Spoleto (スポレート) 2010/8/7~8
◆行く
ペルージャ短期留学、滞在2ヵ月の最初の週末にSpoletoへ1泊旅行。前日の金曜は午前中の授業が終わってから日帰りでアッシジに行ったが泊りでショート・トリップするのは初めてだ。
スポレートは列車でペルージャから1時間の距離。11時16分発のローマ行きに乗る。昨日アッシジから帰ってきた線路を行くことになる。滞在中、おそらく何度もこの線を利用することになるだろう。
定刻より少し遅れて到着。
駅から旧市街入り口まで約1.5km、ちょうどバスがきたのでチェントロ行きかたずねたが『ドゥオモ行き』だというのであきらめ荷物も少ないので歩くことにした。ペルージャよりも低いので結構暑い。
旧市街入口まできて、それからは《歩き方》の地図を頼りにリベルタ広場のホテルを目指すが1ヵ所間違えたことに気づき左に曲がり階段を上がったりしているうちに広場へ通じる道に出た。駅から25分でホテル到着、チェックイン。
◆見る
ホテルを出ると広場なのだがカフェやオープンテラスのリストランテにはあまり人がいない。そこでメルカート広場というのがあるのを地図で知り行ってみたがしょぼいカフェ、バール、ピッツェリアがあるものの人であふれているというわけではない。
しようがないので1軒のカフェで生ハムのフォカッチャと白ワインのランチとした。
◆鐘楼修復中のドゥオモ
3時になったのでそこから近いドゥオモに行く。
ゆるやかな階段の下にすばらしいファサードのドゥオモ(Cattedrale di S.Maria Assunta)が見えた。残念なことに左にそびえる鐘楼は修復中で尖塔しか見えない。
階段を下りて行ってみると3時なのにまだ昼休み中で入れないので来た道を戻り、上の要塞に行ってみた。
中をどんどん進むとエレベータがあり一気に要塞の上まで簡単に登ることができた。その高さはドゥオモ鐘楼よりも高い。眼下にスポレートの町が一望できラッキーな時間調整となった。
再びドゥオモに行き、今度は中に入る。3廊式で力強い四角い太い白い柱でわけられている。後陣まではまっ白で装飾がない。
その後陣にはフィリッポ・リッピと弟子によるフレスコ画《聖母マリアの生涯》の4場面が描かれている。
中でも左下の《受胎告知》のマリアの顔、表情は一目みてフィリッポ・リッピの作とわかる。
◆見どころはローマ時代の遺跡
スポレートにはローマ時代の遺跡が残っている。まず、ローマ時代の劇場。ほぼ完全な形で残っている。中に入ることはできなかったが泊まったホテル前の広場から見下ろすことができた。
そして1世紀のローマ時代の家がある。アトリウムを囲むよう7つの部屋があり、床には抽象模様のモザイク装飾もあってかなりの大邸宅だ(入場料2.5ユーロ)。
圧巻は水道橋。フランス、ニーム近くのポン・デュガールに行ったことがあるが規模はあれほどではない(高さ80m、幅230m)ものの同じイメージ。まさか、スポレートでお目にかかるとは思ってもいなかった。
ここには19時すぎに行ったが驚いたのは、橋のちょっと下の部分、いわば歩道部分に渓谷を見下ろすような形でざっと30ほどのテーブルがセッティングされ、夜にはそこでディナーがおこなわれること。スタッフが音響、照明の準備中だった、
◆スポレートはグルメ天国?
歩き回って疲れたのでホテルで一休み、19時ころ出かける時、レセプションでホテル隣接のリストランテを予約してもらう。このリストランテはミシュラン・ガイドに載っている2軒のうちの1軒、3本フォークの店だ。しかも、何年か前の雑誌でも紹介されていた店ということで選んだ。あともう一つ、レセプションの女性からの『ホテル宿泊客は1割引きですよ』が決め手。
選んだメニューは”i classici dell ‘Apollinare”、たぶん《当店おすすめの伝統的料理》というものだろう。
アンティパストは、 地元のチーズをパイ生地でくるんで焼いたものに黒トリュフと別のチーズのソースが添えられたもの、バナナ1本くらいの大きさだ。甘くてデザートっぽくておいしい。
プリモは、この地方のパスタ、ストレンゴッツィのトマト・ソース。断面は四角でそんなに太くないが歯ごたえがあってもちもち感がある。
セコンドは、豚フィレの地元赤ワイン煮の洋梨添え。フィレ肉は何か薄いもので巻かれて輪切りになっている。
半分の洋梨は赤ワインに染まっていてややしょっぱい豚フィレとの相性が抜群。
デザートはこの地方名物のクレッションダ。
チョコレートケーキが地元のお酒アマレティを含みまわりにちりばめられたナッツともマッチし絶妙(ズッパ・イングレーゼのチョコレートケーキ版といったらいいか)。チョコレトケーキ好きでお酒好きの私には最高!!
かなりヴォリュームがあり超満腹状態。
これでお店が選んだワイン、ボトル1本つきでなんと・・・・・40ユーロ、しかも、1割引。
食後に、カメリエーレから『カフェは?』ときかれ”No grazie! E pieno.”と答えたにもかかわらず勘定書きを持ってきた女性オーナーから『食後酒はどうですか?サービスですよ。』といわれアマローネ(まぁ、養命酒みたいなもの)をご馳走になる。
と、まぁ最高の夕食だった(ただ、水は今までで一番高かったかもしれない。3ユーロ)。
実は夕食の30分ほど前、アペリティーヴォと称してドゥオモ近くのエノテカでプロセッコを1杯飲んだ。日本酒1合注ぐときのようにギリギリまで入れてくれて3.5ユーロ、どちらかといえば安い方だ。
でもこの3分後、出てきたつまみが凄い!生ハム、サラミ類が3種、各2枚ずつとかごにもられたパン。さすがに夕食を控えているのでパンはほどほどにしたが生ハム類は全部いただいた。もう1杯欲しかったくらい。
◆ホテル前の広場、通りはメルカート
ホテルで朝食後、ロビーでネット。PCを抱えたままちょっと外に出てみるとリベルタ広場にアンティーク中心の市が立っていた。広場に続くマッツーニ通りをずっーと行くとトリュフの店があり、イタリア生活が始まったばかりだというのに瓶詰めのパスタソースをお土産用に買う。
◆見どころの多い魅力的な町
ドゥオモやローマ時代の遺跡のほか旧市街にはサン・ドメニコ教会、
サンタ・マリア・ミセリコルディア教会などが多数ある。
ちょっと外には、初期キリスト教会の石積みのサン・サルヴァトーレ教会、
ファサードにロマネスク装飾のあるサン・ピエトロ教会がある。
ペルージャは高い位置にありしかもチェントロの高低さもかなりのものだが、ここスポレートはそれほどの高さでもなくあまり高低さもない。といっても、旧市街の道は入れ組んでしかも上ったり下りたり、小さな階段で結ばれたりで複雑怪奇だ。きっと、外敵から守るための都市計画だと思う。
この町を歩き回って、特に夕方以降気づいたのはやたらリストランテ、トラットリア、オステリアの多いこと。きっと競争も厳しいでしょうね。件のリストランテもコペルト、サービス料が価格に含まれていた。
ということは食べる方にとっては魅力的な町なんだろう。滞在中、もう一度食べるためだけに来たい。夕食だと泊まらないわけにいかないので1泊だろうなぁと思う。
(残念ながらペルージャ滞在中もその後の旅行でも再訪できていない。)
15時31分発の列車に乗り、Folignoで乗換えペルージャに戻る。
◆泊る
ホテル Hotel Aurora(★★★),Via Apollinare,3 Spoleto, Single 55ユーロ、ネットで予約
◆食べる
- リストランテ
◎お店の名前 Ristorante Apollinare Via S.Agata, 14, Spoleto
i classici dell’Apollinare(具体的なメニューは下記)
Antipasto : Caramella soffiata alla caciottina locale con fonduta di parmigiano e tartufo
Primo : Strengozzi alla spoletina con salsa di pomodoro,peperoncino e prezzemolo
Second : Lombello di maialino in rete di lardo con salsa delicata al pecorino e pere al Rosso Montefalco
Dessert : Crescionda alla spoletina agli amaretti e cioccolato con crema pasticcera
Vino : BOCALE Montefalco Rosso 2007
具体的な内容は本文の通り。ワイン(フルボトル)込みで36ユーロ。
この店は優雅な室内の席があるが夏とあって外に特設のテラス席が設けられていた。その入り口すぐの席だったが、人が通るたび木造の床がきしむのでちょっと居心地が悪い。たまたま一人だからここに座らされたのか、東洋人だからなのか、席にはやや不満。
◎エノテカの名前 Bar Osteria Al Bacco Felice Via Saffi 24, Spoleto
ドゥオモ近くのエノテカ兼バール、店内の両サイドの壁にはウンブリアを中心にイタリア各地のワインが陳列されている。ほかにはこの地方の特産品が売られている。隣にはオステリアがあり、つまみはそちらで用意されるようだ。
ここには翌日のお昼にランチ代わりにもう一度訪問、つまみは同じように多く2杯飲んでしまう(白3ユーロ、赤4ユーロ)。
◆買う
- 買ったもの 瓶詰めの黒トリュフパスタソース マッツーニ通りのメルカートで。
1個3ユーロだったが『4個買うのでまけて!』とお願いし、10ユーロ
- 買ったもの Antinori TIGNANELLO 2006 Drogheria Petrioli,Piazza Mercato 1, Spoleto
49.9ユーロ。メルカート広場の食料雑貨屋兼酒屋にふらっと入って見つけ上記エノテカより同ヴィンテージで10ユーロ安かったので購入。帰国時我が家への土産とした。