Gubbio (グッビオ) 2010/8/27~28
◆行く
今日は金曜なので10時までの授業のあと、例によって小旅行。2週ぶりの1泊旅行だ。
行き先はペルージャから北北東にあるグッビオ、バスで1時間ちょっとだ(往復9.2ユーロ)。
11時05分のバスに乗るつもりでバス・ターミナルで待っていてもう少しという時にパスポートを忘れたことに気づき、取りに戻ったため次の12時30分のSciggia行きのバスになってしまう。ドライバーに尋ねるとグッビオ市内に入って最初に停まるのがチェントロとのこと。
ペルージャ市内を出るまで山道がすごい。行ったことのある友人から『曲がりくねった山道を行くので酔ってしまいますよ』といわれたが酔いはしなかった。
いつものようなことだが、めったにないバスでも乗客は少ない。途中で5、6人降りてグッビオに着くころには2人になってしまう。
バスの中から山の斜面に町が見えた。 道路右手、広々とした芝生の中にテアトロ・ロマーノの遺跡が見える。 これを大きく右にまわって間もなく旧市街に入る。 予定より少し早くグッビオのチェントロ、クワランタ・マルティーリ広場に到着。降りると、外はメチャクチャ暑い。ペルージャも今週は暑かったがそんなものではない。
気温が高い上に陽射しが強くチリチリするほどだ(東京の蒸し暑さとは違う)。
そんな陽射しの中、見上げるとコンソリ宮がはるか上だ。 ホテルはさらにその上にあって、結構登りがきつい。おまけに一本上の通りに行ってしまったみたいで下るような感じで遠回りしたようだ。
◆グランデ広場の素晴らしさ
町歩きに出るときホテルから下の通りに進み、建物のトンネルをくぐって出てみると、アッと驚いた。 そこがグランデ広場だった。 左にプレトリオ宮(市庁舎)、対峙するように広場をはさんでコンソリ宮。この広場、名前のとおりデカい! しかもここから見える南に広がるゆったりとした緑の山並みの美しさ。 素晴らしい構想力に脱帽だ。
◆ランチも暑い
ランチの店探しを兼ね、さっき上がった道を下り、クワランタ・マルティーリ広場へ行ってみたが、結局途中チェントロのど真ん中にいくつもの店があったのでそのうちの1軒に入る。
入口からどんどん中に案内され大きな庭のテーブル席に通された。中に一番近い奥まった日の当たる所だったので空気がよどんで暑いことこの上ない。
◆サン・フランチェスコ教会とテアトロ・ロマーノ
食後クワランタ・マルティーリ広場へ再度行く。広場の南側に堂々とした大きな教会がある。サン・フランチェスコ教会だ。
天井が高く、かなり広々としている。3廊式で側廊の絵にはすべて説明があった。左後陣は一面オッタヴィアーノ・ネッリのフレスコ画《聖母伝》だ。
暑い中、テアトロ・ロマーノへ行く。あまりにも陽射しが強く暑いので帽子をかぶりシャツの襟を立て自衛する。遺跡の周りは児童公園や広い芝生で、夜はライトアップされるようだ。
◆チェントロ町歩き
再びチェントロに戻り狭い路地をそぞろ歩き。シニョーリア広場、橋を渡り、トリュフ屋さんの前を抜けてサン・ジョヴァンニ教会など。
一旦ホテルに戻り一休み後、ホテルより上にあるドゥオモへ行く。ファサードのバラ窓がものすごく大きい。
中はひっそりとしていた。単廊式で天井のアーチが印象的だ。祭壇奥の後陣にはフレスコ画が描かれている。
すぐ向かいのドゥカーレ宮は時間がかかりそうなのでとりあえずパス。
チェントロを東西に伸びる通りのうち一番上の9月20日通りを東に歩く。中心部をすぎると意外に平坦だ。町並みは落ち着いている。いくつかの教会を外から眺めながらサンタ・マリア・ヌオヴァ教会を確認する。ここにはネッリのフレスコ画があるので明日見るつもりだ。
ダンテ通りを下りる途中、外の雰囲気のよさそうなリストランテを発見(結局夕食はここに来た)。サンタゴスティーノ門の外にあるサンタゴスト教会はミサの最中なので入らずガラス越しに覗く。
東西に伸びる下の通りで一番大きなガリバルディ通りを東から西に歩く。この通りには遊んでいるこども達もいたり、かなり人も出ている。
ホテルに戻る前にさっき見つけたトリュフの店に行き、お土産用に白トリュフのオリーブオイルと自分で飲むワインを買う。この店は地元ではかなりの人気の食材店のようで何人ものお客さんの注文が終わるのを待って買った。待っているあいだ地元の人から『ここのものはいいよ!』と声をかけられたほど。
◆大満足のチェーナ
夕食はいくつかの候補の中からさっき見つけたダンテ通りのリストランテに決めた。
20時15分頃行ってみるとすでに雰囲気の良い外の席は埋まっていて中の方に案内される。
イタリアではありがちだが中が結構広い。さらに奥の部屋のテーブルになった。
メニューを見ながらどう組み合わせようか考える。
魚介類のメニューも充実しているようなので、1品は魚介にしようと思っていたのに注文の段になって肉系にしてしまった。
アンティパストに《生ハム・サラミ、Gubbio産チーズの盛り合わせ》、昼が遅くまたちょっと重かったのでプリモを飛ばし、セコンドは《フィレのステーキ、黒トリュフ添え》にした。というのは、ここGubbioはトリュフの産地だからだ。
アンティパストは日本でいうと3人前くらいのボリューム。
一人で食べているのが途中からいやになるくらいだ。生ハムが2種類と太目のサラミ、いずれも5枚ずつ、チーズは2種類で各2切れ。
セコンドは、運ばれてくると黒トリュフのいい香りがぷぅーんと鼻にくる。
フィレ肉の大きさは我が家のハンバーグより一回り小さくてホッとする。
スライスされた黒トリュフが肉の上と回りにたっぷりとかかっていてさすが本場だ。
ただちょっと肉汁のジューシーさに欠けるかもしれない。
プリモを飛ばしたのでドルチェがおなかに入りそう。久しぶりに《ティラミス》にした。
最後にカフェでしめる。
結局おなかいっぱいになってしまった。
飲み物は、最初にプロセッコを1杯、それから赤ワインを1/4リットル、ほかにガス入りの水。あとで勘定したときに知ったがいずれも1.5ユーロとは驚きだ。
◆朝一番もグランデ広場とクワランタ・マルティーリ広場
さて2日目。
朝食後、食堂の奥へ行くとバールが併設されていてそのバールは何とグランデ広場に面していてびっくり。そういえばチェックインのときホテル出入り口は3カ所あるといわれた。その一つだった。
9時45分発のペルージャ行きのバスがあるのを知っていたのでクワランタ・マルトリーリ広場のどこから出るか確かめるために広場まで下りた。
広場のわきには2軒の八百屋と1台のチーズ、サラミなど特産の車が出ている。わりとひっそりしていた。
◆ドゥカーレ宮
バルジェロ宮などいくつかの歴史的建造物を見たあと、昨日とはぜんぜん違う西の方から登り予想通りドゥカーレ宮にたどりついた。向かいのドゥオモでは結婚式だ。
ドゥカーレ宮(入場料7ユーロ)は、まず地下へ。石積みの形が残っている。彫刻とか印刷物もある。
戻って、肖像画ばかりの部屋、それからものすごく大きな部屋だ。暖炉や大きなテーブルがある。前方ステージでは演劇が上演されていた。実際には映像を流しているのだがちょっと遠くからみるとまるでその場で演じているようにみえる。登場人物の一人はここを治めていたフェデリコ公、鼻でわかる。
その次の展示はウンブリアとマルケの陶磁器だ。だいたい16~18世紀のものか。
◆鳥かごのようなリフトでインジーノ山へ
旧市街の東側を出たところにリフトがある。ここではFUNIVIAという。 往復5ユーロでインジーノ山の頂上近くまで行くことができる。 このリフト、立って乗る鳥かごのようなもの。こども連れだと3人まで乗れる。 この鳥かごの中から見た、そして上で見た眼下のグッビオの町、南に広がるなだらかな山々の景色は本当に素晴らしい。
上に着くと眺めのいいところはリストランテが占領している。
さらに上にあるサントゥバルド聖堂に行くとその近くにもリストランテ、日本でも観光地にありがちだ。
サントゥバルド聖堂の回廊の中、2階には博物館がありこの町の伝統的行事《ローソク競争》の映像に見入ってしまう。グランデ広場を出発した3つのチームがこの聖堂一番乗りを競う。映像から見るかぎり岸和田のだんじりみたいな勢いで町を走り、山を登るみたいだ。
◆グッビオで2度目のランチは昨夜の店で
FUNIVIAを降りるとそこが昨夜のリストランテのすぐ近くだったことに気づきランチに行く。カエリエーラが覚えてくれていた。
店内は比較的すいていた。ランチということもあって15ユーロのMenu Turiscoを注文したが夕食同様満足いくものだった。
◆サンタ・マリア・ヌオーヴォ教会の《ベルヴェデーレの聖母》
残り実質1時間半、昨日ミサのため遠慮したサンタゴスト教会拝観のあと、サンタ・マリア・ヌオーヴォ教会に行く。何がヌオーヴォ(新しいという意味)か、13世紀の建物だそうだ。
拝観料(3ユーロ)を払って中に入ると誰もいない。独り占めだ。部屋は意外と小さい。正面祭壇に向かって右にネッリの《ベルヴェデーレの聖母》、とてもきれいだ。こちらを見つめるとてもやさしい表情の聖母。描かれている聖人、天使などの視線が数ヵ所に集まっていて何を物語っているのだろう。
ファサードの裏の壁にも《受胎告知》などのフレスコ画がある。
『ここの入場券でドゥオモの教区博物館を見ることができる』といわれたので時間もあったから行ってみた。
これにて1泊2日のグッビオ観光は終わり。
16時のバスでペルージャへ帰る。
◆グッビオはこんな町
グッビオは面白い町、というかペルージャとはまったく地形的に違っていると思う。 ペルージャは高低差が大きい縦長の町。 グッビオは高低差はもちろんあるが横長の町。 (権力者は上へ、上へと高いところを占めているが。) 東西に長く、東西をつらぬく通りはそれほど高低差はない. むしろ、中央から東へはほぼ平らのようだ。 ところが上下の通りとの高低差は大きく、つなぐ通りはかなりの勾配の階段だ。 いわば山の中腹のゴルフ場のような感じ。
◆泊る
ホテル Relais Ducale Hotel, Via Galeotti,19 –Via,Ducale,2,Gubbio (★★★★)
Single 72ユーロ、Booking.comで予約
◆食べる
お店の名前 Ristorante-Pizzeria Alla Balestra, Via dell Repubblica,41, Gubbio
食べたもの トマトのブルスケッタ(3個)、パンが大きい。
ラグーのタリアテッレ、美味い。
豚ロースのスカロッピーナ、ローズマリーとポテト添え、ソースが何というかクリームぽくてこれも美味しい。ワインはLUNGAROTTIのハーフ。カフェ、水、コペルト込みで20.5ユーロ。
お店の名前 Ristorante Locanda del Cantiniere, Via Dante,30, Gubbio
食べたもの 夕食は本文記載の通り。アンティパスト9ユーロ、セコンド15ユーロ、ドルチェ5ユーロ、飲み物、コペルト込みで37ユーロ。
ランチは以下の通り。
ウンブリアのストランゴッツイ、とろみのあるクリーム・ソースにはポルチーニ、肉も入っていて、モチっとしてボリュームがある。普通ならこれだけでいい。セコンドは肉のグリル・ミックス(豚、牛、牛の内臓、骨付きラム)、付け合わせはほうれん草でこれまかなりの量。食後はカフェに昨夜同様プティフールが2個。これに水1本と500mlのハウス・ワインでしめて18.5ユーロ。
◆買う
お店の名前 Prodotti Tipici e Tartufati Engubini di Diego Biancarelli, Via Picaardi,17,Gubbio
買ったもの 白トリュフのオリーブオイル(100cc)4本、1本7.9ユーロ、ワインと黒トリュフ・ソース瓶詰めセット5.5ユーロ。カード不可で現金のみ。