどいない小さな店。
食前酒としてはプロセッコかと思い注文。外ではなく中の壁に向かったカウンターのような席で飲む。 その店の前の通り(via Dr’Neri)をそのまま歩くと今朝見つけたカフェ・リストランテの前に出たのでそこで夕食にすることにした。割と大きな感じの店だったが通りに面したカフェっぽい席にしてもらった。
トスカーナの典型的な前菜の盛合わせ、バッカラのトマト・ソース、付け合わせに豆、ドルチェにティラミスを味わう。
前菜を食べているころに隣のテーブルに座ったのが若いアメリカ人女性二人。久しぶりのつたない英語で会話だ。
旅行者同士というのも共通の話題があっていい。
500ml(いわゆるmezzo)のワインを頼んでいたのですすめて1杯づつ飲んでもらう。
一人はワシントン、もう一人はボストンからだという。2週間のクルージングでこの後はヴェネツィア、最後はローマだという。
我々日本人の感覚だと、2週間のクルージングだと豪華だろうし乗るのは裕福な人たちという印象があるが、二人はごく普通のOLのようだった。
◆3日目も晴天
ペルージャに向かうのは14時、それまで半日は観光気分ですごせる。
晴天の下、その名もベルヴェデーレ要塞へ行ってみる。地図を見ながらサン・ジョルジョの坂道を上り、ようやく着いてみると扉が閉まっていて入れない。要塞の前から下を望むということであまり《いい眺め》とはいえない。
あきらめてホテルに戻りチェックアウト、スーツケースを置いて列車の切符を買いがてらサンタ・マリア・ノヴェッラ地区へ。
駅の自動販売機にはいずれも数名並んでいる。スーツケースを持たずに買いに来てよかった。
◆12年ぶりのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会
ここには、初めてのイタリア旅行でピサ日帰りのとき列車に乗り遅れて次までの1時間の待ち時間に訪れたことがある。 今は有料(3.5ユーロ)でしかも敷地内の回廊を一周して横から入るという風に変わっていた。
ファサードのややデザインチックさから想像できない中の簡素さ。ただ、中央の礼拝堂はモザイク画で、それをとりまくフレスコ画がすごい。
左右のフレスコ画《聖ヨハネ伝》《聖マリア伝》(いずれもギルランダイオ作)もすばらしい。 左隣の礼拝堂にはブルネッレスキの木彫の《十字架像》、右隣の礼拝堂にはフィリッポ・リッピのフレスコ画が描かれている。
拝観料をとるだけあってこのほか見るべきものは多い。 サンタ・マリア・ノヴェッラ地区はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会以外初めてなので少し歩いてみる。
ルネッサンスの代表建築といわれるストロッツィ宮を目指すが途中のサン・ガエターノ教会に寄る。入った印象は真っ暗だ。
ストロッツィ宮は力強いどっしりとした印象だ。外見と中の吹き抜けを見る。
◆昼食のあとにまた一杯
サン・ロレンツォ教会の方に戻り、すぐ近くのカフェ・リストランテでランチ。
まだ時間があるので中央市場へシエナ名物のパンナフォルテを買いに行く。昨年秋に知り合ったペルージャでの留学生へのお土産にするためだ。
ここにも日本人スタッフがいて『このあとペルージャで2ヵ月生活する』と言ったら、塩、胡椒、リゾット用米を勧められたので胡椒を買う。 近くにエノテカを見つけ吸い寄せられるように入ってしまった。ランチでワイン1杯飲んでいたが黒板に書かれていたワイン・リストを見て1杯だけ飲む。もっと前にこの店を知っていたらいろいろなワインを飲めたのに!
◆いざペルージャへ
ホテルへ戻り、スーツケースを取って駅へ。エレベーターは前日から壊れていて『まいったなぁ』と思ったが、従業員が下まで持ってくれて助かった。
14時少し前に駅に到着、14時13分発の列車はすでに14番線に入線している。
定刻発車。 途中のひまわり畑が印象的だ。右手に大きな湖(トラズィメーノ湖)が見え、10年前に観光でフィレンツェからペルージャに移動したのを思い出す。
近づくにしたがって『いよいよ遊びではなく2ヵ月も勉強しながら生活するんだ』と思うと、武者震いする感じがする。
◆泊る
- ホテル Hotel Casci(★★), Via Cavour 13, Firenze
http://www.hotelcasci.com/ Trippadovisorの評価を見て立地条件、料金から選びメールで予約、Single 1泊63ユーロ。
ウッフィツィ美術館の予約を無料でしてくれるので事前にメールで依頼した。 Singleの部屋(8号室)は機能的であるがやや狭い。中庭に面したテラスがありフィレンツェのど真ん中とは思えない。
◆食べる
- お店の名前 Yellow Bar, Via Del Proconsolo 39r, Firenze
確か3回目の訪問だと思うが人気があるのかいつも混んでいる。 食べたもの 生ハムとフンギのピッツア(7.5ユーロ)、赤ワイン(3.8ユーロ)、サービス料12%、計12.66ユーロ
- お店の名前 Trattoria Za-Za, Piazza Mercato Centrale 26r, Firenze
食べたもの サラミ・生ハムの盛合せ(8ユーロ)、オリーブやドライ・トマトもあり小さい皿だが量は多い。 プリモはRibollita、トスカーナの郷土料理でパンの煮込みスープ(8ユーロ)、濃いおかゆのようで消化によさそう、ここでお腹いっぱいになる。
セコンドは牛肉のタッリアータ(16ユーロ)、ルッコラとパルミジャーノ添え。食べきれず1/3ほど残す。
飲み物は初めにグラスでプロセッコ(5ユーロ)、キャンティ・クラシコ500ml(14ユーロ)。 ドルチェ、カフェはパス、水、コペルト込みで計55ユーロ。
- お店の名前 Trattoria I’ che c’e c’e, Via Magalotti 11r, Firenze
食べたもの 本日の定食、ペンネ・ポモドーロ、牛肉のステーキ、付け合わせのサラダで13ユーロ、ハウスワイン250ml(4ユーロ)、水、コペルト込みで計21ユーロ。
昔(10年前)の面影なく味はかなり落ちていた。
- お店の名前 Ristorante Le Colonnine, Via de’ Benci 6, Firenze
食べたもの トスカーナの前菜盛合せ(7ユーロ)、サラミ2種類、生ハム、ブルスケッタ、クロスティーノなど。 リヴォルノ風バッカラ(干し鱈)のトマト・ソース(12ユーロ)、初めはサーモンのフライを注文したが『今日はない』と。
付け合わせに豆(4ユーロ)、これは日本的でよい。ハウスワイン500ml(6ユーロ)、意外にうまい。ドルチェはティラミス(5ユーロ)、やや硬い。水、コペルト込みで計37ユーロ。
- お店の名前 Ristorante Canto dei Nelli, Via Canto dei Nelli 22r, Firenze
食べたもの スパゲッティ・ボロネーゼ、グリーンサラダ、赤ワイン1杯つきの9ユーロの軽いランチ、ほかにコペルト1.5ユーロで計10.5ユーロ
- ワインバー All’ Antico Vinaio, Via Dr’Neri 65, Firenze
- エノテカ F.lli Zanobini, Via S.Antnio 47r
中央市場近くの酒屋さん。ワインを買う人、グラスで飲む人が入れ替わり立ち替わりやってくる。