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Verona(ヴェローナ)2004/8/18~20


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ヴェローナは1998年2月にベルガモからヴェネツィアへの途中1泊したことがある。今回は2度目だが夏休みで丁度有名なアレーナ(ローマ時代の円形闘技場)での野外オペラが開かれているため訪れたのだ。

【1日目】
今回の旅はローマからヴェローナということでローマ4泊後、10:05発のESでヴェローナへ向かう。
ES乗車券は2日前テルミニ駅の自動販売機で購入(1人40.08ユーロ)、列車はほぼ満席。約4時間の旅、ただ座っているだけだ。
隣にはイタリア人の30代夫婦、夫婦とも本を読んでいるが、奥さんの貧乏ゆすりがずっーと続く。12時少し前にフィレンツェに停車した。窓越しにドゥオモの大きなクーポラと鐘楼が見えて懐かしかった。

ヴェローナには定刻の14:05より少し早く到着。オペラのせいか降りる人の数が心なしか多い。2年前にマントヴァからヴェネツィアへ行く途中乗換えのため歯の痛みをこらえながら座っていた待合室の前を通り、駅の外へ出てタクシー乗り場へ行く。待たずに乗れた。運転手は女性だった。この日も外は暑かったがタクシーは客待ちの間エンジンを切っていたのだろう、車内は物凄い暑さだった。

ポルタ・ヌオヴァを抜けてアレーナへの通りを行く。『ポルタ・ヴェッキアという門はあるのですか?』と訊ねると『カステル・ヴェッキオの門よ』と教えてくれ『ヴェローナは何度目ですか?』と訊かれたので“セコンダ・ヴォルタ”と答える。予約していたホテルはアレーナより手前にあり14:10にホテル到着。
イタリアにはめずらしく自動ドアのモダンでかつ機能的なホテルだ。フロントもフロントというよりは机をおいた何かの受付といった感じ。

荷物をおいてすぐにオペラのチケット受取りのために出かける。出掛けにフロントの女性にチケット・オフィスと、とあるリストランテの場所を地図上にマークしてもらった。
ホテルを出てすぐに、ブラ広場がありその向こうにアレーナが見える。チケット・オフィスはすぐにはわからなかったが、「チケット・オフィスはアレーナの向こう側、黄色い建物の1階」と掲示されているのを見てそちらに向かう。入場券は3ヵ月ほど前にインターネットで予約し、カードで決済していたので、チケット・オフィスからのメールのプリントアウトを見せ、そこにサインをするだけですぐに受取ることができた。

さて、これから遅い昼食、地図を見ながら《ラ・タヴェルナ・ディ・ヴィア・ステッラ》(ステッラ通りの食堂、という名前)を探す。『おぉ、このあたりだ!』と思って番地をみると通り過ぎていた。戻ってみると、通り過ぎるときに気づいていた店。ドアの前のシャッターが半開きになっていて、ご主人らしき人がいたので、声をかけ『開いていますか?』と訊くと『閉めるところ』とのこと。
時間も3時頃なので、リストランテはあきらめ、アレーナに戻りアレーナの前のカフェで遅い昼食にする。白ワインをデカンタで頼むとつまみとしてグリーンのオリーブが『これは無料です』と出てくる。日本なら黙っていても「お通し」として勘定にもついてくるはずだ。

フンギのピッツア、野菜のラザーニャをそれぞれ注文する。
食べながら前をみると、オペラの大道具がアレーナとブラ広場の間に置かれている。また、ずらっーと並んだカフェにも、ブラ広場にも大勢に人がいる。以前来たときには閑散としていたのに、さすがに夏のイベントシーズンであることを感じた。
カフェは大きなパラソルの下で日蔭にはなっているが暑い空気がこもり物凄く蒸し暑い。まるで東京のようだ。

腹ごしらえもできたので観光スタート。両側がお店のマッツーニ通りを東へ、エルベ広場へ向かう。

Verona‐エルベ広場

 

途中、ホテルで場所を教えてもらったリストランテをチェック、この店にはこの日オペラの前に夕食に行った。通常は午前中で終る広場の屋台の店がさすがにオペラシーズンということでまだ普通に開いていた。6年前に来たときはお店が片付いたあとの広場をみながらランチをとったものだ。
この雰囲気を楽しんだあと、シニョーリ広場に入る。ここにはヴェローナで晩年を過ごしたダンテの像がある。広場には大勢の観光客。ドイツ人が多いようだった。シニョーリ広場を形取っている建物の一つにランベルティの塔がある。

Verona‐シニョーリ広場 ダンテ像

Verona‐ランベルティの塔

早速ヴェローナ・カード(共通入場券、3日券、1人12ユーロ)を買って塔に登る。途中までエレベーターがあり、たまたま関西弁の熟年夫婦と一緒になったので『オペラですか?』と訊くとツアーの短い自由時間での見物とのこと。エレベーターを降りてから階段で上へいくが、アディジェ川を抱くヴェローナの町が、360度素晴らしい景色で一望することができた。

Verona‐ランベルティの塔から アレーナ

 

Verona‐ランベルティの塔から カステル・ヴェッキオ
次にかの有名なジュリエッタの家に行く。ここも凄い混雑。とてもジュリエッタの像まで進むことができないと判断し、ジュリエッタの家の中に入る。ランベルティの塔に登るとき、ヴェローナ・カードを買っていたのでそれを見せてチェックしてもらうだけ。どうやらツアーご一行は入場料無料の庭までらしく、家の中はすいていた。夜のオペラに備えて今日の観光はここまで。

Verona‐ジュリエッタの家 中庭

 

◆アンティカ・ボッテーガ・デル・ヴィーノでの夕食
一旦ホテルに戻りシャワーを浴び、着替えて早い夕食に行く。何しろ遅い昼食から時間が経っていないが、オペラが何時に終るか分らないしまさか野球観戦のように中で弁当を食べるわけにもいかないだとうしし、ということで18時すぎ、ホテルを出て場所をチェックしたばかりの《アンティカ・ボッテーガ・デル・ヴィーノ》へ行く。

ここは前回ヴェローナへ来た時は定休日で入れなかった店でどうしても来たかった。『ボッテーガ』とはお店、商店の意味、直訳すると古いワインの店となる。『ボッテーガ』にはさらにこじんまりした店構えの、主に仕事場を兼ねた「職人の店」を指す(小学館、伊和中辞典)とのこと。

Verona‐ボッテガ・デル・ヴィノ入口
18:15、ドアを開け中に入る。外から見た感じと大違いで中は立派なリストランテだ。右手には前菜を調理するキッチン、その奥にはあとで気づいたが立ち飲みのカウンター。挨拶をして2人と伝えると『予約していますか?』と訊かれる。『いいえ』と答えると、席はその時立っていたところのすぐ左のテーブル。オペラの前に食事をする人の予約しているテーブルが多い。

Verona‐ボッテガ・デル・ヴィーノ 店内

 

席につくとまず、大きなグラスにドボッドボッとスプマンテが注がれる。カメリエーレから英語でウェルカムドリンクと言われた。暑い時の冷えたスプマンテは最高!感激した。
まず、これでこの店の評価がクッと上がる。メニューを渡され、注文したのは前菜として、「サラミの盛合わせ3種」、「ボッテーガ風前菜」をそれぞれ1皿、プリモは「アマローネのリゾット」をシェアすることで2皿に分けてもらう。セコンドは魚料理を2皿頼む。

ワインリストを見せてもらうと、その分厚さに驚く。『さぁ、どうやって選ぼうか?』と頭の中が真っ白になりそうな時、地域別のインデックスに気づき、ご当地ヴェネトを開き、ソアヴェの中から1種類選んで指をさして注文する。

さっそくワインが運ばれボトルの確認後、ソムリエ(正しくはカメリエーレ)が開栓し、一つのグラス(白にしては大きい)に少し注ぎ、グルグルまわしグラス全体を洗う。そしてそのワインをもう一つのグラスに移し、同じように洗った後、別のグラスにいわば捨てる。それからテイスティング。注ぐ量が多いのでテイスティング無しなのかなぁと思うほど。先ほどのグラスに注ぎかなりグルグルまわしてからようやくテイスティングとなる。儀式というよりは美味しく飲んでもらうためのプロセスと感じた。食事中のワイン、水の注ぎ足しにも本当に注意を払っているという印象を受ける。

昼食が遅かったこともあり、また前菜、プリモの量も多くて最後の魚料理はついに二人とも食べきることができず、食後のカフェも飲めなかった。
それにしても満足いくリストランテだ。
店の中は時間がたつにつれ、予約客を中心に満席となる。ほとんどがオペラを見る人たちだろう、服装は多くの人がそのままアレーナに駆けつけるのかきちんとしている。
20時ころ店を出て着替えのため一旦ホテルに戻る。途中アレーナの前を通ったがやはり盛装している人も多い。黒いスーツ姿、女性はイブニングドレスなど。暑いけれど我々も席が階段席ではなくいわば平土間なのできちんとしなければいけないと覚悟する。

◆アレーナで野外オペラ
シャワーを浴び一休みして盛装?(ボタンダウンの半袖白ワイシャツにネクタイ、ジャケット着用)していざアレーナへ。まだまだ外は暑い。20時45分頃、66番の入口から入ると、すぐの席。

雨が降らないだけましだったが(ローマで見たこの日の天気予報は曇りときどき雨だった)蒸し暑くて大変。アレーナの中は観客の熱気もあるのか暑い空気がよどんでいるようだ。

前の方の座席ではないせいか、周りをみるとジャケット着用はそれほどいない。すぐ失礼してジャケットを脱ぎ、ネクタイも外す。
すぐ前のカップルがスプマンテを飲んでいた。冷たくて美味しそうだ。グラスは持ち帰りできるとのことだし、雰囲気的には飲みたかったが、リストランテで二人で1本飲んだばかりなので我慢する。

ステージに長いドレスの女性が銅鑼を持って登場、開演が間もなくであることを伝える。同じ頃階段席の観客にろうそくが渡され、ライトが消えるとアレーナ全体が幻想的な雰囲気につつまれた。

この日の演目はリゴレット。オペラに今まで興味があったわけでもないので、チテット予約後CDを購入して、音楽を何回も聴き、ストーリーを頭に入れて臨んだ。オープニングのコーラスは会場の性質上、CDに比べ弱いなぁと一瞬思ったが、徐々に迫力を感じる。
言葉はよくわからないがストーリー展開を知っていたのと歌も聴きなれていて退屈するということがなかったにもかかわらず暑さと連日の観光疲れのせいか眠気に襲われるが、持参のペットボトルの水を何回も飲んで眠気を何とかこらえる。
第1幕終了後、場内の売店で冷やした水(半分凍っている)を3ユーロで買う。飛び切り冷たくて生き返った感じだ。

Verona‐opera リゴレット2幕
23時、第2幕が終る。直前の主人公リゴレット、その娘ジルダの歌が素晴らしく、観客からの掛け声、拍手がすごかった。2人(リゴレット=レオ・ヌッチ、ジルダ=エレーナ・モスク)は、カーテンコールに応え、ステージ両サイドの石段を両手を掲げ駆け上がる。特に、レオ・ヌッチは何回も上の方まで行く。凄い体力!
あまりにもそれが長いのでもう終わりかなと思ったがどう見てもストーリー的には終っていない。そのうち舞台に次の大道具が運ばれ第3幕の準備が始まる。

23時30分、第3幕開演を伝える銅鑼の女性が現れ、いよいよクライマックスへ。
ジルダが公爵の身代わりに殺される悲しい場面。最後は、ジルダの死を悲しむ父親リゴレットの切ない歌で終る。

ここからのカーテンコール、そして出演者たちの反応が凄い。全員ステージにならび挨拶を正面、右、左と続く。レオ・ヌッチはまた何回も何回も石段を駆け上がる。観客への挨拶もあるだろうが、『今日もうまくいった』、という達成感を表しているようだ。いつまでも続きそうなので24時20分にアレーナの席を立つ。
アレーナを出るとぞろぞろとポルタ・ヌオヴァ方向へ向かう人出で一杯。途中、オペラ・ツアー客を迎える大型バスも随分停まっていた。ホテルが近くて大正解。24時30分にはホテルに戻ることができた。

【2日目】
前日の夜更かしのため珍しく朝ゆっくりと寝ていたので10時少し前に観光を開始する。
出掛けにフロントで食料品とチョコレートの店を訊ねると、1枚の食料品店のパンフレットと、スーパーマーケットの場所を教えてくれた。
この日はまず、カステル・ヴェッキオの市立美術館へ行く。前回はカステル・ヴェッキオに隣接する橋(スカリジェロ橋)は見たが、建物に入るのは初めて。

Verona‐カステル・ヴェッキオとスカリジェッロ橋②

Verona‐カステル・ヴェッキオ中庭

このお城は14世紀に建てられたもので大小2つの跳ね橋があり、そこが入口となっている。跳ね橋は機能していないようだ。
1階から2階へ行く途中のテラスにカングランデ1世騎馬像がある。

Verona‐カステル・ヴェッキオ カングランデ1世騎馬像

 

2階にはマントヴァのマンテニャ、ヴェネツァのティントレットなどの作品を含め多くの絵が展示されている。
ここを出て隣の橋を渡る。橋の上には、ギターを引く青年、南米の笛ケーナでフォルクローレを奏でるカップルがいる。観光客から演奏料をもらうことも期待しているのだろうが楽しんでいるようにも見える。橋の上は絵になるので皆写真を撮りあっている。我々ももちろんそうした。

次にどっちに行くかということになり、ヴェローナ観光スポットのうち1ヵ所だけスポンと離れているサン・ゼノ・マッジョーレ教会へ行くことにした。離れているがゆえに先にすまそうということだ。川沿いに歩き、途中で少し左に入る。

通りがかったバールではまだ昼前だというのに外のテーブルでワインを飲んでいる。サン・ゼノ・マッジョーレ教会の広場に出て堂々とした教会の雄姿を目にし、6年前訪れたことを思い出した。あのときは訪れる人がいなくて左の入口が分らず右往左往したが今回はまぁまぁの人がいて、初めてでも分るだろう。教会は遠くからみると白とピンクに見えるが、白い部分は石、ピンクの部分はレンガを積み上げている。近づいてみるとピンクというよりはレンガ色そのもの。ファサードのバラ窓が大きく印象的だ。

Verona‐サン・ゼノ・マッジョーレ教会
入口でヴェローナカードを提示すると、係りの人に英語で何だか訊かれる。パンフレットはどの言葉にするか、ということだ。日本語はないというので英語版をもらう。
パンフレットを見ながら見学する。本来の入口、正面扉には右が旧約、左が新約聖書からとったレリーフがある。身廊左には大理石の柱に支えられた礼拝堂があり、キリストとマリアのピエタ像。主祭壇の手前には7つのアーチの上にキリストと12使徒の彫像が置かれている。主祭壇の奥にはマンテニャの描いた祭壇画がある。

サン・ゼノ・マッジョーレ教会で出てすぐ前のバールのテーブル席に座り、冷たい白ワインで一息つく。この店は若い女性ばかり3人でやっていた。白ワインを飲みたいというと、幾つかの銘柄を言い出したので、『任せる』と仕草で示したところ“イォ?”というのでうなずく。さて、彼女が選んでくれたのは、クストーザ・ディ・ガルディーニ(と聞こえた)、色は少し濃い目、キーンと冷えていて、あーあ、極楽、で1杯2ユーロ。

このあと、ぶらぶらと歩いて昨日3時ごろ通りがかった時丁度店を閉めるところだった《ラ・タヴェルナ・ディ・ヴィア・ステッラ》へ行く。奥行きのある店で立飲みのカウンターの奥、左側2つ目の席に案内される。席の左奥は、お店の通路、席の奥にはドルチェが置かれたコーナー(ケーキの類を盛付ける作業台)と、あまりいい席ではない。昨晩といい、どうも予約していない場合、日本人だということでこんな席になってしまうことがある。
飲物はまずスプマンテを注文した。辛口ですっきりしていて暑い日には最高だ。

旅行中ずぅっと「生ハムとメロン」を食べ続けていたので、このお昼ではやめるつもりだったが、黒板に「本日のおすすめ」と書かれていたので条件反射のように頼んでしまう。他に前菜として「海の幸サラダ」、プリモは、「トマト、ナス、リコッタチーズのフジッリ」と「馬肉のミートソースのニョッキ」、さらに野菜のグリル(ナス、ペオエロンチーノ、まいたけ、フンギ、ズッキーニ、玉ねぎなど)を注文。ワインは1杯幾ら、というのが黒板に書かれていて方式なので2杯づつ飲む。最後にエスプレッソで締め2人で60.1ユーロ。席はともかく大いに満足。
ご主人から握手を求められ気持ちよく店を出た。

店を出てステッラ通りを右に行き最初の角(ここにも良さそうなカフェがあった)を右折し、左数軒先の《イル・デスコ》に夕食の予約のために入る。20時半ということで簡単に予約できた。ミシュランの星2つの店なので『上着は要りますか?』と訊ねると『要りません。ただ、カミチャ(襟のあるシャツ)は必要です。』とのことだったのでこの暑い日に上着が要らなくてホッとした。

このまま、すぐ近くのスカラ家の廟を見る。ここは2度目で前回も思ったが、とてもお墓とは思えない形だ。狭いところに大勢のドイツ人ツアー客がいてガイドの説明を聞いている。

早々に切り上げ、サンタ・ナスターシア教会へ行く。この教会はヴェローナに沢山ある教会の中で一番大きいらしいが、ファサード前の広場がこじんまりしているためあまり大きさを感じない。とはいえ、ランベルティの塔やアディジェ川対岸のローマ劇場から見ると鐘楼が大きく目立つのは確かだ。

Verona‐サンタナスターシア教会

Verona‐サンタナスターシア教会③

この後はドゥオモ通りを経てドゥオモへ。前回はドゥオモの中にはほとんど人がいなかったが今回はオペラ観光客のせいか少し多かったようだ。ここには、ティツィアーノの《聖母被昇天》があった。ヴェネツィアのフラーリ教会の《聖母被昇天》に比べると小ぶりだ。

Verona‐ドゥオモ

Verona‐ドゥオモ ティツィアーノ聖母被昇天

本日の観光はこれにて終わりにし、一旦ホテルに戻って一休み。
翌日のミラノまでの列車を予約、切符を購入するために歩いて駅へ行く。17時すぎだったが、夏時間のことでもありまだまだ暑い。いつものように自販機で座席指定まで行い、カードで決済、実に簡単だ。
駅を出てから、朝出掛けにフロントの女性に教えてもらった食料品店に行ってみたが、なんと月末まで夏休み中。ヴァルヴェルデ通りをとりあえず東(中心部)の方向へ進んでいるうち気づいたらホテル前の公園に出、そのままポルタ・ヌオヴァ通りを経てサンタ・ナスターシア教会手前の食料品店に行く。ここでは、パルミジャーノ・レジャーノとバルサミコを買った。一緒に行った兄が、グレープ・シード・オイルを買いたいと突然言い出し、年老いたご主人といろいろやりとりするが、結局は「ない」らしいということであきらめた。(英語の辞書まで引っ張り出してくれたが、載っていなかった)

◆エノテカで交流

ブラ広場の裏道にエノテカがあるのを昨日チェック済みだったのでワイン探しに行ってみたところ、店の前には若いあんちゃんが2人いる。そのわきを抜け店に入ってみると奥の方にワインがあるがイメージしていた店ではなく、どちらかというと立飲みの店と感じて買うことをあきらめ1杯飲むことに頭をすぐ切り換えた。

カウンターの中には若い女の子。外にいたのは友達らしい。黒板を見て、“Lugana Santa Chiristo 2003”を飲む。フルーティだが色は濃く、香りもあってしっかりしている(1杯2ユーロ)。
飲みながら“コメ ティ キャーミ?”と訊くと『ロミナ』だという。ロミオとジュリエットの町で、『ロミナ』とからかわれているのか、と思ったが、彼女によれば20年前にかなり売れた歌手の名前だという。こちらが日本人で名前を告げると、ちょっと見てくれと後ろを向きTシャツを少し上げ、背中の漢字のタトゥを見せる。そこへ、外にいた男の子が2人入ってきてそれぞれのタトゥを見せ、意味を教えてくれという。
ロミナ 『君を永遠に愛す』
男1 『賢者の世』
男2  『夫流利子く』
突然のことで、かなり適当に説明したが、男2は自分の名前(フェデリコ)の当て字らしい。最後の「く」はどうも「へ」らしいので、90度右回転するのが正しいと言っておいたが通じたかどうか。
イタリアでは今、漢字が流行っているようで、意味のない漢字が羅列したTシャツを着ている人をローマでも目にしたが、日本人がイタリアを好きなように、彼らの説明によれば『うまく説明できないけど、日本が好きだから』みたいなことを言っていた。

◆ミシュラン2つ星イル・デスコでの夕食
20時30分に予約していたので着替えて20時15分にホテルを出、丁度いい時間に《イル・デスコ》に着く。途中ブラ広場には昨日と同じく、オペラ観客が大勢いた。『イル・デスコ》のドアを開け、名前と予約していることを伝えると、左の部屋に案内される。予約していただけあって席には何の問題もない。隣には女性客2人。ダイニングルームは窓のないこの部屋だけのようだ。

メニューを見ている間に、昨晩同様スプマンテが注がれる。まず、いつものようにガス入りの水を頼む。
あるサイトを見ておおよそのメニューを知り、その中で紹介されていたものを頼むつもりだったが、それがメニューに載っていない。セコンドの中で魚料理はどれか訊ねるとメニューの右上がそうだった。てっきりそこは左下のプリモの続きかと思って気がつかなかったのだ。
初めにアミューズとして甘くないジェラートが出てくる。トマトソースとオリーブオイルで味付けされている。プリモは、相棒は「スカンピ(手長海老)のなんとか」、自分は「生のまぐろを炙ったものに豆とポテトサラダの一種」、注文するときにシェアするよう伝え、うなづいてくれたのだが、料理が出たときに再度頼むとだめだとのこと(注文をとったカメリエーレと違った)。まぁ、高級店だからと思いあきらめ、お互いに少し手を伸ばして味見をする。まぐろは赤いというよりややピンクに近い。寿司屋にも「炙り」はあるが全然違う。まぐろの炙りは想像を超える美味しさ。
小さなパンがディップクリームとともに出される。美味しくて4つも食べる、それほど小さいのだが。
セコンドは相棒が「スィーバース、かきの黒トリュフ添え」、こっちは、「フォアグラの上に海老、甘いソース、玉ねぎ添え」。これは世界の三大珍味、フォアグラが惜しげもなく台になっており、甘いソースと絶妙なハーモニー、くどさをやわらげるように海老が引き立つ。
デザートの前にプチフールが6種類2個づつ出た。マコロン、ホオズキ、チョコレート、パンナコッタ、ミントがのっている小さなケーキ、シュークリーム、すべて美味しくいただきました。
チーズも食べたかったがお腹もいっぱいだし、カメリエーレがデザートのメニューを持ってきたので素直に従うことにし、ティラミス、メロン味のプリン・メロン添えを頼んだ。これもボリュームが多い。ただ、デザート一皿が18ユーロというのも凄いといえば凄い。
まぁ、なかなかの店であるのは確かだ。今回の6泊8日の最後の夜を飾るのにはふさわしかった。
2時間で夕食を終え、ぶらぶらと歩いているうちに今回の旅では食後酒のグラッパを飲んでいないなぁということになり、カステル・ヴェッキオ前のバールのテラス席で夜空に浮かぶカステル・ヴェッキオを楽しみながら一杯やって最後の夜をすごす。

Verona‐カステル・ヴェッキオ 夜

 

【3日目】
今回の旅行の最終日が早くもやってきた。予定としては、見残した観光スポットを見る、ワインを買う、そして16時前にはホテルを出て駅に向かう、というもの。

8時半からオープンしているスポットのうち一番遠いローマ劇場(考古学博物館)に行く。考古学博物館は元々は修道院だったということだ。エレベーターで何階かに上がると、小さな展示室が回廊のようにある。前回訪れたときはもっと広くてまた階段を随分登って足が疲れたような記憶があったが、心なしか少し展示スペースが少なくなったような気がする。隣接するローマ劇場そのものはそれほど大きなものではない。アレーナ同様夏の野外イベントが開かれているようでステージ、客席が準備されていた。

Verona‐ローマ劇場

Verona‐考古学博物館中庭
ローマ劇場の良い点は、アディジェ川をはさんでヴェローナの市街が一望できることだ。蛇行しているアディジェ川を抱くように市街地がある。アレーナもランベルディの塔もいくつかの教会の鐘楼も良く見渡すことができる。

ローマ劇場をあとにし、もと来た橋(ピエトラ橋)を渡り、ドゥオモの近くを通って今度はガルバリディ橋を渡ってサン・ジョルジョ・イン・ブライダ教会へ行く。

Verona‐サン・ジョルジョ・イン・ブライダ教会あとで地図を良く見ると橋を2回も渡る必要がなくローマ劇場からそのまま川沿いに行けたようだった。橋を渡って向こう側に行ったものの公園の中を歩かされ、しかも教会の裏側に出てしまい、随分遠回りをしてしまった。まぁ、こういうことも足で歩く個人旅行の思い出になる。この教会はヴェローナには珍しく大きなクーポラのある建物だ。身廊正面扉の上にはティントレットの《幼子イエスの洗礼》のフレスコ画がある。教会の前には、クーポラと同じ作者によるサン・ジョルジョ門があるが残念なことに修復中だった。

 

 

また橋を渡り、アレーナに観光客として入る。6年前の時は2月の終わりごろで石でできたアレーナの内部は物凄く冷え込んでいたが、それとは対照的な感じで、特に外の階段席の方は陽射しが強くてたまらない。舞台では当日夜のオペラ公演に備えてステージが作られはじめていた。2日前にオペラをみたときは指定されたゲートから入ってすぐのところだったので、自分たちの席が全体の中でどのあたりだったかわからなかったが、アレーナの階段席の上の方から俯瞰するとまぁまぁいい場所だったようだ。わざわざ降りておとといの席に座って記念写真をとる。

Verona‐アレーナ①

Verona‐アレーナ④

そろそろ荷物になるワインを今回の旅の締めくくりとして買わなければならない。前の日に目をつけていたエノテカに行くと、店の前に座っていたお爺さんがご主人のようだ。挨拶をして、いろいろ勧められだいたい決めたところでいつものように『クレジット・カードは使えますか?』と訊くとおもむろにレジを開け『現金のみ。近くに銀行があるのでそこで引き出してきて』と返される。

ということで、この店で買うのはやめ、昨日チーズを買った食料品店に行く。実は、直前に買物をしていたのでまた顔を出すと喜んでくれた。1人3本づつ買ったが、最後にご主人が店の奥から「ソムリエ・ナイフ」を持ってきてくれ、プレゼントしてくれた。“グラッツェ!アリヴェデルチ!”といい握手をして店を出た。12時チェックアウトなのでワイン3本入った手提げ箱を持ちホテルへ戻る。

汗をかいたのでシャワーを浴び着替えて、帰国するためのパッキングを大急ぎでやって12時ギリギリにチェックアウト。昼食と最後の町歩きがあるので、フロントのすぐ近くに荷物を預けて再び出かける。

昼食は初日夕食の《アンティカ・ボッテーガ・デル・ヴィーノ》にするか昨日の昼食の《ラ・タヴェルナ・ディ・ヴィア・ステッラ》にするか迷ったが、座ったままグラスで頼めるワインの魅力で2日続けての《ステッラ》になった(旅先で数日滞在した場合のリストランテは自分が良いと思ったら再度行くのがポイント。なぜなら知らない店ではなく、リスクがない、新しい店を探す時間を省ける)。

Verona‐ステッラのワインリスト
《ステッラ》に行くとあのオヤジさんが喜んで迎えてくれた。昨日のお兄ちゃんはいなかったが、奥さん(多分)がサービスをしてくれた。『今日も暑いですね』というと『湿度が高いわ』みたいなことを言っていた。食事は昨日と同じように冷えた辛口のスプマンテから始めた。

食事を終え、サン・フェルモ・マッジョーレ教会へ向かったが、途中で観光パスのヴェローナ・カードを胸ポケットに入れたまま着替え、そのままパッキングしてしまったことに気づく。まさかそのためにホテルに戻りスーツケースを広げるわけにもいかないので結局2ユーロ払って教会の中に入る。

Verona‐サン・フェルモ・マッジョーレ教会ファサード

 

この教会の天井にはびっくりした。普通はカラフルでいろいろな装飾をしているが、ここは何の装飾もなく真っ黒だ。この教会は2つの建物からなっているらしく、右側廊から階段を下りるとローマ時代の教会に入ることができる。素朴な感じだ。

この教会は位置的にはアレーナの真東にあたり、今まで歩いていた市街地と少し町の雰囲気が違うような気がした。そこから、ジュリエッタの墓へ行こうとしてズンズン進んで地図を見誤ったのか場所がわからず城壁の門を出てみるが結局分らずじまい。

そうこうしているうちに、着ていたはずのベストがないことに気づき、多分《ステッラ》に置き忘れたのだろうと大急ぎで元来た道を引き返す。《ステッラ》に入るとこちらが何もいわないうちにカウンターの中にいた若い女の子がにっこり笑って奥からもってきてくれた。お礼を言って4度目の《ステッラ》をあとにする。

気がつくともう14時20分、観光はやめることにしブラ広場のカフェにて休むことにした。外のテーブルだが、もちろん日よけの大きなパラソルがあり、そのために暑い空気がこもっていて本当に蒸し暑い。冷たい飲物を、と思ったが結局キリリと冷えた白ワインにして、CUSTOZAのメッゾ(500ml)を頼む。昼にグラス4杯飲んだのでやや飲みすぎの感があるが旅の最後の締めくくりとした(本当の締めくくりはミラノ・マルペンサ空港で飲んだのだが)。

15時30分すぎ、カフェを出てホテルへ。荷物を取って15時47分ホテルを出てスーツ・ケースを引っ張り歩いて駅へ向かい10分足らずで駅に着く。16時21分のICは約10分遅れだったがミラノには定刻に到着。中央駅ホームを抜け、すぐ左のエスカレーターで降りて駅を出て左がマルペンサ行きのバス乗り場。18時20分のバスにゆうゆう乗り込むことができ今回のローマ&ヴェローナ7日間の旅を終えた。

◆食べる
■Antica Bottega del Vino(Via Scudo di Francia, 3 Verona)
◎サラミの盛合わせ3種(6ユーロ)、ボッテーガ風前菜(6ユーロ)

Verona‐ボッテガ・デル・ヴィーノ 前菜
◎アマローネのリゾット(10ユーロ)をシェアする。
◎魚料理(素揚げした鱈にミニトマトやら何やらのソース)を2人とも。
◎ワイン Soave Classico Superior Ca’Rugate 2003  (26ユーロ)
2人で96.5ユーロ(ワイン込み)

■La Taverna di via Stella(Via Stella, 5/C Verona)

Verona‐ラ・タヴェルナ・デ・ヴィア・ステッラ
1食目
◎生ハムとメロン(6.8ユーロ)、海の幸サラダ(7.8ユーロ)
◎トマト、ナス、リコッタチーズのフジッリ(7.2ユーロ)、
◎馬肉のミートソースのニョッキ(7.2ユーロ)
◎野菜のグリル (4.4ユーロ)
◎ワイン Spumante(1杯 2.5ユーロ)
◎Capitel Foscano Anselmi(白、1杯 3.1ユーロ)
◎Ripasso’La Oaseita(赤、香りが強く重い。1杯 3.5ユーロ) 1人各1杯
2人で60.1ユーロ(ワイン込み)

2食目
◎カプレーゼ(5.2ユーロ)、
◎タベルナ・ステッラ風前菜(ポレンタに生ハム、馬のハムなど4種類、5.8ユーロ)
◎スパゲッティ・ボンゴレ(7.4ユーロ)、
◎いわしのビーゴリ(少し太めのパスタ、7.4ユーロ)
◎ポレンタ料理 チーズと馬肉の生ハム(前菜とよく似ていた)
◎ワイン Spumante(1杯 2.5ユーロ)
◎Capitel Foscano Anselmi(白、1杯 1.8ユーロ)
◎Valpolicella “Canestrain”(赤、1杯 1.2ユーロ)
◎Rosso di Montalcino(赤、1杯 2.2ユーロ)1人各1杯
2人で54.9ユーロ(ワイン込み)

■Il Desco(Via Dietro S.Sebastiano 7, Verona)
ヴェローナの最高級リストランテ ミシュランの2つ星

Verona-イル・デスコ入口
◎甘くないジェラート
◎スカンピ(海老)のなんとか、生のまぐろを炙ったものに豆とポテトサラダの一種
◎スィーバース、かきの黒トリュフ添え、フォアグラの上に海老、甘いソース、玉ねぎ添え
◎プチフールが6種類2個づつ
◎ティラミス、メロン味のプリン・メロン添え
◎ワイン Soave Classico Superior Inama 2003  (35ユーロ)
2人で216ユーロ(ワイン込み)
このワインは小売店では18ユーロ、イタリアのリストランテで売値の倍とるところは珍しい?(普通は2割〜5割増程度ではないか) さすが高級店!
お土産用に買ったのは同じ醸造元でこれよりも1ランク上のもの。

◆泊まる
■Hotel Verona ★★★ Twin 170ユーロ (1泊)
アレーナから歩いて5分、209号室はポルタ・ヌオーヴァ大通りに面していたが窓を閉めると静か。ロケーションはオペラ、観光ともに抜群。
インターネット(VENERE.COM)で予約。オペラ・シーズンは通常料金のほぼ倍で上記料金。しかしそれだけの価値がある。

 

Pompei(ポンペイ)2004/8/16

 

  ◆行く

ポンペイへの行き方には大きく分けて次の3種類がある。

1.ローマから日帰り観光のバスに乗る。

2.ナポリに泊まり、ナポリ中央駅から私鉄(チルクム・ヴェスヴィアーナ線)でヴィッラ・ディ・ミステリ駅で降り、すぐ前の入口から遺跡に入る。

3.ローマから国鉄の列車で日帰りする。ナポリ中央駅で乗換えポンペイ駅で降りる。

今回は同行者たっての願いで2度目のポンペイ遺跡探訪となった。前回の一人旅では2.の方法をとったが、私鉄のストで路線バスに乗る羽目となってしまった(詳しくは「トラブル」で)。前回の経験から日本語によるガイドが必要だなぁと思い、初めはローマから日帰り観光バスに乗るつもりだったが、見たいところを見れない、所要時間の割に遺跡内滞在時間が少ない、ということで2度目の個人での日帰り観光とした。

ローマを8:45のES(ユーロ・スター)で立ち、ナポリ中央駅で乗換え11:18ポンペイ着、帰りはポンペイ発18:40、ナポリ中央駅乗換えローマ・テルミニ着21:16のESを前日予約し、乗車券を購入しておいた。

行きのESはがらがら、我々が乗った8号車には他に1組しか乗っていなかったがポンペイへ向かう各駅停車は座れないくらい満員だった。この日は聖母被昇天の日の翌日、月曜でどうもお盆休みみたいなシーズンで帰省客が多いのではないかと勝手に想像する。

ナポリ中央駅で乗換えるとき行先もわからずホームに貼られている時刻表にもポンペイ着11:18の表示の列車がないので駅員に訊ねると、丁度21番線の前で“クワッ!(ここだよ)”。見ると10:50発POALA行き。念のためもう1人の駅員に確かめ乗り込んだのだが・・・・。

列車はずーっと海を見て走る。おかしいな、ポンペイはもっと内陸のほうなのに、列車を間違えたのかなぁ、と不安にかられる。どこで左はカーブするのだろう? 急に海から離れたかと思うとスピードを上げ、定刻より少し遅れて11:20すぎポンペイ駅到着。列車はあっていて良かった。ホッ!

駅からまっすぐの通りの正面に教会が見えた。マドンナ・デル・ロザリオ聖堂だ。突き当たりの通りがローマ通り。ローマからポンペイに来てメインストリートがローマ通り、か。

商店街を通り抜ける感じだが、遺跡に入る前に早めの昼食をとることにした。予定ではたっぷり観光するつもりだったが、中では食事をするところがないと思ったからだ(実際には中にカフェテリアがあった)。

腹ごしらえを終え、闘技場前の門から入場する。門の前では日本の観光地にくらべると少ないが帽子や飲物を売っている。この日はハイキング用のつばのある帽子を持ってきていたがバッグの中に入れたままでかぶっていなかったので『帽子必要だよぅ』と身振りですすめられたがニッコリ笑ってバッグから取り出しかぶる。冷たく冷やした水は1本1.5ユーロだったが1ユーロに値切る。2人だから向こうは2本だと思ってまけたらしいが1本だけ買う。してやったり。自分はまだフルに1本あったので兄の分だけ。

12時45分、入場料1人10ユーロを払い地図をもらって入場する。まず、目の前の円形闘技場を右にぐるっと回り込み円形闘技場の中へ。前回はマリーナ門から入ったのでここは初めて。

(一般的にはマリーナ門から入るようだ。ツアーでも時間的制約からマリーナ門から入りある程度のエリアを見学するようで、見ることのできる遺跡のうち半分くらいしか見ないのではないだろうか)

だから自分にとって2度目のポンペイでありながら約半分は初めて目にするものだった。

◆ 見る(見た順)

円形闘技場 外からみると古さを感じさせないスタジアム。中に入ってみるとさすがに今もイベントで使われているヴェローナやアルルのアレーナとは違い石段の観客席には草がぼうぼう生えている。使用目的はローマのコロッセオと同じだろう。

Pompei‐闘技場① Pompei‐闘技場②

大体育場 回廊で囲われた芝生の大きなグランドといった感じだ。

Pompei‐大体育場① Pompei‐大体育場②

ロレイゥス・ティプルティヌスの家 ローマ人貴族が所有していたということで、かなりの大きさの家。両側に画を擁した噴水がある。

Pompei‐ロレイウス・ティブルティヌスの家の噴水

ヴェヌス(ヴィーナス)の家

庭の奥の壁にはヴィーナスやマルスのフレスコ画が残っている。 トレビウス・バレンスの家 アッセリーナの居酒屋 アッポンダンツァ通りの居酒屋、カウンターみたいなものは飲み物を混ぜる台だそうだ。

Pompei‐居酒屋 Pompei‐アッセリーナの酒場①

オルコニウス・ルフォスの家

Pompei_オルコニウス・ルフォスの家① Pompei_オルコニウス・ルフォスの家②

チェイユス・セコンドスの家

Pomoei-チェイユス・セコンドスの家アトリウム

ポンペイの家の中では小さな部類だそうだ。中にはアトリウムがあり、庭の奥の壁には大きな狩りの画がある。

ここを見た後、大劇場に行く途中、やや下りの車道(昔の車道、馬車の道)を歩いていた兄が敷石に躓きころんで頭から倒れてしまう。それをスローモーションの映像のように見てしまった。幸い、眼鏡のつるが曲がってしまうだけで、怪我はなかった。

劇場

紀元前3世紀に建設され、演劇が上演されていた。ここと隣の小劇場は今年も夏のイベントがあるようでポスターが貼られている。

Pompei‐大劇場②Pompei‐大劇場①

小劇場

大劇場よりは後になって作られた(紀元前1世紀)。音楽堂として使われていたようだ。

Pompei‐小劇場テラモン彫像   下4段の長老席を区切る欄干を支えるテラモン彫像が残っている。

スタビアーノ浴場

体育場、プール、浴場が一つの施設となっている。 脱衣場には大噴火の犠牲者の石膏像が展示されていて物凄く生々しさを感じる。 Pompei_スタビアーノ浴場犠牲者

クマの家

モザイクで飾られた綺麗な噴水がある。

ストルト路地のパン屋

かまど、ひきうすが残っている。

Pompei‐パン屋のかまど Pompei‐パン屋の路地①

バジリカ

ポンペイで一番古い公共建築物だそうだ。もちろん屋根はないが柱の下の部分が残っていて建物全体の大きさがわかる。遺跡の中で一番広い建物ではないだろうか。

Pompei‐バジリカ② Pompei‐バジリカ①

このあたりはマ リーナ門に近いエリア。このあたりで今回唯一の日本人ツアーの一行と出会う。

フォロ

ポンペイの中心となっていた広場。マリーナ門から入るとバジリカの先の広場ということのなる。ここから見るヴェスヴィオを望む景色は素晴らしい。

Pompei‐フォロ Pompei‐フォロからヴェスヴィオ

アポロ神殿

カフェテリアで一休みしたあとフォロを経て戻りアポロ神殿を見る。   フォロの柱廊に隣接している。バジリカの北側、マリーナ門から道に面した方から入って右側(フォロに近い方)にブロンズのアポロ像(コピー)があるが、柱廊に溶け込んでいてあやうく見落としてしまいそうになった。

フォロ浴場

フォロの北側にある。前回ここでは大勢の団体客がいて混雑していたが今回は時間も15時すぎのためか混んでいなかったのでゆっくり見ることができた。温浴室の壁には壁を支える柱が人の形をしていてアグリジェントのテラモーネ像を思い浮かべる。

Pompei‐フォロ浴場 温浴室①   Pompei‐フォロ浴場 温浴室②

悲劇詩人の家

フォロ浴場前、ノラ通りに面している。入口床には『猛犬注意!』のモザイク画、アトリウムには水槽と大理石の祭壇がある。

dc122501   Pompei_悲劇詩人の家①Pompei_悲劇詩人の家②

ファヌゥスの家

家の形はほとんどなく広い庭園のような印象だ。

玄関近くのアトリウムにはやはり水槽があり小さなファヌゥスのブロンズ像(コピー)が軽やかに踊っている。ここには大勢の観光客がいて写真をとるのも一苦労。随分と奥行のある大きな家だったようだ。

Pompei‐ファウヌスの家③ Pompei‐ファウヌスの家④

外科医の家

エルコラーノ門方向。このエリアは今回初めて足を踏み入れる。秘儀荘へ行くためだ。

この家から外科の医療器具が発見されたということだがすでにあの時代(紀元1世紀)に外科技術のあったことには驚きだ。

マミアの墓とイスタチディ家の霊殿

秘儀荘に向かう墓地通り、エルコラーノ門を出てすぐ左手の少し上がった所にある。

Pompei‐マミアの墓とイスタチディ家の霊殿

小礼拝堂風の墓

Pompei‐小礼拝堂風墓

秘儀荘

いきなり建物の中に入ってしまったが、地図を見ていた感覚からは秘儀荘はまだ先にあるものと思い込み手前のディオメデスの邸宅かなぁと思って建物の中をいくつもの部屋を見ているうちに秘儀荘であることに気づいた。ガイドのいない個人旅行ではたまにはこういうことがある。

建物自体は屋根も壁も床もかなり残っている。 待望のディオニュソスの儀式の壁画にたどりつく。L字型の壁にいくつもの《教理伝授》の場面が描かれている。照明がないせいか全体に暗くて写真で見るような《ポンペイの赤》ではなかった。しかし、絵巻物のような画だ。

Pompei‐秘儀荘② Pompei‐秘儀荘④Pompei‐秘儀荘⑥Pompei‐秘儀荘⑨

デジカメで写真を撮っていたため順路、時間がわかったものでさらにこれ以上見ているがここでは省略。

ポンペイがヴェスヴィオの噴火によりその姿を消したのは西暦79年とのことだが2000年近くも前にこのように整然とした町があり、現代と同じような、あるいはそれ以上の生活が営まれていたということは驚きだ。

当時の日本といえばまだ弥生時代で、ポンペイの遺跡からは当時のローマ人の文明の凄さがわかる。2000年の時を経ていながら、家屋の所有者が当時どんな家族構成だったか、経済状況はどうだったか研究によりわかってきているらしいが、当時の人が自分の生活を暴かれるなどを想像しただろうか?

 

8月の半ば、炎天下でたまに浴場など屋根のある遺跡に入らない限り陽射しがジリジリと照りつけてくる。トイレにも行きたくなりフォロからマリーナ門へ降りてみるが場外にトイレがあるものの中にはない。再びフォロの方へ行くとその先にいわばレストハウスがあるのに気づき、中に入ると2階にトイレがあった。かなり暑かったのでカフェテリアのスイカは美味しそう。2切れ買って(1切れ2.8ユーロ)席を探すがかなり満席。狭いテーブルの間を通りぬけ奥のテーブルで冷えたスイカを食べる。『うぁぁ!美味しい』。生き返った感じだ。ここでは軽食も取れるようだ。これは貴重な情報だと思う。

17時ころ遺跡を後にする。帰りは18:40の列車に乗り、ナポリ発19:30のESに乗り換える予定でESの指定席を予約していたのがポンペイの遺跡を見終わった以上ローマに早く戻りたかったので、その前の電車(17:39)に間に合うことがわかりポンペイ駅へ向かう。 ポンペイ駅には自動販売機がなく窓口に並んでいる。なかなか進まないのでイライラしたが、何とか間に合う。ESからICに変わるので少し安くなるが、乗車券をカードで買っていたので差額を返せない、というようなことを言っていたが、とにかく早い電車に乗れればいいと乗換えの時刻を確認してホームに急いで向かう。

ローマ・テルミニ駅に着く直前、到着ホームが空かなかったらしく15分遅れて20時50分ホームに入り、ポンペイ日帰り旅行を終えた。

◆ 食べる

お店の名前 Vecchia  America, via Roma 111, Pompei

奥へ奥へとすすめられ、中庭のテーブル席。時間が早いせいか一番のり。その後数組の客がくる。気取らない家庭経営の店。

食べたもの 前菜 海の幸(9ユーロ)、プリモ ボンゴレのスパゲッティ(8.5ユーロ)、ピッツア・ナポレターナ(4ユーロ)、コーヒー(1ユーロx2)、コペルト(1ユーロx2)、水(2ユーロ)

Pompei‐海の幸盛合せ

サービス料10%  2人で39ユーロ(ワイン込み)   ワイン   SORRENTINO,  白のテーブルワイン (8ユーロ)

Bassano del Grappa(バッサーノ デル グラッパ) 2002/9/13

◆みる
計画段階からヴェネツィア3日目の午前中に時間があれば日帰りでこの町を訪れようかと考え、鉄道の午前中の時刻表をインターネットで調べプリントアウトしてきた。ところが午前中サン・ジョルジョ・マッジョーレ島に行くため一旦断念。昼食時に、迷うくらいならやはり行ってみようということになり、ヴァポレットでサンタ・ルチア駅へ行く。

午後の時刻表を持っていなかったので次の列車の時間がわからないまま切符を買うため並んだが長い列。前のカップルに時間がかかり、買い終わったのが14時35分。列車は出たばかりで次は15時49分。何と1時間以上も待つ羽目になり、駅を出て左手のリスタ・ディ・スパーニャ通りをぶらぶらして時間をつぶす。10分前に列車に乗り込んだ。中は暑い。車窓からの風景は農村そのもの、飼料用なのかとうもろこし畑が目につく。

のどかな車窓の景色を楽しみ17時すぎ、バッサーノ・デル・グラッパ着。降り立つと(車内が暑かったせいもあるが)アルプス麓の清々しい空気。

目指すはポンテ・ヴェッキオ(アルピーニ橋)。ところが地図を駅でもらおうとしたが案内所がない。とりあえず駅を出て若い男の子に方向と時間を訊ね、大きな川がありそうな方向へ行く。まず右へ行き、大きな道路(いかにも突き当たりは川のような感じだった)に出たので左へ曲がる。山々が見え、道が少し上っているのでそっちの方向だとあたりをつけ進む。途中、外国人(道を訊いたら「自分は外国からのツーリストだから分らない」と)、老人(この方は親切だった。歩き始めたら呼び止められ『お若けーの、そうそう、その方向じゃ』)、子供づれの母親にも訊ね、ポンテ・ヴェッキオの下に出た。

ポンテ・ヴェッキオをバックに写真をとり、それから橋へ行く。

下から見ると屋根がついている以外特にこれといった特徴もない木造の橋だが、実際に橋に行ってみると相当しっかりしている。幅は広く、ところどころにバルコニーもある。数年前のNHKのイタリア語会話(テレビ)で主人公が飲んだくれの伯父さんと再会したあのバルコニーだ。橋の上では何やら演奏もしている。そのまま橋を渡る。

この町で買いたかったもの、それはグラッパ。駅から橋までの途中、町の中を通らなかったため店も目につかなかったので、やむを得ず橋のたもとにあったみやげ物屋で1本買って橋を戻り、来た道を一目散に駅へ。

無理して行って滞在時間はわずか。あとで地図を見たらかなり遠回りしていたようだ。帰りを18時2分の列車に決めていたので時間に追われる感じ。やはり無計画は良くないと痛感させられたグラッパのふるさとへの旅だった。

【交通】
サンタ・ルチアからFS
(往)15:49→17:04 (復)18:02→19:11 1人 7.24ユーロ

◆買う
Grappa di Moscato(11ユーロ)
本当はもっと良い(高い)のが欲しかったがこの店で一番高いのがこれだった。

◆遊ぶ
■ポンテ・ヴェッキオ

Parma(パルマ) 2002/9/10

◆見る

ジェノヴァからマントヴァへの途中“食の町”パルマに途中下車。 目的は昼食、本場のプロシュートを味わうためだったが、結果的には裏切られた。

約2時間の列車の旅、パルマの駅でまず「荷物の一時預り」を探し、駅員にたずねたが『無い』とのこと。 やむをえずスーツケースをガラガラと引っ張って旧市街へ(これが個人旅行の不便なところ)。

IMG_0315

 

時間があまりないので、ドゥオモ洗礼堂だけの観光にとどめる。 おまけにスーツケースがあるので同行者の兄と交替でみる。

ドゥオモは後陣の《聖母被昇天》の絵とその右横の彫刻《キリストと聖人》が素晴らしい。洗礼堂の外観はピンク、中は荘厳な洗礼堂そのもの。キリストの絵が16面の壁に描かれている。中には夫婦1組と一生懸命メモをとる男性一人で静寂そのもの。

さらに洗礼堂の後方のサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会に入ろうとして神父さんに『1分だけ』といわれる。1分後(?)には入口がしまっていた。このとき丁度12時。IMG_0316

 

待望の昼食を食べようとガリバルディ通りより駅方向に向かいながら、お店を探すがまったく見当たらず。  少し右折してみたりしたが、どうやら旧市街中心から遠ざかっていたため食の町らしき店はない。ようやく1軒見つけた小さなトラットリアに入る。親父さんと船越栄一郎似の息子がやっている店。味も普通でした。

◆食べる

■Trattoria L OCA NERA(via G.B.Borghesi,3/A43100 PARMA)

◎生ハム(プロシュート)とメロン(2皿)  ◎ゴルゴンゾーラのペンネ  ◎フンギのタリアテッレ  ◎ハウスワイン  計32.9ユーロ也。

◆遊ぶ

■ドゥオモ

■洗礼堂

Mantova(マントヴァ) 2002/9/10〜11

◆行く

マントヴァの近くの町に有名なリストランテがあるらしいと知ってジェノヴァからヴェネツィアの旅の途中で寄ることを計画。

ところが、訪問当日はその店の定休日と判明。そこでの食事は断念したがゴンザーガ家が栄華を極めたマントヴァには予定通り訪れることとした。

実際にはパルマから電車に乗り、ピアデナで乗り換え約1時間半でマントヴァ着。

こじんまりとした町だ。

◆見る

旧市街のエルベ広場の左にはサンタンドレア教会。広場をさらに進むと今度は別の広場、ソルデッロ広場だ。

この広場の右手にドゥカーレ宮殿、広場のつきあたり奥にはドゥオモが建っている。ドゥカーレ宮殿サン・ジョルジョ城とつながっている)はマントヴァの栄華を示している。

IMG_0323 IMG_0325

 

外観は質素だが中の部屋の装飾は素晴らしい。ルネッサンス期のゴンザーガ家の富と権力が偲ばれる。IMG_0322

 

大きな部屋の天井画を子供たちに一生懸命説明しているガイドが指さしながら行ったり来たりしていた。何があるのだろうと同じところをたどると、絵の中の腕の方向が、自分の進む方向に進む。天井の馬車をひく馬の方向も変わる。実に面白い。

いろいろな部屋があり、一つ一つを記憶することはとてもできない。

有名な部屋がある。それはサン・ジョルジョ城の《結婚の間》。天井の真中が丸くあいていて空が見えるようだ。

そこから天使が部屋の中を覗きこんでいるというものだ。本当に彼らに見られているように感じる。必見の価値あり。

この部屋の壁、天井の絵はマントヴァを代表するマンテーニャの作品だ。

サン・ジョルジョ城からは湖がよく見えた(マントヴァは三方を湖に囲まれている)。ドゥカーレ宮殿・サン・ジョルジョ城はとにかく大きな建物で、当時の権力者の力を改めて感じた。『どうだ、参ったか』と。?

 

すぐ隣の教会がドゥオモ。

IMG_0324

 

5廊式で、柱が4列ある。全体に暗い。丁度一つのチャペルでオルガンとフルートの演奏をしていた。

少し疲れたので、ソルデッロ広場のカフェで一休み。ビールを飲み喉をうるおす。

ついてきたつまみ(ピスタチオとパリッとしたスナック)の量が多くてびっくり。

このカフェでは翌日昼食代わりにワインとお好み焼きみたいなピアディナを食べたが、お店の女の子に『お帰りなさい、昨日の午後小さなビールを飲んでいたわよね。覚えてるわ。さっきからうちに来るのか見てたのよ』といわれた。感じのいいカフェでした。

IMG_0331

 

◆「GONZAGA」展

一夜明けて、朝食後テ離宮へ。ここは旧市街からは少し離れている。

当時の別荘ということで離れているのはやむを得ない。市街を歩いて行く(約20分)。比較的大きな通りに面した、大きな庭園の中に建物がある。

駅や、マントヴァへ向かう電車の中で「GONZAGA」のポスターが目立ったが丁度ここで「GONZAGA」展をやっているためということがわかる。そのためか切符売り場が相当混んでいて時間がかかった。

ドゥカーレ宮殿同様内部の装飾、絵が素晴らしい。それぞれの部屋に説明があるが読んでいる余裕がない。ここではギリシャ神?話を主題にした《巨人の間》を見逃せない。

フラッシュなしで写真をとっていいか訊いたらOKだったのでシャッターを押したところフラッシュがセットされていてバツ悪く謝った。それがこの写真。

IMG_0328

 

ここには博物館が併設されていて、ゴンザーガ家の収集物、貨幣、エジプトからの出土品中心に展示されていた。

それも見終わり記念品売り場を見て出ようとしたら係の男性から『ここは出口、特別展の入口は反対側』と教えてくれ、特別展の会場に入る。

ゴンザーガ家の鎧、兜、刀、槍もあったが大半が絵画。ティツィアーノ、ティントレットの作品もあった。また、ブレラ美術館で見た《死せるキリスト》も展示されていた。これはマンテーニャの作品だから展示されたのだ。

その《マンテーニャの家》を帰りに覗く。現代アートの展示中だった。

◆マントヴァでの夕食

はじめに書いたように、当初計画ではダル・ペスカトーレに行きたかったが断念。ホテルの人に教えてもらった旧市街のアイ・ガリバルディニに行く。

ここは雰囲気、味、接客とも良く機会があればまた行きたいリストランテだ。

店の間口は狭いが、中は広い。入ってすぐにもテーブルはあったが、予約した禁煙席は右奥のテーブルが7、8つある大きな個室といった趣きでゆったりとしたスペース。周りは全然気にならない。壁にはモダンアート。

親しみのもてるカメリエーレに、メニューの中の郷土料理を質問。前菜、プリモから各1品、セコンドから2品、食前酒はスプマンテ1杯サービス、ワインはブレシアの赤を選ぶ(2人分です)。

いろいろ説明してくれ、早口でわからないこともあったがこれが一つの間違いを犯す。

というのは、頼んだ覚えのない前菜(タコを軽くスモークしたカルパッチョ、味のついたセロリの輪切りのほか、ハーブ添え)が出てきて、おかしいな、エビの料理を頼んだはずなのに通じなかったのかなぁと思いつつ兄と2人でワインのつまみとして食べ始める。

これをサーブした人は注文した時のカメリエーレと違ったのだが、注文した時の彼が別のテーブルへ行く途中気がつき“Excuse me!” といって調理場の方へ行き、注文した前菜(蒸したエビに、何だか粉をゼリー状に固めたものが添えられたもの)を持ってきて、『注文の品はこちらです。タコは間違いでした。申し訳ない。よろしければ食べてください』と。

当然両方食べたが、タコの方が美味だった。あんな美味しいカルパッチョは食べたことはない。もし、また行く機会があったら絶対にあのタコのカルパッチョを注文しよう。

プリモは甘い小さなかぼちゃの入ったこの地方独特のパスタ(Tortelli di zucca)。マコロンが1つと梨を甘く煮たものが添えられていた。1人分を2皿に分けてもらったので量的にも丁度良かった。

セコンドは魚の身をほぐしたもの、ポレンタ添えと牛のステーキ、トマト添え。これも丁度いい量だった。肉はやわらかくて美味しい。

最後にカフェとグラッパ(おかわりまでした)。ハプニングもあったけれど優雅なひとときを過ごした。

◆食べる

■Antico Ristorante Ai Garibaldini(via S.Longino,7 46100 Mantova)

◎タコのカルパッチョ

◎地方独特のパスタ(Tortelli di zucca)

◎魚の身をほぐしたもの、ポレンタ添え

◎牛のステーキ、トマト添え

◎コーヒー

◎Il Colombaio 2001 Groppello Cascina La Partica(19ユーロ/1ボトル)

カメリエーレに勧められた。あの雰囲気でこの値段で、というのは信じられない。

◎グラッパ

2人で計61ユーロ(ワイン込み)。

 

◆遊ぶ

■ドゥカーレ宮殿

■サン・ジョルジョ城

■ソルデッロ広場

■ドゥオモ

■サンタンドレア教会

■サンロレンツォ聖堂

 

◆泊まる

■Rechigi Hotel ★★★★

Twin175.59ユーロ

メールで直接予約。旧市街の中にあるイタリアでは珍しいモダンなホテル。

天井がちょっと低かった(404)。フロントの人はきちんとしているがリストランテの相談、予約も親切に対応してくれた。

朝食も良かった、特にサラミが美味しかった。

 

◆買う

郷土菓子トルタ・ズブリゾローナ(torta sbrisolona、丸い焼き菓子、みやげもの屋でも売っている。食料品店で買ったが量り売り。)

パルミジャーノ・レジャーノ 約1キログラム 15.7ユーロ

Genova(ジェノヴァ) 2002/9/8〜10

◆行く

今回の旅はかつて海の覇権を争ったジェノヴァ(Genova)とヴェネツィア(ただし、ヴェネツィアは3度目)、ただ理屈をつけただけだ。ジェノヴァにはあのクリストフォロ・コロンボ(コロンブス)の出身地ということもある。

【1日目】

成田からミラノ直行便で入り、ミラノ中央駅近くのホテルに1泊。

翌朝9時10分の列車ICに乗るため30分前に中央駅へ。切符売場がすべて閉鎖されていて自販機しかない。初めての自販機に悪戦苦闘して購入、発車まであと10分。ホームに向かうが、どこから出るのか分らない。危うく同じ9時10分発のジュネーヴ(Geneve、スペルがよく似ている)行きに乗りそうになり慌てて21番線へ。ギリギリ乗り込む。

最初は平野、小麦畑、途中から山あいが続く。

トンネルを抜けたところで10時42分、ジェノヴァ・プリンチペ駅到着。駅前広場に出ると陽射しが強い。駅を背にして広場の左にコロンボの像が立っている。ホテルはどこかなぁと思っていたらその像のすぐ上の方に見えた。

◆見る

時間があまりにも早すぎたのでチェックインできず、スーツケースを預け、11時には市内観光に出発。旅の楽しみは初めての町に飛び出すその瞬間の高揚感かもしれない。

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日曜のため、パラッツォ・ビアンコ(白の宮殿)、パラッツォ・ロッソ(赤の宮殿)はガイドブックでは午前中(月曜休み)となっていたのでとりあえずバルビ通りを早足で進む。途中右手に王宮があったが月曜午前もやっていると思い込み通りすぎる。まっすぐ進んでいくと通りの名前が変わる。長いトンネル(ガッレリア・ガルバルディ)を抜け、ポルテッロ広場を右折し次の角をまた右折してガルバルディ通りに入る。

しばらく行くと左側にパラッツォ・ロッソを見つけた。確かに外壁はくすんではいるが赤い。今は市立美術館になっている。理由はよく分らないがこの日は入場料無料だった。いくつもの部屋に分かれていてレオナルド・ダ・ヴィンチの絵も含めかなりの作品展示があった。3階のバルコニーからは通りをはさんだ向かいの建物の1階部分屋上に庭園があるのが見える。

次いでパラッツォ・ビアンコと思って入った向かいの建物に入ったところ1階のホールに結婚披露宴に出席する人たちが大勢いて何かおかしいなと思いながら広い階段を3階まで行ったが戻る。これはパラッツォ・ビアンコではなく市庁舎だった。パラッツォ・ビアンコはその隣だったが修復中のため入ることもできず、シートで覆われていて外観を見ることもできなかった。

ガルバルディ通りを戻り4月25日通りからカルロ・フェリーチェ劇場(ここも修復工事中)の横を通りデ・フェッラーリ広場へ出る。

丁度そのとき止まっていた大噴水が噴出す。圧巻だ。こんな凄い噴水は初めてだ。

またこの広場は西にパラッツォ・ドゥカーレ、南にジェズ教会、東に9月20日通りダンテ通りに接したバロック調で重厚な印象を与える建物に取り囲まれている。パラッツォ・ドゥカーレの中に入るが特に何もなく、通り抜けてジェズ教会に行くが日曜のミサの最中なのですぐ外に出てダンテ通りからコロンボの家を探す。

大勢の人がいたのでついて行き階段を登った左に家の跡みたいのがありそこかなと思ったが実は階段の下にあった。『ふぅーん、あのコロンボが幼年期はこんな小さな家に住んでたのか』、と思うような家だ。

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コロンボの新大陸発見のパトロンはジェノヴァではなくスペインのイサベル女王だったのでバルセロナには偉業を示す記念柱などあるが、ここジェノヴァはあくまでも出身地ということか。

◆ジェノヴェーゼが美味い

昼食前の観光を切り上げ、ホテルに戻りながらリストランテを探すが日曜のためやっているところが少なく結局ホテル近くの””Lupo Antica Trattoria”” を一旦通り過ぎたものの戻って入る。

結果オーライだった。間口は狭いが奥右手は広い。初めは誰も客がいないので心配したがそのうち団体客が奥右手に入り賑やかになる。地元名物のジェノヴェーゼが美味。前菜の海の幸が圧巻。これを食べているといろいろ訊いてきて、食べ終わりそうになったころで、パスタ2品(メニューのすべてのパスタ類はジェノヴェーゼのソース)をもってくる。ヴォリュームがある。あとで結構ソースの味がお腹に残った。ポテトといんげんの入ったスパゲッティとラザーニャみたいな厚さの正方形のパスタ。ワインはBarbera、ガス入りの水がデキャンタに入ってきたのは初めてだ。

◆眺望を楽しむ

一旦ホテルに戻り本当のチェックイン。一休みして山の上からの眺望を見に出かける。フニコラーレ(ケーブルカー)停止のためホテル脇の道路を登る。肝心のダルベスティス城は修復工事中のため入れないので少し先の見晴らしの良いところで休み眺望を楽しむ。実にパノラミックだ。ここには多くの老人が犬の散歩に連れてきていた。

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◆港を遊覧

山を下りてホテルに戻らずそのまま港の水族館に向かう。

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水族館の前に港内遊覧船乗り場があった。天気も良いことだし地中海遊覧も悪くないな、ということでその気になり、訊いたところ40分で一周とのこと。1人6ユーロ払って先頭の席に座る。18時20分出航。いろいろ説明があるが分らない。出航してからTの字を大きく下から上に右から左に一筆書きのような航路で進むが堤防の手前を折り返す。港外に出ないので地中海そのものが見えなかったのが残念。

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19時帰着。夜のリストランテを探しながら港沿いの道を歩き、右に曲がったところでプリンチペ駅のすぐ下に出た。

◆大満足の夕食

ホテルに戻ってリストランテ検討に入る。フロントにアドバイスを求め、””Da Vittorio””を21時45分で予約。20分ほど前に歩いて出かける。手持ちのミシュランのコピーに3本フォークで出ていた店と誤解し、行ってみたら全く逆の庶民的なところ。料理もワインも安い。メニューもファミレスのようだ。子供連れの隣の席ともくっついていて子供が手を出したりして親が申し訳なさそうなので、気にしないよう身振りで伝えコミュニケーションを図った。料理も手長海老のグリルには参った。香ばしく焼き上げ、また量も多い。トータル41.83ユーロ、チップ込み45ユーロで大満足。お店の人に明日もまた来ると言って店を出る。

ホテルからのプリンチペ駅夜景

ホテルからのプリンチペ駅夜景

 

【2日目】

朝一番に王宮に行ったが月曜のせいか休み。明日はジェノヴァを観光するひまはないので結局何回か通りすぎたもののここは見ることができなかった。スピノーラ国立博物館に行ったがここも休みだ。いずれも前日通っていたのに残念。サン・ロレンツォ教会(大聖堂)に向かう。旧市街の路地(カルッジ)は昨日(日曜)とはうって変わっていろいろな店がオープンし始め生き生きとした町を見た。昨日のパラッツォ・ドゥカーレのそばに出て、それからサン・ロレンツォ教会まで下る。正面ファサードの柱の彫刻が蛇のようにねじれている。

IMG_0302

 

教会の中には神父さん一人とあと数名しかいない。壁には聖書からの絵がかけられている。素晴らしい作品群だ。後陣祭壇も素晴らしく写真をとりたい欲求にかられたが静寂さをこわしそうなので断念。宝物室にはキリスト最後の晩餐の聖杯があるとのことだったがその宝物室の場所がよく分らずあきらめた。

サン・ロレンツォ通りを戻り、ジェズ教会へ行く。ファサード外観はパレルモのジェズ教会と同じ形であることに気づいた。

◆ヨーロッパ随一の水族館

歴史的建造物の観光をとりあえず終え、水族館に行くことにした。ここはヨーロッパ最大の水族館とのこと。さすがにいろいろな形で展示されている。横から見たり、上からだったり、エイなどは背中(?)をさわることもできた。一方、ジャングルの中など海以外の展示も多い。

IMG_0305

 

ここを観覧するのに2時間近くかかり、見終わったころは昼少し前。夕べのリストランテ(すぐ近く)がまだオープン前だったので近くを一回りしてほぼ第1号の客として入るとお店の人に喜ばれた。

食後は9月20日通りの新市街を行ってみたが昼休みでほとんど閉まっていた。

帰りに歩き方やWeb旅行記にも出ていた夜のリストランテを見つけたので予約をする。

◆2日目のチェーナは?

さて以下そのリストランテについて。

アートショーや展覧会も開かれる地元でも評判のジェノヴァ風家庭料理の小粋なトラットリアということで期待していたが・・・・・・。

展覧会とは子供の絵としか思えない作品が壁一面。地元で評判の割に客は我々のいた間たった一人。

料理はツーリスト向け(?)のお任せにする。前菜とパスタ3種(ひょうたん型のチーズ味、シラスのようなジェノヴェーゼ、トマトソースのラビオリ)、ここまで食べたところで兄が突然気分が悪くなり(油がおかしかったというが原因不明)、ここでやめる。ワインも残してしまう。グラッパで少しは落ち着いたようだった。

気さくなおじさんが給仕してくれたが、お勘定の際、54ユーロだったので70ユーロ出したところお釣りは6ユーロ。ごまかされたとしか思えない。味、気分ともに良くない店だった。反省は「家庭」料理を求めてはいけないということ。

◆食べる

■Lupo Antica Trattoria(vico Monachette 20r,16124 Genova)

◎前菜(海の幸)

◎ポテトといんげんの入ったスパゲッティ

◎ラザーニャみたいな厚さの正方形のパスタ

◎ワイン(Barbera 9.5ユーロ)

◎水

2人で40.5ユーロ(ワイン込み)。

■Da Vittorio(via di Sottoripa 59r,16124 Genova)

※この店は魚介類を食べさせるリストランテ

【夕食】

◎前菜(mar naturale)

◎プリモ

◎セコンド(手長海老)

◎カフェ

◎水

2人で41.83ユーロ(ワイン込み)

【昼食】

◎前菜(mar naturale)

◎プリモ(手長海老のペンネ)

◎セコンド(かじきまぐろのグリル、フリットミスト)

◎ドルチェ(ケーキ)

◎カフェ

◎水

2人で38ユーロ(ハウスワイン込み、1/2を2回注文)

 

■Da Genio(Salita san Leonardo 61r,16124 Genova)

※2日目の昼過ぎ新市街から帰りに、歩き方やWeb旅行記にも出ていたリストランテを見つけたので予約をした。

※ツーリスト向けのお任せ

◎前菜

◎パスタ3種(ひょうたん型のチーズ味、シラスのようなジェノヴェーゼ、トマトソースのラビオリ)

◎ワイン(VARIPOCERAVA)

◎グラッパ

2人で54ユーロ(ワイン込み)

 

◆遊ぶ

■ドゥカーレ宮殿

■サン・ジョルジョ城

■ソルデッロ広場

■ドゥオモ

■サンタンドレア教会

■サンロレンツォ聖堂

 

◆泊まる

■Savoia Majestic ★★★★ Twin 18,200円(1泊)

窓を開けると駅前広場がすぐそこに見えた。

 

◆買う

■Gastonomia Bruciamonti(via Roma 81r,16124 Genova)

ペースト・ジェノヴェーゼ(7ユーロ)

自家製のジェノヴェーゼ・ソース、瓶の口がゆるかったのか帰宅したときには少し洩れていた。本場の味を家族に味わってもらうことができた。

Palermo(パレルモ) 2001/7/24~27


◆行く

シチリア島内での6泊7日の旅、最終目的地パレルモアグリジェントから向かう。ここまでの3日間はタオルミナシラクーサ、アグリジェントと1泊ずつだったが帰国してからの疲れが出ないようパレルモには3泊しゆっくりしよう、と計画したわけだ。

シチリアの旅は逆ルートも考えられたが、最後は連泊したかったこと、パレルモはタオルミナあるいはカターニャよりも見所が多そうだったことからパレルモを最終地とした(結果的には大正解、逆ルートにしてミラノへの帰りをカターニャからにしていたら予定通り帰国できなかっただろう。エトナ山の噴火による火山灰でカターニャ空港は一時閉鎖されていたのだから)。

アグリジェントのバスターミナル(というほど大きくはないが)にて、何回か確認して14時30分のバスに乗る(一人13,000リラ)。2時間のバスの旅だ。

昼までのアグリジェント旧市街観光中も暑かったが外は依然暑そうだ。1時間くらい走ったところで停車したが、丁度向かいの建物にある温度計が36度を示していた。真夏、しかもサマータイムの15時半ごろなのでこの気温は当然かもしれない。

Palermoまであと1時間

 


そこを過ぎてからは車窓からの景色が幾分険しくなったようだ。

左右にごつごつとしたはげた山。その合間を縫うように上って行き、パレルモが近づいてからは一気に下がって行く。16時35分、パレルモ中央駅到着。すぐ側の市内バスのターミナルへ移動し、路線図を見てホテル近くを通るバスを確認し待つが、その間の陽射しの強いこと強いこと、じりじりと熱くてたまらない。


パレルモ市内を貫くメインストリート、ローマ通りを通るバスに乗る。ガイドブックによると予約していたホテルは進行方向に向かって左なので注意して左側を見ていたらホテルが見えたので次に止まったところで降り、チェックイン。アグリジェントからのバスを降りてからわずか20分で着いたことになる。

ViaRoma

 

 

◆初日の夕食は失敗続き
18時頃から、水の買出しがてらホテル近くを1時間少々歩き回り周りの土地勘を養う。ホテルへ戻った際、近くのリストランテを教えてもらい、酒屋がやっている店“Gigi Mangia“を20時で予約した。


この店では2つの大きな失敗をしてしまった。この日は20時になっても暑かった。お店の中に入ると(実に狭い、穴倉のようだ)、外のテーブルを勧められたものの場所が店のすぐ前ではなく少し離れたところで何となく雰囲気がいもくさかったのと、外も暑かったので断り室内にしたのがまず失敗。テーブルのすぐ近くにオープンキッチンがあり、料理を始めるとガスの火の熱さをもろに感じる。汗だくだった。

失敗その2は、シチリアの料理は前菜の量が多いのを思い知らされたこと。というのは、料理はお任せにしたが前菜をしっかり食べパスタで相当お腹がきつくなってきたのでセコンドのために途中で止め「(パスタは)もう終わり」というつもりでカメリエーレが皿を片付けるときに“フィニート”といったところ、全部終了と受け取られそれでおしまいになってしまった。まぁ相当お腹一杯だったので健康のためと暑さから逃れるには丁度よかったのだが。このときのカメリエーレには、翌日近くのCO-OPでばったり会い、お互いに気がついて軽く挨拶をした。

【2日目】
◆見る

実質的にパレルモ観光の初日だ。9時少し前にホテル出発。ホテルを出るとローマ通り、これを右方向、中央駅方向へ歩き出し最初の角を右折し、なにやら人気のない通りを進み、マクエダ通りにぶつかったところを左折する。マクエダ通りはローマ通りと並行している形になるがこれを南を進む。ほどなくマッシモ劇場の前に出る。ここは《ゴッド・ファーザー》の舞台となったところだ。

 

まだ時間が早く入ることができないので外観のみ見てさらに進むとパレルモ観光ポイントの一つ、クアットロ・カンティの交差点に出るが折りしも運悪く修復中で四つ角のどの面もバロック調の壁面が描かれたシートで覆われている。信号を渡り、クアットロ・カンティのすぐそばにあるピアッツァ・プレトーリアに行ってみるがここの噴水もこれまた修復中で囲われていて見ることができない。このピアッツァ・プレトーリアは広場というよりは交差点の一部をなす小さな広場といった感じだ。

この広場の奥がピアッツァ・ベッリーニ、その南の一角にサン・カタルド教会とマルトラーナ教会が並んでいる。サン・カタルド教会はこれぞシチリア、といった趣の赤い丸屋根の建物。イスラムの影響が強く感じられる。

隣のマルトラーナ教会は、その内部のモザイクがすごい。ファサードはバロック様式、内部はシチリアで一番古いビザンチン様式ということだ。

マクエダ通りを南へ少し歩き、右側の旧市街へ入るとほどなくジェズ教会の前に出た。このあたりは教会の宝庫?だ。ファサードは典型的なシチリア・バロック様式。装飾とか彫刻とかは少ないが明るい壁の色とファサード上の濃い茶色の柱のように見える部分や梁ののように見える部分のコントラストが奇妙な力強さを感じさせる。中に入ると、圧倒される装飾の凄さ!

ジェズ教会2

 

ジェズ教会内部

◆どてっぱらが入口のカテドラーレ

ジェズ教会からヴィットリオ・エマヌエーレ大通りを西に向かうと間もなく右手にカテドラーレがどーんと現れる。といっても通りに面しているのはピアッツァ・カテドラーレ。その広場の向こうにカテドラーレがある。カテドラーレは当然東西に位置しているが入口はどてっぱらの南からだ。シチリア・ノルマン様式として建築されたのが歴史の流れの中で増改築により折衷様式となったとのことだ。内部は外観の割に質素に見えたのはジェズ教会を見たあとのせいだろうか?

カテドラル1


 カテドラーレを出てさきほどのヴィットリオ・エマヌエーレ大通りをさらに西に進む。ほどなくノルマン王宮だ。左に曲がり建物に沿って南へ進み奥の玄関へ行ってみたもののスーツ姿の人たちが・・・・・・。どうも州議会の入口だったようでまた戻る。

◆パラティーナ礼拝堂

またヴィットリオ・エマヌエーレ大通りへ出て少し行くとポルタ・ヌオーヴァが立っていてそれをくぐり、左に曲がるとピアッツァ・インディペンツァへと入る。そこから今度はパラティーナ礼拝堂のある王宮入口の方へ進むことができた。


大階段で2階に上がると王宮の回廊に出るがパラティーナ礼拝堂はその回廊から入る。回廊にもモザイクの装飾がきらびやかにあるが、礼拝堂の中のモザイクは凄い。いわゆるビザンチン文化の影響なのだろうか。《玉座のキリスト》そしてクーポラに描かれた《全知全能の神キリスト》のモザイク画は圧巻だ。デジカメで撮ってはみたものの光が乏しくあの素晴らしさを写し撮ることはできない。

教会、礼拝堂のモザイク画といえば、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院、ラヴェンナのサン・ヴィターレ教会が挙げられるが美しさはいずれも甲乙つけがたいが、パラティーナ礼拝堂は比較的小さな空間だけあってその壁・天井一面のまばゆさは一番かも知れない。

目がくらくらしてパラティーナ礼拝堂をあとにしたが、ピアッツァ・インディペンツァのバールで一休み(11時半になっていた)。バールといっても、外のテーブルだったのでカフェと言った方が良い。ビールで喉の渇きをいやす。旅の楽しみは昼でも一杯やることだ。シチリア名物、アランチーノも1個食べる。

バールをあとにしてピアッツァ・インディペンツァから南の方へ行って旧市街へと入る。目指すはサン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会だ。教会といっても今は教会としては機能を果たしていない。入場料8,000リラ(1名)。アラブ・ノルマン様式の石造りの建物と中庭を見る。単廊式の素朴な建物で、内部の壁は石が剥き出しだ。観光客で意外と混んでいた。

SanGiovannidegliEremiti1

 

 



午前の観光はこれでおしまい。ホテルへ戻るために、ホテルの面しているローマ通りへ行く。途中ちょっと寄り道をして、サン・ドメニコ教会の脇から路地に入ってヴッチリアのメルカートを覗いてみた。いろいろな食材の店がある。オリーブの実やらアンチョビの瓶詰めやら欲しいものが沢山。

イタリアのメルカートで色とりどりの店が目に入ってくるとそれは八百屋。トマトの赤が目立つ。旅の途中ではお腹が一杯のことが多くなかなか食べることができないが、意を決して?桃と美味しそうなトマトを買う。重さで買ったのだが、桃3個、トマト4個で3,000リラ。

ローマ通りに戻りホテルと反対側の市街地で食べる所を探す。トラットリア兼ピッツエリアがあったのでそこの外のテーブルにした。年配の女性というよりおばちゃんが注文を取りにきた。当然のごとくピッツアを頼む。今回のタオルミナから始まったシチリアの旅でシチリア5日目にしてようやく待望?のピッツアにありつける。

ルッコラとカプリチョーザを注文する。前菜はカプレーゼ、ワインはハウスワインの赤にした。落ち着いてみると隣の店もピッツアを出している。外のテーブルは区別もないほど近いから見えるのだ。1時間近くいたがその間太陽が動き、陽射しが強いのでパラソルの影に入るように少しずつ椅子をずらす。

食後ホテルで一休み、暑い時間帯を避け少しまどろむ。さっきの桃、トマトを食べる。桃は美味しかったがトマトは生食用ではないのか、色が鮮やかな割には甘くない。

16時半ころ買物がてら再び出かける。まず初めにイタリアのデパート、ラ・リナシェンテへ行く。兄はここで頼まれたMOCA(八角形のエスプレッソ・コーヒー沸かし器)を買ったようだ。

ここを出てからカステル・ヌオーヴォ広場を抜けリベルタ大通りをズンズン北の方へ行ってみた。広々とした通りだ。通りに近い方の中の歩道を歩いていたので両側の店がどういう店なのかよく分からないほどだ。ある程度行ったところで来た通りを引き返す。またローマ通りに戻り、バスの中から目についたワインの店に入ってみたら、実は小さなスーパーのような食料品店だった。


この店にはたいしたワインがなかったので、またホテル方向に戻り夕べのリストランテの親元である酒屋“Mangia”へ行く。相手をしてくれたのは、何と注文を取りにきたお兄さんだ。『日本へ送れますか?』と尋ねると、『1日前にオーダーしてくれないと運賃計算ができない、ものが決まらないと計算できない』。しかも1箱6本からとのこと。とりあえず話だけ聞いて店を出る。

やや歩き疲れたのですぐ近くのアンティコ・カフェで休むことにして、オープン・エアのテーブルで珍しくジェラートを食べる。3つの丸いフルーツ味のジェラートにレモンシャーベット、長い棒のようなクッキーが3つの真中に立っている。アルコールも好きだが甘いものも嫌いではない。このジェラートは本当に美味しかった(8,000リラ×2)。
ジェラート満足してホテルに戻ったのが18時45分。

さて、ホテルに戻った時フロントの女性に夕食のリストランテの予約を頼んだところ、電話してくれたが目当ての店は一杯で無理だったのでどこか他のおすすめの店をお願いしたところ、ホテルから比較的近いポリティアマ劇場そばのリストランテ“Lo Scudiero” を20時半で予約してくれた。

ポリテアマ劇場


このリストランテは歩いて行ける。店に入り名前を告げると、入って左側入口から3つ目のテーブルに案内される。注文を取りにくる間待っているとエアコンがきつくて肌寒いので『ちょっと寒いので席を代えて欲しい』とお願いしたところ奥の右に曲がった方にすぐ代えてくれた。そこは問題なし。

この店は魚料理の店で、ワゴンに載せられた魚を見た上で注文させてくれた。

アンティパストは海の幸サラダ、プリモはやはり海の幸のリングイネ、そしてセコンドはワゴンから選んだ2種類の魚(残念ながら名前は分からない)のグリル・ポテト添え、ワイン、水、食後のドルチェ、グラッパ、コペルト込みで15万リラ。量を控えめにしたのでドルチェ、食後酒までいけたし、料理、サービス、雰囲気も良く満足のいく店だった。

【3日目】

ホテルから歩いて30分ほどで昨日のピアッツァ・インディペンツァへ行く。ここにはバスターミナルがある。今日の午前の予定はモンレアーレ観光。個人自由旅行を楽しむ我々としては徒歩と公共交通機関が基本だ。観光のためにタクシーはめったに使わない。9時21分の389番のバスに乗り込む。途中検札があり若い男が降ろされた。バスの中での検札はガイドブックには載っていたが実際に出会ったのは初めてだ。9時46分、ドゥオモ前の広場に着く。

まず、ドゥオモの右横のキオストロ(回廊つき中庭)に入る。回廊を支える円柱は2本づつペアになっていて、何の装飾もない2本とねじれた飴細工のような模様の2本が交互に延々と続く。その柱の上の壁の部分にはモザイクの装飾がほどこされている。かなり広い中庭だ。

Monrealre回廊3それからドゥオモ内部に入る。壁という壁がモザイク画で埋め尽くされているが、全体に暗いため迫力を落としている。内陣の壁には聖書の物語が描かれているが、場面が多すぎて良く分からない。とはいっても、祭壇正面のキリストのモザイク画は素晴らしい。

MonrealeDuomo5

ドゥオモのあとは中庭奥の見晴らし台に行く。少し階段を下りる感じだが途中小さな土産物屋が数軒あった。見晴らし台はベルヴェデーレというだけあってパレルモ市街の方を一望できた。

Monreale見晴台3

◆遺体安置のカタコンベ

11時すぎの市内へ戻るバスに乗り、途中カップチーニのカタコンベに行くため下車。バス停からカタコンベに行く途中カプチン派の修道士を見かけた。もちろん中にもいたのだが、彼らの身をまとっている修道服の色があのカプチーノの語源であることがはっきりと分かった。

入場料1人3,500リラ払って中に入る。このカタコンベには本当に遺体が安置されているというのを本で読んで知っていたのだが、「どうして?なぜ?」と思うほど生きていた時そのままの姿で安置されている。安置といっても横になっているだけではない。コートを着て立っているのもある。とにかくこれでもか、これでもかというほど数多くの遺体(骸骨)がある。遺族は何を思ってこのような形で天国に送り出したのだろうか?

市内に行くバスにまた乗り終点のピアッツァ・インディペンツァで降りる。昨日のバールで一休み。ビールとグラニータで身体を冷やす。
ホテルへ戻る前にこれまた昨日のピッツェリアの隣の店へ行く。テーブルは外で隣り合わせているのでほとんど同じ店という感じだ。ここでお昼を食べた後、ホテルへ戻り少しまどろむとともに身体を休める。こうでもしないと暑さにやられてしまうからだ。

◆考古学博物館、ロザリオ祈祷堂、サンタ・チータ祈祷堂

15時30分、再び行動開始。マッシモ劇場に行ってみたが、ガイド・ツアーは15時が最終とのこと、翌朝10時から、と聞いて引き揚げ、マッシモ劇場から東に少し行ったところのローマ通りに面した州立考古学博物館に行くことにした。中は広い。セリヌンテの神殿遺跡の彫刻が展示されている。神殿にはA,B,C・・・・とアルファベットで名前がつけられているらしいが、神殿C,E,Fの彫刻がそれぞれ何点か展示されている。神殿の一部だけあって彫刻は相当に大きなものだ。

ここを出てローマ通りを中央駅方向、南に進むと左手にサン・ドメニコ教会があるが残念ながら閉まっていたのでこの裏の通りにあるロザリオ祈祷堂サンタ・チータ祈祷堂に行く。ロザリオ祈祷堂はそう大きくはないが、中の壁の彫刻がすごい。彫刻家ジャコモ・セルポッタの手によるスタッコ装飾とのことだが立体感が素晴らしい。彫刻というより飾り付けという感じだ。

ロザリオ祈祷堂

この祈祷堂の先にサンタ・チータ祈祷堂があるがここもジャコモ・セルポッタの彫刻で装飾されている。入口内部の壁にある「レパント海戦」の彫刻が見事だ。

サンタチータ祈祷堂

今度は踵を返すように中央駅の方に行き、途中のヴィットリオ・エマヌエーレ大通りを海の方に進みピアッツァ・マリーナへ行く。この広場の前にキアラモンテ宮殿がある。中に入ることはできなかったが四角くて装飾も窓もなく城塞のような建物だ。宮殿の前ではこの建物にアンマッチな結婚式の人々がいた。このあと訪れたサン・フランチェスコ・ダッシジ教会の前にも結婚式の人たちがいる。

観光を終え、件の酒屋“Gigi Mangia“へワインを買いに行く。ペンディングにしてあった持ち帰り方法については、日本には送らない、持って帰るということにし、3本づつ例のお兄さんに選んでもらって、いざ代金を払う段になってクレジット・カードの端末のラインが作動せず現金しか受け付けないということになった。リラの持合せがなかったのでその旨伝えると「すぐそこでクレジット・カードで引き出してくればいいのではないか」といわれたがやめにして翌日両替をして買うことにして店を出る。
(イタリアでは端末ラインの不具合でカードが使えないことがある)

今回のシチリアの旅の最後を飾る夕食は昨日予約できなかったリストランテ“La Scuderia”に再挑戦ということで、ホテルに戻った際フロントに頼んで電話してもらうと今回はOK。20時半に予約してタクシーで向かう(市街地からはかなり離れている、ファヴォリータ公園の一角)。

庭の広い大きな敷地にあるゆったりとしたリストランテだ。入口や庭には大きな松明の火がゆったりと燃えている。このリストランテは98年版ガンベロ・ロッソで100点中77点、「旅の疲れも吹き飛ぶ、贅沢なコース料理」とFIGAROで紹介されていた。

昨日は一杯で予約できなかったわけだがどのくらい混んでいるのか、と思って中に入るが時間が早いせいかあまり客はいないようだ。白いジャケットを着たカメリエーレに案内され一旦入った建物を通りぬけ奥まった庭の一角のテーブルへ案内される。ちょっと気取った店のようだが外のテーブルなので落ち着くといえば落ち着く。
魚料理をメインに優雅に楽しんだ。帰る頃でも近くのテーブルには2組だけ。前日予約が取れなかったので随分すいている感じがしたのが意外だった。

帰りのタクシーを呼んでもらいホテルに帰ったがこのタクシーにぼられそうになる(詳しくは「トラブル」にて)。せっかくの優雅な夕食の後味がちょっと悪かった。

【4日目】
最後の日。朝市に行く。場所は2日目に行ったヴェチリアのメルカート。ゆでたタコを食べさせる屋台があったが朝食を取ったばかりでおなか一杯のためとりあえずパス。モンレアーレの土産物屋で買いそびれたカレンダーを探しにパラティーナ礼拝堂近くまで行ってみるが見つからない。

◆マッシモ劇場

10時からマッシモ劇場のガイドツアーに参加するため、ぶらぶらと劇場へと歩く。10時すぎにようやく門扉が開きチケットを購入し中に入る。言葉別に分けられ、英語ツアーに入れられる(イタリア語、フランス語、英語、どっちでも分からないのは同じなのだが)。とはいえ、真剣に聞いていると何だか分かったような気になった。

建築年、舞台の大きさ、プラテア、ガレリアについてなどの説明を受け、またロイヤルボックスを見学させてくれた。天井が高く声がよく反響する場所でガイドから何か大きな声でいうように促され片言のイタリア語で言ってみたが説明通りよく声が通る。
このガイドツアーは約30分で終わる。

少し小腹もすいてきたのでまたメルカートへ。タコの屋台にはまだ人だかりがしている。後ろから声をかけ1つ注文する。小さいタコなのでてっきり1パイだと思ったら何とその半分くらい。塩味が利いてうまいのだが、ちょっとがっかり。しかも5000リラだという。「少し高いね!」というと、このタコ屋の親父、ギョロッと見て足1本を付け足す。外人観光客だと思って適当にやっているように思えた。不満ながらタコも食べたので、旅の最終段階、お土産を買うのに時間を割く。件のワイン屋へ行き、4本買い、またすぐ近くのアンティコ・カフェで、シチリア名物のアーモンドでできた作り物の果物に見立てたお菓子とコーヒーを買う。

シチリアではジェラートをハンバーガーのようにパンにはさんで食べるのがポピュラーらしいがこれも最後に試してみたが、どうもいただけない。結局、中のジェラートだけ食べパンの部分は一口だけ食べ残りはごみ箱に捨てる。

一昨日のピッツェリアで昼食をとって、ホテルへ戻り荷物をピックアップし、空港行きのバス停へ行く。バス停はポリティアマ劇場の近くなので歩いて行ける。バスは14時45分発、乗る前に切符を買おうと思って尋ねるが、バスの中で買うシステムのようだ。バスはおそらく中央駅付近から出ているのだろうか、ほぼ定刻に着いたバスはかなり人が乗っている。ここから乗る人が何人かいたので荷物収納やら切符販売やらで少し時間がかかり5分ほど遅れて発車。一路空港へ向かう。ほどなく海岸沿いに走る。途中うとうとしたが35分足らずで空港到着。小さな空港ターミナルだ。
ここパレルモからアリタリアに乗りミラノでJALに乗り継ぎ、帰国する予定だったが、まず搭乗が20分以上遅れる。滑走路に出たのが16時05分だったが、元々の出発時刻は16時45分なので楽観していたところ機内アナウンスが2回あり一旦駐機場へ戻る。アナウンスはよく分からなかったが何か電気系統のトラブルのようだ。そのうちエアコンが効かなくなる・・・・・。

シチリアへ入る際はミラノで1泊し、一応乗り継ぎトラブルがあっても影響を受けないようにしていたが、帰りまでは考えていなかったので頭の中で「もし飛ばなかったらどうしよう?もし乗り継ぎに遅れたらどうしよう?」と不安がよぎる。
結局約1時間遅れ17時50分頃離陸。ホッとした。ミラノ・マルペンサ空港に19時05分到着。タオルミナ、シラクーサ、アグリジェント、パレルモというシチリア縦断の旅は小トラブルには見舞われたものの無事終えることができた。

◆食べる
■Gigi Mangia, ルッジェーロ・セッティモ広場近く(酒屋が経営する店)
◎前菜盛合わせ(24,000リラ)※2名分
◎プリモ(28,000リラ)※2名分
◎フルーツ(10,000リラ)※2名分
◎水(1,000リラ)
◎ワイン(SYRAH YENDEMMIA 1999,Miceli)(40,000リラ)
2人で115,000リラ(ワイン込み)
■Lo Scudiero, ポリティアマ劇場そば
◎海の幸サラダ(26,000リラ)
◎海の幸のリングイネ(18,000リラ)
◎鯛の一種の魚と赤い小さな魚のグリル・ポテト添え(50,000リラ)
◎ドルチェ(6,000リラ×2)
◎ワイン、水、グラッパ(飲物3種で34,000リラ)
※ワイン:LA SEGRETA 2000,  Planeta
◎コペルト(10,000リラ)
2人で150,000リラ(ワイン込み)

■La Scuderia(viale del Fante 9,90146 Palermo)
◎生ハムとメロン
◎カジキマグロのカルパッチョ(前菜2皿44,000リラ)
◎海の幸のパスタ(20,000リラ)
◎セコンドは魚料理2皿(64,000リラ)
◎ドルチェ(10,000リラ)
◎ワイン(18,000リラ)
◎水(2,000リラ)
◎コーヒー(8,000リラ)
◎コペルト(10,000リラ)
2人で178,000リラ(ワイン込み)、チップ15,000リラ

■店名不明(via P.pe di Granatelli, 90146 Palermo)
・1回目
◎カプレーゼ
◎ルッコラのピッツァ
◎ピッツァ・カプリチョーザ
◎ハウスワイン(UVB D’ORO NERO D’ AVOLA 1999 (9,000リラ))
◎水1.5リットル
◎コペルト(4,000リラ)
2人で39,000リラ(ワイン込み)、チップ1,000リラ

・2回目
◎カポナータ(3,000リラ)
◎シチリア風パスタ(中にグリーンピースがはさまっていてトマト・ソース味、6,000リラ)
◎ピッツァ・マルゲリータ(6,000リラ)
◎ハウスワイン(白、8,000リラ)
◎水1.5リットル
◎コペルト(4,000リラ)
2人で31,000リラ(ワイン込み)
■il Mirto e la Rosa(via P.pe di Granatelli,90146 Palermo)
◎パスタ
◎フンギのリゾット・カレー味(プリモ2皿で25,000リラ)
◎ルッコラのミックスサラダ(6,000リラ)
◎ハウスワイン(7,000リラ)
◎水(3,000リラ)
◎コペルト(2,000リラ)
2人で43,000リラ(ワイン込み)、チップ(4,000リラ)

◆泊まる
■Grand Hotel et Des Palmes ★★★★ Twin 270,000リラ(1泊)
入口はさほど目立たない大きさだが中は広い。1階の天井が高くクラッシックな印象。352号室だったが1度では覚えきれない廊下を何回か曲がる。部屋は普通。セフティボックスが壊れていた。壁紙は一部破れている。これでデラックス・ルーム?
インターネットで見てメール直接予約。予約時点では24万リラだったが、チェックインするときフロントのパソコンの画面では30万リラの表示だったのですぐクレームし、24万リラを確認したにもかかわらず、チェックアウトの際30万リラ(×3泊)を請求される。英語でチェックインした際のいきさつも含め抗議するが、頭にくるものの言葉がままならぬ。担当者が変わっているため一切受け付けてくれない。ついに日本語『冗談じゃないっ!』と言ってしまったがそれでも駄目。空港へ行くバスの時間も迫っていたためあきらめたが、「地球の歩き方」に3泊以上読者割引があったのを思い出しそれを見せ何とか27万リラにさせたが最後に腹が立ったホテルだった。
帰国後メールで抗議文を2回送ったが完全に無視された。

◆買う
■靴 209,000リラ(マッシモ劇場向かいの靴屋で)
■アーモンドでできた作り物の果物のお菓子 23,000リラ
■エスプレッソ・コーヒー 6,500リラ
Antico Café, Via P.Pe di Belmonte N.115, Palermo
■ワイン(マルサラ1本、赤3本)計144,800リラ (Gigi Mangiaで)
赤のうち1本は リストランテで飲んだのと同じ
SYRAH YENDEMMIA 1999,  Miceli (25,900リラ)
■食料品(アンチョビ瓶詰め、パルミジャーノ、他) (CO-OPで)
■カレンダー(18,000リラ)

Agrigent(アグリジェント) 2001/7/23

 

◆行く

いよいよアグリジェントへの旅。前泊地のシラクーサからバスの旅だ。計画段階にてネットでいろいろ調べたが、バスで移動するなら、一旦カターニャに戻り、乗り換えるということだけは分ったが、時刻表までは入手できなかった。

シラクーサのホテルでバスターミナルを尋ねると、バス停と時刻を教えてくれた。バス停は思っていたより近かったが次のバスは8時32分とのこと。これに乗れればアグリジェントへ一つ前のバスで行けるが部屋に戻った時は8時20分。あきらめて9時2分のバスにしてバス停へ向かう。

バス停前のスタンドで切符を買う(一人8,000リラ)と次のバスは”INTERBUS”ではなく”AST”8時45分とのこと。ついている。実際にバスが来たのは8時51分。2日前に降り立った空港を通りカターニャ駅前に着いたのは10時10分。スーツケースを引いて隣のバスターミナルへ。

エトナ山からの火山灰がどんどん降ってくる。切符売り場(一人19,000リラ)でアグリジェント行きは10時25分発といわれ、あせって一番北の乗り場へ行き一旦荷物を入れるが何となく不安になり降ろして再度切符売り場で確認すると11時発とのこと。

バスはカターニャの駅を出て逆戻り、何と空港前のバス停に停まる。これを知っていたらわざわざカターニャ駅まで行かなくても良かったのが。

2階席の一番前に座ったので見通しが良い。前方に煙が見え、近づくにつれ渋滞。車が燃えている。その脇を警官の指示で上下線の車が交互に通過する。日本であれば絶対交通止めで何時間か立ち往生するなぁと思う。

事故だ1

 

バスのエアコンは壊れているらしく冷房の効かない車内でひたすら耐える。途中新しいマンションが立ち並ぶ町CALTANISETTA、小高いゆるやかな丘の町CANTITTIを通り抜け13時50分アグリジェント駅到着。5時間の旅だった。グルッと迂回しているのでレンタカーで直行すればもっと近いはずだ。

ホテルに入り一休みして16時すぎ、神殿の谷へ向かう。少し遠いがいつものように歩く。背中への陽射しがじりじりと熱い。16時すぎなのにこの暑さ、と思うが夏時間で1時間早いことを考えれば納得。

進んで行くと木々の間から神殿が見えてくる。右手にはエルコレ(ヘラクレス)神殿。UFOから宇宙人が降り立ったような、またはきのこが生えているような形だ。左方向にはコンコルディア神殿。しっかりとした形でそびえている。

エルコレ神殿5 コンコルディア神殿2
まず端正な形のコンコルディア神殿へ向かう。神殿の谷(考古学地区)の中はきちんと整備されていてここに向かう道も広くきちんとしている。地区内にはアーモンドの木々が。春先に訪れると花がきれいだと思う。この神殿は丘の上にあり、バックには海。古代ギリシャ人は何を考えてこんな壮大な建物を建てたのだろうか。

コンコルディア神殿5
少し離れた先にジュノーネ・ラチニア神殿がある。この神殿はコンコルディア神殿とは対照的に太い柱が残っているだけ。カルタゴの侵攻にあい炎上し、またその後の地震で崩壊したものだという。

 

 

ジュノーネ神殿2

 

ジュノーネ神殿6

来た道を戻り、エルコレ神殿を見る。太い柱が8本残っている。上部には柱より一回り大きい丸い石が乗っかっていてまるでひょっろとしたきのこのように見える。

これですっかり見終わったと思い神殿の谷をあとにしたが翌朝になって駐車場奥にジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿ディオースクリ(カストール・ポルックス)神殿を見逃していたことに気づき再度訪れた。これが個人旅行の短所でもあり、再訪できるところは長所でもある。

ジョーヴェ・オリンピコ神殿はかつて神殿の柱だった巨人像テラモーネが横たわっているほかは大きな石がごろんごろんところがっている(巨人像はレプリカ、本物は考古学博物館で展示されていた)。

奥へ進むとディオースクリ神殿がある。やはりカルタゴ侵攻、地震によって崩壊し、建物の角の部分が柱とともに残っているだけだが、一番絵になる。

ディオースクリ神殿4

ディオースクリ神殿から旧市街1

神殿の谷を出て考古学博物館に行く。先ほど見た巨人像テラモーネの本物が壁に縦に展示されている。室内で見ると外で見たよりも相当でかい。柱の一部だったことが分るように往時のジョーヴェ・オリンピコ神殿の模型も展示されている。

考古学博物館3

 

一旦ホテルに戻り(博物館のすぐ側)チェックアウト後市内バスで駅へ行きスーツケースを預け旧市街を散策する。ドゥオモ(カテドラーレ)へ向かってゆるい上り坂。一本、道を間違えたようでかなり登ってしまった。ようやく見つけ中に入る。広い内部は静まりかえっていた。

AgrigentoのDuomo

 

それからすぐ近くのサンタ・マリア・ディ・グレーチ教会を探す。小径を降りて行く。八百屋をすぎると地名が変わったので戻る。見つかったものの小さな入口、鍵がかかっていたが小父さんがやって来て開けてくれ、一緒に中に入る。

『イタリア語がわかるか?』と訊かれ『少し』と答えるといろいろと説明してくれる。キリスト以前の最古の教会で当時の柱は36本(?)あったが今は8本のみ。アラブ人、ノルマン人の侵攻があって次々に変わった。今の入口はノルマン様式で最終的に1700年代に今の建物になったらしい。外へ出て地下部分の基礎を見せてくれた。帰りに気持ち程度の喜捨をしてアグリジェントでの観光を終えた。

◆アグリジェントでの夕食
ホテルは旧市街と神殿の谷の中間にあり周辺にはリストランテらしきものがあまりなさそうだったことと、ホテルホームページでの庭(このホテルには広大な庭がある)でのディナーの写真が良さそうだったので神殿の谷観光に出かける前にフロントで予約したところ庭でのディナーはやっていない、食事はホテル内のリストランテでとれるといわれ予約した。

予約した時間に行ってみると客は誰もいない。それからもいくつかのテーブルがうまっただけだったがテーブルセッティングはきちんとされていたしカメリエーレも良い対応だった。残念ながら昼間の疲れのせいかワインを飲み干すこともできず、セコンドでお腹一杯になりそこでやめた。客が少ないとはいうものの優雅な雰囲気の中、セコンドでやめたとはいえ雰囲気、味の割にべらぼうに安かった。

◆食べる
■ホテル内リストランテ【夕食】
◎アンティパストはサーモンのカルパッチョ(赤キャベツ添え)、生ハムの燻製と洋梨
◎プリモはフンギのリゾット(少々塩っぱい)、オマール海老のタリアテッレ(クリームソース)
◎セコンドはフィレステーキ(トマト味、小さなエンドウ豆添え)、海老のマヨネーズソースかけ
◎水、食前酒
◎ワイン(LIGORIO 1999  Aziende Vinicade Micelli Palermo (1.4万リラ))
2人で11万リラ(ワイン込み)

■Trattoria Black Horse(via Celauro,8,Agrigento)【昼食】
旧市街中心部にはあまり店がなく、もう1ヵ所見つけた店の名はマンハッタン。
これだけでどんな店か想像できたがパレルモへ行くバスの時間のこともあり妥協したのが失敗のもと。
◎アンティパスト1品(多分生ハムとメロン)
◎プリモ2品
◎ハウスワイン
◎水
2人で4.2万リラ(サービス料込み)

◆遊ぶ
■コンコルディア神殿
■ジュノーネ神殿
■ディオースクリ神殿
■ドゥオモ
■サンタ・マリア・ディ・グレーチ教会

◆泊まる
■Colleverde Park Hotel ★★★★ Twin 24万リラ

ColleverdeParkHotel1
メールで直接予約。
ホテル到着したのが14時45分。まだ部屋の準備が出来ていなくて、近くのバールで遅い昼食をパニーノ、アランチーノでとり時間をつぶした。ホテルからの神殿の谷からの眺めが良く、庭も散策できるほど広い。
旧市街からはバスで10分、バス停もすぐ前なのでロケーション的にもそう問題はない。

 

Siracusa(シラクーザ) 2001/7/22


◆行く
 タオルミーナでの優雅なホテルライフを終え、次の目的地、シラクーザへ。

 ホテル専属の車で駅までおりる(25,000リラ)。45分後の列車のために50人以上窓口に並んでいて少々あせったが、11:09の列車が1時間半遅れていて、11:40の列車が先に出るとのこと。駅員の英語はたどたどしく、つたないイタリア語で何とか確認する。

 並んでいた若い二人連れのギリシャ人女性はイタリア語がわからないためか、いろいろ英語で尋ねられ、そのうちお互いの旅行についてもあれこれ話をした。11:40の列車も10分遅れで到着、乗車。

 夫婦二人のコンパートメントに入る。彼らは途中窓に顔をくっつけるようにエトナ山の噴煙を見ている。また一段と噴火がひどくなったようだ。約50分でカターニャ駅到着、どうも車両内が静か。切り離されるみたいで、あわてて降りて駅員に尋ねるとシラクーサ行きは「前だ!」とのこと。そのうちさっきのギリシャ人二人に「ついて行っていいか?」とまた声をかけられる。1等車に乗り込んだところで何となく別れた。

 14時頃シラクーサに着き、駅のホールで二人が振り返り、お互いに手を振って別れた。

 ホテルは駅から10分くらいと思っていたら出口の方角を完全に勘違いしたため30分もかかってしまった。

◆見る
 日曜のため新市街のホテル周辺には食べ物屋がなくこの日は昼抜き。
 
 目指すは考古学地区。暑いのでTシャツと短パンで出かける。

 タオルミーナ同様、ギリシャ劇場を見る。タオルミーナとは違いわりと平坦な地域にあり背後の海も遠くにしかし広く見える。劇場そのものも相当大きいようだ。観客席の上からの眺望が青い海を背景に素晴らしい。

Siracusaギリシャ劇場

 

Siracusaギリシャ劇場4
 ギリシャ劇場を後にして天国の石切り場に行く。石切り場として掘られたものの中でディオニソスの耳といわれる洞窟がある。入口部分は細長い合掌造のような穴になっていて、中に入ると天井が高く音がもの凄く反響するような気がする。

ディオニソスの耳の中

 


 少し戻りさらに南の方へ進むとローマ格闘技場がある。一つの場所に、ギリシャ劇場とローマ格闘技場というのは珍しいのではないだろうか。

Siracusaローマ闘技場


 考古学地区を出て大きな通りを東へ向かう。右手にはかなり大きな円錐形というか三角形の近代建築の聖所記念堂がそびえている。そのほぼ向かい側のパピルス博物館に入る。ここシラクーサはパピルスの町。中ではパピルスの作り方の実演をしておりどこかの外国人ツアーの人たちが取り囲んでいたので適当に切り上げる。パピルスに描かれた絵がお土産として展示されている(似たようなものがたまに日本橋の丸善で展示即売されている。値段からすると絶対現地で買う方が安かったように思う)。


◆カタコンべ

さらに北に向かい、サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会へ。ここは当初予定していなかったが地図を見たら近くだったので寄ったもの。
 これがどうしておもてからは想像できないカタコンベが地下にある。カタコンベの入口で、5分待てばガイドツアーがあるので待てといわれるがなかなかスタートしないので我々だけで中に入って行こうとしたら止められる。大人数のグループの到着が遅れたため約25分待ってからスタート。ガイドは『5分待って』と言った若い男性。

 地下は広くて多分自分達だけで行ったら訳がわからず迷子になったかも知れない。縦、横に通路が交差し、細かな区画に別れている。遺骸はすべて移されていて棺が置かれていた場所(多分、かなりの立場にあった人の墓)について解説された。解説は丁寧で長い。その英語の解説を大人数グループのツアーガイドが通訳(多分ギリシャ語)する、といった具合で倍の時間がかかった。途中で帰ることもできず50分付き合い、出口が近くなったところで切り上げて出た。

SanGiovanniのカタコンベ

 

◆旧市街
 シラクーサの町は見所が3つに別れていて徒歩で観光するには広い。カタコンベを出て南方向にあるオルティジア島の旧市街へと向かう。結構広くてほこりっぽい通りを歩き、橋を渡る。橋のたもとには観光用モーターボートの看板があり、海に突き出た島であることを実感させられる。

 島に入って間もなくかなり朽ちてはいるがアポロ神殿がある。旧市街に進むとドゥオモと広場、どこかで見たなぁと思ったら、旅行の1ヵ月前に見た映画《マレーナ》の舞台になった広場だということを帰国後思い出した。このドゥオモは外から見るだけで中に入る時間はない。

SiracusaDuomo

 

それからフォンテ・アレトゥーザに行く。パピルスが生え、また伝説の泉ということだが想像していたよりも小さい。日曜であるにもかかわらずそれほど人出は多くない。



 一旦新市街のホテルまで戻り(徒歩で25分)夕食のため再び訪れる。

 旧市街をぶらついたのは夕食のリストランテ探しも目的の1つだったたが今一ピンと来なかったので、例によってホテルのフロントに尋ね予約をしてもらう。これがなんと先ほどのドゥオモのすぐ近くのトラットリア。

 さっき戻った道のりをまた歩く。間口は狭くて店は小さいが店の前の小道をはさんでオープンエアの客席が大きないくつものパラソルの下に沢山あり、その一角に座らされた。

 いつもメニューを見て注文するのは自分の役目なのだが、渡されたメニューは手書きみたいな書体で読むのも面倒くさくなり、まったくの定食を頼む。A、B2種類あったのでそれぞれを注文。一人前35,000リラ、という破格の値段。これで量が物足りなかったら、と危惧しブルスケッタ(5,000リラ)と海の幸のスープ(Zuppa di Mare、16,000リラ)もオーダー。これが大変な間違いだった。

 とにかくボリュームが多く、お腹一杯のところへもってきて、デザートがスイカだった。向こうのスイカはラグビーボールのように横長だが一切れが半端な大きさではない。兄は最初からギブアップ!その後のカフェは、通常エスプレッソなので大した量ではないのがわかっていたが断ってお勘定してもらった。

 B級グルメといった感じのトラットリアだったが超満腹で思い出に残る店だ。

◆食べる
■Trattoria KALLIOPE (via del Consiglio Regionale, 26 96100 Siracusa)
<<Aコース>>
 ◎アンティパストはアンチョビの・・・
 ◎プリモはシチリア風スパゲッティ(魚の粉、多分ボッタルガ、を振りかける)
 ◎セコンドはムール貝(Cozze)のスープ(物凄いボリューム)
 ◎カフェ
<<Bコース>>
 ◎アンティパストはタコの・・・
 ◎プリモは小海老とトマトのスパゲッティ
 ◎セコンドはカジキマグロのグリル(タオルミーナでの昼食より美味)
 ◎デザートはスイカ
 ◎カフェ
<<追加注文>>
 ◎他にブルスケッタ
 ◎海の幸のスープ(あさり、エビ、カラス貝等がふんだんに入っていて量も多い)
 ◎水
 ◎ワイン(LEONE(3万リラ)、魚料理ということで珍しく白にする。少し甘口。)

2人で12.5万リラ(ワイン込み)

◆遊ぶ
■ギリシャ劇場
■ローマ格闘技場
■ディオニソスの耳
■サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
■オルティジア島
■ドゥオモ
■フォンテ・アレトゥーザ


◆泊まる 
Jolly Hotel Syracuse ★★★★ Twin 12,300円

JHCで予約。Jollyにしてはちょっとランクが下。部屋は狭かった。

◆買う
特に買わず

Taormina(タオルミーナ) 2001/7/21


◆行く
 いよいよシチリア旅行の始まりだ。朝6時ミラノ中央駅近くのホテルから専属タクシーでリナーテ空港へ向かう。約10分で空港着。ほぼ定刻にカターニャへ向け離陸、1時間半でカターニャ空港到着。

 普通ならばミラノに泊まらず同日乗り継ぎで日本から出たその日のうちには着けるのだが、前の年のミラノ乗り継ぎフィレンツェ行きのアリタリアが搭乗直前に訳もなくドタキャンされひどい目にあっていたのでとりあえず1泊した訳だ。 

カターニャに着く少し前、周りの乗客が席を立ち右側の窓を覗きこんでいる。何事か?と思って立ち上がり見てみると眼下の山から噴煙が上がっている。エトナ山だ(この後段々爆発がひどくなり、旅行中新聞、TVでも報道されていた。ついには火山灰でカターニャ空港が閉鎖される事態となった。我々は、カターニャから入り、パレルモから出るルートだったので支障はなかったが、逆コースなら予定通りには帰国できなかったはず)。

カターニャ行きの機上より



 空港ターミナル着が8:50、なかなかスーツケースが出てこない。ようやくピックアップし、今度はタオルミーナ行きのバスを探すが次のバスが10:30ということがわかる。

 少し待つつもりでいたがあまりにも陽射しが強いし時間も勿体ないのでタクシーに乗ることにした。乗る前に料金を訊いたところ、ガイドブックやターミナルに掲示されていた金額(15万リラ、約9000円)と同じだったので乗ったわけだがこれがとんだ食わせ者、雲助タクシーでメーターはどんどん上がり26万リラを超えていた。

 交渉もへったくれもないもんだが、最終的には16万リラ払った(甘いかも知れないが、1万リラはチップのつもり)。

ホテルは5つ星、サン・ドメニコ・パレスホテル、ホテルの玄関までタクシーで乗りつけるのが、雲助の場合はホテルの門の外でおろされる。


このホテルは、映画《グラン・ブルー》の舞台にもなった元修道院のホテル。チェックインのため玄関の右に入るが、そこは映画でもフロントとして使われていた場所だ。


 10時半に着いてしまったので、部屋を準備するまで少し待っていて欲しいといわれ結局1時間ほど待って部屋に入る。

◆見る
 ホテルを出て左方向のローマ通りに進む。遠回りした格好になったが、タオルミーナの海を眼下に見ながらウンベルト1世通りへ出る。それからウンベルト1世通りを登るようにカターニャ門に向かう。

Taorminaの海


 これで町をほぼ1周したことがあとでわかる。

 昼の腹ごしらえのため、旅行前にインターネットでチェックしておいた路地のピザ屋を探し入った。一般的にはピッツァは昼はやっていないが、オープンしていたので入ったところ『昼だからピッツァはない』とのこと、他に客があまりいないので「この店、大丈夫かなぁ」と思いできればやめたかったが(やめて出ていった客もいた)、ワインと魚のソテーと何か頼んで空腹を満たす。

 タオルミーナはリゾート地であり、見所はギリシャ劇場とウンベルト1世通りくらい。

 この通りを下って戻りメッシーナ門の手前で右に曲がりギリシャ劇場へと向かう。ジリジリと陽射しが強く昼時のため真上から太陽が照りつけてくる。狭いウンベルト1世通りで、まるで雨やどりするようにわずかな日陰を見つけ軒先を借りながら歩いた。

 

 ギリシャ劇場へ行く通りには土産物屋がならび、名産の大きな陶器の皿が飾られていた。旅の始めなので荷物になるので横目で見るだけ。

ギリシャ劇場は、海とエトナ山をバックにした素晴らしいパノラマの劇場で、ここを選んだ古代ギリシャ人の構想力には感服する。夏の野外イベントがあるらしくステージ、客席の準備がされていた。コンサートのようだったが、星空のもとのここでのコンサートはいいだろうなぁと思った。

Taorminaギリシャ劇場2

Taorminaギリシャ劇場3

せっかくの5つ星ホテル滞在なのでホテルをも楽しむことにする。泊まった部屋は380。

残念ながら新館のようでフロントから階段を下りエレベーターも使って部屋を行き来する。地形を利用して建てられているようだ。部屋の天井が高く、また照明がいい。バスローブがいかにも5つ星といういいものを用意している。

玄関に入りすぐ奥が映画にも出てきたガラスの回廊。陽射しが強くとも中はエアコンがきっちりと効いている。どこにもエアコンが見あたらなかったが、アンティーク家具のような黒い箱に納まっていて、昔の僧院を思わせる。司教の椅子、彫刻、絵が展示されている中にさりげなく商品も展示されている。

中庭は、手入れされていて南国の花が咲き乱れている。ここからみるエトナ山は絶景。自分で撮った写真をしばらくパソコンの壁紙にしていた。

SnDomenicoPalaceHotelの庭

エトナ山

プールはこの中庭を下ったところにあるが、ひっそりとしていた。

このホテルで結婚式の披露宴があるらしく、中庭には乾杯用のグラスの準備がされていた。

さて、夕食。コンシェルジェのお姉さんに幾つかリストランテを教えてもらう。そのうち『高いですよ』といわれたところを見に行く。ウンベルト1世通りを少し下って右の路地を入ったところにあったが、店の前にメニューが出ていて確かに高い。結局、教えてもらったお勧めのリストランテでもあった「FIGARO」に出ていた《アル・ドゥオモ》(実は旅行前からの候補)に決め予約をお願いした。

昼間うろうろしている時アル・ドゥオモの場所はわかっていた。ドゥオモ広場に面している。建物1階の屋上に折りたたまれた大きなパラソルがあった。それほどのリストランテとも思えなかったのだが。

狭い路地を入りその建物の階段を上がる。中はきちんとしたリストランテ。ところが奥へ案内された席は屋上のパラソルの下。しかし、暗くなっていくとこれが実にいい雰囲気。東京と違って夜になると屋外でも涼しい。おまけにすぐ側には大聖堂。9時ごろだったろうか、2組もの新婚カップルがドゥオモの前で記念撮影するところまでワインを飲みながら楽しめた。

◆食べる
■Al Duomo (vico Ebrei 11 98039 Taormina)
◎アンティパストはタコのサラダ、カポナータ
◎プリモは海の幸のパスタ、空豆のスープ
◎セコンドは魚介のフライ(ホタルイカ、鰯、小さな赤い魚。オレンジと一緒に食べる)、
小えびの何とか(パン粉でふっくらと固めたもの)
◎デザートはシチリア名物のカッサータ、カンノーロ(めちゃくちゃ甘い)
◎水、食後酒
◎ワイン(CURTO Fontanelle Nero D’a vola 100% Vendemmia 1998 (5万リラ))
2人で計20.7万リラ(ワイン込み)

◆遊ぶ
■エトナ山
■ギリシャ劇場
■ウンベルト1世通り

◆泊まる
San Domenico Palace Hotel Taormina ★★★★★ Twin 51万リラ(朝食つき)

メールで直接予約。宿泊日は7月第3週土曜日だったがインターネットホームページでこの日がいわばシーズンオフ最終日であることを確認して予約。日程上無理だったができれば2泊はしたかった・・・・・。絶対に勧めたいホテル。

後輩に話したら彼は即実行、冬場だったためチェックイン時に海の見える部屋を頼んだらそうしてもらえたとのこと。

庭に面した朝食も内容、雰囲気といい抜群。スプマンテも供されていた。朝にスプマンテが出ているのは高級なホテルの証と聞いたことがある(私の経験ではここ以外ではフィレンツェのベルニーニパレスホテル、他にもあるでしょうが)。

ホテル内リストランテも良さそうだ。

ホテルから当日の天候(晴れときどき曇り)、気温(22度~29度)が記された名刺大のカードを渡され記念にとっている。
従業員はリゾートらしく白のポロシャツ着用。

◆買う
アーモンドのワイン(9,000リラ) どちらかといえば梅酒のような味わい。