Roma (ローマ) 2010/7/27~29
◆行く
ローマは初めてのイタリア旅行の1998年3月、ヴェローナでの野外オペラの前に寄った2004年8月、レッチェなど南に行った2005年9月に次いで今回は4回目だ。
今回はペルージャでの2ヵ月の語学留学の前にちょっとだけ旅行気分を味わうということで2泊しただけで、2泊といっても夕方着いて翌々日昼にはフィレンツェに移動したので実質1日半の滞在だ。
◆さっそくホテル予約のトラブル
前回バーリからローマに戻った時のホテルが何だかわけのわからない理由で別のホテルにされてしまったがそのホテルが意外に良かったので今回はそこを予約。記憶をたどりテルミニ駅からホテルに行きチェックインしようとしたらレセプションから『予約は1泊しか入っていませんよ。2泊するには部屋がありません。同系列の別のホテルを紹介します。』と早々にトラブルに会う。すでに代金は支払い済だったこともあって押し問答したものの寄り切られる。
2ブロックほど遠いホテルに移動、チェックインして2ヵ月強の長いイタリア滞在がスタートした。
◆オスティア・アンティカの遺跡へ
ローマも4回目ともなると『どうしてもこれを見たい!』というものも思いつかない。そこで前回(2005年9月)最終日に行くつもりでいながら、南イタリアから戻った旅の疲れもあって取りやめたオスティア・アンティカの遺跡を見に行くことにする。
メトロのテルミニ駅で切符自販機へのコインの入れ方がわからずにいると後ろのご婦人が教えてくれた。
9時07分発のメトロに乗り、マリアーナ駅で乗り換えるが通路がそのままホームにつながっている。『どこで切符を買いなおすのだろう?』とちょっと心配したが、駅員数名が検札していたので訊くとメトロの切符でいいらしい。9時40分頃オスティア・アンティカ駅到着。
歩道橋を越え、しばらく歩いてから左折するとすぐ、駅から近い。
ローマ門から入る。ドイツ語のガイドがついている高校生だろうか、若い男女のグループのほかは個人の見学者がほとんどだ。といってもそれほど多くはない。
日本と違って入口でも特に園内地図などはないのでガイドブックの小さな地図を見ながら見どころを思われるところを見学。
◆遺跡はモザイク画のオンパレード
まず、ネプチューンの浴場へ。階段を上がってテラスからあたりを見渡すと広くて大きな建物だ。見下ろすと素晴らしいネプチューンのモザイク画の床。そのためにこの建物がネプチューンの浴場と名付けられたとのことだ。
この建物の横の通りには大きな木がある。それを避けるように建物の土台があるのでひょっとしてあの木は2千年も前のものか?
次いで、消防士宿舎へ。ここの神殿には躍動感あふれるモザイク画がある。4頭立ての馬車、魚、蛇、泳いでいる男たち、牛など、とにかく素晴らしい。
劇場は他の場所にあるローマ遺跡と同じだ。フォロ、元老院などもそうだ。
フォロは広々としてまさに町の中心に位置している。
元老院は壁の上部や屋根こそ失われいるものの入口への階段はしっかり残っていて威厳すら感じさせられる。
いったん大きな通り(デクマーノ・マッシモ)を戻り、途中で南の方へ行ってみた。
五穀豊穣の女神の家のモザイクは人と動物の営みが描かれている。
西の方にはセラーピデの共同住宅、七賢人の浴場があるがほとんど同じ場所だ。
共同住宅の屋上に上がると町並みが整然としているのもわかる。また、通りの向こうにある床だけ残っている計量商の食糧貯蔵庫のモザイク画が良く見えた。
七賢人の浴場にも床に動物や草のモザイク画があるが、壁には2頭立て馬車を操る人の色つきの画もあった。
キューピッドとプシケの家はかなり大きな邸宅だったようだ。入口付近には抱き合うキューピッド像を見ることができるがそれがこの遺跡名の由来のようだ。
4本の柱に支えられた一角もある。床のモザイク画は動物でも神話でもなく、丸い抽象的な柄でしかも、ベージュや赤、緑でカラフルだ。
ときおり、フィミチーノ空港を飛び立った飛行機が見える。空港はすぐ近くなのだ。
空は青く、遺跡はレンガ色、こんもりと茂った木の緑で絵になる。
約1時間歩き回り、休憩所で一休み。
その後博物館で彫刻を見る。紀元1世紀頃のものが多い。また皇帝などの実在した人物も多い。
紀元前4世紀から800年間の遺跡、区画整理がきちっとされている。
ポンペイと同じような遺跡の町だ。何が違うかというとポンペイはヴェスーヴィオ火山の噴火によって一瞬のうちに歴史から消え去ったが、ここオスティア・アンティカはテヴェレ川からの土砂の堆積のために当時住んでいた人が徐々に逃げ出した町のようだ。 でも残されている遺跡はポンペイと同じようなのでローマから40分足らずの近さだし見るべき価値はあると思う。
入った入口とは反対方向にあるマリーナ門を出て、『チェントロに行き、お昼でも』と思ってマリーナ門目指して一瞬歩き始めたが、とても遠そうなのであきらめ、デクマーノ・マッシモ通り(大きな石の舗装で実に歩きにくい)で元の入口に戻って13時頃オスティア・アンティカをあとにする。
◆ローマの名所を歩きまわる
オスティア・アンティカから乗った列車はメトロの途中まで乗り入れていた。
終点で皆と同じように歩いてメトロに乗換えたときそこがピラミデ駅だと思わず(行きの乗換え駅ひとつ手前のマリアーナ駅と思いこみ)チルコ・マッシモ駅で降りるつもりが降りそこね、次のコロッセオで降りる羽目になってしまう。
コロッセオ周辺は観光客であふれている。
チルコ・マッシモまで歩き、さらにカラカラ浴場へ行く。今晩の野外オペラのチケットがあれば買うためだ。ところがそういう売り場がみつからなかったのであきらめ、チェリオの丘をまわってコロッセオへ。
コロッセオからはカヴール通りを目指す。結局カヴール通りを眺めながらテルミニ駅を越えホテルまで歩き通してしまった。
◆衛兵交代式に遭遇
ホテルで一休み、17時半ごろ出かける。
9月20日通りをクイナーレの方へ歩く。
ベルニーニの代表作といわれるサンタンドレア・アル・クイナーレ教会に寄ってみた。
ほかの教会と違って奥行きよりも幅の方が広い。クーポラが異常に高い。ただ高いだけでなく視覚的にも実際以上に高さを感じた。
サンタンドレア・アル・クイナーレ教会を見た後クイナーレ宮に近づくと楽団の音が聞こえ、大勢の人が何かを待っている様子。立ち止ったところどうやら衛兵と警官の交代式(あるいは一日の終了式か?)のようだ。
クイナーレ宮の入口で実にカッコいい将軍というのか偉い人が立って衛兵の一群の敬礼を受ける。
トレヴィの泉の看板があったので何回目かの観光をする。相変わらず美しい泉と大勢の観光客だ。そのあとはパンテオンの前を通ってナヴォーナ広場へ。ここも同様だ。
帰り道、バールの外のテーブルで白ワインを飲み一休み。
このバールが11月4日通りの突きあたりにあるのでバスも車も真正面に向かってくるのが面白い。
◆ローマの夕食は魚料理
ホテルに戻り、シャワーを浴び着替えて近くのリストランテへ。20時半をまわっているのにまだ外は明るい。
ローマで魚料理というのも何だけれど、この先2ヵ月すごすペルージャは山の上なので期待できそうもないので魚料理を注文した。
食後、5年前に行ったことのあるワインバー、《トリマーニ》でグラッパでも飲もうかとも考えたが疲れていたのでホテルに帰る。
この日は何と36,000歩も歩いていた。疲れるはずだ。
◆3日目午前は絵画鑑賞
フィレンツェに移動する前にトリトーネの噴水のある広場、バルベリーニ広場近くの国立古典絵画館(バルベリーニ宮)へ行くことにした。今まで近くを通ったことはあるが入ったことはなかった。
バルベリーニ宮は門から少し奥まったところにあり、ひと目では絵画館に見えずどこが入口なのかわかりにくい。建物は、まさにパラッツオだけあってどっしりとしている。
1室から10室までを鑑賞。
ラファエッロの《フォルナリーナ》、カラヴァッジョの《ホロフェルネスの首を切るユーデット》、ティントレットの作品が2枚、ティツィアーノが1枚、そのほか沢山。
礼拝堂のフレスコ画も良かった。
◆ローマはめんどくさい
ホテルまでの帰り道、教会があったので入ってみた。サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会だ。
入った直後、ジプシーのお婆さんにお金をせびられる。ちょうどサングラスを外してしまおうとしたとき、ズボンの左のポケットに手を入れられそうになったので祭壇まで走って逃げた。気をつけていたつもりだったが教会の中でとられそうになるとは盲点だった。
ホテルに戻りスーツケースを受け取ってテルミニ駅に行く。
自販機で切符を買うときまたしても・・・・・1人目は親切にあいているところを教えてくれ『どこまで?』と日本語で言うので「ヤバい」と感じ別の自販機に移動して操作。
カードを入れようとしてまごついていると列の横から親切に教えてくれた女性は、そのあとで『パニーノを買いたい』と手を出してくる。ほんとにめんどくさい。もちろん無視した。
11時45分発のESでフィレンツェに向かう。
◆泊る
ホテル ARTDECO Hotel, Via Palestro 19, Roma
予約していたのは2005年9月に泊ったHotel Camelia(★★★Single1泊80.3ユーロ)、HotelTravelサイトにて2泊予約していたが1泊しか予約されていない。満室なので2泊は無理とのことで同系列のここにまわされる。Hotel Cameliaよりも2ブロックほどテルミニ駅から遠くなる。
宿泊代(Single 1泊80.3ユーロ)は事前支払い済みだったのでちょっと心配したが問題なかった。
◆食べる
- リストランテ
お店の名前 Trattoria Pizzeria La Famiglia、地元の人に愛されている感じの店。
お店の了解を得て入ってきたラテンのデュオの演奏がちょっとうるさい。
食べたもの 生ハムとメロン(メロンが今一、7ユーロ)、エスカロピーネ(6ユーロ)、薄切り肉でレモンのソースがきいて、量も少なくまぁまぁ。ピッツア・マルゲリータ(5ユーロ)。ハウスワイン、水、パーネ、カフェ、サービス料込で27ユーロ。
お店の名前 Al Grappolo D’oro, Via Palestro 46B, Roma
食べたもの 前菜に海の幸サラダ(イカ、小さな貝柱、人参、セロリ、12ユーロ)。
セコンドはカジキマグロのカルパッチョ、ルッコラ添え(カジキマグロは生ではない、ゆがいている。あとはレモンを自分で絞る。16ユーロ)。
デザートは小さい木イチゴ(7.5ユーロ)、これはちょっと失敗。
ワイン Chardonnay 2009,Collio, Marco Felluga(ハーフ、11ユーロ)
水、サービス料込で55ユーロ、全体に高め。
◆見る
◎オスティア・アンティカ遺跡 入場料6.5ユーロ
◎国立古典絵画館(バルベリーニ宮) 入場料5ユーロ