Asisi(アッシジ) 1998/3/6



◆アメリカ人と再会
 アッシジは聖フランチェスコの生まれた町で聖地だ。数多くの人が巡礼に訪れるという。前年の秋、地震があり被害がひどかったようだ。

 前泊地のシエナからスーツケースを預けてあるフィレンツェのホテル(ブルネレスキ)へ一旦戻りシエナで買ったワイン、パンナフォルテなどパッキングし直してタクシーでサンタ・マリア・ノヴェエラ駅へ。

列車に乗り込み座席に座ると一つ前の座席に3日前フィレンツェのリストランテで見かけた女性がいた(店がすいていたのとスポーツ刈り?だったので覚えていた)ので話しかけ同じ席に移った。彼女もどうやら同じように覚えていたようだった。

 名前はジェーンさん。アメリカ人で年令的にはほぼ同じ。今回は3週間の旅でフィレンツェに10日間滞在し、アッシジには日帰り、フィレンツェにいる間に30歳になる娘さんと合流しそれから一緒に旅行するという。こっちも3週間、前半は24歳の息子と一緒でフィレンツェの前に別れたということで話題も一致した。

アメリカは新しい国なのでイタリアの歴史的建造物、特に教会には興味がひかれるとのこと。いろいろ話し込んでいるうちにアッシジに着いてしまった。

駅からはアッシジの町は山の斜面に見える。こっちは場所もわからぬホテル(ヴェネツィア滞在中ファックスでホテル変更が伝えられたあのホテル。詳しくは「トラブル」にて)へ直行するためタクシーにのることにし、市内バスに乗るジェーンさんと別れた。

 ホテルへチェックイン後、ぶらぶらと歩きコムーネ広場へ出る。ここには見るべきものが沢山あるがまず腹ごしらえ。広場に面したバールで生ハムのパニーノとビールを頼む。立って食べようとしたらテーブルに座るよう勧められ、話すきっかけができたので夕食のリストランテをいくつか教えてもらった。

遅い昼食を終え、コムーネ広場をあとにしてロッカ・マッジョーレ(大城塞)へ向かう。ジェーンさんから景色のいいところだと教えてもらっていたからだ。途中カフェで休んでいたジェーンさんと出会う。とりあえず挨拶だけしてまた別れたが登ったところであとからやって来た彼女とまた出会い、その後夕方まで一緒に行動する。

 この日は快晴でロッカ・マッジョーレからの眺望が素晴らしい。”Wonderful!Beautiful!”の連続。空は青、鳥はさえずり、のどかで良い。聖フランチェスコが小鳥にまで説教した雰囲気を感じる。

 そんな中を彼女と一緒に観光したが、聖フランチェスコの生家へ連れていってくれた。日本のガイドブックと欧米人向けのガイドブックは何か視点が違うみたいだ。生家にしてはまるで教会のよう。暗い部屋があったので持参していたアウトドア用のライトをつけて見る。


◆地震の爪あと
 町の中にはまだ地震の爪あとが残り、ブルーのシートに覆われた建物が多い。テント生活の人もいた。聖フランチェスコゆかりのサンタ・キアーラ教会へ行ってみたが地震修復工事中のため青いシートで覆われ、入ることもできなかった。

再びコムーネ広場へ戻る。さっきのバールの並びにミネルヴァ神殿がある。外からはローマ時代の特徴ある柱が見えるが、中に入ると小さな教会になっている。形は長方形で祭壇にマリア、天井はうすい明るいブルー、真中の絵は金細工の4人の天使に支えられた聖人が描かれている。

サン・フランチェスコ通りを下りいよいよサン・フランチェスコ聖堂へ行く。通りを進んでいくと建物そのものは相当大きいことがわかる。残念なことに地震のため上部教会は修理工事中で入ることはできない。下部教会にしか入れないが聖堂右側から入り地下礼拝堂へ行く。聖フランチェスコの遺骸が安置されている。濃い青の壁が落ち着きと荘厳さを感じさせた。


聖堂を出てホテル近くのバス停でフィレンツェに帰るジェーンさんと別れ、短いアッシジ観光を終えた。

◆アッシジでの夕食
 夕食はバールの女主人を初め、ホテルの支配人、元々泊まる予定だったフォンテベッラ・ホテル(営業していなかったがちょっと覗いてみた)の人、いずれも共通して名前の挙がったブ-カ・ディ・サン・フランチェスコにした。

少し早めに行ってみたが誰も客はいなかったし、その後もすいていた。地震でしかも3月というシーズンオフのためかもしれない。お店とオーナーの自宅が兼用のようで子供の声がする。勘定してもらうと62,000リラだったが、カード払いのためチップとして6,000リラ加えて欲しいと言ったが言葉が通じなかったのか、辞退したのか、チップは現金ということなのか断られてしまった。やむを得ず持っているだけの千リラ札4枚をテーブルに置いて店を出る。

 この日は快晴で夕焼けが物凄くきれいだった。リストランテからの帰り道、冷え込みを感じる。ハーフコートの下に厚手のセーターを着ていたが本当に寒かった。それだけに空気が澄んでいて見上げると満天の星だ。ホテルの部屋から、眼下には町の灯。半弦の月とオリオンを初めとした星が良く見える。西の空が幻想的。本当にドラマチックで絵になる町でこれが聖地というものなのかと思った。

◆食べる 
■Buca di San Francesco(via Brizi 1, 06081 Assisi)
このリストランテも翌々年アレッツォの同名の店でもらった”Unione Ristorante del Buon Ricordo”の加盟店であることがわかった。
 ◎アンティパストは生ハムとメロン 9,500リラ
 ◎プリモはブーカ風スパゲッティ 12,000リラ ※フンギのスパゲッティでわざわざトマト抜きと書かれていた。 
 ◎セコンドはおすすめにしたがった。名前は覚えていない 14,500リラ。薄い牛肉を焼き、フンギのソースをかけたもので美味しかった。
 ◎デザートはドルチェ 5,000リラ、下がスポンジ、上が生クリームのケーキ
 ◎水、エスプレッソ、ワイン(ハーフボトル:SPORTOLETTI rosso di Assisi(7,000リラ))
1人で6.2万リラ(ワイン込み)

◆遊ぶ 
■コムーネ広場
■ロッカ・マジョーレ
■聖フランチェスコの生家
■サンタ・キアーラ教会
■ミネルヴァ神殿

◆泊まる 
■Wiindsor Savoia Hotel ★★★ Single  7,000円
アップルワールドにてFontebella を予約、地震被害のため営業再開間に合わずこのホテルに変更になった。
向かい合う形で玄関からサン・フランチェスコ聖堂がすぐそこに見える。

◆買う 
特になし